この百日間を振り返って
民主党翼賛体制への再編の危険を見すえ独立した運動の堅持を |
障がい者政策
の大きな転換
鳩山政権は自公政権の障がい者政策を大きく転換させた。特徴的には以下の四点があるだろう。
@障がい当事者から猛烈な反対運動が沸き起こった障がい者自立支援法(以下「支援法」という)の廃止とそれに替わる新法=障がい者総合福祉法(仮称)の創設を宣言した。
A支援法によるサービス利用の自己負担(応益負担)の導入を、「生存権の保障を定めた憲法に反している」と、全国十四地裁で七十人の障がい当事者と家族が起こした違憲訴訟と、支援法の廃止と自己負担の軽減を明言することで和解した。
B低所得の障がい者の自己負担をなくす内容の予算を計上した。
C鳩山総理を本部長とする障がい者制度改革推進本部を立ち上げ、そのもとで新法を検討する障がい者制度改革推進会議を過半数を障がい当事者とその家族とする構成メンバーで立ち上げた。
ここまでは、支援法に反対して闘ってきたDPI(障がい者インターナショナル日本会議)や全国自立生活センター協議会などの要求を「丸呑み」してきている、逆に言えば運動側の大きな前進ということができだろう。
巻き返し狙う
新自由主義派
以上の四点や子ども手当の創設などの政策の打ち出しをみると、鳩山政権は新たな「福祉国家」政策に踏み出したように思える。
しかしこれらは自公政権からの政権奪取の一点から導かれた選挙対策にすぎない。民主党内には自民党以上に新自由主義潮流が強固に存在している。彼らの政治哲学は「自己責任論」であり、「手厚い福祉は社会を堕落させる」と言ってはばからない。
彼らは現在社会保障に関して沈黙を守っているが、反転攻勢をかける機会をうかがっている。
しかし、民主党内新自由主義潮流が「活躍」できるチャンスはやってくるだろうか? 二〇〇七参議院選、二〇〇九衆議院選での自公敗北の要因のひとつが、年金問題や後期高齢者医療制度導入、そして支援法などの社会保障悪策への圧倒的な怒りの噴出であったことを踏まえるなら、それは容易ではない。
小泉純一郎が絶叫した「改革には痛みが伴う」が、もっとも貧しく、弱い立場の人々の生存を脅かすものであったことが知れ渡ってしまった。
新自由主義が人々に幻想を与えられたのは歴史的にみれば一瞬であった。
「陳情一本化」と
岐路に立つ運動
鳩山政権の誕生は、人々の中に「新しい日本が始まる」との大いなる期待感を膨らませた。一方それは「十数年前の細川政権の崩壊と自民党政権の復活のような事態だけはなんとか避けたい」との感覚になり、その直後に噴出した鳩山・小沢の政治資金問題や普天間基地移設問題への「困惑」となっている。
大衆運動にとっては、個別要求の実現のためには、その他の民主党の悪政には沈黙ということが起きてくることが予想される。また陳情が民主党幹事長室に一本化されたことにより、業界団体の自民党離れが加速している。ことはそこにどどまらないだろう。社会勢力が民主党翼賛体制に再編される危険性にわれわれは警告を発しなければならない。
(赤井岳夫)
差別をやめろ!外国人排斥やめろ
在特会の「ヘイトデモ」に抗議して「カウンターアクション」
レイシストの
あいつぐ襲撃
「在特会」(「在日特権を許さない市民の会」)を名乗るレイシスト徒党の民族差別による暴力は、激しさを増すばかりだ。
昨年四月の埼玉県蕨市でのフィリピン人中学生を標的にした「ヘイトデモ」以降、「在特会」の暴力は悪質さを増すばかりであり、昨年十二月の朝鮮学校を襲撃事件には、レイシスト徒党に対する広範な怒りを巻き起こすまでになった。
また、京都のコリアン・タウンであるウトロ地区では、住居の玄関前で住人一家のいる前で「日本から叩きだすぞ」と叫んで騒ぎを起こしたり、元「慰安婦」(軍事的性奴隷にされた人々)問題の解決を求めて西宮で行われている「水曜デモ」の参加者に対して暴行を加えるなど、さらに凶悪さの度合いを深めている。
このような力の弱いものや無防備な個人にまで標的にした暴力を繰り広げる「在特会」が、一月二十四日に「臨時大会」なるものを開催して、新宿で「デモ」を行うという。この「ヘイトデモ」と、そして一連の「在特会」の暴力に対して「黙ってはいられない」と緊急の対抗行動が、新宿駅南口で行われた。
防衛態勢を強め
街頭でも包囲を
実行委の仲間たちは新宿駅南口に陣取って、午前十一時には数十枚のプラカードや虹旗を林立させて民族差別に反対する街頭アピールを開始。最終的に七十人の仲間が、この抗議行動に加わった。カラフルな街宣隊に興味をひかれたのか、ビラは五百枚を超える数が受け取られた。また、外国人観光客の関心も高く、街宣隊に話しかけたり、写真に収めたりしている。
「在特会」側と思われる妨害も散発的にあったが、仲間たちの隙のない警戒態勢のなかで、「キョクサ出て行け」などの野次を飛ばして歩き去る程度のことしかできなかった。
