| 2010年(第5回)反トヨタキャンペーン かけはし2010.10.11号 |
【愛知】九月十九日〜二十日、愛知県名古屋市と豊田市で「2010年(第5回)反トヨタキャンペーン」がフィリピンから来日したフィリピントヨタ労組の二人の組合員と同労組を支援する会のメンバーと共に二日間にわたって闘われた。
トヨタ資本は二〇〇〇年に結成されたフィリピントヨタ労組に対し団体交渉拒否、組合員二百三十三人の解雇、刑事告発、御用組合の結成、果ては工場内に軍隊を駐屯させるなどあらん限りの攻撃を繰り返している。
さらに、本年六月二十五日には現職組合員九人を虚偽のでっち上げ嫌疑で予防的停職処分を行い、八月三日には、その内の四人(副委員長を含む)を解雇した。このような攻撃に対し「フィリピントヨタ労働組合」と「フィリピントヨタ労組を支援する会」同「愛知の会」はフィリピントヨタ労組から代表を招請し、共にトヨタ愛知本社に対する要請行動、抗議、支援連帯集会を闘いぬいている。今回はその第五回目の総行動である。
JR名古屋駅前で情宣
第五回反トヨタキャンペーンの第一日目は十九日、JR名古屋駅前ミッドランドスクエア(トヨタビル)周辺での情宣から始まった。午後二時「フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会」に結集する労働者、市民が続々と集まり赤旗や多くののぼりを林立させ宣伝カーのスピーカーからトヨタ資本の暴挙を暴露し徹底的に弾劾する発言が行われ、この間の詳細が書かれたビラが配布された。
そして午後三時すぎには、多くの市民が注目する中、大型バスで神奈川県からやってきた「支援する会」の労働者ら約三十人と来日したエド・クベロ委員長とウェニー副委員長が合流した。情宣部隊は二倍に膨れ上がり、さらに多くの旗、のぼり、大きな横断幕が林立し圧倒的な注目を名古屋市民から受けたのである。情宣は四時まで行われ夕方から豊田市で行われる集会に参加するため移動した。
支援拡大めざし
連帯交流集会
午後六時三十分から豊田産業文化センターで連帯交流集会が行われ約八十人が参加し成功した。
最初に主催者あいさつとして「愛知・支援する会」共同代表の若槻さんが発言した。「今年、新たに四人の組合員が解雇された。なんということか。トヨタは今、危機的な状況であり、なかなか回復できない状態だ。しかし、これはチャンスだ。これを逃さないようにしなければいけない。一つ一つの闘いに勝利する。このことがトヨタ資本の横暴なやり方を変えていくチャンスになる。社会的責任を持つトヨタ資本は二百三十三人と新たに解雇された四人を職場に戻すべきだ。フィリピントヨタ問題は国際的な問題だ。国際的な闘いを支援するのは当然だ。日本のナショナルセンターも注目して支援するのは当然だ。もっともっと支援の輪を広げて解決しよう」。
続いて「支援する会」事務局長の小島さんが報告した。小島さんは新たに解雇された四人について「これは、でっち上げの理由による解雇だ。まず六月二十五日、九人の組合員が予防的出勤停止という処分を四十日間受けた。そして八月三日に解雇通告があった。出勤停止というのは処分ではなく自宅待機だった。そして職場に戻るということを前提にしていた。待機が解かれた四人に解雇通告が出された。なぜ今、そのようなことをしたのか? それは会社側についた弁護士が四人については職場復帰ではなく『金銭和解』という案を出したことにある。つまり二百三十三人に対してILO勧告ならびにILO総会が『職場復帰に向かって協議せよ』とフィリピン政府に言ってきた。それに対してトヨタは抵抗してすべて金銭和解に持ち込もうとした」と、説明した。
さらに日本の動きとして「IMF(国際金属労連)の流れとして九月の二十八、二十九日フィリピンの地でアジア地域の責任者の会議が行われる。そこでこの問題が取り上げられようとしている。これに抵抗しようとしているのが日本のIMF・JCだ。トヨタの労組はIMFに対して『これは組合が悪いのだ。仕組まれたのだ』と主張している。この動きがあることを他の組合も知っている。知ってる中で日本の自動車総連が邪魔をしているという現実だ」と報告した。
これからの行動について「職場配転の問題から労使交渉へトヨタがこの問題に対してでっち上げをしてラインを止めて解雇した。この問題に関して、世界の労働組合は疑問視している。職場配転の問題は本来なら労使交渉の場でやらなければいけないのにそれを拒否している。詳細は残業時間に就労を拒否したことに対する職場配転だ。これについて交渉しようとしたらトヨタ資本は拒否した。今回の世界キャンペーンは五回目になる。これからの行動として、トヨタ自動車社長・豊田章男、トヨタ自動車フィリピン社長・菅田信道に抗議要請文の提出と署名。これを今、世界で取り組んでいる。日本では今、約四百の団体が署名してくれている。また個人でも約五十人。明日はトヨタ本社への要請行動を行う。次の日には日本の外務省に要請行動を行う。さらに二十二日にはILO理事に面談し、全労連にお伺いして要請行動をする。フィリピンにおいては九月二十七日から十月一日までの一週間を特別行動デーとして抗議行動を行い日本からも代表が参加します。世界からも代表が参加する」と説明し、これからの支援と注目を訴えた。
