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三里塚                        かけはし2009.7.27号

一坪共有地を守りぬこう

「加瀬勉さんを囲む会」開催
空港会社の売却強要はねのけ平行滑走路供用許さぬ闘いへ


あらためて共同
法案の意義確認

 七月十七日、千代田区の全水道会館で「7・17実現しよう!野党共同法案を―派遣法抜本改正を求めて」集会が開催され、支援組合・弁護士・派遣労働者ら百五十九人が参加した。主催は格差是正と派遣法改正を実現する連絡会、NPO派遣労働ネットワーク、NPOガテン系連帯、全国ユニオン、全日建運輸連帯労組。
 現行労働者派遣法は、資本の強い要請により一九八六年に施行された。当初は十三業務だけに派遣業務が認められていたが、新自由主義の改革路線を背景にした一九九九年の改正で、原則自由化となった。このことによって多くの日雇い派遣労働者が生み出され、低賃金・不安定雇用を強制されてきた。この悪法を労働運動の側から正すため、労働弁護団などの協力のもとに野党三党(民主党・社民党・国民新党)が共同法案作成、先の国会に提出することができた。
 しかし麻生の七月二十一日、衆院解散予告を受けて、本法案が廃案とされる可能性が強まるなか、もう一度この法案のもつ意義を再確認し、次期国会における法案成立を目指す集会内容となった。

人材派遣協会へ
公開討論会要求

 司会は、全日建連帯労組の小谷野書記長。まず全国ユニオンの鴨会長が、派遣法が「ワーキングプアの温床となって労働法違反のデパートを作り出し」、「派遣切りの嵐が吹き荒れるなか、派遣村においては、これは『職場内』では解決できない問題として社会へ突きつけた」と、グッドウィルなどの悪質派遣会社との闘いから昨年末の派遣村までを説明した。さらに「改正与党案では、三十日以内の派遣を禁止しているだけで、登録型派遣を認め、労働者をジャストインタイムでモノとして扱っている。見せ掛けの改正案と対抗するため、野党共闘が必要となった」とここにいたる経緯を述べた。
 自民党の政治的危機によって国会が混迷するなか、社民党福島党首が集会へ駆けつけた。「六月二十三日に三党共同法案を衆議院へ提出したが、衆院解散によって廃案の可能性が高い。しかし総選挙後、衆院を野党多数が占めるならば、抜本改正法案を可決できる」と発言し、本法案の特徴を説明した。また法案作成に尽力した労働弁護団の棗弁護士も、それを補足するように法案の意義を語った。両者の説明をまとめると以下のとおりだ。
1.派遣労働者を法的に「保護」し、資本の横暴を封じこめる。@製造業派遣全面禁止A登録型派遣の禁止B直接みなし雇用(派遣先が違反・違法があれば直接雇用とする)C均等待遇Dもっぱら派遣の禁止(子会社の派遣会社からグループ会社へ8割以上の派遣を行わない)E罰則規定の強化(最高罰則金額三百万円を三億円へ引き上げなど)、等。
2.法案に不十分な点があることを自覚 @二十六専門業務が例外となったが、これを抜け道とされる危険性もあるA有期雇用・雇い止めへの対策不十分B監督機関責任の明確化がされていない。
3.法案の不十分性は認めながらも意義を確認 @この数十年、労働側がこのような法案を提出できたことは稀有Aこの法案が業界・与党を驚愕せしめ、人材派遣協会は登録型派遣を守ろうキャンペーンを開始し、当日の午前中には二万五千筆をかき集めた。
4.衆院解散前に提出できたこと。日経社説(6月27日)が認めたごとく、今国会で共同法案が「成立しなくとも共同提出した事実は重い。政権の座をねらう民社党の方針を今後もしばることになる」と、経営側すら今後の民主党が後退できないことを認めた。
 そして派遣ユニオンの関根書記長が、法案作成の理由を「一つは、日雇い派遣があまりにもひどい! もう一つは派遣切りがあまりにもひどい!」からだと強い語気で語った。そして派遣会社は「登録型がなくなると、仕事がなくなる」と登録型派遣労働者を脅し、派遣法改正に反対の署名を強要していることを暴露した。
 最後に司会の小谷野さんが、「選挙期間中に、人材派遣協会へ公開討論会を要求したい」とし、この法案を起点として団結をいっそう強めて、派遣法の抜本改正を勝ち取ることを全員で確認した。  (T・B)



