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                            かけはし2010.2.1号

小沢政治資金疑惑究明を

「検察暴走」を口実に問題をあいまいにしてはならない!
労働者市民の独立した闘いを作り出そう

秘書に責任を
押しつけるな

 「日本の最高実力者」小沢一郎・民主党幹事長の政治資金疑惑は、鳩山政権の屋台骨を揺るがしている。一月十五日の小沢元秘書・石川知裕民主党衆院議員と池田光智・元小沢私設秘書の逮捕、同十六日の大久保隆規・小沢公設第一秘書の逮捕に対し小沢は十六日の民主党大会で「徹底抗戦」の態度を明らかにした。検察との全面対決である。
 東京地検特捜部の事情聴取の要請を拒否し、一月十二日の記者会見でも具体的な説明を一切避けた小沢に対して、翌一月十三日に東京地検特捜部は小沢の資金管理団体「陸山会」事務所や小沢の個人事務所、さらに岩手県の胆沢ダムを受注した大手ゼネコン鹿島の本社を捜索して、小沢包囲網を狭めてきた。通常国会開会直前に政治資金規正法違反(虚偽記載)で政権与党の現職衆院議員を逮捕したことは、まさに異例の事態であり、検察のなみなみならぬ政治的意思を示すものだといって差し支えない。
 野党に転落した自民党は、通常国会冒頭から「小沢・鳩山のカネ問題」追及に焦点を絞っている。一月十八日に掲載された朝日新聞の世論調査では、鳩山政権の支持率は九月の政権発足時の七一%から四二%に急落し、不支持率(41%)と肩を並べるまでに至った。同世論調査では、自らの政治資金問題(西松建設、水谷建設からの献金、陸山会の不動産取得問題など)への小沢の説明に「納得できない」との声が八八%もの多数に上り、幹事長辞任を求める声も六七%に達した。民主党内からも小沢に明確な説明を求める意見が、前原国交相を含めて広がっている。
 こうした批判の高まりの中で、小沢はついに一月二十三日に検察からの事情聴取に応じ、記者会見も開いて、改めて幹事長としての職責をまっとうするとの強気の姿勢を見せている。小沢の主張は、陸山会の土地購入の原資については「自宅の売却残金、家族名義の口座からの引き出し」による、というものであり、また土地購入の手続きや会計処理には関与しておらず、収支報告書記載についてはまったく見たこともない、というものであった。つまりは「虚偽記載」についてはすべて「秘書の責任」であり、自分は潔白だ、というのである。われわれはこうした逃げ口上の説明をまったく信じることはできない。

党財政の弱さと
鳩山・小沢資金

 寄せ集め政党としての民主党の財政基盤はきわめて脆弱なものだとされる。かつて民主党の事務局長を務めていた政治アナリストの伊藤惇夫によれば、民主党は「党運営のための資金の九〇%以上を政党交付金や立法事務費など、国庫からの資金に頼る『国営政党』」であり、二〇〇七年の企業団体からの献金は、自民党の約三十億八千六百万円に対し、民主党は八千五百四十六万円だったという(伊藤『民主党 野望と野合のメカニズム』、新潮新書)。長年にわたる政権政党として業界、専門職種団体などに強力な集金パイプを張り巡らしていた自民党とはケタ違いである。民主党は公明党や共産党などの組織政党でもない。
 したがって選挙のための民主党の党財政は、鳩山や小沢らの少数の個人の資金力、集金力に頼らざるをえない。自民党の実力者であり旧田中派以来の経歴につちかわれた小沢の個人的集金力は、まさに民主党が政権をめざして選挙戦を勝ち抜くために不可欠のものであった。小沢の民主党に対するヘゲモニーは、そうした彼の「カネの力」が大きな要因であることは間違いない。
 われわれは、自民党の政治支配体制にまとわりついてきた「カネと権力」、利権にまみれた構造的腐敗を厳しく批判してきた。今回の小沢や鳩山の「政治資金疑惑」に対しても、ブルジョア政治に固有の「カネと権力」にまつわる問題への批判をゆるめてはならない。
 今回の検察権力の総力をあげた小沢への追及に対して、もっぱら「検察の暴走」、「民主党政権つぶし」として捉え、あたかも小沢を擁護するような対応を取ることがあってはならない。マスメディアの小沢追及が、検察の情報リークに基づいたものであるという主張には、多くの「犯罪報道」が警察からの一方的情報の垂れ流しに無批判的に依拠する例が多いことから考えて確かに一定の根拠があることは確かだろう。
 異例とも言える国会開会直前の石川議員逮捕や、執拗な小沢包囲網形成が、検察権力の何らかの政治的意思の表現であるという判断も成り立つ。しかし検察や、メディアへの批判が「小沢擁護」「鳩山擁護」に流れることに対しても、われわれはきっぱりと批判しなければならない。

