| 「政治主導で解決してほしい」緊急院内集会 かけはし2010.3.8号 |
|
派遣法抜本改正の骨抜き阻止規制緩和条項、例外を許すな |
怒りを込めてもう
一度立ち上がろう
二月十七日、派遣法改正要綱が労政審に諮問された。非正規、派遣労働者の怒りを呼び起こした年末の改正答申をほとんど踏襲した、抜本改正にはほど遠い内容だ。年末答申以降繰り広げられた当事者の多くの働きかけ、国会審議を場とした共産党の要求、あるいは三党協議における社民党、国民新党の要求は、ことごとくはねつけられた。
答申に何も足さず何も引かない、これを守らなければ使用者委員総引き上げ、このような脅しが日本経団連からかけられていたという。また、答申を容認した連合も日本経団連のその動きに暗黙の同調を示した。これらを背景に、ともかく「改正」に手は着いたとの建前の下、民主党の改正への動きも明らかに鈍った。法案提出決定の閣議は三月十二日に予定されている。
この状況を再度草の根から押し返すべく、労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動は、二月十九日、標記の院内集会を緊急に呼びかけた。まさに緊急、用意できた部屋はマイクも使えず、使える時間もわずか一時間という慌ただしさだ。しかし参加者は次々とつめかけ、会場はすし詰め状態。女性労働者の参加も目立って多かった。最終的に、受付参加者数は百三十二人、他に議員秘書も多数と報告された。
緊張感の中で集会は、福島みずほ社民党党首の発言で始まった。国会審議の関係だという。福島党首は、「社民党は既に、『常用雇用』の定義、見なし雇用、派遣先責任、事前面接、施行時期の五項目要求を決定し、この項目について連日大臣交渉、厚労相交渉を行っている」、「抜本改正にふさわしいものにしなければならない」、「大きな力を作ってほしい」と訴えた。次いで発言は共産党の山下よしき参院議員。衆院予算委員会における志位委員長の論戦を紹介しながら、要綱の二つの大穴、「常用雇用」を理由とした例外条項、専門二十六業種を例外とする規定、を何としてもふさぐことが緊急課題と強調し、国民の運動を作り上げようと呼びかけた。久方ぶりに国民新党の亀井亜紀子副幹事長の出席が予定されていた。しかし国会予定が入りそれも不可能に。それでも集会には、「『常用雇用』の定義の問題は譲れない、これを譲らないということは党の決定」とのメッセージが託された。
春闘の中で闘い
を再組織しよう
主催者からは棗一郎弁護士が立ち、要綱の問題点を具体的に解説した。大きくは二点。一点目は、昨年六月の三党案と比べても大幅な後退であり、法的実効性の点でも問題を残すこと。二点目は、事前面接の解禁や、日雇い禁止に政令で定める業務という例外を認め、それが製造業派遣禁止の例外にまで連動するという規制緩和条項があること。
これらの問題点が労働者にどのような事態をもたらすか、関根秀一郎派遣ユニオン書記長と東部労組の菅野さんから厳しい批判が行われた。関根さんは、見なし雇用が派遣契約条件での雇用となっている以上、契約更新しないというだけで雇用打ち切りが可能となり実際には使えない内容だという点、また事前面接解禁が、責任を全く伴わない派遣先権限の強化だというとんでもない問題を指弾した。菅野さんは、派遣添乗員の労働強化問題への取り組み経験から、派遣先責任の明確化がない限り派遣労働者を守ることは難しい、と訴えた。
次いで今年の派遣村村民の二人も、「差別のない社会にしてもらいたい」、「大きな派遣会社ほど問題が大きい。調査機関がほしい」と訴えた。緊張の中口元をふるわせ、言いたいことが山ほどありながらなかなか言葉にならない二人に、会場は、一言も聞き漏らすまいと、水を打ったように静まった。
途中駆けつけた社民党の山内徳信参院議員、民主党の工藤ひとみ衆院議員も発言した。山内委員は、「一人の労働者の気持ちで活動している。きちっとした闘いをやろう」と語った。工藤議員は、おそらく民主党内の空気を背に、「懸念される内容が入っていることが十分理解されない。何とか理解を求める主張をしたい。調子のいいことは発言できないが是非連携したい」と、重い口ぶりながら正直な発言だった。民主党からは他に、稲見哲男衆院議員、平山泰朗衆院議員も出席していたことが紹介された。
時間が押し詰まる中、最後に井上久全労連書記次長が、「怒りを込めてもう一回立ち上がるときだ。政治は変えた。中身を作るのはこれから」と簡潔にまとめを提起。参加した労働者たちは満場の拍手で、抜本改正を手にするために最後まで力を尽くし行動する意思を確認した。今春闘の中で広範な民衆の声を集め、日本経団連や厚労省官僚の策動など跳ね返し、何としても抜本改正を勝ち取ろう。(神谷)
|