また、この行動に関東から参加した以下の組合、労働者が紹介された。神奈川高教組、全造船いすず自動車分会、県央ユニオン、ユニオン横浜、ユニオン横須賀、全労済分会、川崎清掃、川崎南部労組交流会、全造船浦賀分会、神奈川シティユニオン、フリーター全般労組、栃木県の労働者、女性労働者、日本鋼管。
国際反響呼ぶ
トヨタの卑劣さ
続いて来日したフィリンピントヨタ労組エド・クベロ委員長とウィニー副委員長が登壇し、最初にウィニーさんが新たな解雇処分の攻撃を報告した。
「トヨタ資本が組合の要求や交渉をことごとく拒否しているのに対し、フィリピンの法律ではストライキをやる場合二週間前に労働雇用省に通告しなければいけないので通告した。すると雇用省は『それは止めてくれ、そのかわり六十日の出勤停止と四人の解雇者を別の所に配転すると言ってきた。解決金をもらって退職する案を出してきたりした。組合は拒否した。私たちは昼休みに集まって抗議行動を行ったりした。新たな四人の解雇は組合に大きなインパクトを与えた。組合はこの情報を国際機関、たとえばIMFなどにどんどん流している。IMFの執行委員の何人かから良い反応をもらい、反撃に出ている』。
次にエドさんがこの間の状況とこれからの行動について報告した。
「これからの行動として、スカイプで秘密の会議をしたりもしている。しかしIMF・JCはわざと情報をブロックして知らせないようにしている。オーストラリア、ブラジル、南アフリカのIMF加盟団体は私たちの支援を主張している。オーストラリアの組織は抗議の手紙を日本のトヨタに送った。IMFは九月二十八〜二十九日にマニラで会議を開くのですが新しい四人の解雇についても話し合われる予定だ。今、世界で反トヨタキャンペーンを行っているがフィリピンでも九月二十七日に日本大使館に向けて大規模な抗議行動を行う。二十八日には解雇者とその家族、日本からの支援者や労働組合といっしょに会議を行う予定です。二十九日にはフィリピントヨタ工場の前で大きな抗議行動を行う。三十日には工場の周りの地域で情宣を行う。十月一日にはさらに大きな街に出て宣伝を行う。支援をお願いします」。
連帯発言として笹島日雇労組、東海民衆センター、愛知全労協、名古屋ふれあいユニオンなどが発言をし、最後に閉会あいさつを行って集会は終了した。
トヨタ愛知本社前
怒り込め情宣申し入れ行動
九月二十日、午前七時よりトヨタ愛知本社周辺と三河豊田駅で情宣活動が行われたトヨタに出勤する労働者にビラを配布。受け取りは決してよくない。トヨタ資本がビラをうけとらないよう指導しているからだ。
だが、それでも少数ではあるがビラを受け取る人は増えつつある。職制に取り上げられないよう受け取ってすぐにカバンに入れる人が多く見られた。午前九時情宣を終了しトヨタ本社正門前に集合、大横断幕、のぼり、プラカードを多く掲げ、申し入れ行動団を見送り、支援集会を開始した。各団体の代表は、それぞれの思いをトヨタに働く労働者に訴えるようにアピールし共に闘うことを訴えた。
申し入れ行動を終えたエドさんとウィニーさんが報告を行った。エドさんはひときわ大きな声で「彼らは人ではない。今回、被解雇者だけが犠牲になったのではない。彼らの生活、人生、家族も犠牲になったことを全く感じていない。トヨタは世界一知られている企業だが一方で世界一組合潰しをしている企業だ。二十年にわたって会社のために働いてきた労働者の首をきるということをやったのです」と怒りをこめてトヨタ資本を糾弾した。
さらに「私はさきほどトヨタ本社内を歩いている時に、ここで働いている労働者を一人見た。彼は手を上げて私たちに対して励ます行動を行ってくれた。それがとても励みになった。一人だけではなく十人、十人だけではなく百人の労働者が支援をして労働者の賃金、権利、正義、すべてを守るために活動しよう!」と決意を語り、最後に「連帯万歳!」と拳をふりあげて締めくくった。
この後も各人の発言で気勢を上げ、最後にトヨタ本社に怒りのシュプレヒコールと団結ガンバロー三唱を行い勝利を誓い合い二日間の行動は終了した。(青木)
第22回全労協大会
社会的問題に立ち向う労働組合の追求さらに
社会的役割り強
調の議長提起
九月二十〜二十一日、熱海で全国労働組合連絡協議会の第二十二回定期全国大会が代議員七十人はじめ傍聴、来賓など百人程の参加で開催された。
