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                            かけはし2009.9.7号

「かけはし」共同編集・発行にあたって

国際主義労働者全国協議会(NCIW)運営委員会
日本革命的共産主義者同盟(JRCL)中央委員会

 (1)

 いま私たちは世界と日本の情勢の歴史的転換を迎えています。昨年来の戦後最大の金融・経済恐慌は、新自由主義的グローバル化を主導してきた「カジノ資本主義」の破綻を明らかにしました。それは、アメリカのブッシュ前政権がアフガニスタンやイラクで発動した「対テロ」戦争戦略の破綻と連動したものであり、ソ連・東欧のスターリニスト官僚独裁体制崩壊後の米国の一極的覇権が崩れ去りつつあります。
 新自由主義的グローバリゼーションの危機、アメリカ帝国主義の一極的覇権の崩壊は、同時に気候変動による環境危機、食糧・エネルギー危機などとも連動した複合的性格を持ったものであり、それは現代資本主義システムそのものの歴史的限界をまざまざと告げ知らせるものです。現代資本主義システムの限界は、失業・貧困・飢餓・戦争・暴力・差別の嵐を解き放ち、労働者民衆が闘いとってきた民主主義・人権・自由の破壊をもたらしています。
 日本でも二〇〇九年八月総選挙を通じて予測される「政権交代」は、こうした現代資本主義システムの危機のあらわれであることはいうまでもありません。民主党主導政権の誕生は、新自由主義的「構造改革」路線に対する労働者・市民の抵抗が始まっていることの表現です。しかし民主党主導政権の成立は、同時に資本主義の複合的な危機に対するオルタナティブを追求すべき左翼勢力の混迷という現実をも突き付けています。
 労働者・市民の抵抗の発展は、世界的な民衆の闘いと結びついた新しい反資本主義的な左翼、21世紀の社会主義をめざす挑戦が緊急の課題であることを私たちに示しています。

 (2)

 新しい反資本主義左翼のための闘いは、今年2月に出発したフランスの反資本主義新党(NPA)の中に一つの例を見ることができます。それは私たち両組織が共に支持している革命的共産主義者の国際組織・第四インターナショナルが二〇〇三年の第十五回大会で提示した反資本主義的で複数主義的な新しいインターナショナルのための闘いの具体的な踏み出しです。
 旧第四インターナショナル日本支部の構成要素であった私たち両組織は、左翼の混迷を突破し大衆的な反資本主義的オルタナティブをめざす挑戦に踏み出すために協力して闘うことが必要であると考えています。
 もちろん私たちの間には相違も存在しています。しかし私たちは、第四インターナショナルの同志たち、世界とアジアの左翼の闘いと問題意識・経験を共有しようとする点で一致しています。
 私たちは、スターリニズム、新自由主義の枠組みに取り込まれた社会民主主義=社会自由主義から独立し、労働者・市民の現実の運動に根ざした反資本主義政治勢力を形成しようとすること、フェミニズムやエコロジーの観点を重視し、複数主義的で民主主義的な組織を建設しようとすること、そしてあらゆるセクト主義・内ゲバ主義を否定し、大衆運動・統一戦線において共同の利害に責任をもとうとすることの決定的意義を自覚しています。
 言うまでもなく私たちは共に極めて小さな組織ですが、自らの弱さを見つめ、しかも決して現状に安住することなく、歴史的転換と危機の時代が私たちに課している責任を着実にかつ大胆に果たしていくことを決意しています。週刊「かけはし」を両組織が共同で編集・発行していくことはそのための第一歩です。

 (3)

 週刊「かけはし」は次のような基準で共同編集・発行を進めます。

a 改憲・戦争を可能とする国家づくりと新自由主義に反対し、反資本主義的オルタナティブ=新しい社会主義のための闘いの立場からの系統的分析と指針の提起。
b 世界の労働者民衆と結びついた国際主義。
c 現場の労働運動・社会運動・市民運動に密着した紙面。
d 政治・社会・生活・文化・イデオロギーなど多彩で深くかつ読みやすい紙面。
e 異なった意見、論争を含む開かれた紙面。

 私たちは、同志・友人・読者のみなさんに呼びかけます。インターネットの時代においても週刊での印刷媒体の役割は重要であると私たちは確信しています。ぜひ週刊「かけはし」を拡大し、討論の素材としてください。編集部と読者の双方向的関係は、紙面の充実、運動の質的発展にとって欠くことのできないものです。
 週刊「かけはし」をもっと多くの人びとの闘いのメディアとしていくために!

