戦後最悪の資本主義経済の危機の中で、自動車産業は最も大きな打撃をこうむっている。工場閉鎖・減産により多くの労働者が解雇・レイオフの攻撃を受けている。フランスではトヨタの労働者たちが危機のツケを回されることを拒否して四月六日からストライキ闘争に決起した。フランスだけではなくベルギーの労働者も支援にかけつけている。以下はNPA機関紙「トゥテタヌー」第4号から。
四月六日、フランス・トヨタのオナン(フランス北部)工場の労働者が今日の恐慌の代償を自分たちが支払うのを拒否して、フランス・トヨタではかつてないストライキに突入した。以下に紹介するのは、NPA(反資本主義新党)の機関紙からのこのストライキについての報告記事である。
超勤手当なし
で働けと要求
「部分的操業停止手当を百%支払うくらいなら破産した方がましだ」。これはオナンのトヨタのディディエ・ルロイ社長が語ったことばなのだが、この発言は労働者の怒りに火をつけることになった。操業停止日の増加(これによる賃金の損失は給料のうちの200ユーロから300ユーロになる)によってますます緊張が高まる中では、四月には毎週金曜日と土曜日の二日分は、超勤手当なしで働けという経営陣の要求は、よりいっそうの挑発に聞こえた。現場が経験した最初のストライキの口火となるにはこれで十分だった。
四月六日(月)以降、トヨタの労働者は、経営陣が導入している部分的操業停止日に対して百%の給料を要求して(現在は給料の六十%)ストライキに突入している。ストライキ労働者の職場総会は、この最初の要求にさらに、ストライキ期間中の手当および千ユーロの当座の手当、月額百ユーロ、二百ユーロの賃上げの要求を付け加えた。
ヴァランシエンヌ近郊のオナンにあるトヨタは、恐慌を口実にして労働者に脅しをかけている。しかしながら、会社は、実は労働者に支払うべき金を大量に保有しているのである。同社は、二〇〇七年には八千万ユーロ、二〇〇八年には八千二百万ユーロの利益を得ているのである(すなわち、これは労働者1人当たりから2万5千ユーロ以上を搾り取ったことになる)。
ストライキに参加する労働者の数は、四月六日には工場の三百十一人に、翌日には三百八十四人に、その次の水曜日と木曜日には四百五十二人となり、経営陣の圧力と脅しにもかかわらず、ストライキは根を下ろし、スト参加をためらう労働者を説得し、ますます多くの労働者を闘いに引き付けていった。デモも毎日行われた。労働者たちが経営事務所の窓の下や工場内をデモ行進して叫んだのは、「恐慌の犠牲を払うのは、われわれ反乱に決起した労働者ではない」、「部分的操業停止の給料を一〇〇%支払え」というシュプレヒコールである。
自動車産業の
労働者に波及
CGT(労働総同盟)とFO(労働者の力)によって支持されたこの運動は、絶えずその強さを増し、職場単位で組織されており、各班にはストライキ委員会が結成されている。ストライキ委員会は六人の労働者によって構成されているが、その多数は非組合員である。日刊の「ストライキ・ニュース」が発行されている。女性が大きな割合で参加していることは運動の深まりを示す兆候のひとつである。すでに、六百人の労働者が、何らかの形でストライキに参加している。職制の侮辱や執拗な攻撃や日常的な嫌がらせが続いていることを考えると、これは同社のすべての労働者のモラル的勝利である。一人の労働者が「私がトヨタでせっせと働くことを誇りに感じたのは今回がはじめてだ」と叫んだのは、まさにその通りなのだ。
残った問題は次の段階である。すなわち、このストライキが「フランスの全自動車産業の運動になる」かどうかである。トヨタのCGTの代表、エリック・ぺカールが言い添えたように、「同じ経営者を持っていないので、共通の利害がないとは言えない」からである。連帯が組織されている。四月十日の木曜日には、自分たちの声を伝えるために工場前に結集した労働者は五百人近くになった(工場労働者の五人に一人が集まったことになる)。自動車部門の別の企業の労働者(セヴェルノール、MCA、シモルデス、メルセデス、UMV、フォルシア……)が駆けつけて来ただけでなく、ベルギーのFGTB(労働総同盟)の金属労働者や教員や鉄道労働者やヴァランシエンヌの闘争コレクティフの活動家たちもスト支援のためにやって来た。このストライキが受け取った反響、とりわけヴァランシエンヌの自動車産業の他の現場にいる多くの労働者の間での反響は、トヨタの労働者のストライキが波及していく可能性があることを示している。
(『トゥテタヌー』第4号、09年4月16日)
憲法9条破壊の海賊法
ソマリア派兵、
絶対に許すな!
