JPEX統合・雇い止め解雇撤回を!
非正規労働者の生活と権利を守ろう |
鳩山政権下初
のストライキ
九月十八日、郵政労働者ユニオンは関東地本の千葉支部(千葉緑支店)、船橋支部(船橋支店)、栃木支部(佐野支店)で日本通運ペリカン便とゆうパックの宅配便事業統合(JPEX統合)に伴う、郵政非正規労働者の雇い止め、委託契約解除による解雇や、「雇用調整」という名の勤務日数・勤務時間の大幅短縮による生活破壊に抗議して、当該契約社員の組合員を中心に十人が指名ストライキ闘争に決起した。
十月一日のJPEX統合が延期になったにもかかわらず、ストライキ突入前日の九月十七日段階で雇い止め解雇、契約解除、「雇用調整」措置は撤回されていない。郵政労働者ユニオンに寄せられた相談だけでも組合員をふくめて百人以上が解雇通告を受けている。三重県の四日市西支店では三十二人の期間雇用社員が雇い止め通告を受けた。愛知県の千種支店では二十人の委託労働者が契約解除となり、郵政労働者ユニオンに結集することになった。愛知県の田原支店では二十人が、静岡県の焼津支店では八人が、船橋支店では三人が雇い止めとなった。
群馬県の伊勢崎支店では十月一日から、一日六時間・週五日雇用の期間雇用労働者が一日六時間・週二日雇用となり、年収百万円以下・社会保険も適用されないことになった。栃木県の佐野支店では同じく十月一日から、一日六時間・週五日雇用の期間雇用労働者が一日四時間・週三〜四日雇用となり、月収十万円以下、社会保険が適用されなくなった。非正規労働者の雇用と生活をかえりみないこうした攻撃に対決して、郵政労働者ユニオンは全国闘争として関東地本での指名ストに立ちあがったのである。それは鳩山政権の下での最初のストライキ闘争だった。
手取りが三分の
一以下になる
九月十八日、関東地本を中心に全国から結集した郵政労働者ユニオンの組合員と支援の仲間は午前七時半から船橋郵便局前に百人以上が参加してスト突入集会を行った。船橋支店には四百五十人の期間雇用社員が働いているが、全国でも突出した非正規切りを行っている。昨年にも二人が雇い止めされたが一人は完全撤回を勝ち取り、もう一人も勝利和解した。船橋でのストライキは、こうした不当な攻撃を跳ね返す決意をこめて設定されたものだ。局前でいくつもの横断幕を広げ、赤旗を林立させた集会に、監視の会社側管理者はなすすべもない。
郵政労働者ユニオンの松岡委員長は、JPEX統合が延期されたにもかかわらず期間社員などの雇用危機は続いており、各支店で解雇・雇い止めが乱発されていることを糾弾。「雇用調整」による労働時間短縮で手取り収入が三分の一になる期間雇用労働者がいる、と報告した。さらに「九月十一日の対総務省交渉で、労働条件切り下げ、解雇・雇い止め、委託契約解除の撤回を申し入れた。今こそ日本郵政を社会的に包囲する陣形を」と訴えた。
午前八時からストに突入する船橋支部の六人(4人が1時間スト、2人が8時間全日スト)が簡潔で力強い決意表明を行った。関東地本の椿書記長は、ゆうパック配達の期間雇用社員のうち半数以下しかJPEXに移行できず、二人のユニオン組合員にも雇い止め解雇通告がなされている、と報告した。さらに千葉緑支店では女性二人を含むゆうパック配達の期間雇用社員に四輪自動車での配達から経験のないバイクでの配達に移行するよう指示が行われており、それは事実上やめろというのと同じだ、と椿さんは怒りをこめて抗議した。山岸交渉部長が八月一日以降四度にわたる交渉の経過を説明した。全く誠意ある回答を行っていない会社側の対応を山岸さんは厳しく批判した。
次々に解雇撤回
の成果が上がる
この日ストライキに立ちあがった栃木支部佐野分会の丹羽さんは、「労働時間の短縮で賃金がこれまでの三分の一に減額される非正規労働者がいる。労働時間の変更に応じるか応じないかの二者択一を突きつけ、応じられないと答えたら雇用継続はありえない、ということになっている。九月十四日に佐野局前で集会を行ったら、営業妨害だとして警察を呼んだ。私たちは局の都合に合わせて働いてきた。今までの労働条件で働きたいと言っているだけだ」と怒りをぶつけた。
連帯のあいさつが国労千葉支部の小林書記長、新社会党千葉県本の上野建一さん、郵産労、N関労(東日本NTT関連労組)、シルバーユニオンの吉野信次さん、鉄建公団訴訟原告団の岩崎さん、電通労組の鏡さん、全日建連帯労組の池田さん、ATTACジャパンの安蒜さん、全労協の中岡事務局長から行われた。さらに社民党参院議員の又市征治さん、ゆうパック委託契約労働者二十人で結成した郵政労働者ユニオン東海地本千種支部からのメッセージが紹介された。全国から代表参加した郵政労働者ユニオン九州地本、中国地本、近畿地本、東海地本、東京地本、新潟支部の仲間たちも各地の闘いを報告した。
午前十時まで二時間半にわたって行われた集会の最後に、局に向かってシュプレヒコールを叩きつけ、仲間たちはただちに千葉緑郵便局でのストライキ闘争にかけつけ、午後は総務省での交渉に臨んだ。