狭山差別裁判糾弾江東地区集会
事実調べ・全証拠開示実施し
第三次再審闘争に勝利しよう


 【東京東部】七月十七日、東京・江東区総合区民センターで「狭山差別裁判糾弾!事実調べ・全証拠開示を実現し、第三次再審闘争に勝利しよう! 7・17狭山江東地区集会」が部落解放江東共闘会議の主催で開かれた。
 古谷江東共闘代表(東交十号乗務支部)が「石川一雄さんが仮出獄して十五年、江東地区集会も十四回目を数える。第三次再審にむけて百万人署名を成功させてきた。この間、足利事件でえん罪が明らかになり再審が開始された。飯塚事件も問題にされているがすでに元死刑囚の執行が行われてしまっている。狭山事件のえん罪を晴らすことによって、すべてのえん罪事件をなくしていこう」と主催者あいさつを行った。
 次に飯塚さん(江東共闘事務局)が「江東共闘は二十四年間、狭山23デーとして亀戸駅頭宣伝を続けている。狭山事件は単なるえん罪事件ではなく、部落差別に基づくものだ。えん罪事件を防ぐためには、取調べの可視化・証拠の開示など法制度の整備が必要だ」と基調報告した。狭山弁護団の河村健夫さんが「5・22新証拠提出と裁判の焦点」と題して講演を行った(別掲)。
 次に石川一雄さんが「三十五年もなかった三者協議が開かれることになった。再審になるのではないか。生涯苦しみを抱えていくようではしょうがない。全力を投入して勝利したい」と決意を語った。連れ合いの早智子さんは「闘いがあったからこそ、明かりがともった。人の声が世の中変える」と都議選の感想や昨年の国連自由権規約委員会への石川さん参加の様子を語った。
 続いて、小笠原純恵さん(反差別国際運動日本委員会・IMADR―JC)が国連自由権規約委員会での石川さんの活動を報告し、「自らの事件に関し警察のもつすべての記録へのアクセスを保証すること」という日本政府への勧告が出されたことを明らかにした。部落解放南部地区共闘の高城順さんが自らが勤める芝浦と場におけると蓄と差別意識との関係を明らかにした。と蓄がなければ食肉文化がないこと、職場を知ってもらうために、小学生などの見学学習を積極的に行い、差別を克服していっている報告があった。最後に集会決議を行い、狭山闘争の勝利に向けてがんばることを誓い合った。 (M)


河村健夫弁護士の講演から
世の中を変えることで裁判所を変える


 私は三つのテーマで話をしたい。@再審事件とは何かA第三次再審はどのような段階にあり、今後についてB裁判所を変えるにはどのような運動が必要か。

 再審事件とは何か

 狭山裁判は足利事件と同じように一審では被告が自白を維持して死刑判決。二審から被告が自白をひるがえし、無実を主張したが無期懲役判決。最高裁も上告を棄却した。この確定判決(高裁)を覆すには、裁判の再審制度がある。刑事訴訟法435条6号「有罪の言渡を受けた者に対して無罪を言渡すべき明らかな証拠をあらたに発見したとき」。つまり「新規」「明白」な証拠がなければならないとしている。
 第一次、二次再審で提出した有力証拠はもはや価値を失うのか。そうではなく、白鳥決定が採用した「新旧証拠の総合評価論」による。免田事件では第六次で再審開始。名張事件では第七次でいったん再審になった。狭山事件では判決の事実認定がだいぶゆらいでいる。

