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「反貧困ネット」が09キャンペーンスタート企画     かけはし2009.8.10号

総選挙-私たちが望むこと

この現実を生み出した政治を変えよう


 総選挙の実施が決まり、各党のマニフェストが出そろった七月三十一日夜、「私たちが望むこと」と題して、市民の側から要求を掲げた集会が開かれた。主催は「反貧困ネットワーク」。今年のキャンペーンのスタート企画として呼びかけた。御茶の水・総評会館に、満員の三百五十人が集まった。

17項目の具体
的要求を提示

 「反貧困ネット」では、「生活保護」「年金」「住宅」「女性」「外国人」「医療」「社会保障」など十七項目を挙げ、それぞれで具体的な要求を打ち出した。集会ではこの分野に該当する当事者たちが次々と発言。政党の国会議員も参加した。
 菅直人民主党副代表・前衆院議員は、「派遣村が開かれるまで、貧困問題が見えなかった」と「反省」し、「貧困の実態調査は必ず行なう。みなさんの活動が、私たち政党へのプレッシャーになっている」と言明した。日本共産党の大門実紀史参院議員は、「私たちの要求をはね返す勢力がいる。財界・経団連だ。社会保障を削減、派遣労働の拡大を実現した自民党政治を、今度の選挙で終わらせる。そして派遣法の抜本改正をする。生保の母子加算の復活などは、当たり前のことだ」と断言。社民党の保坂展人前衆院議員は、「このかん派遣法の抜本改正を訴えてきた。五十年前の日本には、炭鉱離職者対策として最大三年間の生活保障があった。こうしたセーフティネットを継承するために、党を挙げて取り組みたい」と決意を語った。
 「保険医団体連絡会」の寺尾正之さんは、果てしなく上がり続ける保険料と減り続ける保険給付について解説した。自民党は世論の逆風を受け、「七十五歳以上の就労者を、後期高齢者医療制度から除外する」としたマニフェストを発表。「七十五歳以上の就労者」とは、いったい誰を指すのか。「キャノンやトヨタの役員たちは、『姥捨て山』のこの制度に移らなくて済む。金持ちは安い保険料で十分な医療が保障されるのだ」と公約の欺瞞を暴き、「今回の総選挙で、真の敬老医療制度をつくるきっかけにしたい」と結んだ。

労働運動と社会
運動の協働で

 企業組合「あうん」の中村光男さんが登場した。中村さんの発言は、聞く者が思わず襟を正し、背筋を伸ばしてしまうような迫力を持っている。「私は山谷で約二十五年間、日雇い労働をしてきた。やがて仕事がなくなり、多くの仲間が死に絶えた。都内では昨年秋から野宿者が倍増している。支援団体は『米がない』と汲々としている」。「なぜわれわれが三十年も四十年も炊き出しをやらねばならないのか。野宿者には生存権が認められていない。選挙権もない。『法の下の平等』が民主主義社会の基本なら、この現実は何なのか」。「ホームレスはほとんど、失業と同時に路上に出ざるを得ない非正規労働者だ。労働運動と社会運動が手を取り合いながら、みなさんと一緒に進んでいきたい」と力を込めた。
 都の臨時職員として働く根岸恵子さんは、正規職員との露骨な差別待遇の数々を糾弾した。細切れ任用や日給制など、公務員に与えられているさまざまな権利が、臨時職員には一切ない。交通費も支給されず、有給休暇もない。子供が高熱を出しても出勤せざるを得ない過酷な現実がある。まさに「官製ワーキングプア」である。同じ職場で働きながら、非正規職員だけが前近代的な労働条件を強いられている理不尽を、根岸さんは声を震わせて告発した。

