| 非正規・ユニオン・シンポジウム かけはし2009.7.20号 |
声を上げたらとたんにクビ!
無法な報復はねかえす団結を |
高い専門能力を持ちながら長時間労働、そのうえ低賃金。非正規雇用のあまりにひどい現状を変えようと闘い始めたとたんに、露骨な攻撃を受ける。こんな「逆ギレ」資本の報復が目立っている。七月五日、「声をあげたら〈逆ギレ〉ばっかり―――非正規・ユニオン7・5シンポジウム」(主催・7・5シンポを呼びかける会)が開かれた。お茶の水・中央大学駿河台記念館に満員の百九十人が集い、露骨な組合つぶしを仕掛けてくる会社側のやりかたを、厳しく批判した。
「組合に入ると
恐い目にあう」
KDDI国際電話センターで契約社員として働く見留洋子さんは、多彩な語学力と会話力で世界をつなぐ、ベテランの電話オペレーターだ。だがそんな専門能力を駆使する業務への報酬は、時給千三百五十円。社会保険などを差し引かれた年収は百六十万円ほどだ。
右肩上がりの売上げを続けてきた会社側は、契約期間の短縮や諸手当のカットを通告。見留さんらは「KDDIエボルバユニオン」を結成、交渉を開始した。
職場リーダーのYは、組合役員を別室に呼び出しては、恫喝で情報収集や介入を繰り返した。勤務時間中の拘束・監禁も、一度や二度ではない。「組合に入ると恐い目に遭う」と、同僚に思い込ませる見せしめだった。集会にはスパイを送り込み、「懲戒解雇」をちらつかせた。熟練社員としての勤務考課も、マイナスに代わった。明らかな報復だった。組合は都労委に斡旋を求め係争中だ。
KDDIは二〇一〇年三月に、「国際オペレーター通話」を廃止すると発表。母国語だけで二十四時間交換手と直接会話し、海外にいる相手を探すことができる国際通話サービスがなくなるのだ。家族の安否確認など緊急の事態に、この体制は重大な役割を果たしてきた。きめ細かく通話を代行する業務への需要は、グローバル化でますます高まるはずだ。「国際オペレーター通話を守る会」は、廃止の撤回を呼びかけている。
同僚たちへの
思いをこめて
株式会社ゼンショーが経営する「すき家」で働く首都圏青年ユニオンの組合員・福岡さんらは、会社側から「詐欺罪」と「窃盗罪」で刑事告訴されている。勤怠報告書の内容や、売り物にならない白米をおにぎりにし、「まかない」として食べたことが問題になった。
こんなささやかなエピソードは、どこの職場にも日常的にある。管理監督者がその場で対応すれば済むことだ。だがそれをせず、カメラで二十四時間労働者の動きを監視したあげくに、地検に告訴。「残業代不払い問題」で労基署に刑事告訴された事件への仕返しである。
「一般の従業員まで会社に言いくるめられて退職させられている。その人たちには闘い方がわからない」――福岡さんは涙で言葉を詰まらせた。激励の拍手が会場を包んだ。
あっせん拒否し
組合に損賠請求
「ネットワークユニオン東京(NU東京)」の事務局員寺尾さんも、損賠請求された被告の一人。東京・台東区の建築設計会社「(株)アルファデザインコンサルタンツ」による、リン・チョンモさん(台湾籍)の不当解雇事件を支援し、たまたま団交に出席していただけだという。
中国で働いていたリンさんは、「広義の経歴詐称」を理由に一方的に解雇された。「できる」と言った仕事をしなかったのが、その理由らしい。だがリンさんは、突然の設計命令に時間的猶予を求めただけ。「偽装請負」の疑いすらある会社側は、都労委の斡旋を拒否し、組合を相手に損害賠償を請求してきた。
原告代理人の主張は、ろくな調査も準備もしていない粗暴な内容だった。組合活動への悪意と憎悪に満ちた場当たり的な推論の類で、法廷で議論する水準ではなかった。
「小さい組合でも引くことはできない。カネの力で立場の弱い労働者を訴えるなど、許されない」――寺尾さんは力を込め、「不勉強弁護士の顔を、ぜひ法廷に見にきてください」と、東京地裁第一回口頭弁論への結集を訴えた。
過酷な派遣旅行添乗員の実態を「週刊金曜日」が報じたことで、事実上の解雇を言い渡された塩田卓嗣さん(東京東部労組・阪急トラベルサポート支部委員長)。ベルリッツ・ジャパンの劣悪な労働条件に、ストライキで闘い続けてきた語学学校講師の組合「全国一般東京南部・ベグント」の当事者が、それぞれ発言した。
自信を持って
闘いぬこう!