結城 守保(元小田急労研)
衆議院海賊・テロ特別委員会で麻生自公政権は四月二十三日、強行採決をした。私は強く抗議したい。
海賊対処法案は、「審議入り以来、十日間で衆院を通過した」(4月24日付読売新聞社説)。この程度のものなのだ。
また、「警察行動である海賊対策に限った法案とはいえ、自衛隊の海外派遣を随時可能とする恒久法である」(4月24日付毎日新聞社説)という。
問題は、自衛隊の武器使用の緩和です。海賊なら殺してもいい。とんでもない法案です。私は二十三日、衆院海賊・テロ委員会傍聴するにあたって、次の三点を頭において参加した。
その第一は、すでに海上自衛隊はソマリアに行っているが、出口はあるのかという問題です。第二は、ソマリアは一九九一年以来破綻国家です。漁民は海賊になり、今やビジネス化している。軍事ではどうにもならない。被害は年々増加しているのだ。第三は、これが一番重要です。P3C・哨戒機二機が行くことです。「厚木海上自衛隊のP3C・二機について、赤星慶治海上幕僚長は四月二十一日記者会見で、派遣すると発表した」(4月22日付神奈川新聞)。
なぜP3Cを派遣するのか。これは、今盛んにアフガン・ソマリアで米軍はテロとの戦いを展開している。この援助、自衛隊が積極的に空爆をやるのだ。
四月二十三日の委員会傍聴、大変私頭にきた。麻生首相と当日の発言者自民党トップバッターの衆議院議員中谷 元氏(元防衛庁長官・自衛隊出身)の二人だ。麻生首相は共産党衆議院議員・赤嶺政賢氏の質疑中、
トイレ休憩に行ってしまった。みんなあきれた。首相は、「公共の安全、秩序の維持は 非常に重要だ。一層の貢献を果たしていく責務が世界の中で大いに期待されており、それに答える義務がある」(4月24日付神奈川新聞)と言った。これは官僚の
作文である。自衛隊を出すことしか、頭にない。「自衛隊ありき」に、ウンザリ。
さて、中谷氏はこの間、野党との対話など真面目な面もあった。その中谷氏が、「自衛隊は、今まで米国の後方で活動してきた。今度は違う。海賊法案にのっとってソマリアに行ける、光栄だ」と言った。これこそが海賊法案の本質である。中谷氏は国会議員として9条を守る義務があるのを知らないのか。
武力行使を禁じた憲法9条の破壊、解釈改憲を許すな。
ちょっと長いが、解釈改憲に警告を発している著名な法学者、故渡辺洋三氏の文章を引用したい。「私は天皇制法治主義と呼んでいる。この天皇制法治主義の伝統は、戦後の今日においても強く残っているのではないでしょうか。その最大の例が日本国憲法九条の解釈の問題です。政府は、第九条の規定を全く無視して自衛隊を増強してきました。そして国民の中にもそれを許す土壌があるということが、
さらに重要です。国民社会においても、政府に対して、きちんと法を守らせるという近代憲法的な考え方が不十分なのです」(渡辺洋三『日本国憲法の精神』P66)。
さて舞台は、参議院に移ります。私たちは総力を上げて国会に徹底審議を求めて行かなければなりません。海賊法案には国民の六割の支持がある。これが与党の後押しに
なっている、と今新聞は報じている。国益のためなら海賊を殺してもいいのか。
九条を持つ日本がやることではないと私は思う。
あの大国アメリカは、テロとの戦いという名目でアフガン戦争を始めた。戦争では解決しない。人類は、この教訓を学ばなければならない(4月26日)。
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