| 5・3憲法集会実が昼休み国会デモ かけはし2009.6.22号 |
拡大する自衛隊の武器使用
ソマリア沖から即時撤退を |
陸海空一体で
「対テロ」作戦
「海賊対処」派兵新法が延長国会で成立させられようとしている。ソマリア沖・アデン湾海域で「海賊」から船舶を守るという「大義名分」を掲げて護衛艦「さざなみ」「さみだれ」が出港してから三カ月。護衛艦に加えて海自からはP3C哨戒機が派遣され、さらに陸自の最精鋭海外「殴りこみ」部隊である中央即応連隊もソマリアの隣国ジプチに送られた。さらに空自からC130輸送機も派兵されようとしている。まさに陸海空一体となった統合作戦が展開されつつあるのだ。これが「対テロ」戦争の一部を構成する実戦派兵そのものであることは言うまでもない。
「海上警備行動」を名目にしていま展開されている作戦でも、「海賊」から襲われたという外国船の救助の要請に応えて護衛艦搭載のヘリが急行するという「駆けつけ警護」がなされた。これは「海外での武力行使」であり明白な違法・脱法行為だ。
「海賊対処」新法は「海賊罪」なるものを新設している。そして新たに定められた「海外対処活動」は、他国の領海を除くすべての海域で外国船をふくむすべての船舶を対象としたものである。「武器使用」の範囲は拡大し、「船体射撃」「危害射撃」など、「正当防衛」「緊急避難」に限らず、一般に「任務遂行」のための攻撃的武器使用=武力行使が認められることになる。軍事作戦と警察活動が、軍によって一体化されることで、武器使用の制限が撤廃されている。これが政府・自民党によって構想されている「派兵恒久法」につながるものであるのは明らかだ。
被団協からも
連帯アピール
六月九日、09年5・3憲法集会実行委員会は正午に日比谷公園霞門に集まって、「海賊対処」派兵新法はいらない!憲法審査会の始動を許すな 昼休みデモを行った。デモ出発前の集会では、原爆症認定を求めて厚労省前で座り込みを続けている被爆者団体協議会(被団協)事務局次長の小西さんが発言。小西さんは被爆者の原爆症認定を認めてこなかった国の姿勢を鋭く批判するとともに「憲法の危機」に対して闘おう、と呼びかけた。国公共闘の仲間は、北朝鮮の核実験を口実に「敵基地攻撃」をあおりたてる自民党や、「北朝鮮に対して戦うときは戦わなきゃならん」と公言する麻生首相を糾弾した。
二百人のデモは霞が関の官庁街を通って「海賊対処」派兵新法はいらない、憲法審査会の始動反対の訴えを響かせ、衆参両院の議員面会所前で共産党、社民党の議員とエールを交換した。
解散地点では六月十九日にも予想される衆院での再可決による「海賊対処」派兵法の成立の動きに抗議し、六月十八日にも参院議員会館前で集会を行うことが呼びかけられた。 (K)
声明
衆議院での憲法審査会規程の強行
採決に抗議し、第9条をはじめと
する憲法の改悪の企てに反対する
許すな!憲法改悪・市民連絡会
六月十一日、自公与党は二〇〇七年五月の改憲国民投票法で衆参両院に設置されたものの機能していなかった憲法審査会を衆院で始動するための「規程」を強行採決した。許すな!憲法改悪・市民連絡会の抗議声明を転載する。(編集部)
2009年6月11日、衆議院本会議は野党各党が反対する中、与党が提出した衆院憲法審査会「規程」を強行採決した。これは憲法第9条をはじめとする平和憲法の破壊を進めようとする麻生内閣とその与党の歴史的な暴挙であり、私たちは心からの怒りを込めて糾弾する。
周知のとおり衆議院の多数派は2005年の小泉内閣当時のいわゆる「郵政選挙」によって形成されたものであり、今日の民意を正当に反映しているとは言い難いものである。いま、改憲問題は多くの人びとにとって、衆議院が強引に強行採決するほど緊急の課題にはなっていない。それどころか、各種の世論調査がはっきりと示しているように、この国の圧倒的多数の人びとは憲法第9条の改悪に賛成していない。
にもかかわらず、麻生政権と与党は衆院憲法審査会規程づくりを強行し、衆議院のみで憲法審査会を始動させようとしている。今回の採決強行の根拠法となった「改憲手続き法」は2007年5月、安倍内閣と与党によって強行成立させられたものである。それは衆議院では審議不十分なまま強行採決され、参議院では18項目もの「附帯決議」がつけられて採決されたという、与党も認めざるを得ないほどの欠陥立法であった。その直後、改憲を掲げた自民党は参院選で大敗し、安倍内閣は退陣した。そして次の福田内閣、麻生内閣は民意の審判をまったく問うていない政権である。こうした政権与党が憲法という最高法規の「改定」に関わる重大問題を単独で採決したのである。
