もどる

 倒産、非正規切りの中、広がる野宿          かけはし2010.1.25号

放置は許されない

山谷越年越冬闘争│配食・労働生活相談・パトロール
さまざまな取組みの交流と支援の広がりが活動支える

悪質住み込み仕
事の被害増える

 十二月二十八日から、一月四日の早朝まで今年も城北労働福祉センター前の路上を拠点に山谷越年越冬闘争が闘われた。
 十二月初旬より毎週実行委員会を重ね、越年期の取り組みについての方向性を煮詰めていった。毎週日曜日の隅田川共同炊事では十一月最終週には六百十食となり、昨年同時期の倍近くとなった。また昨年の日比谷派遣村の経験や、この間の倒産、非正規労働者を中心とした解雇などの状況を考え、そのような新たに野宿に追い込まれる仲間といかにつながっていくか、が議論の中心となった。
 このため上野での配食と労働・生活相談そしてパトロールなどを強化していくこととして、上野公園では連日夜八時より共同炊事と寄り合い、毛布の配布を行い、越年中三回のパトロールを行った。上野は例年新たな仲間と出会う場所であり、毎週日曜日の上野公園での共同炊事(文化会館裏で午後6時半より)でも派遣切りなどにあった比較的若い仲間がここ数年は増えている。
 公設派遣村の開設と、ワンストップの会(年越派遣村が必要ないワンストップ・サービスを作る会)による周知活動などの成果もあってか、センター前での三食の共同炊事も上野での共同炊事も例年よりも若干少ない食数であり、パトロールでも派遣切りの仲間に出会うことは少なかったが、この間行っている「住み込み仕事に関する聞き取り調査」ではいわゆる建設・土木の人夫出し飯場に留まらず、貧困につけ込んだ悪質な住み込み仕事が増えていることが分かって来た。
 また人夫出し飯場についても、飯場に入れて宿泊費、食費などを取りながら仕事はあまり出さずに実質的に無賃金労働を強制するといった悪質な「飼い殺し飯場」は以前から存在していたが、昨年の四月以降は目に見えて増えている。
 越年期間中に上野で出会ったある仲間は上野公園で声をかけられ、福島県の郡山の油揚げの行商をやらされた。近所の豆腐屋から仕入れた油揚げを五枚八百円で訪問販売するというものだが、完全歩合制で会社は絶対に損をしないようになっており、声をかけられた時に言われた一日の最低補償額というのも反古にされたと言う。そのため逃げ出して、数日かけて上野までたどり着いたところで私たちに出会ったのだった。この業者は上野公園で多くの仲間に声をかけているようだ。

数多くの支援者
高校生サークルも

 パトロールについては年末年始ともに普段新しい仲間がダンボールなどで寝ることの多いアメ横でも出会うことが出来ず、今後、春までの越冬期間中に再度、取り組みをしていこうということになった。
 上野からは寝床の無い仲間がセンター前に合流し、炊事などの活動を担った。
 今年はセンター前での朝、昼、夜の三食と上野公園での夕食で、炊事の作業が増え、センター前では一日に三回行われる打ち合わせの時間以外はほとんど包丁を握っていると言っても過言でないほどであった。
 しかし、多くの労働者の参加と各地からの支援者の参加によって、乗り切ることが出来た。群馬からはある高校の生徒がサークル全員で参加したり、ウラジオストックでのストリートチルドレンの支援にかかわる人や、パキスタンの連帯活動を担うグループ、埼玉で障がい者の支援を行うわらじの会の仲間、住まいの貧困に取り組むネットワークや、その他多くの学生や市民運動、労働運動の活動家などが、初めて山谷を訪れ、ともに活動を担い交流した。
 ワンストップの会の仲間は上野とセンター前に「めざせ新宿職安通り」というビラを撒きに訪れ、法律家のグループであるホームレス総合相談ネットワークの仲間は新たに作成した路上から生活保護を取得するためのパンフレットを配布した。
 カンパ物資も大量に届けられた。横浜、芝浦の両屠場労組からの肉、三里塚反対同盟両派からの野菜をはじめ、たくさんカンパ物資がセンター前と山谷労働者福祉会館にうずたかく積まれた。
 ただしカンパ物資についてはこの間、運動の力量を越え始めており、特に衣類については会館の場所を取り、月一度行っている衣類分配などでも準備で運ぶときに腰を痛めたりする人もでたりしてきている。
 貧困の広がりと野宿者の増大という中で、カンパ網のネットワークの広がりによって現場の活動が支えられているのは言うまでもないが、現場の運動の力が決定的に不足している。

