| 先住民族の自決権を擁護しよう かけはし2010.3.8号 |
「北方領土の日」を考える集い
アイヌ民族への差別・収奪を正当化するのが「固有の領土」論 |
流れは変わ
りつつある
二月七日、東京の麹町区民館で「『北方領土の日』を考える集い――アイヌ民族に連帯する視点から――」が開催された。主催は同「集い」実行委員会。
一九八〇年に衆参両院で「北方領土の日」の制定を含む「北方領土問題の解決促進に関する決議」が全会一致で議決された。翌八一年一月六日に二月七日を「北方領土の日」とすることが閣議決定されて以後、「日本固有の領土・北方領土を取りもどそう」という集会がこの日に合わせ官民挙げて毎年のように行われている。二月七日は、一八五五年に日本と帝政ロシアの間で国境の取り決めが最初に行われた日露和親条約が締結された日である。
一九八〇年という年は、ソ連軍のアフガン侵攻や米ソの核軍拡競争を含めて、米ソ間の緊張が大きく高まった時であった。この「我が国固有の領土=北方領土を取り戻そう」という「北方領土の日」キャンペーンが、「米ソ対決」の中で反ソ排外主義を煽る政治的意図を持っていたことは明らかだった。しかしそこには先住民族としてのアイヌ民族の存在はまったく無視されていた。むしろ中曽根首相の「日本単一民族国家」論に端的に示されていたように、「和人」によるアイヌモシリ侵略と「国内植民地」化、アイヌ民族の差別・収奪・同化絶滅政策を正当化するものが「固有の領土」論であり、「北方領土の日」制定だったのである。
しかしこの流れは変わりつつある。
「近年では、『先住民族の権利に関する国連宣言』の採択(2007年)、『アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議』の成立(2008年)、『アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会』による『報告書』の提出(2009年)などが続いて、不十分な点は多々ありつつも、先住民族アイヌの復権が社会的に強く要請されており、『固有の領土』論の根拠はますます弱くなっています」(集会呼びかけビラより)。
この日の集会は、こうした流れをさらに大きなものとし、先住民族としてのアイヌ民族の権利の確立を推進していくために準備された。
アイヌ=日本人と
いう認識の問題点
集会の講師は故萱野茂参院議員の息子さんで、「世界先住民族ネットワークAINU(WINアイヌ)」代表で、萱野茂二風谷アイヌ資料館館長の萱野志朗さん。
萱野さんは一八五四年のロシアとの国境交渉においてロシアのプチャーチンが「今、エトロフにはアイヌばかりが住んでいて、日本人はいないと見える」と述べたのに対し、幕府側交渉代表の川路聖謨(かわじとしあきら)が「アイノ(アイヌ)は日本所属の人民だから、アイノがいるところはすなわち日本領」であると答えたことを紹介し、当初からのアイヌ=日本人という認識の問題性を指摘した。また「北方領土」の主権はアイヌ民族にあるという立場からアイヌ民族ぬきの日ロ間の「領土交渉」を批判し、「いわゆる『北方領土』は国連の信託統治とし、アイヌ民族に返還すべき」との試論を提起した。そして今年カナダで開催予定の「第二回先住民族サミット」の取り組みや、十月に名古屋で開催される国連「生物多様性条約」会議に合わせて準備されている「フォーラム&フェスタ:『生物多様性と文化多様性』(仮称)」について紹介した。
続いて集会に参加しているNPO「現代の理論」社会フォーラム、週刊「かけはし」編集部、ジュマ・ネット(バングラデシュの少数民族で厳しい弾圧を受けているジュマ民族の支援組織)、「七五郎沢の狐」上映委員会などからの発言を受けて、討論に移った。討論の中ではアイヌ民族が自らの言葉を学ぶことでアイデンティティーを回復することの重要性、普通の人びとが自ら少数派としての痛みを実感する経験の意義など、様々な角度からの論議が交わされた。 (K)
呼びかけ
戦争も基地もいらない 武力で平和はつくれない
WORLD PEACE NOW3・20
来る3月20日でイラク戦争開始以来7年になります。この間、米軍等の多国籍軍に占領されたイラクでは数十万人とも百万人とも言われる市民が殺され、国内外の難民・避難民も数百万人に達しています。当初米国がイラク侵攻を正当化するために掲げていた「サダム・フセイン政権とテロ組織との関係」や「大量破壊兵器の存在」がウソだったことが明らかになりましたが、イラクの「民主化」の名のもとにいまだ戦争・占領は続いています。
