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         かけはし2010.2.1号

人権・環境破壊の空港にNO!

三里塚反対同盟が旗開き
一坪共有地・団結小屋強奪を許さず裁判闘争勝利へ

約束反故にする
政府・空港会社

 一月十七日、三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫世話人)は、横堀農業研修センターで「2010年反対同盟旗開き」を行い四十人が集まった。
 旗開きは、鳩山政権・空港会社の暴挙を糾弾し、闘う決意表明が続いた。
 柳川秀夫さん(世話人)は、空港会社の一坪共有地・団結小屋強奪裁判提訴に対して「あいかわらず空港会社は、空港を作るということで、昨年の一坪裁判も含めて強硬な姿勢がみられるようになりました。一九九一年の話し合いでは、いかなる強制的な手段も取らないということが政府との約束だった。しかしここにきてだいぶ強硬な態度に出てくるということで、ある意味で約束が反故にされつつある。これについては、きちっと政府の約束をしてきたわけだから、国に対してその真意を正していきたい」と強調した。
 加瀬勉さん(大地共有委員会)は、参加者に「2010年 年頭所感 三里塚空港建設反対の決意」(別掲)を配布し、「成田、羽田、関空等のハブ空港の政府の野望は、我々の戦いによって打ち砕かれた。政府の航空政策は破綻し、その無策ぶりを露呈した。日本にハブ空港はいらない。建設する必要はない。これが我々の主張であり、基本的な戦いの方針である」と力強くアピールした。
 清井礼司弁護士(一坪共有地・団結小屋強奪裁判代理人)は、「共有者の皆さんは、闘いのために名前を貸しているだけで、私のものじゃないから、私に売れとか、渡せとか言っても、そんなことはできないというのが裁判の第一の主張となります。もう一つは、平和的にやるという約束を政府もしたけども、当時の公団もしているわけで、これは一蓮托生の関係にあるわけだ。そこを勝手に反故にすることは、なにごとかというのが第二の柱になると思います。好き勝手にスケジュール通りには、やらせないという、私達の底力を四十年前の初心に戻って示すのが裁判闘争であるし、現地での活動の在り方、対政府交渉の基本的な考え方だ。今年は、私は引き受けた分野で頑張りますけども、いくつかの領域・戦線では非常に重要な一年であるということが。この一年を楽しく、こちらのヘゲモニーのもとで相手方を振り回す展開にしていこう」と述べ、今後の裁判闘争の方針を提起した。
 平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)は、二〇〇五年当時の黒野空港会社社長が東峰住民に対して欺瞞的な「謝罪文」を届けて「話し合い」を呼びかけ、懐柔策をもって東峰住民を追い出そうとした犯罪を取り上げ、現在の追い出し攻撃の性格を批判した。

破綻した航空
政策に居直り

 支援発言として関西から駆け付けた渡邊充春さんから反空港全国運動の取り組み報告(開催地:石垣島空港反対闘争)と今年の方針(開催地:羽田・三里塚空港反対闘争)を提起した。
 続いて高見圭司さん、成田プロジェクト、横堀団結小屋維持会、1・24WSF2010首都圏の集会への参加を呼びかける仲間たちなどからアピールがあった。最後に東水労青年女性部の仲間の音頭で「団結頑張ろう」を行い、年頭の闘う意志一致を勝ち取った。
 旗開き後、参加者は横堀大鉄塔に移動し、空港の運航状態、共有地の調査活動を行った。裁判闘争を攻勢的に押し進めていくために加瀬さん、清井弁護士と意見交換を行った。
 鳩山連立政権は、二〇〇九年十月二十二日にB滑走路供用を強行し、東峰地区住民に対して轟音と排気ガスを撒き散らし叩き出し攻撃を強めている。前原国交相は、年間発着回数三十万回をバックアップし、羽田空港と成田空港を一体的運用による首都圏ハブ空港化を目指すことを掲げた。しかしそれは安全軽視、環境破壊に満ちた超過密航空政策を押し進めていくことでしかない。
 さらに成田空港会社は、三十万回発着の早期実現をめざし、平行滑走路の四千メートル化、深夜・早朝の発着便増に突進していくことを明らかにしている。あげくのはてに 森中社長は年頭あいさつで東峰地区の未買収地について「年内に解決したい」などと挑発してきた。 騒音・環境・人権破壊の極限的状況に突入させる居直りを許してはならない。空港会社は三里塚闘争破壊のために一坪共有地強奪・団結小屋強奪裁判を提訴した。裁判闘争の中で空港会社と前原路線の犯罪を暴露し、厳しく糾弾していこう。     (Y)




今こそ個人通報制度の実現を!大集会
人権侵害国家・日本を変えよう
「選択議定書」「受諾宣言」批准を


個人通報制度
とはなにか?

