| 反原子力の日 10・26集会 かけはし2002.11.4号より |
十月二十六日、損傷隠しとデータ改ざんの発覚で追いつめられた原発推進派をさらに追いつめ、脱原発へのうねりを作り出すために、「もうおしまい!ウソで固めた原子力」と題して、反原子力の日10・26集会が開かれた。
主催は「原発とめよう!東京ネットワーク」。会場の豊島区民センターには、約百人が集まり、青森、静岡、新潟、福島からの報告を聞いて、いまこそ脱原発へ!の意志を新たにした。集会後、「聖者の行進」のメロディーで「原発 いらない いらない原発 暮らしを奪いさる 原発いらない」と歌声を響かせながら、にぎやかに池袋の街をデモ行進した。
集会は、婦人民主クラブの山口泰子さんの司会で始まった。最初に主催者を代表して、原子力資料情報室の伴英幸さんが、損傷隠しとデータ改ざんの発覚をめぐる状況について報告、損傷隠しを合法化する「維持基準」の導入と電力自由化の中での定期点検の短縮など、危険をさらに増幅する行為を許してはならないと訴えた。
六ケ所村再処理工場稼動阻止を
青森からは、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会/止めよう再処理!全国実行委員会副代表の平野良一さんが、前日の再処理工場の二〇〇五年操業開始の断念を求める百万人署名提出行動について報告した。
平野さんは「あきれたうそつき 壊れた原発 修理もしねえ 六ケ所再処理は放射能ばらまく たまげた工場だ われぁ 放射能浴びたぐね! 止めるべし 皆して」というコピーを紹介した。地元のラジオ局で放送しようとしたところ、「無責任」で「再処理について虚言を弄するもの」という「理由」で拒否されたものだという。
平野さんは訴えた。「しかしこれが青森県民の意志だ。あらゆる核のゴミが集められ、六ケ所村は核のゴミ捨て場にされようとしている。IETR(核融合実験施設)のゴミまで引き受け、大学や病院の放射性廃棄物まで持ち込まれるだろう。高レベル核廃棄物のガラス固化体が管理センターに運び込まれている。何であんなものを人間社会に作り出してしまったのかということから議論すべきだ。英仏の再処理工場で周辺が汚染され、危険性が実証されている再処理工場を、『漏れないうちは安全』と言うような体質の会社に操業させ、使い道のないプルトニウムを抽出させ、施設全体を放射能まみれにしてしまうのか」。
浜岡原発は4基全部止まっている!
静岡からは、浜岡原発止めよう裁判の会事務局長の馬場利子さんが報告。馬場さんは、七月二十五日に千人の原告団で出発した裁判について報告した。
「老朽化してぼろぼろになった浜岡原発は地震に耐えることができない。地震は止められなくても原発は止められる。原発が止まれば電気も止まるといわれたが、事故と事故隠しで浜岡の原発は四基全部止まっている。でも電気は止まってはいない。裁判の原告団は千六百五十人になった。二千人を目指したい。すでに静岡県内の三十二の自治体で、一・二号炉の廃炉や東海地震が起きるまでの休止などを求める決議が出されている。原発を卒業し、自然エネルギーの時代に向かおう」。
住民投票の結果を守った刈羽村
新潟からは、みどりと反プルサーマル新潟県連絡会事務局長の小木曽茂子さんが、刈羽村住民投票の結果を覆そうとする国・電力・県知事・柏崎市長・刈羽村長の全力をあげた策動をはね返した闘いの経過について報告した。
小木曾さんはさらに、「事故隠しやデータ改ざんを行った犯罪者はだれか、責任者はだれかを明らかにさせなければならない。来年四月に日本からの原発輸出が迫っている台湾に行ったが、若い活動家から『こんなひどいことが次々にわかってきているのに、どうして日本では大臣が辞めないのか』とたずねられた」と訴えた。
福島県内10基のうち6基が止まった
福島からは、脱原発福島ネットワークの下山田富戸さんが報告した。下山田さんは、原子炉格納容器の気密試験データ偽造が発覚して福島第一原発1号炉が一年間の運転停止に追い込まれたことを一面トップで報じる地元紙を掲げながら訴えた。
