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パキスタン  大洪水続報               かけはし2010.9.13号

被災者は2千万人を超えたが
国際的反応は今も鈍いままだ

ファルーク・タリク

もっとも破壊的
な大洪水の一つ

 パキスタンの数カ所では、洪水は今なお危険なレベルにある。洪水の被害を受けた人びとの数は二千万を超えた。気象機関はさらに猛烈な降雨を予報している。これは、世界でもっとも破壊的な洪水の一つと認められるに至った。国連は再度パキスタンへの資金援助を訴えた。このもっとも破滅的な時期にあって、パキスタンを助けるための国際的な反応は極めて緩慢なままだ。
 パキスタン史上最悪の洪水は、カイバル―パクトゥンクワ州(旧北西辺境州、アフガニスタンと国境を接する地域、KP)並びに南パンジャブ(インドと国境を接するパキスタン東部中央部、)のほとんどを破壊した後、今やその焦点はシンド地方(カラチを含むパキスタン南部)にある。洪水はインダス川峡谷地帯を流れ下った後、普通ではない猛烈なモンスーンの降雨からさらに力を得てこの地帯に至った。この異常な降雨は国の北部地域で、およそ三週間前に始まった。
 大洪水は、道路や橋やその他のインフラストラクチャーを破壊し、政府の対処能力を圧倒し、こうして破壊の爪痕を残した。それはおよそ二千万人に被害を及ぼし、内千六百人が死亡、約五百万人がホームレスとして残された、と見積もられている。
 労働者救援キャンペーン(LRC)はパキスタンの数カ所に救援キャンプを設置した。ラホールのキャンプは毎日数千ルピーの資金を調達している。
 LRCは、パキスタンで十万人近くが亡くなった地震の時、二〇〇五年十月に活動を始めた。以来、非常事態があるときはいつでも活動してきた。
 LRCのメンバー組織には、進歩青年戦線、女性労働者ヘルプライン、労働者教育基金、全国労働組合連合、CADTMパキスタン、パキスタン労働党(LPP)、パキスタン人のためのパキスタン、そしてパキスタン・キッサン・ラビタ委員会が含まれている。
 以下は、パキスタン労働党連邦執行委員会メンバーであるファルーク・アーマドが率いた四人のLRCメンバーのキャンペーンチームによる、カイバル―パクトゥンクワ州の連合自治体についての報告だ。

軍と政府は普通
の人びとを放置

 三万四千人以上の人口をもつノウシェーラ地区の連合自治体、ピル・サバクは、七月二十九日に襲ってきた今回の洪水によって完全に破壊されている。そこには、千張り以上のテントの、いわばテント都市が生み出されているが、ほとんどの人びとはいまだに、洪水で部分的に破壊された彼らの家で暮らすことを強いられている。しかしそれらの家は、生命を奪う結果に帰着する大規模な建物崩壊を、いつでも引き起こす可能性があるのだ。
 この地域では、ほとんどすべての家が破壊されただけではなく、家財も流された。ほとんどの人は同じく畜牛や山羊をも奪われた。人びとは、食べ物、飲み物、着るものなど、すべてがないままに放置されている。
 ピル・サバクは、主には労働者階級の人びとが暮らす町であり、彼らは大理石工場、採石工場、建設部門、また農業部門で働いている。
 LRCチームが昨日この地を訪れた際、当地の人びとはチームに、十四フィートもの深さの流れが屋根の頂点を超すようにこの町に流れ込んだ、と伝えた。この大激流は人びとが家の寝室で寝ていた午前四時頃に襲ってきたが、深い急流は、彼らの所持品を救う暇などまったく与えなかった。
 洪水が来るとすぐ、カブール川で旅行客のために使われていた小さな船が人びとの避難を助け始めた。これらの船は当地の労働者階級の人びとが動かしていた。船の所有者は、普通の人びとの命を救うために最善を尽くした。
 一方、軍のヘリコプターは現場に着くと、まず軍人家族と大邸宅の住人を避難させ始めた。当地の人びとは、軍による支援のこのはっきりした差別を思い知ることとなった。彼らはチームに、軍のヘリが避難にかけつけるのを見て、家の屋根のてっぺんに追い詰められた多くの人々が空に手を振ったが、それは人びとの避難にはまったく使われなかった、と伝えた。
 人びとは、その上政府は洪水の危険について間に合って情報を与えなかった。と非難している。ある人びとは、真偽不明の噂としてだが、この洪水は、ダム近くの軍基地を守るためにワルシクダムから許可を得て放流されたもの、と語った。
 LRCチームは、ピル・サバクLPP書記長、ペルヴァイズ・ララの家も見た。それは完全に破壊されていた。彼と彼の家族は今、ピル・サバク住民の多数が今あると同じく、家がないままの境遇にある。ララはチームに、彼らが百五十張りのテントでテント村をつくり出すよう手配したこと、そこに二百五十人以上の家族が避難所を得ていること、を伝えた。
 ララはまた、洪水の後ほとんど三日の間彼らは何も食べなかったこと、その後今まで二日間、一つのNGOがいくらかの食べ物を配り始めた、と伝えた。さらに、政府当局者はこれまでただの一人もこの地域に来ていない、とも伝えた。KP州情報相、ミアン・イフティカルは、この災害で州政府は人びとを助けるために何もできない、とはっきりした言葉で語った。
 水はピル・サバクのそこら中に今も残っている。悪臭が至るところで人びとにつきまとっている。消化器と皮膚の病気が子どもたちを狙い始めている。飲むことのできるきれいな水はまったくない。疫病という由々しい危険が人びとを追い立てている。ピル・サバクの人びとにとっての唯一の医療施設、当地政府の診療所は完全に破壊されている。

 人びとは今以下のものを必要としている。調理用油、小麦粉、牛乳、砂糖、きれいな飲料水、そして野菜のような食料品、衣類、テント、陶磁器類、さらに医薬品だ。
 歴史上最悪の洪水に直面しているパキスタン民衆を手助けするために、労働者救援キャンペーンに是非寄金を訴える。(本紙8月23日号掲載のLRCアピール参照)(「インターナショナルビューポイント」2010年8月号)


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