第二部はパネルディスカッション。パネリストは、堀内光子さん(元ILO駐日代表)、圷(あくつ)由美子さん(弁護士)、豊秀一さん(日本マスコミ文化情報労組会議・議長)。司会を棗(なつめ)一郎弁護士が務めた。
堀内さんは、日本の企業内組合の姿勢を批判し、女性の過半数が非正規に置かれている現状を踏まえながら、企業の枠を超えた労働者の組織化に言及。メディアの力を利用すること。「非正規労働者は、今や多数派だ」と自信を持つことが大切だと語った。
圷さんは、「すき家」の事件について、詐欺罪や窃盗罪が成立する要件や、その違法性について検証した。「疑いようのない事実を主張していれば、何も萎縮する必要はない」としながらも、「組合つぶし」が目的の公安捜査については、労働者に細心の注意を促した。
「私は、『ピンチはチャンス』という言葉が好きだ。今こそ結束力を強めて活動を広げよう。弁護士をもっともっと活用してほしい」と訴えた。
司会を担当したジャーナリストの北健一さんは、「情報をシェアすると同時に、ファイティングスピリッツも共有していきたい」と呼びかけた。 (隆)
北朝鮮貨物検査特措法案反対
「臨検」は戦争だ、廃案求め
憲法集会実が国会前行動
七月七日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する制裁を定めた国連安保理決議1874に基づいて北朝鮮に出入りする船舶を検査するという名目で、「貨物検査(臨検)特措法案」が国会に提出された。同法案は、北朝鮮の「ミサイル発射」と核実験の強行を利用して「敵基地攻撃」など北朝鮮をターゲットにした「戦争」キャンペーンが展開される中で急きょ法案化されるにいたったものである。
国連決議1874は、加盟国に北朝鮮船舶への「貨物検査」を「要請」したものであって「義務」化したものではない。公海上での貨物検査=「臨検」は、それ自体「戦争」行為の一環であって、現行の法律では「周辺事態」=事実上の「戦時」に伴う「米軍支援」の一環としてのみ発動される。「周辺事態」以外の「平時」において戦闘行動の一部としての「臨検」に踏み出すことは自ら「戦時」を作り出すものにほかならない。
「貨物検査法案」は、「検査」の主体は海上保安庁とし、自衛隊は「海上における警備その他の所要の措置をとる」としてできるだけ自衛隊の存在を薄めるような装いを取っている。しかし海上保安庁が対処できない「特別の必要」がある場合には自衛隊が対処するともされており、「その他の所要の措置」や「特別の場合」というあいまいな規定で、海上自衛隊と海上保安庁との共同作戦が、実際のところ自衛隊の主導下で進められるのは「海賊対処法」と同様である。ここでも自衛隊の軍事活動と海保の警察行動の境界が取り払われ、一体化がさらに強化されようとしているのだ。
「敵基地」攻撃論
をきびしく批判
七月九日、午前中の衆院の特別委員会で同法案の趣旨説明が行われた。この日、衆院第二議員会館前で「5・3憲法集会実行委員会」は、「貨物検査(臨検)特措法反対!7・9国会前緊急行動」を開催した。社民党の山内徳信参院議員、福島みずほ党首・参院議員が駆けつけて参加者を激励。山内議員は自民党が次期「防衛計画の大綱」に盛り込もうとしている「敵基地攻撃」論を厳しく批判するとともに、台湾を臨む沖縄最西端の与那国島への新設された陸自第十五旅団の部隊配備計画を糾弾した。
続いて憲法会議、憲法を愛する女性ネット、キリスト者平和ネット、憲法を生かす会、農民連、元目黒区議の宮本なおみさんなどが次々に発言に立った。最後に国会に向けて「船舶検査法案を廃案へ!」とシュプレヒコールを繰り返した。
同法案については民主党も「前向きの姿勢」と報じられている。しかし麻生政権の末期症状の中で、解散・総選挙の日程次第では「審議未了・廃案」の可能性もある。反対の声を上げ、「貨物検査特措法案」を廃案へ。 (K)
お知らせ
「Anti20 第2号」発行
〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!
