かけはし重要記事

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郵政全労協と郵政ユニオンが主催           かけはし2002.9.30号より

郵政の雇い止め解雇撤回闘争に勝利

日逓臨職・稲井司さんの職場復帰首都圏報告集会


 最高裁は六月二十八日、郵政と全逓労組の天下り企業である日本郵便逓送株式会社(以下、日逓)京都支店の期間臨時社員・稲井司さんに対する九八年の雇い止め解雇に対して、解雇無効の完全勝利の判決を出した。この判決を受けて、七月十五日から稲井さんは復職をかちとった。
 九月十三日、この勝利を受け全国各地で闘われている日逓諸闘争の勝利に向けた首都圏報告集会が郵政全労協・郵政労働者ユニオン主催で開催された。

 七月二十四日に日本郵政公社法、信書便法など郵政関連四法案が成立したことをもって、来年度から郵政公社化が実施されることとなったが、郵政民営化の動きは、公共サービス分野への私的資本の参入と、腐敗した郵政官僚と族議員集団の利権の確保が一体となって進められている。この結果、「公共サービスの維持」は後景に追いやられ、利益追求を第一義とした合理化諸施策(郵便番号の七ケタ化、二万人定員削減五カ年計画、非常勤・短時間職員の大量雇用など)が郵政二労組(全逓、全郵政)の全面協力の下で展開されている。
 公社・民営化への道は、正規労働者と非常勤・短時間労働者に労働環境の劣悪化と労働強化を強制することにとどまらず、関連企業で働く労働者にも確実にそれが波及している。
 稲井さんの雇い止め解雇が行われたのは九八年九月十八日。理由は、二月に通勤途上で遭った事故が私傷事故であり、二月二十八日で契約切れということで、半年以上さかのぼっての解雇だった。
 稲井さんは日逓京都支店に期間臨時社員として九三年に入社、三カ月契約の反復更新の雇用だった。九四年、仲間と期間臨時社員組合を作り、九五年には二十四時間勤務の中の仮眠時間は労働時間であるとして仮眠時間賃金未払い請求裁判を起こした。
 さらに、正規の運転手よりも過酷な運転を強いられ、本務者に出ている諸手当が同じ労働をしている臨時社員にはほとんど出ておらず、臨時社員の賃金が半分以下という実態を知るに及んで、九八年に日逓本社へ差額の支払いを求める請求を行ったが、日逓が支払いを拒否したために差別賃金損害賠償請求訴訟を起こしている。このような稲井さんの闘いが雇い止め解雇の伏線であったことは明白だ。
 集会の主催者である郵政ユニオンの倉林さんが開会のあいさつに立ち、「郵政公社・民営化に向けて、連合二労組(全逓・全郵政)の協力の下で各種合理化施策が加速しており、要員政策では二〇一〇年までに郵便関係職員の四三%が非正規雇用化される。こうした中で、非正規雇用労働者の雇い止め争議は全国に広がっている。稲井さんの勝利をもって正規・非正規労働者を問わず、闘いの新たなスタートとしたい」とアピールした。
 続いて稲井さんが、郵政官僚と全逓労組役員の天下り企業である日逓資本と闘いぬき、昨年には郵政全労協日逓支部を結成して支部長となり、今年七月に復職を闘い取るまでの取り組みの報告を行った。
 「日逓資本は『外圧論』や『事業危機論』を唱え、昨年四月、『収支改善施策』を打ち出し、労働条件の一方的不利益変更を実施してきた。これによって年間百万円強の減収と労働強化がもたらされた。こうした中で、近畿各地の日逓の正規雇用労働者二十六人が、期間臨時社員の闘いに続いて日逓資本を告発、不利益変更を取り消しを求める裁判を提訴した。年間休日の七日削減、手持ち時間を休憩時間に換算して超勤手当を不支給、深夜勤加算時間の廃止などを内容とする『収支改善施策』は、全逓の日逓対策部中央本部が多数の組合員の声を無視してそのまま受け入れてしまったもので、当然にも無効だ」。
 稲井さんはこのように述べ、ともに闘う体制を作り上げていかなければならない、と闘いの決意を表明した。
 続いて東京地評の小野寺さんが連帯のあいさつ。「労働組合の運動は難しくはない。賃金、権利、労働条件を保障すること、この三点だ。郵政の反マル生闘争を経て4・28処分が出され、全逓の労使協調路線の推進によってこの三点がぶち壊されてきた。雪印や日ハムの問題も含め、企業経営がひどくなっているのは労働組合がないからだ」。小野寺さんはこのように連合労組を痛烈に批判し、郵政におけるさまざまな闘いをさらに大きく広げていく必要があると訴えた。
 中小労組政策ネットワークの平賀さんは「正規・非正規労働者が連帯した共同の闘いがあってはじめて郵政全労協の闘いは労働運動総体のありようから見て大きな成果に結びつくのではないか」と激励した。
 「労働情報」の江藤さんは、「稲井さんの最高裁での勝利判決は画期的だ。今後もゆうメイトや非正規労働者の闘い、組織化への取り組みなども含め、現在争われている日逓本務者の『不利益変更裁判』も誌面でフォローしていきたい」とアピールした。引き続き、ユニオン東海の池田さん、ビデオプレスの佐々木さん、東水労の仲間からそれぞれの闘いの報告と支援・連帯のあいさつがあった。
 集会の最後に、郵政全労協議長の棣棠さんは集会のまとめの発言をした。
 「公社化法案は、公共サービス=ユニバーサルサービスをかなぐり捨て、営利第一=民営化に大きく舵をとった。大労組は経済不況の中で、企業防衛を第一義として労使一体となって合理化を推進している。本務者の定員削減と非正規労働者の雇用増大は、賃金、権利、労働条件の低下を強制している。この一方で、特定局制度や天下り・ファミリー企業問題には一切手をつけず、依然として郵政官僚と族議員の利権は確保されたままとなっている。また、郵政の本年度の事業収益が黒字決算となったが、郵政の誌合理化施策によることにとどまらず、関連企業で働く労働者へのしわ寄せもその要因のひとつとして挙げられるのではないだろうか。私たちの今後の闘いのあるべき姿は、いま、日逓の本務者の『不利益変更裁判』が臨時社員と連帯して闘われている闘いが指し示していると思う。郵政全労協は非正規労働者、関連企業労働者との連携、組織化とともに、社会的運動への領域拡大、郵政労働運動の責任組合としての挑戦を続けていく」。
 会場の参加者の拍手で棣棠さんのまとめを確認した。       (N)


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