各地で恒例のもちつき

 恒例の餅つきも各地で行われた。十二月三十日には工事名目の排除と闘う江東区竪川河川敷公園で、三十一日には隅田公園・築山で、一月一日には東京都の越年対策施設なぎさ寮で、三日には上野公園でそれぞれ行われ、上野では派遣ユニオンの関根書記長が訪れ、マイクを握り上野にある「サウナ王城」での自主営業闘争への支援を訴えた。餅つきの後には王城で行われた鏡開きに数人の仲間が参加し、エールを交換した。上野の仲間は野宿に至る過程で、あるいはお金のある時はサウナを利用する人も多く、王城の組合員とも顔見知りの仲間もいた。
 水族館劇場のさすらい姉妹による芝居も越年の恒例だ。今年の演目は林芙美子の「放浪記」。例によって独特のアレンジが施され、山谷の玉三郎の客演もあって盛り上がる。三十一日にはセンター前で、三日には上野の餅つきの後に行われた。
 一週間の越年闘争は四日早朝、センターが開く前までには終了し、台東区への生活保護集団申請を行った。        (板)


佐藤さん虐殺25ヶ年、山岡さん虐殺24ヶ年
弾劾・追悼 日雇全協反失業総決起集会

各地越冬闘争
生々しく報告

 一月十一日全国で越年闘争を闘いぬいた仲間が結集して、一・一一佐藤さん虐殺25ヶ年、山岡さん虐殺24ヶ年、弾劾・追悼 日雇全協反失業総決起集会が行われ、二百七十人(主催者発表)の仲間が結集した。
 冒頭、釜日労の仲間からこの間亡くなった仲間の紹介が行われ、司会からは佐藤さん、山岡さんについての紹介があり、全員で黙祷が捧げられた。
 まず、破防法・組対法に反対する共同行動からの連帯メッセージが代読され、他にもATTACジャパン(首都圏)、関西生コン労組、三里塚空港反対同盟北原事務局長からメッセージが届いていることが紹介された。
 続いて連帯発言、明大生協労組の仲間は今こそ労働者の権利を!と発言、世界社会フォーラム首都圏実行委の仲間は二十四日の集会への参加を訴えた。名古屋の仲間は越冬の報告を行い、神奈川労働組合共闘会議の仲間は寿の越冬で労働相談を担ったことを報告。寿の越冬実は越年最終日に六十三人の仲間が福祉事務所への生活保護集団申請行動を行ったことを報告した。
 山谷労働者福祉会館の仲間は「この間各地で野宿者や炊き出し排除が行われており、隅田川でも新東京タワーの建設にともなう再開発の動きの中で排除が強まっている。工事名目での追い出しがかけられている駒形橋付近で小屋を構えるおじいさんを東京都第六建設事務所の課長が強引に福祉事務所に連れて行った、その間に小屋は破壊され、荷物と共に持ち去られた。おじいさんが福祉事務所から逃げ出して戻って来て途方に暮れているところを我々の仲間が見つけ、ブルーシートでテントを作りしのいでいる。このことが社会化する事を恐れてか六建係長が話し合いを求めてきたが約束の場所で待っていると課長は来ずに私服刑事が現れ、仲間たちに暴行を加える、といった事まで行われている。六建との闘いは今も続いている」と語った(山谷労働者福祉会館の活動報告ブログにくわしい報告あり)。
 渋谷のじれんの仲間は宮下公園のナイキ化、渋谷区役所地下駐車場の二カ所の排除と闘う中での越年を報告した。

反戦反基地反右
翼、改めて訴え

 続いて日雇全協各支部の発言、釜日労の仲間はバブル崩壊以降「社会的就労」を掲げて高齢者特別就労などを闘い取ってきたことを振り返り、五十五歳以上の特清(特別清掃)を週三回以上勝ち取る決意を表明、また沖縄の反戦反基地闘争への連帯や、右翼排外主義との闘いを訴えた。
 笹日労は中村公園において派遣の仲間も含め連日百人以上の仲間が宿泊しての越年を報告した。また、在特会との闘いを訴えた。
 山谷争議団の仲間は「一九八三年の日雇全協の結成や、当時中曽根の戦後政治の総決算と対決し、九〇年代はじめの時は反失業闘争を時代に先駆けて開始していったことなどを振り返り、もう一度日雇全協結成を結成したころを思い出してやっていこう」と力強く発言した。
 集会の後は山谷を一周するデモを元気に闘い抜いた。        (板)