企業団体献金
の全面禁止へ

 検察批判を通した小沢擁護論の典型が、『週刊朝日』1月29日号のジャーナリスト・上杉隆の文章である。
 「筆者の知る限りでも、小沢ほど資金の透明性にこだわる政治家はいない。師と仰いだ田中角栄、金丸信らと検察の闘いをつぶさに見てきた小沢は、政治資金についてはことのほか神経をとがらせてきた。その基本は『透明性』と『合法性』そして『公私の区別』だ」。「一連の出来事を『犯罪捜査』だと考えるから真実が見えにくくなる。これは、人事と既得権を死守しようとする検察=記者クラブメディア連合体と小沢の『権力闘争』なのである」。
 ここでは「クリーンな政治家」である小沢が、一方的な被害者に仕立てあげられてしまっている。上杉ほど露骨ではないにしても、市民運動の一部には、せっかく自民党支配を倒して民主党主導政権を成立させたのに、小沢批判・鳩山批判を通じて自民党が息を吹き返すと困るという気分から、小沢の政治資金疑惑の追及に腰がひけてしまう「民主党依存症」がないとはいえない。
 「権力とカネ」にがんじがらめになったブルジョア政治のあり方を根本から批判する労働者・市民の政治の立場から独自の運動を作り出すために、小沢・鳩山のカネの問題を追及し、「企業・団体献金の禁止」を実現しよう。
 十八世紀のフランス革命におけるジャコバン派の領袖だったロビスピエールは「不信が民主主義の主たる美徳である」と語ったそうである(トロツキー「新聞、雑誌と検閲」1912年、『バルカン戦争』柘植書房新社刊所収)。
 今こそ労働者・市民の行動を作り出すために、小沢・鳩山などへの「期待」ではなく「不信」を積極的に貫いた、自立した政治意識の確立が不可欠なのである。(純)




名護市長選で稲嶺進さん当選
辺野古新基地阻止へ前進


 一月二十四日投開票の沖縄・名護市長選挙で、辺野古新基地建設反対を掲げた稲嶺進さんが大接戦を勝ち抜き、現職で新基地容認の島袋吉和候補を破って当選した。投票率七六・九六%。稲嶺候補一万七千九百五十票、島袋候補一万六千三百九十二票である。
島袋陣営は、基地問題を後景にしりぞけ、業者団体などの締め付けで大量の事前投票を組織し防戦につとめたが、基地建設を絶対に止めようという住民の思いが、そうした現市長派のねらいを打ち破った。 
 島袋候補は、基地建設に伴う開発振興策を強調したが、「どんなに立派な箱ものを建てても使えない」、「振興策は一過性のものだ。美しい海を汚しては何にもならない」ということを実感した住民たちは、切り崩しを跳ね返したのである。
 一九九七年十二月の名護住民投票の勝利以来、基地反対派の市長当選は初めてである。辺野古現地住民のねばり強い座り込みや海上抗議行動、ジュゴンとサンゴの海を守ろうという長く苦しい闘いが、完全勝利に向かって大きく前進した。
 新聞各紙は、「これで辺野古基地建設はいっそう困難になった」と報じている。その一方で「五月までに代替移設地を決定せよ」と鳩山政権の「決断」を促している。
 沖縄県民の「基地はいらない」という総意は、幾たびも再確認されたが、その都度、時の政権によって無視されてきた。今こそこの歴史に終止符を打つ時であり、それはほかでもない「本土」労働者・市民の責務である。
 名護市長選の結果をもって、動揺する鳩山政権に対し普天間即時閉鎖、辺野古新基地断念を決断させよう。あれこれの「移設」案ではなく、普天間基地の即時無条件の返還と「米軍再編」プランの全面的見直し・廃棄しか解決の道はない。それは米国のアフガニスタン、パキスタンなどでの戦争に、これまで通り追随するのか否かの選択でもある。
 二月、三月の闘いがきわめて重要である。沖縄の人びととともに鳩山政権、米政府に対し、連続した多様な行動を積み重ね、「普天間基地即時無条件閉鎖」の要求をつきつけよう。(1月25日 K)

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