え〜かげんにせーよ共同行動
ブログ http://www.ten-no.net/anti20s/
【Anti20 第2号/目次】
渡辺厚子(北養護学校)「光州・日韓連帯から反『日の丸・君が代』へ」
川浦進(元受刑者)「獄中で聞いた『天皇恩赦』」
金準植(フリーター全般労働組合)「底辺労働の歴史と労働者派遣法」
中川信明(靖国・天皇制問題情報センター事務局)「出そろった行政の『奉祝』事業―共同行動で抗議文を提出しました」
太田昌国(民族問題研究)「権力にすり寄る心、そこから縁遠く生きる心、そのいずれもが取り込まれて││皇后と、山内昌之・永瀬清子の場合」
北野誉(反天皇制運動連絡会)「天皇・鉄道・原武史:『鉄道から見える日本』」
南田寛太(奉祝に異議あり兵庫実行委員会・一会員)「兵庫でも『奉祝異議』の取り組み」
藤田五郎(山谷労働者福祉会館活動委員会)「『地下大学』で『秋の嵐』の映像上映」
コラム「鳥の目・虫の目」(鵯/竹虫平蔵)
よびかけ団体から(女性と天皇制研究会/反天皇制運動連絡会)
共同行動から(桜井大子)
b12月まで毎月月末刊行、A4判16ページ、8号分200円(送料とも)。一部200円でばら売りもしますが、確実に 入手するため、ぜひぜひ、定期購読を申し込んで下さい。0号からお送りします。
申込先 天皇即位20年奉祝に異議あり! え〜かげんにせーよ共同行動
東京都千代田区三崎町3-1-18 近江ビル 市民のひろば気付
FAX 03-5275-5989
Eメール:igiari20@ten-no.net
b郵便振替口座
00180│7│5648
天皇即位20年奉祝に異議あり!え〜かげんにせーよ共同行動
「奉祝」が盛り上がらなきゃアンチも盛り上がらない? わけはないのだ
首相就任にあたっては「御名御璽」にいたく感激し、海外に出ては帰 国後すぐに皇居に報告に上がるという天皇大好きの麻生太郎だが、「即
位二〇年」奉祝を盛り上げるための取り組みは、いまひとつ進んでいないようだ。
政府はいま、一一月一二日の「祝日」化すらも国会にあげることがで きない瀕死の体で、各自治体・省庁に「奉祝」ムードを盛り上げるべく
取り組みをなすよう指示を飛ばすのが精一杯、といったところのよう だ。要するに、奉祝気分を盛り上げるどころではないのだな。麻生政権
下で一一月を迎えられるとは誰も想像できない事態だし、自民党政権す ら危ぶまれる今にあっては熱もこもらないよね。
そういう向こう側の状況にあっては、反対する側も熱はこもらな い……?