     2009年8月




都教委包囲・首都圏ネット
二百五十人結集で都知事・都教委に申し入れ行動


不当処分乱発を許さず闘いは続く

 都教委包囲・首都圏ネットは、八月二十八日、都教委がある都庁第二庁舎前で「石原都知事は即刻退陣せよ!東京都杉並区の『つくる会』教科書採択弾劾!改悪教基法の実働化と闘おう!」をメインスローガンに掲げ、集会と都知事、都教委への申し入れ行動を行った。全国の闘う仲間たちも駆けつけ二百五十人が参加した。
 石原都知事と都教委は、グローバル派兵国家建設と連動して新自由主義的教育破壊、愛国心教育を強行してきた。しかし首都圏ネットをはじめ闘う教育労働者は、「日の丸・君が代」強制の10・23通達撤回、不服従の不起立・ピアノ伴奏拒否の闘いを押し進め、職務命令違反と証する懲戒処分者が四百二十人以上におよんでいるが、粘り強く反処分・「日の丸・君が代」反対の闘いを展開している。
 次々と巻き起こる闘いに対して都教委は、教職員の差別・分断にむけて主任教諭制と五段階職務賃金制度の導入、管理強化のための業績評価(人事考課制度)、言論弾圧をねらった職員会議での挙手・採決禁止、「日の丸・君が代」に反対する教職員の労働権を奪う分限免職処分強行などによって闘いを押し潰そうと攻撃のスピードを加速化させている。七月二十一日都議会選挙で石原都知事をバックアップしてきた自民党・公明党が過半数割れした。都議選結果は、石原新銀行の破綻、教育・医療・福祉破壊、ムダな東京オリンピック誘致運動、築地市場移転問題に対して明確な反対と抗議の現れだ。石原都政を包囲していく陣形が確実に拡がっている。さらに追撃を行っていこう。石原都知事は辞めろ!

次々と報告・決意
表明が行われる

 集会は、永井栄俊さん(「日の丸・君が代」強制反対 予防訴訟をすすめる会代表)の開催あいさつから始まり、「日の丸・君が代」不当解雇撤回を求める被解雇者の会、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会、「日の丸・君が代」 強制反対・嘱託採用拒否撤回を求める会、河原井さん根津さんらの「君が代」解雇させない会の根津公子さん、不当処分撤回の闘いを行っている渡辺厚子さん、最高裁闘争を闘う板橋高校元教諭の藤田勝久さんから闘いの報告と決意表明が行われた。
 参加者全体で石原・都教委の「教育破壊」糾弾と石原退陣をつきつける力強いシュプレヒコールを都庁にむけて行った。
 前半の集会終了後、石原都知事と都教委に向けて要請団が組織され、「10・23通達」と処分撤回、不当解雇やめろ、不起立者への思想転向を強要する人権侵害に満ちた「服務事故再発防止研修」中止などを求める要請書を提出するために行動に入った。ガードマンや職員による不当な妨害・規制が繰り返されたが、結局、石原知事の秘書(副参事)に要請書を渡し石原に渡す確約を確認した。また教育庁は、不誠実対応に終始した。要請行動と都庁前で待機していた仲間たちと合流し、報告集会が行われ、8・28都教委包囲アクション決議(別掲)を採択し、新たな闘いにむけてスクラムを強化していくことを誓い合った。     (Y)

8・28都教委包囲アクション決議

 石原都政が発足してから十年が経過しました。この十年間で都政と都民生活はずたずたに引き裂かれました。なかでも教育の反動化と福祉の切り捨てのすさまじさは群を抜いています。このような都政は一日もはやく終わらせなければなりません。
 石原都政の下で都教育委員会は、何一つ教育のためになることはやってきませんでした。定時制高校の統廃合をよりいっそう進めるなど生徒の教育の場を次々に奪ってきました。一方で、進学重点化や数値目標などを導入し、自由な伝統のある都立高校の予備校化を進めています。
 なかでも際立っているのが、10・23通達による卒業式・入学式での「日の丸・君が代」の強制です。二〇〇六年の予防訴訟9・21判決によって違憲・違法と宣告されたにもかかわらず、職務命令違反を理由とする懲戒処分が続けられその数は四百二十名以上にものぼっています。さらに処分された教員には分限処分の脅しがかけられています。
 それだけではありません。
 二〇〇六年四月に開設した「学校経営支援センター」は、教育活動の監視を毎日のように続けています。都教委は加えて、職員会議での採決の禁止をさらに徹底させ、学校で自由にものが言えない状態にしています。そして、主幹制に加えて主任教諭制度も導入し、教職員を上下の命令・服従関係のもとに置こうとしています。加えて、残業に次ぐ残業で教職員は疲れ果てています。
 石原都政下の都教委はいったい何をしようとしているのでしょうか?
 都教委は、改悪教育基本法の実働化を全国に先駆けて行おうとしているのです。かつての安倍反動内閣がかかげていた「戦後レジームからの転換」を安倍が辞めても性懲りもなく東京でなおも実施しようとしているのです。戦後の民主的な教育の体制を根底から覆し、教員と教育の統制を通じて、国家のために進んで命を投げ出す国民を作り出す教育ができるような仕組みに変えようとしているのです。東京の公立学校全体を愛国心で洗脳しようとしているのです。都立の中高一貫校や特別支援学校全校に「つくる会」社会科教科書を採択したのもそのような理由からです。
 都教委の暴走はとどまるところを知りません。しかし、決してあきらめてはいけません。10・23通達は、教職員の抵抗を根絶やしにすることをねらいとしていました。しかし、抵抗し抗議する声を絶やすことはできませんでした。
 いま、石原都政は新銀行問題や築地市場移転問題、それに都議会議員選挙の歴史的敗北などでかつてないほど動揺しています。
 都知事を最大の後ろ盾とする都教委に抗議し、都教委を糾弾する声は、以前にもまして広がっています。私たちはこの闘いの意義に確信を持ち、都教委を糾弾する声を全国に広げて行こうではありませんか。そして石原都知事を一日も早く退陣に追い込み、10・23通達の撤回及び処分撤回を勝ち取って行こうではありませんか。
  2009年8月28日