大会ではますず、大会運営説明、議長選出などが行われ、藤崎良三議長が主催あいさつを行った。
「民主党政権は一定の成果をあげたが政治とカネ、沖縄、消費税発言などでねじれ国会を生み出し政治の混迷をもたらした。いま、官僚、検察、マスコミは歴史の転換をやめさせようとしている」。
「世界の景気回復は遅く雇用は増えず企業倒産、国家倒産に到っている。日本においても失業率は五%と高止まっているし、年収二百万以下の労働者は一千万人を超えた。労働者の精神疾患や過労死は相変わらずだ。労働者派遣法の抜本改正、公契約条例(法)の制定、郵政非正規労働者の正社員化などセーフティ・ネットの充実が必要だ」。
「国鉄解雇問題は雇用を残して二十四年目にして解決局面にある。国労闘争団の自主生産などが『久しぶりの勝利』に繋がった。非正規労働者や外国人労働者から労働組合はエゴ集団といわれてもしかたがない。派遣村などにも取り組んだが、社会的問題に取り組めない労働組合であってはならない。全労協運動の発展のために今大会を成功させよう」。
将来展望「研
究会」設置へ
来賓あいさつでは、社民党の服部衆議院議員が「戦闘的で階級的な労働運動の第一線で闘う皆さんに敬意を表します。沖縄県知事選挙に伊波宜野湾市長が立候補した。沖縄民主党は態度を決めていないが、伊波勝利のため皆さんのお力をお願いしたい」と発言した。
新社会党宮川労働運動委員会委員長は「一部のエリート社員のみ生かす資本のやり方が一日九十人、十一年連続の三万人を超える自殺者を生み出している。労働相談や地域ユニオン運動に取り組んでいきたい」とあいさつした。山下連帯する会事務局長が国鉄中央共闘も代表して「国鉄闘争は大きな財産を残した。国労、支援、全労協にとっては歴史的に大きな評価をうけるものとなると考える」と発言した。山崎顧問は「当初、全労協は一年もたないと連合会長に言われた。『あって良かった全労協』との評価をうけた。健闘を期待する」と発言した。社民党福島党首などからの祝電、メッセージが読み上げられた後「総括・方針」が中岡事務局長から提案された。
内容は、労働者派遣法改正運動の現状、外国人研修生・実習生への救援運動、公契約条例(法)制定の取り組みと最賃の引き上げそして地域共闘、連合の原発容認から推進方針を批判し反原発の取り組み、組織強化と青年部の確立などで、とりわけ強く強調されたのは今後の全労協について「研究会」を作って将来展望を検討していくとの方針であった。鈴木事務局次長から財政決算・予算が提案された。
その後、大会は翌日をまたいで質疑応答となった。修正意見はなく議案補強意見であった。発言者は二十人。大半は争議報告と支援要請であったが、国労本部の浜中書記長は四者四団体による不団結の克服、共闘の力で風化論を克服、今後の雇用確保にむけての取り組みへの支援などを訴えた。
組織強化にむけては大阪全労協青年部、全国一般全国協、徳島全労協からあり、「公契約条例の制定」については練馬全労協が、新たに大阪ゼネラル・ユニオンに加盟した「ホテル東横イン労組」(社員数7000人)から労基法無視の職場実態の報告と支援要請があった。
答弁に立った中岡事務局長は組織強化については「組織化学習会」を東西で行う。全労協の将来展望のための「研究会」は学者、文化人も招請して行うことを提案した。総括・方針、会計決算。予算は拍手で承認された。
遠藤選管委員長からは二十三期の新役員体制が提案された。この二十二回大会をもって十二年間議長にあった藤崎氏が引退し、あらたに副議長である金澤寿氏(東京清掃労組)の議長就任と中岡事務局長(留任)など新役員が提案され拍手で承認された。大会宣言など四本の特別決議を採択した。
金澤新議長は「藤崎議長の後任は荷が重いが、全力で皆さんと共に闘う」と就任あいさつを行い、高野副議長の閉会あいさつの後、新議長の音頭で「団結結頑張ろう」を三唱して大会を終了した。
闘い抜いた国
鉄闘争、次は
全労協二十二年の中心課題は言うまでもなく「国鉄闘争」であった。その闘いが雇用問題を残して一定の決着をみるなかで今後の全労協運動の方向をいかに定めていくか、その存続もふくめて重要な大会となった。運動的には労働者派遣法の抜本改正運動、公契約条例(法)の制定と地域運動などであるがその視点は藤崎前議長あいさつの中にあった「社会問題に取り組む労働運動」にある。地域ユニオンや外国人労働者支援などは各地の全労協加盟組合によってすでに一定の成果をあげている。提案された今後の全労協の将来展望を見据えた学者、文化人をふくむ「研究会」が実りあるものになることを期待したい。
(Y・S)
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