かけはし重要記事

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ますます深刻化する生活苦のなかで          かけはし2002.9.9号より

避難3年目に入った三宅島

避難島民に公的支援を


帰島のメドはまだ立っていない

 三宅島雄山が爆発し、全島避難を余儀なくされてから、九月二日で丸二年が過ぎた。ガスの噴出は当初の一日、八万トンから二万トンに減っているが、桜島並みの一日二千トンになるのにはさらに、一年半がかかるだろうと火山噴火予知連は五月に発表した。
 島には、災害復旧の作業員約五百人、警察・消防関係者約八十人などが常駐している。島の一部では生活できる可能性が出てくる中で、脱硫装置を備えたクリーンハウスの建設(三百二人収容)が予定されているが、完成は来年の三月になるという。いまだ明確な帰島のメドはたっていない。
 着のみ着のままで避難を余儀なくされた三千六百人の島民は、さまざな困難を強制されてきた。避難島民への公的支援は、被災者生活再建支援法に基づく百万円の支給と東京都が提供した住宅と最低限の電気製品だけであった。
 三宅村が昨年十一月に行った「第二回避難生活実態調査」集計結果の概要によると、避難前と比べた収入の状況は、「まったくなくなった」(16%)。生計の状態については、「非常に苦しい」と「苦しい」と答えた人は32%で、前回(29%)に比しやや増加している。年代別では五十歳代から七十歳代の中高年世代が他の世代に比べて多くなっている。
三宅島島民連絡会が生活支援要求

 三宅島島民の中で、何人かの村議を中心に早くから東京都に対して、公的な生活支援を要求してきたが、東京都はまったく動こうとしなかった。島民自身も、バラバラに公営住宅に分散されたがために、要求をまとめて東京都に迫る闘いがなかなか作り出せなかった。しかし、一年半が過ぎ、いよいよ困難の度合いが増す中で、三月十六日、家屋被害者が、三宅島噴火家屋等被害者の会(会長・小林武さん)を作り、長谷川村長に対して、@屋根の補修に対する公的助成A家屋などの修理の総合的な相談窓口の設置などを求めた。
 さらに、四月二十一日、三宅島島民連絡会(会長・佐藤就之さん)が結成された。東京都内の公営住宅などでの「分散生活」により住民の声がまとめられなかったことから、避難先ごとに運営委員を選出して新たな組織を結成したもので、さまざまな意見を集約し、島民の総意として行政への要望にあたるのが目的だ。
 八月二十四日、同連絡会は避難島民の対話集会を開き、佐藤会長は「都の厚意で生活保護の適用が始まっているが、受給できた人はわずかだ。困っている人に救いの手をさしのべてほしい」と、生活支援を求めた。九月末までに七カ所で開き、要望をまとめるという(赤旗8月31日)。

衆院特別委決議の即時実行を!

 三宅島被災者支援運動では、三宅島被災者支援委員会や災害被災者支援と災害対策改善を求める東京連絡会が東京都や国に対して、公的支援を求める運動を行ってきた。
 三宅島被災者支援委員会は@雲仙・有珠山の被災者と同様に一人一日千円の食費の支給A一世帯当たり月三万円の生活支援金の支給。また、二〇〇〇年十月の鳥取西部地震の被災者に対して片山善博鳥取県知事が住宅再建のために一律三百万円の住宅支援を実施したように、東京都もこれと同等あるいはそれ以上の支援を実施することを求めている。
 昨年十一月二十一日の衆議院災害対策特別委員会で、参考人として呼ばれた廣井脩東大社会情報研究所教授は、「雲仙では四人家族で十二から十五万円の継続的な支援、有珠では十五万円程度の継続的な支援が行われている。避難生活の長期化している被害者には一定期間継続的な金銭を支給する財政支援がどうしても必要で、その時々の行政当局の意向に左右されないで基本的に同じように生活支援が受けることは国民の権利である」と意見を述べた。
 さらに、五月十六日、衆議院災害対策特別委員会で公的支援が必要だとする決議(別掲)を採択した。
 三宅島避難民の帰島までの生活支援と帰島後の家屋の再建・就労の場の確保・産業の育成など、まったなしの施策が行われなければならない。東京都はライフラインの再建などに向けた予算執行は行っているが、被災者の生活支援のために公的支出については拒否している。
 東京都は、三宅島被災者のための公的支援を行え! 政府は東京都ともに公的支援を行え! 被災者生活再建支援法を五百万円の支給をできるように改正せよ!
(滝山五郎)



三宅島噴火災害対策に関する件

                       衆議院災害対策特別委員会


 二〇〇〇年七月からの三宅島雄山噴火による災害は、火山噴火の歴史で例を見ない大量の火山ガスの噴出が長期にわたり継続し、現在もその危険が去る見通しがたっていない。そのため、島民は、今日まで約二年の避難生活を余儀なくされており、帰宅の見通しがたたず、前例のない状況に置かれている。しかも、東京から海路六時間半の離島であることから、島民は島内に残した財産の保全が極めて困難である。
 現在、火山活動は、全体として低下途上にあり、火山ガスの放出量は、長期的には減少傾向にあると言われているが、今後の正確な見通しはたっていない。また、島民の帰島に備え、二酸化硫黄の濃度を警戒しながら、砂防工事等の生活の安全を確保する基盤整備が進められている。さらに、昨年七月からは、島民の日帰り帰宅も開始された。
 こうした状況の中で、すべての島民は、一日も早い帰島の実現を望んでおり、島民の避難生活は、慣れない環境の下、生業の目処も立たず、精神的に、また経済的にも限界にあるといえる。
 全島避難から約二年を経過しようとしている現在、避難島民を支援し、希望の光を与えるためにも、火山ガスとの共存を前提とした、帰島に向けた段階的な行動計画を明らかにすることが必要である。
 政府は、三宅島噴火災害の特殊性にかんがみ、避難島民の生活支援を継続、充実するとともに、東京都及び三宅村と緊密な連携を図り、左記の事項について、万全を期すべきである。
 一 避難島民の生活支援を継続するとともに、特に高齢者及び生活困窮者に対し、就労の機会を確保するとともに、生活保護法の弾力的運用等の避難生活の支援措置を講ずること。
 二 被災者が抱える既往債務への必要な支援措置を講ずること。
 三 一時帰島の費用の軽減のため、さらなる支援措置を講ずること。
 四 活動火山対策特別措置法を早期に適用すること。
 五 火山ガスの観測体制を強化するとともに、各集落へのクリーンハウスの設置をすること等により、財産保全のため短期滞在の帰島ができるよう、環境整備の措置を講ずること。
 六 被災者生活再建支援の観点から、宅地内の降灰除去及び家屋補修等について支援措置を講ずること。
 七 帰島後の被災住民が安心して暮らせるよう、泥流対策等のため必要な火山砂防激甚災害対策特別緊急事業、火山治山激甚災害対策特別緊急事業等を着実に実施すること。
 八 帰島後の生活及び事業が速やかに再開できるよう、関係機関は連携を強め、各般にわたる支援措置を早期に明らかにするとともに、必要な立法措置のための調査研究等を含め、適切な対応を行うこと。
 九 三宅島火山活動の学術的調査研究の充実強化を図ること。
 右決議する。

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