「テロとの戦い」を掲げたブッシュ政権に代わってオバマ大統領が誕生し、イラクからの撤退を明言しましたが、米兵や軍事物資の空輸など戦争協力を行った日本の自衛隊など多くの国が撤退する中、米軍は今も撤退することなく占領を続けているというのが現状です。
一方、オバマ大統領は就任直後の09年3月にアフガニスタンへの2万1000人の増派を発表しましたが、戦争の泥沼化はパキスタンを巻き込んで一層深刻となり、ますます市民への被害は拡大しています。しかしオバマ大統領は、09年12月に再び3万人増派と2011年7月の撤退開始を発表しました。私たちはこの決定を憂慮します。米軍の増派は、そのままアフガニスタン市民の被害増大を意味するからです。これ以上市民の犠牲を出さないため、米政府はイラク・アフガンから即時撤退をするべきです。
また、イラク戦争・アフガン戦争という二つの戦争に日本に駐留する米軍が参戦しているという事実は重大です。「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持の寄与するため、アメリカ合州国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される」という、日米安保条約第6条(基地の許与)の条項と無関係に、第7艦隊の艦船や沖縄駐留の海兵隊などがイラク・アフガン戦争に参加しています。2004年のイラク・ファルージャ攻撃では、在沖縄海兵隊の主力第3海兵師団など5000人を派兵し、50人が死亡し221人が負傷しているのです。ということは、どれほどのイラク市民が被害を受けたのかを考えたとき想像を絶するものがあります。
このような「日米同盟」や「安全保障」の名のもとに、世界中に軍隊を送り込み市民の殺傷を続ける役割を持った基地などどこにもいりません。「普天間基地」をどこに移設させるのかではなく、基地そのものがいらないのです。
この「テロとの戦い」という自らの戦争行動を正当化する論理は、パレスチナの地にも及んでおり、イスラエル軍によるガザ侵攻・住民虐殺とも無関係ではありません。イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区に対する攻撃で1300人以上の死者を含め7000人以上の市民が被害を受けてから1年が経ちましたが、未だガザ地区の封鎖や東エルサレムを中心とする占領地への入植は続いています。イスラエルはパレスチナ占領をやめ、真に公正で永続的な和平をすべての当事者とともに受け入れるべきです。
私たちは、イラク、アフガニスタン、パレスチナをはじめ、世界中のあらゆる戦争をなくすため、そして沖縄から基地をなくすため、「武力で平和はつくれない」という声をあげたいと思います。ぜひご参加ください。
WORLD PEACE NOW
http://www.worldpeacenow.jp/
●電話連絡先:許すな!憲法改悪・市民連絡会03(3221)4668
アジア太平洋平和フォーラム(APPF)03(3252)7651
日本消費者連盟03(5155)4765
ピースボート03(3363)8047
平和をつくり出す宗教者ネット03(3461)9363
●住所連絡先:
東京都千代田区三崎町2-21-6-301市民連絡会気付 FAX03(3221)2558メール:
info@worldpeacenow.jp
■日時:3月20日(土)開場12:00 開会13:00
パレード出発15:00(雨天決行)
■会場:芝公園4号地(JR「浜松町」徒歩12分、地下鉄三田線「御成門」徒歩2分、地
下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩2分)http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map001.html
◎発言:「イラク戦争を検証する」志葉玲 (ジャーナリスト)
「パレスチナ問題」大河内秀人(パレスチナ子どものキャンペーン)
「アフガニスタンの現状」NGOから(予定)
「沖縄・普天間基地問題」沖縄から
◎歌・演奏:寿[kotobuki](http://www.kotobuki-nn.com/index.php?blogid=1)、MUSE
BAND
(http://www.geocities.jp/museunion/)
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