 狭山第三次再審
 
 狭山事件の確定判決(寺尾判決)の構造。寺尾判決は石川さんが犯人と認定。有罪認定の証拠については、以下のように三つの構造にわけて認定している。@自白を離れて客観的に存在する七つの証拠(脅迫状の筆跡・地下足袋と現場足跡・血液型・手拭・スコップ・犯人に被害者宅所在を聞かれたとする証言・犯人の声を聞いたとする証言)A自白に基づいて捜査した結果発見された証拠(いわゆる「秘密の暴露」。鞄・万年筆・腕時計・現場付近で被告人を見かけたとする証言)B死体及びそれと前後して発見された証拠(死体の頚部の損傷について、死斑の発生状況・木綿細引紐や荒縄・自転車や教科書・その他)
 第三次再審においても、@からBの線に沿って確定判決を攻撃する各種証拠を提出している。科学技術の進歩によって、科学的な側面から新証拠を提出できるようになっている。
 犯人として特定する場合、脅迫状が重要である。脅迫状は石川さんが書いたものではない。それを証明する証拠を新たに提出した。筆跡の違いを科学的に証明した半沢第二鑑定書。石川さんは当時、非識字者であり、脅迫状は書けなかったとする川向・加藤意見書。
 どのように殺されたのか。判決では扼殺(押さえつけて殺す)としているが、死体の頚部に白い形で痕が残っているので、絞殺(ひもやネクタイのようなもので締めて殺した)であるとする鑑定。
 秘密の暴露という点で、脅迫状の筆記用具。脅迫状の入っていた封筒の訂正筆記用具は石川さん宅から発見・押収された万年筆ではない。被害者が使っていた万年筆でもない(齋藤鑑定)。二回の家宅捜索が行われ、脚立を使って鴨居などを調べているのに発見できず、三回目で鴨居から被害者の物とする万年筆が発見されたとする。しかし、警察学校教官を勤めたこともある元警察官の「鴨居はまず捜せ」と指導している。二回の捜索で発見できないことはおかしいとする報告書。
 今年五月二十二日に提出した新証拠。自白では脅迫状の訂正はボールペンとなっているが、訂正は万年筆でなされている。被害者の万年筆と脅迫状の万年筆の色が違うこと。さらに、被害者が持っていた万年筆と同型のものをインターネットで探し出した。この万年筆はインクを長持ちさせるためにペン先にフェルトがつけてある特殊なものでこの型しか使われていない。実験してみると、訂正したものより細い字になる。力を入れて無理やり太くすると封書の紙が変形したりするので、力を入れたものでないことも分かる。このことによっても、石川さんの無罪が分かる。こうしたわれわれの提出した新証拠だけで勝てると楽観はしていない。
 証拠を開示すべきだ。検察は裁判で証拠の六〇〜七〇%は開示しない。調べは警察官がやるので、その中から有罪にできる証拠にしぼって提出する。別の見方をすれば、無罪を争う証拠が眠っていることだ。狭山裁判でも途中までは証拠開示に応じていたが、石川さんに有利になるようなものがあったので、それ以降は応じていない。
 事件発生から四十六年が経つ。科学技術の発展・進歩という有利な点もあるが、現場の様子が変わってしまった、関係者が亡くなっているなど不利に働く点もある。当時を記録している証拠が出てくるということで、証拠開示はますます重要になっている。
 今後の再審の見通しについて。門野裁判長は来年二月に定年。証拠開示をめぐって、九月に裁判所、検察官との三者協議が開かれことが決まった。再審に向けた流れになるのか、それとも棄却に向けた判断をするためのものになるのかは協議を積み重ねないと分からない。ただ、新しい状況が生まれていることだけは確かだ。

 裁判所を動かす

 裁判所は公平・中立のように見え、裁判所は公平らしさを求められているという。しかし、裁判所は政治性の高い組織だ。刑事事件で、書記官は新聞記事をまとめて裁判官に出している。裁判官は世間を気にしている。チカン事件でえん罪が起きていることを世間は知っているし映画まで作られた。最高裁は最近チカン事件で逆転無罪判決を出し、旧来は被害者が訴えているのだから有罪としていたものを、客観的証拠に基づくようにと枠組みを変える指示を出した。
 私は東京生まれで弁護士になったが、狭山事件についてほとんど知らなかった。今回再審弁護団に誘われた時、すぐにはOKしなかった。まず資料に目を通した。事実を知って石川さんがやっていないことが分かったので弁護団に加わった。
 確定判決は三つの群に分かれていて複雑な事件だ。新任弁護士の勉強会に呼ばれることがあるが、狭山のことを話すようにしている。真実を知れば素直にえん罪事件であることが分かってもらえる。江東では毎月23デーとして街頭宣伝をしていると聞いた。これはすごいことで成果が出ているだろう。世の中を変えることが裁判所を変えることにつながる。
 白鳥決定後、再審があいついだ。その後、再審を認めない状況が続いたが、五年ぐらい前から風向きが変わっている。足利事件で再審が開いた。押して押して狭山再審を開かせよう。(発言要旨、文責編集部)


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