 一月十五日夜、日本弁護士連合会(日弁連)が主催して、日比谷公会堂で「今こそ、個人通報制度の実現を!大集会」が開かれた。
 「個人通報制度」とは、人権条約に規定された権利を侵害された個人が、国連の委員会に通報し、委員会の見解などを得て救済を図る手続きである。個人通報制度が実現すれば、かりに最高裁で敗訴しても条約の委員会による救済を得ることが可能となる。
 日本が批准している人権条約の中で個人通報制度を持っているのは、自由権規約、女性差別撤廃条約、拷問等禁止条約、人種差別撤廃条約の四つである。それぞれで個人通報制度を実現するためには、自由権規約については第一選択議定書の批准、女性差別撤廃条約については選択議定書批准、拷問等禁止条約では同条約二二条の受諾宣言、人種差別撤廃条約については同条約一四条の受諾宣言を、それぞれ国会で決議しなければならない。
 しかし日本は「司法権の独立」を口実に、裁判で敗訴が確定した個人が、その侵害された権利の回復を国連の委員会に通報して是正を求めることを可能にする個人通報制度が、いまだに実現されていない。国連人権理事会、自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会などはかねてから個人通報制度の実現を勧告しているが、実現できていないのである。そのためOECD(経済協力開発機構)加盟の三十カ国、G8サミット参加国の中で個人通報制度あるいはそれに類似した制度を持たない国は日本だけとなっている。
 この日の集会は、政権交代を機にこうした「人権侵害国家」としての現実を変えようとの意思を表明するために開催された。鳩山政権与党の民主党、社民党、野党の公明党がいずれも個人通報制度実現を昨年の総選挙マニフェストの項目に入れ、共産党も積極的に支持し、かつ鳩山政権の千葉景子法相が重点施策の一つに同制度の実現を挙げている今が大きなチャンスである。一月十八日から始まる通常国会で、何としても個人通報制度を実現しよう。

権利侵害是正
する救済勧告

 日弁連の宮崎誠会長が開会あいさつを行った後、各政党の代表が四条約の選択議定書、受諾宣言を国会で決議することを訴えた。民主党の松岡徹参院議員が「人権侵害救済法」とセットで個人通報制度実現を訴えたのを皮切りに、公明党の漆原良夫衆院議員、社民党党首・内閣府特命相の福島みずほ参院議員、共産党の仁比聡平参院議員が制度実現への党としての決意を表明した。
 基調報告を日弁連自由権規約個人通報制度等実現委員会副委員長の田島義久弁護士が行った後、「女性に対する差別」、「刑事手続きについて」、「表現の自由について」の各項目についての個別報告が行われた。
 女性に対する差別については、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNCC)の山下泰子代表世話人が昨年の国連へのロビー活動を報告した。そして国連女性差別撤廃委員会第44会期第六次日本報告書総括所見が、日本での女性差別的法規定(民法での婚姻最低年齢、離婚後の女性の婚姻禁止期間、夫婦での氏の選択、戸籍制度・相続規定での婚外子差別)、固定的性別役割分担意識、雇用・賃金での性差別などについて深刻な憂慮を示し、是正を求めていることを紹介した。
 柚木康子さんは昭和シェルと兼松の男女賃金差別事件への最高裁判決が、いかにジェンダー偏見に満ちた不当なものであるかを報告、永井よし子さんは石原都知事「ババア発言」など「公人の女性差別発言」を糾弾し、土橋博子さんは日本における婚外子差別について報告した。
 刑事手続きについての人権侵害については、昨年十二月に再審が決定した「布川事件」(1967年茨城県で起こった強盗殺人事件)で無期懲役の判決を受け、一九九六年に仮出所した元被告の桜井昌司さんが登壇。弁護士とのかけあいで発言した桜井さんは、代用監獄制度の下でいかに自白が強制されていったかをリアルに語った。
 表現の自由については、立川自衛隊官舎ビラ配布事件元被告の大洞俊之さん、葛飾マンション政党ビラ配布事件元被告の荒川庸生さんが、不当な治安言論弾圧の実態を訴えた。
 個別報告の後、「個人通報シミュレーションパフォーマンス」として、反戦ビラを配布して逮捕され、最高裁判決で有罪判決を受けた人が、「個人通報制度」を駆使して国連の委員会から日本政府への是正勧告をかちとる「近未来劇」が披露された。最後に「個人通報制度の早期実現を政府と国会に求める集会アピールが採択された。  (K)


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