貧困削減の
数値目標を

 二時間休みなく明らかにされたこの国の貧困の惨状と、セーフティネットのもろさ。一日三食を食べられない人でも、服を着て靴を履いている。それを見て「まだ余裕がある」と言い切る人々がいる。私たちが築いてきた社会は、そんな情けないものだったのか。それが私たちの社会だったのか、と主催者は問いかける。
 同ネットは政府に、一九六五年以来行なわれていない「貧困率」の測定を求めている。そのうえで、貧困削減の具体的数値目標を示すよう迫っている。
 事務局長の湯浅誠さんが「集会宣言」を読みあげ、参加者が満場の拍手で確認した。
 赤石千衣子さん(しんぐるまざーずフォーラム・同ネット副代表)が、「今日発言した障がい者、外国人労働者、シングルマザー……、この人たちの待ったなしの状況を変えていかねばならない。この会をさらに広げて、政治を変えていこう」と閉会のあいさつをした。多数のメディアも訪れた集会は、最後まで熱気にあふれ、参加者の強い一体感に包まれていた。(隆)




パナソニック裁判全国総行動
郡山駅前広場で福島県集会にぎやかに市民にアピール


 パナソニックグループ各社を相手に訴訟を起こしている三人の原告(福井県の河本猛さん、大阪の吉岡力さん、福島県の佐藤昌子さん)呼びかけによるパナソニック争議勝利全国総行動の初日、七月二十六日に福島県集会が郡山駅前西口広場において午後四時半から七時まで多彩な内容で開かれた。
 心配された雨も上がり午後三時から、佐藤昌子さんを支援する会三十人がテント張り、机・いす運び、バナー、のぼり旗設置の作業を開始、演奏家や歌手も参加してのイベントであるためにPA(音響設備)調整のために仙台の専門学校生二人が駆けつけてくれた。

野党改正案の
問題点も指摘

 集会の司会は支援する会副代表の黒田さんが勤めた。オープニングにサックス奏者の稲葉隆一さんが「聞け万国の労働者」などを演奏。支援する会代表の宗形代表が主催者あいさつを行い、全国総行動の伴事務局長が「今回の総行動で全国のパナソニック百六の事業所に対する要請行動に取組み争議の早期解決を求めるとともに、二十七事業所閉鎖による一万五千人首切りを許さない闘いを作り出そうと訴えた。原告の佐藤昌子さんは「自分は特別なことをしているのではない。みんなが当たり前に暮せるよう理不尽な企業の態度にNO!と立ち上がった。生活に見通しの聞く安定した雇用や社会保障があってはじめて健全な社会が作られる」と派遣労働の廃絶を訴えた。そして、七月に三野党が提出した派遣法改正案が、専門二十六業務を規制から除外しておりで多数の女性が就いている事務労働がそこに含まれる恐れが強いことなどの問題点を指摘し、派遣法の抜本改正の闘いを呼びかけた。

リレートークと
多彩な演奏・歌

 舞台上でリレートークと演奏・歌が交互に行われるとともに、広場とその周辺において、チラシ配布と署名行動が取組まれた。
 リレートークには、共産党の神山悦子県議、岩崎真理子市議、郡山の未来をつくる会の蛇石郁子市議、社民党郡山総支部の高橋幹事長、全自交吾妻分会の新さん、前市議の駒崎さん、いわき自由労組の斎藤さん、国労郡山工場支部橋本委員長、国労仙台闘争団佐藤事務局長、自治労連郡山市職労笠原委員長、自治労市職労佐藤代表、元県教組委員長の清野さん、郡山地方労連の川崎議長が次々と立った。パナソニック闘争の曲を作ってきた関久雄さん、歌織さん、オペラ歌手の渡辺野依さんが素晴らしい演奏と歌声を響かせた。

下請け労働者
が飛び入り発言

 広場で話を聞いていた松下電工工場の下請けで働いていた労働者が飛び入りで舞台に立ち「昨年暮れの解雇で雇用保険受給も終了、生活に窮している。十年以上も働いたのに何の補償もなく放り出すパナソニックは許せない」と怒りの訴えを行った。
 音響設備を整えてのリレートークと演奏・歌の効果もあり、チラシ千枚以上が受け取られ、約四百の署名が集まった。集会運営には五十人、発言と演奏、歌二十人、総勢七十人が参加した大行動となった。「大変だったけどやって良かったね」とスタッフの一人が言った。片付けが終わると待っていたかのように強い雨が降ってきた。天も味方した。この力を裁判勝利へ、全争議の勝利へと発展させていこう。
(佐藤昌子さんを支援する会世話人・中路良一)


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