日本女性学研究会、女性と天皇制研究会が集会
天皇制による抑圧論理に多様な角度から切り込む


なぜ分断が生み
出されるのか

 八月二十九日、「おんなの幸せに手本はいらない 天皇制がなくなったら、こんないいことあるよ!」と題した集会が、東京・文京区男女平等センターで開催された。主催は日本女性学研究会と女性と天皇制研究会、後援は女性史をよむ会と〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!え〜かげんにせーよ共同行動。
 最初に主催者から女性と天皇制研究会(女天研)の桜井大子さんが「皇太子妃雅子バッシング」を取り上げ、「結婚すること、子を産むこと、夫の家族を大切にすること」という価値観に合わない雅子への批判は「天皇一家が指し示す『幸せ』が『不幸』を作り出すという関係を照らし出している」と問題提起し、パネルディスカッションに移った。
 堀江有里さん(信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会/日本基督教団京都教区)は「ひとりのレズビアンから、宗教批判の立場から」として問題提起。少数者が切り捨てられ、つながらざるをえない現実の中で、なぜ分断が生み出されるのか、と問いかけると共に、「おんなの幸せや」や「ヘテロ主義(異性愛絶対主義)と天皇制」というテーマにも異論を提起した。「おんな」という時、レズビアンは含まれているのか、「ヘテロ主義」というくくり方は正しいのか、という問題にそれは関わっている。堀江さんはまた「`明るいa運動」や「ポジティブなスローガン」という考え方を疑い、「わかりやすさ」が求められ「陰気臭さ」が嫌われる時代にあえて「憂いのなかにとどまる」ことの意味についても主張した。

物わかりの良
さに違和感

 大橋由香子さん(SOSHIREN 女〈わたし〉のからだから)は、『女・エロス』の特集「婚姻届の呪縛を解け」を高校生のころに読んで感動した経験を語りつつ、「婚姻届、婚姻制度、国家による管理」への批判から天皇制批判にいたる通路について提起した。そしてその後のフェミニズムが、たとえば「夫婦別姓」の合法性を求める運動や、「赤ちゃんがほしい」という欲求を否定しないなど、「物わかりの良さ」に傾斜する傾向を見せていることに対しても、不妊治療に歯止めがなくなっている現実を指摘しながら、違和感を語った。

レイシズム、
セクシズムの温床

 荒木菜穂さん(日本女性学研究会)は、フェミニズムは「カルト」と見なされて嫌われながら、天皇制は同じ「カルト」でもなぜ好かれるのか、と問題を提起した。フェミニズムについては「上から目線」で自分を攻撃する、という意識からの反発があるのに対し、天皇制は「今の自分を肯定してくれる」という捉え方がそこにある、と荒木さんは語る。
 海妻径子さん(ジェンダー論)は、「雇用均等法世代」として女性に対する進路指導が変化していった時代をくぐりぬけ、そこで女性学に出会った経験を語りながら、新自由主義による社会変容を通じて、「婚活」が「セーフティネット」としてあるのかという論点を紹介した。海妻さんは、雇用不安の中での「婚活」は男にとってもメリットのあるものとした現れていることも指摘した。
 本山央子さん(アジア女性資料センター)は、天皇制とレイシズムの関係を取り上げた。日本人男性と外国人女性との間のDV発生率の高さ、入管法改悪によって外国人女性が非本人男性の「配偶者」としての実態を五カ月続けていないと在留資格を取り上げられるという問題、二〇〇八年十二月の国籍法改正で「生後認知」でも国籍が取れるようになったことに対し、「偽装認知」で外国人の女性が日本人男性をだまして日本の家族を破壊するという「抗議」が殺到したことを報告した本山さんは、天皇制がセクシズム、レイシズムの温床である、と批判した。
 報告の後、パネリスト間の討論、フロアからの質疑も行われた。時間が足りなかったのは残念だったが、今後の論議を深める上で実に中身の濃い集会だった。 (K)


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