そもそも「改憲手続き法」には、その「附則」によって、2010年5月の施行前に、@満18歳以上の者が国政選挙に参加できるようにするなど、公選法、民法、その他の法令の規定について必要な措置を講ずるものとする(附則第3条)、A「公務員が国民投票に関する賛否の勧誘その他の意見の表明が制限されることとならないよう」国家公務員法、地方公務員法、その他の法令について、必要な措置を講ずる(附則11条)などが定められている。これらについて政府・与党はまともに実行せず、衆院だけの審査会規程の強行を先行させたのである。この間、衆院議院運営委員会で与党は「改憲手続き法があるのに、審査会規程をつくらない野党は法令違反である」などと中傷しつづけたが、その実、与党自らがこの法令を実行していないことは「ご都合主義」のそしりを免れないものである。
また先ごろ、総務省は「平成22年5月18日から『憲法改正国民投票法』が施行されます」などと題し、あたかも来年から「憲法改正国民投票」が始まるかのようにミスリードするリーフレットを、莫大な予算を使って大量にばらまくなどして批判をあびている。
そしてこの改憲手続き法がいかに欠陥法であり、最初から出直す以外にないことを明白に示すものが、2007年の参議院での同法の採決に関して確認された18項目もの「附帯決議」である。
そのいくつかを列挙すれば以下のようなものである。
1: 「国民投票の対象・範囲」について、意義と必要性について検討し、適切な措置を講ずる。
2: 成年年齢についての必要な法制上の措置を施行前に完了する。
3: 改憲案の「内容に関する関連性の判断」は適切かつ慎重に。
4:最低投票率制度の意義・是非について施行までに検討。
5:「国民投票広報協議会の運営に関しては、要旨の作成、賛成意見、反対意見の集約にあたり、……客観性、正確性、中立性、公正性が確保されるように留意する」
6:公務員等及び教育者の地位利用による国民投票運動の規制については、慎重な運用を図り、「禁止される行為と許容される行為」を明確化する。
7:罰則について、構成要件の明確化をはかるなどの観点から検討を加える。
8:テレビ・ラジオの有料広告規制は本法施行までに必要な検討を加える。
9:凍結期間中に、憲法調査会で指摘された課題について十分な調査を行う。
これらを一瞥しても明らかなように、改憲手続き法は法律として不可欠の重要な問題を曖昧にしたり、先送りしたもので、法としての体をなしていない欠陥立法である。これは「任期中の改憲」を公言して、憲法問題をひらすら党利党略で扱い、突っ走ろうとした安倍内閣と与党(自民党・公明党)の責任である。
以上のような重大問題を不問に付したまま、まして衆議院解散総選挙を目前に控えた今日、民意を問うことなしに強行された衆議院憲法審査会規程は不当きわまりないもので容認しがたいものがある。
よって、私たちは今回の衆院憲法審査会規程の撤回と、あらためて「改憲手続き法」の抜本的な再検討のために現行「手続き法」の廃止を要求するものである。
同時に、私たちは憲法に定められた主権者として国会のすべての政党と議員に憲法の遵守を要求し、憲法に違反する一切の戦争法に反対し、自衛隊の海外派兵に反対する。現行憲法の前文や第9条に示された平和主義を守ることは国会議員の責務である。私たちはすでに衆議院で強行された「海賊新法」の廃案を求め、国会議員による無責任な「敵基地攻撃論」「集団的自衛権行使合憲論」「武器輸出3原則の緩和」など戦争をあおり立てる言動を厳しく糾弾するものである。
9条をはじめとする憲法改悪の動きはいたずらに東北アジアの緊張を強めるものである。アジアと世界の平和を求める私たちは、憲法改悪に反対する市民の運動をいっそう強めると同時に、来る総選挙では主権者の権利を積極的に行使し、改憲を企てる勢力に対する明確な審判を下し、憲法改悪につながる一切の策動を打ち破るため奮闘する。
2009年6月11日
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