「県内十基の原発のうち、六基が止まっている。点検記録の改ざんや損傷隠しについての公開質問状に対して、東電は『古いことであり責任の所在はわからなかった。だから責任を持って公表することはできない』などと回答した。内部告発当時の原子力本部長で副社長を務め、原子力部門の最高責任者だった榎本さんへの聞き取り調査もしていない。知事も『協力できない』と怒っている。企業に安全を丸がかえしている国がおかしい。地元では反原発を言いやすい状況が出てきている」。
「事故隠しの合法化」を許さない
山口泰子さんが、事故隠しの合法化をねらう「維持基準」「事後保全」導入に反対する「原子力安全規制問題国会プロジェクト」について報告。続いて、四人のパネリストの報告を軸に、会場からの質問や意見を交えて、特に若い人たちにどのように運動を広げるかをめぐって討論が行われた。
集会後、「聖者の行進」や「バナナボート」「明日があるさ」などの替え歌で、にぎやかに「いまこそ脱原発を!」のメッセージを送りながら池袋の街をデモ行進した。 (I)
六ケ所再処理工場稼働断念を
内閣府と青森県に七十四万八千四百九十五筆の署名を提出
十月二十五日、政府・経済産業省がなおも強行しようとしている六ケ所再処理工場の二〇〇五年稼働の中止を求めて、今年四月から取り組まれてきた百万人署名の提出行動が行われた。
この日、提出された署名は七十四万八千四百九十五筆。その内、内閣府には二十万二千二十一筆、青森県知事には五十四万六千四百七十四筆が提出された。東京では、午前十一時三十分に内閣府に署名を提出、午後〇時三十分から衆議院第一議員会館で院内集会が開かれた。
最初に、主催者を代表して原水禁国民会議事務局長の福山真劫さんがあいさつ、続いて止めよう再処理!青森県実行委員会の奈良岡克也さんが、何としても二〇〇五年の稼働を止めるために開始した百万人署名運動の、この六カ月間の経過について報告した。
社民党衆議院議員の金子哲夫さんのあいさつに続いて、原水禁の井上年弘さんが午前の署名提出から午後の経済産業省・核燃料サイクル課への申し入れ、電気事業連合会への申し入れ、電源開発への申し入れまでの行動について提起した。さらに、原子力資料情報室の西尾漠さんが東京電力の事故隠しと再処理をめぐる状況について報告した。
平野良一さんは青森の運動の現状について報告した。
「すべての核のゴミが六ケ所に持ち込まれて、核のゴミ捨場にされようとしている。一番レベルの高い使用済み核燃料のプールができて運び込まれているが、昨年七月からプールの水漏れが始まった。最初は漏水だと認めようとせず『出水』だと、ほとんど意味不明のことを言っていたが、半年以上たって今年二月、ようやく水漏れだと認めた。しかしどこから漏れているのかわかないまま水漏れが続き、さらに五カ月たった七月、ここが水漏れ個所だろうというところを切り取って東海村に送り、二カ月かけて検査したが結局そこには穴は開いていなかった。まだ、どこからどうして漏れているのかわからないという状態だ。そのプールに、使用済み核燃料がどんどん運び込まれている」。
「プルサーマルをやる見通しが完全に消え、プルトニウムの使い道がなくなったのに、日本原燃は再処理工場の操業は予定通りと言い、木村知事もプルサーマルの見通しを問おうともせず、使う見込みもないのにMOX工場の建設のスケジュールも予定通りと言う。このような態度に反対していると言う事実を示すために百万人署名を始めた。まだまだ運動の閉塞状況に風穴を開けたとまでは言えないが、東電などの事故隠しを追い風にして何としても再処理を止めたい」。
核のゴミキャンペーンからは、東京・町田市を中心にした署名活動の報告、「国・東電などの事故隠し究明委員会国会プロジェクト」からは「国の原子力安全行政に焦点をしぼって活動する」という報告が行われた。福島からは、県が行ってきたエネルギー政策検討会の中間報告についての報告がされた。「この間、国の原子力政策への批判を強めている佐藤知事の意向は、『いま突っ走ってはだめだ。とにかくいったん立ち止まれ。動かしてしまえばものすごい核のゴミが出てしまう』というものだ。プルサーマルの息の根を止め、再処理を完全にストップさせるまで頑張ろう」。
最後に、「再処理署名提出に当たってのアピール」が読みあげられ、経済産業省、電事連、電源開発への申し入れ行動に移って行った。(I)
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