おそらく全体的な状況に限っていえばそういう側面は否めない。二〇 年前のXデーの頃のように「これって変じゃない?」という事態が各地
で起こっているわけでもないのだ。いま反天皇制で盛り上がるというこ と自体、反天皇制運動の力量の問題云々はさておき、困難な問題がひし
めくいまの社会状況にあって実際のところ難しい。
それでも、え〜げんにせーよ共同行動は元気に活動を継続している。 一一月の声を聞く頃には、嫌でも「奉祝」ムードはつくられる。実態は
どうであれ、マスコミは最大限のキャンペーンをはるだろうし、それが はね返って実態を作り出すという逆説も成立しうる。そして私たち固有
の二〇年は、天皇制下の二〇年として整理されるまたとない機会となる のだ。おおよそ天皇制とはそういうものである。いまは、私たちのこれ
までの経験と、そこから引き出せる想像力が必要な時であり、その想像 力が、この沈静化しているかに見える天皇賛美キャンペーンへの反撃準
備の糧となるのだ。
天皇制の暴力はそこにある。マスコミは無視。だから見よう、見せよう。
天皇制はいま沈静化しているかに見えると書いたばかりだが、実はここ数ヶ月の間にも、理不尽で暴力的な天皇制ゆえの問題が頻繁に起こっている。天皇タブーがまた頭をもたげ始めていることを私たちに知らせることとなった、昭和天皇をモチーフとした「大浦」作品検閲問題。総務省が各自治体に通知した「奉祝のための取り組み」の要請。「在日特権を許さない市民の会」などと市民団体を名のる天皇主義者の、排外主
義的な目にあまる行動。年々厳しくなる学校への相変わらずの「日の丸・君が代」強制、等々。
これらは、マスコミが騒がないというだけで、一方でどうでもいいような皇室・芸能情報や、社会不安をあおる「一大事件」、情けない国会情勢が絶え間なく報道されることによって、社会問題とならないまま見過ごされているだけ。マスコミは奉祝キャンペーン同様に、天皇制の問題を押し隠すためにも大いなる力を発揮しているのだ。それはこの二〇年間も、それ以前も、ほぼ例外なく続いてきたことだし、私たち自身が現在作り出している歴史さえも、正確に捉えられないようなしくみになっているのだ。
私たちはそういったことを、本紙や行動をとおして問題にしていきたいし、その一連の行動のとおして、一一月に向け、私たちなりの「反撃」の取り組みを共同で楽しく作り出していきたい。
共同行動ではいくつかの企画が同時進行している。本紙前号から今号までの報告すべき取り組みは、総務省が各自地体へ「慶祝事業」を要請した件で出した抗議文。別項の報告を読んでくださいませ。それから、
いま少しずつ練り上げ具体化しつつある企画が「ハンテン展」。こいつを最後に少し紹介したい。
天皇制の二〇年じゃなくて、私たちの二〇年を! なのだ
「ハンテン展」とは、いってしまえば「私たちの二〇年」展。天皇制の視点からズレてみれば、この二〇年はどんなものであったのか。政府やメディアが私たちに見せてくれる二〇年には、とうてい納得できない
私たちのそれぞれの二〇年があり、さまざまな課題がある。「即位二〇年奉祝」とはふざけた話だ、という二〇年があるのだ。それらを横断的に見て感じていけるような一日企画を、というわけです。
具体的には、さまざまな課題と取り組んできている個人・グループに、展示ブースを企画していただくこと。また、同じ空間で表現者によるフォーラムも作り出したい。ハンテン展でこの二〇年を、あるいは二
〇年の結果の現在を、またこの二〇年に繋がるもう少し前の歴史をどのようなものとして捉え、どう伝えるのか、いろんな形で表現してもらえれば、と思う。
いままだ練り上げつつある段階だが、本紙がお手元に届く頃には、その練り具合もうま味を増すところに到達しているはず。そうであってほしい。みなさまの参加・協力をお願いします。また、進行中の別企画がすぐにもドカンと出てくるかもしれない。ご注目を!
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