生存権を求めたA君は無罪だ
生保申請狙った弾圧に団結した反撃開始


市民の行政監視
が攻撃された

 十二月二十三日、「『生活保護申請を記録して逮捕って何だよ?!』│生存権を求めたA君は無罪だ│」集会が大久保地域センターで行われた。主催は、フリーター全般労働組合など実行委。
 八月、大阪府柏原市の福祉事務所に生活保護申請に赴いた「ユニオンぼちぼち」の組合員A君が、保護申請の様子をビデオカメラに収めたことに対して職員は被害届けを出した。十月末に大阪府警は、A君を「職務強要」容疑で不当逮捕した。大阪地検は十一月十六日に起訴攻撃を強行してきた。
 この弾圧は、行政の「水際作戦」と称する生保申請者への追い払いの横行を促進するものだ。ビデオ記録は、不誠実な対応を繰り返す福祉事務所に対して適切な市民監視の一環である。この弾圧を許してしまうことは、保護を求める行為を萎縮させ、行政機関の活動はますます不可視化してしまう。A君の奪還・無罪を勝ち取るために支援・連帯していこう。

生保申請水際作
戦の固執許すな

 集会は、橋口昌治さん(関西非正規等労働組合「ユニオンぼちぼち」委員長)の報告から始まった。
 橋口さんは、A君との出会い、組合員としての取り組み、弾圧の経過を報告。
 さらに「起訴状では『保護開始申請書の受理及び保護決定の処分をさせるために脅迫を加えたもの』とされています。しかし、申請書の受理は法律で定められた義務です。また保護は逮捕後も廃止されておらず、不当な決定はなかったと福祉事務所自体が認めています。もちろん撮影された映像の公表もされていません」
 「こうした不当な逮捕にも関わらず、起訴され、保釈請求も却下され、五十日以上にもわたる身体拘束が続いています。本来、保護利用者の自立を援助しなければならない福祉事務所職員が、安易に解決を警察に委ねてしまった。皆様、どうかA君の早期保釈と無罪を勝ち取るため、ご支援いただけるようお願いします」と訴えた。
 山本志都弁護士は、A君弾圧のために「職務強要罪」を適用したことの問題点について分析し、「職務強要罪とは、公務員に対して、『ある処分をさせる目的』、『ある処分をさせない目的』や『公務員の職を辞させる目的』のいずれかをもって、暴行または脅迫を加えるというもので、『三年以下の懲役若しくは禁固又は五十万円以下の罰金』というものだ。A君のビデオ撮影、言動が構成要件を成立するのか疑問だ。それ以上に生保申請に対する圧力をかける検察の政治的判断があったのではないか。すでに権力は組合活動であるビラ撒き、説得行動が威力業務妨害、監禁罪などで弾圧している。民事でも損害賠償ということで圧力をかけてきている。今後の生保申請に対する弾圧として考えられる」と強調した。
 さらに稲葉剛さん(自立生活サポートセンター・もやい代表理事)が福祉事務所の「水際作戦」に対する批判と生保申請の取り組みなどについて問題提起。
 Kさんは、伊東市・熱海市の福祉事務所で悪質な追い返しに遭遇した経験を紹介し、ずさんな福祉行政を厳しく批判した。
 山谷労働者福祉会館活動委員会は、生保の集団申請、共同の炊きだしなどを展開しながらコミュニティの輪を広げていくことが重要であることを報告した。
 根来祐さん(フリーター全般労働組合ムービーユニオン)は、「緊急声明:生活保護申請の様子を撮影したA君は無罪だ!」を出したことを報告し、「この事件で有罪の判例が出るならば、それはジャーナリズムの死であり、芽吹こうとしている民衆のためのメディアの死をも意味する」とアピールした。
 山川宗則さん(Media Champon)は、表現、撮影、公開の自由を擁護する立場からA君を支持し、即時無罪釈放にむけた声明、生保申請行動の取り組みを報告した。
 会場討議後、12・23東京集会宣言を採択した。(Y)
【カンパ振込先】
b郵便振替 00900│8│263985 加入者名:ユニオンぼちぼち
bA君は無罪だ!生活保護申請に対する不当逮捕・起訴弾劾!! ブログ参照を
http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/blog-entry-101.html


もどる

Back