正午前、「在特会」の「デモ」のシュプレヒコールが、四ツ谷方面から聞こえてくる。次の瞬間、待機していた警察車両のバスが六台、抗議する仲間たちの前に横付けして視界を遮り、カウンター側を警官隊が包囲した。片や「在特会」の「デモ」の脇には所轄警察官の交通整理が数人いるのみで、動員された機動隊はすべて、「カウンター」を警戒する体制で臨んでいた。警察は、もはや「左右公平に扱う」というような建前すらかなぐり捨てて、「外国人地方参政権」成立に意欲を示す新政権への一つの威嚇として、「極右思想」を共有する「在特会」を利用するという立場を示しているということだろう。
しかし、二十四日の「ヘイトデモ」のコースで最も歩行者が歩いている新宿南口前からはまったく「デモ」が見えない状態となり、カウンター側の「差別を許すな!」のコールにかき消されて、かれらのシュプレヒコールもまったく聞こえない。街に民族差別と憎悪の主張だけを響き渡らせるわけにはいかない、それに対抗する「差別・憎悪反対・外国人排斥反対」の主張を街頭で響き渡らせよう、という意図は成功したといえるだろう。
カウンター行動は、「在特会」と警察の敵対と破壊策動を一ミリも許さず、成功裏に終了した。各地で乱暴狼藉の限りを尽くす「在特会」らレイシスト徒党に対して、対抗側も各地でネットワークと運動を広げつつある。社会的にも街頭でもレイシストを包囲し、かれらの破壊策動から各種集会を防衛しぬくことこそが、「在特会」を解体する近道だ。そして、反レイシスト運動は、レイシズムを問い、それを生み出す根拠である日本社会全体の「外国人」への差別意識や、日本民族主義・国家主義を解体していく契機としていかなければならない。 (F)
辺野古実が首相官邸前で抗議
沖縄の民意を踏みにじる平野官房長官発言糾弾!
二月五日、辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)は、「平野官房長官の民意無視発言に抗議する首相官邸前行動」を午後六時半から行った。この日の緊急行動は、一月二十四日の名護市長選で辺野古の新基地建設に反対する稲嶺進さんが当選し、基地反対の民意を明らかにした事実を無視する平野官房長官の一連の発言に抗議して取り組まれたものである。
平野官房長官は、投開票翌日の一月二十五日、「(選挙結果は)民意のひとつであることは否定しないが、そのことも斟酌してやらなければならないという理由はない」と述べ、選挙結果に左右されず「移設先」についての判断を行うと言い放った。さらに翌二十六日にも「ひとつの大きな民意ではあるが、国の安全保障の一環である基地問題を含めて民意として受け取るのか、というとそうではない」と語り、「選挙結果は基地問題についての判断ではない」との態度を示した。平野は「地元自治体との合意が取れないと物事が進められないものなのか」とも述べた。さらに同日午後の記者会見では「合意がなくても法律的にやれる場合もあるだろう」と基地建設には地元自治体との合意は必要ない、との見解を明らかにした。
鳩山政権の中枢である平野官房長官のこうした一連の発言は、きわめて確信犯的なものである。官房長官だけではない。岡田外相もまた二月一日の日本記者クラブでの会見で、「(移設先が)他になければ普天間が今のままということもあり得る」と主張し、「普天間に戻ることはしない」という一月二十八日の鳩山首相の国会答弁を事実上否定したのである。
名護市長選の結果について「ニューヨーク・タイムズ」が「日本政府に計画を打ちきるか、少なくとも大幅に変更するよう迫るもの」と書き、「ウォールストリート・ジャーナル」が名護市長選について「事実上の住民投票だった」と正しくも評価し「沖縄県知事や日本政府は地域の反対をおして計画を続けることはできるが、投票結果は鳩山首相にとって、米国の要請を受け入れることを一層難しくした」と書いているにもかかわらず、当の民主党が支持した稲嶺候補の当選を自ら打ち消すような平野や岡田の発言を許すことはできない。
二月五日、首相官邸前に集まった約五十人の労働者・市民たちは、平野官房長官や岡田外相という鳩山政権中枢による民意無視の暴言を口々に厳しく批判した。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの上原成信さんは、この日、冷え込みが厳しい中で午後五時から首相官邸前で平野を追及するために一人で待ち受けていたと怒りをこめて訴えた。
その後、警察権力の規制をはねのけ代表五人が首相官邸前に出向き、門前で抗議の申し入れ文を読み上げて提出した。この間、首相官邸前の抗議行動に対しては、道路をはさんだ路上に警察が阻止線を張って官邸前に行くことを阻止してきたが、この日はそうした規制を突破するささやかな一歩を印すことができた。連続した行動で「普天間即時閉鎖・辺野古新基地建設断念を勝ち取ろう。 (K)
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