九月十八日のストライキは、多くの期間雇用労働者の共感を呼び、感謝と激励が寄せられている。それだけではない。この日の闘いを受けて、雇い止め解雇の撤回、JPEX移行の中止と郵便事業会社との再雇用契約、四輪自動車でのゆうパック配達の継続などの成果が次々に報告されている。
鳩山政権の成立と「郵政民営化見直し」の動きは、確実に小泉・竹中「改革」路線の焦点だった郵政民営化の矛盾と破綻を暴きだし、反撃の水路を切り開いている。郵政労働者ユニオンの9・18ストはその最先端に立つ闘いであった。(K)
鳩山連立政権のスタート
労働者・市民の自主的行動で自公政治からの根本的転換を
高い支持率と
新しい政策
九月十六日召集の特別国会で首相に指名された民主党の鳩山由紀夫代表は、同日夜に三党連立内閣を組閣した。社会民主党の福島みずほ党首が消費者・少子化問題担当相(食品安全・男女共同参画担当)として、また国民新党の亀井静香代表が金融・郵政改革担当相として入閣した。
自公政権に代わる民主党主導政権は、明確に自公政権との差異を意識した「変革」をイメージさせようとしている。後期高齢者医療制度の廃止、生活保護母子家庭加算打ち切りの撤回、障害者自立支援法の廃止、群馬県の八ッ場ダム建設や沖縄・泡瀬干潟埋め立て工事の中止、二〇二〇年までに温暖化ガス排出量を九〇年比二五%削減する公約などが、鳩山内閣の閣僚によって次々に打ち出されている。
外交・防衛問題についても来年一月に期限切れの海自のインド洋での給油活動打ち切りが明言された。岡田外相は核持ち込みや沖縄返還をめぐる日米間の密約調査を藪中外務事務次官に命令した。
郵政事業の四分社化「見直し」、登録型派遣・製造業派遣の原則禁止をふくむ労働者派遣法の抜本改正などの連立政権合意書に書き込まれた一連の措置実現に向けてスタートを切ることも期待されている。
さらに来年の通常国会では外国籍住民の地方参政権法案を上程することも日程に上がっていると報じられている。「死刑廃止議員連盟」に所属する千葉景子氏が法相に就任したことも、少なくとも彼女の在任中は死刑執行が停止されることへの希望を抱かせる。新政権にとっては「最初の百日が勝負」とも報じられているが、鳩山三党連立政権が、七〇%以上の支持率を背景に相当の決意をもって出発したことは間違いないだろう。米国のオバマ政権も、「米軍再編」の維持、沖縄・辺野古への新基地建設計画の続行について鳩山政権を牽制しつつ、当面は「相手の出方」を見るという態度を取っているようである。
政権の限界を
見据えながら
この鳩山政権の「変革」をイメージさせる積極的姿勢がどれだけ継続するものであるかについて、われわれは幻想を持たない。来年七月の参院選挙で民主党が勝利し、参院での安定過半数を獲得できれば、三党連立を解消し民主単独政権に移行する条件も形式的には整うことになる。
しかし、われわれが鳩山政権への「期待」を煽りたてるべきでない根拠は、この党の性格そのものに内在している。民主党は繰り返すまでもなく日本会議に属する極右民族主義の傾向から、「松下政経塾」出身の新自由主義的「規制緩和」路線の信奉者、そして社会民主主義的傾向までのアマルガムである。自動車、電機、ゼンセンなどの大企業の「連合」幹部は、財界の利害を直接的に民主党内に反映させようとするだろう。さらにそれぞれにニュアンスの差はあれ、民主党は「日米同盟」の下での改憲・海外派兵推進を党全体の正式方針としている。
したがって持続する資本主義経済の危機と失業・貧困の拡大や、米国からの一層の圧力の中で、民主党政権はその危機を大資本の利益に反する形で突破する方向を持ち得ない。それは消費税の大幅引き上げをふくむ新たな大衆増税の強制という形を取らざるをえない。そのプロセスは、存亡の危機に陥った自民党をも巻き込んだ新たな政党再編を伴うだろう。
連続的な闘い
の組織化へ!
われわれは当面、自公政権からの「チェンジ」を意識させることを主眼にした民主党政権の出発への民衆的期待、自公政権の退場による官僚体制の動揺がもたらすスペースを活用し、労働者派遣法の抜本改正、「貧困」問題の解消にむけた具体的な政策措置、米軍再編・沖縄の新基地建設阻止、自衛隊の海外からの撤兵、反改憲、気候変動問題などに関して要求を提示し、その実現を迫る大衆的運動を連続的に組織していく必要がある。このプロセスは、資本主義の限界が歴史的に露呈した時代に挑戦する新しい左翼オルタナティブ勢力を現実の運動を媒介に登場させていく機会でもある。
同時にこのプロセスを通じて、民主党政権が掲げる「改革」に危機感を燃やす階級勢力が、新たな反撃を強めることになる。極右排外主義グループの暴力的突出は、そうした時代的背景を持っている。「反日左翼に支配された民主党」という自民党の総選挙キャンペーンは、その一端を垣間見せた。
労働者・市民は、このような排外主義極右の進出を大衆運動の力で跳ね返すために全力をあげよう。十一月十二日の「天皇在位二十年奉祝」式典に反対する行動に結集しよう。 (純)
|