| 裁判員制度はいらない!大運動 かけはし2009.5.4号 |
「司法の国民参加」はごまかしだ
「裁く」ことを強制できない! |
四月二十一日、裁判員制度はいらない!大運動は、日比谷野外音楽堂で「裁判員制度実施をみんなで阻止しよう!」全国集会と銀座デモを行い、千八百五十人が参加した。
思想・信条・良
心の自由を侵害
五月二十一日の裁判員制度の実施強行を阻止するために参加者は、あらためて裁判員制度が思想・信条・良心の自由を侵害し、明らかに憲法に違反していること、さらに被告人の人権を侵害し、防御権の行使をする余地もなく、えん罪がますます増えることなどを厳しく批判した。会場は残された一カ月間を全力で反対運動を展開していこうとする緊迫感に満ちていた。国会、法務省、最高裁、日弁連にむけて抗議のアピールが次々と行われた。
開会宣言を今井亮一さん(ジャーナリスト)が行い、「この制度は、裁判をよくするため、えん罪をなくすためのものではない。国民に司法の信頼を求めるというなら、過去のえん罪事件を徹底検証することだ。八割の国民が制度をいやだと言っている。ところが国民を罰則付きで強制参加させようとしている。どこまでもでたらめな制度だ。廃止しかない」と宣言した。
池内ひろ美さん(家族問題評論家)は、「家族が壊れやすい時代にもかかわらず裁判員制度に参加させられて秘密を持ち続けなければならなくなる。娘に強かん殺人事件の裁判員をやれと言えますか。親として子どもを守りたい。『裁判長!話が違うじゃないですか』という本を出した(小学館新書)。裁判員制度を批判していこう」と呼びかけた。
足立昌勝さん(関東学院大学教授)は、会場周辺にいる公安刑事にむけて「出ていけ」と一喝し、「一九九九年の司法改革を通してロースクール、裁判員制度の導入が柱であった。ロースクールは、すでに形骸化しているのが実情だ。裁判員制度は誰でもが事実認定、量刑判断をせよと強制するひどい制度だ。断固として阻止しよう」と発言した。
権力・支配者の
手先にならない
仙台から駆けつけた織田信夫弁護士は、「この制度は憲法違反であるにもかかわらず、過日、まともに論議せず国会では全会一致で可決してしまった。国会議員たちの審議能力を疑う。基本的人権を守らなければならない最高裁が実施しようとしている。弁護士会も協力している。なんとか止めるために頑張っていこう」と訴えた。
さらに大分哲照さん(真宗本願寺派福岡時対協会長)、蛭子能収さん(漫画家)も制度実施強行に反対する発言を行った。
裁判員候補者名簿通知の受け取りを拒否した男性は、「裁判員になりたくないので通知書を返した。昨年十二月、実名で抗議の記者会見を行った。多くのメディアが取材に来て、制度反対を伝えることができた。私は人を裁きたくありません。死刑や無期懲役の判決を出したくはない。一生、心に傷を残すことになる。司法の国民参加などと言って騙そうとしている。権力や支配者の手先になってはならない。全国裁判員候補の皆さん、いやものはいやだ、やりたくないものはやりたくないという声を大きくあげていこう。最後まで裁判員拒否の姿勢を貫く」と力強く表明した。
高山俊吉弁護士が「主催者からの檄」を行い、制度実施阻止にむけた熱烈なアピールを行った。続いて、各地の運動紹介、集会宣言を行い、銀座デモに移り、沿道の人々に裁判員制度反対を訴えた。 (Y)
b今後の行動/四月二十七日(月)全国一斉行動(東京 11時から13時まで、国会前集会/五月十四日(木)霞ヶ関デモ(最高裁〜法務省〜日弁連 11時社会文化会館集合)/五月二十一日(木)全国一斉行動
深まる裁判員制度の危機
新自由主義的「司法改革」にとどめを
問い直す議員
連盟が発足
裁判員制度実施強行を揺るがす連続痛打が起きている。
第一は、四月一日、裁判員制度に批判的な与野党国会議員が「裁判員制度を問い直す議員連盟」を結成したことだ。代表は、国民新党の亀井久興幹事長。設立総会には自民党、民主党、社民党、国民新党議員二十人が参加した。ついに国会内における制度批判の公然化だ。
議員連盟に参加した野田毅元議員(自民党)は、「私は法案審議の当時から反対していたが、熱病的に改革を求める当時の空気の中で、多勢に無勢だった」などと小泉新自由主義改革の一環である司法改革に対して批判しながら無責任な発言を行った。すでに民衆の八割以上が制度に不安・疑問・反対を明らかにしていることに対して与党議員までも裁判員制度実施強行に対する動揺が始まってしまった。氷山の一角でしかないが、与党議員の無責任姿勢に抗議しつつも、この「動揺」現象を拡大させ、制度そのものを破綻に追い込んでいくことが可能であることが示されている。
法務省は、議員連盟の動きに対して、「実際には社民党や国民新党以外に大きく広がらないのではないか」などと強がりを見せたが、動揺を隠せないところまで追い込まれているのだ。
大運動が廃止立
法措置申し入れ
追撃の第二弾が、このような議員連盟の動きと連動して「裁判員制度はいらない!大運動」は、「裁判員制度廃止の立法措置申し入れ」を全国会議員に行ったことだ(4月7日)。
申し入れは、制度の欠陥として「b裁判員に指名されたら原則として辞退できない。b『人を裁きたくない』との思想・信条を無視する。b損失を補償しない。b裁判員選任手続でプライバシーを侵害する。b多数決で判決を言い渡す。b評議の内容を生涯秘密にすることを強制する。b被告人には裁判員裁判を受けることを強制する。b被告人の防御件・弁護権を大きく制約する。b裁判官主導の判決にお墨付きを与えるだけの裁判になる。b『区分審理』は裁判を破壊する」を取り上げ、「裁判員制度は、もともと市民参加の美名の下、裁判員に理不尽極まる重い負担を課し、被告人の防御権を根底から侵すものとして設計されているものであり、延期や改善・修正では問題は何も解決しません。求められるのは廃止だけです。」と結論づけている。
大運動の国会議員への申し入れは、大きな反響を作り出した。議員連盟は、四月二十二日、裁判員制度の五月二十二日の実施凍結法案を議員立法で今国会で提出することを決めた。亀井世話人は、「多くの問題点が指摘され国民の不安が大きくなる中で制度を止められるのは立法府だけだ」と強調し、制度凍結法案提出の決意を明らかにした。凍結法案の成立をかちとろうではないか。
和歌山カレー
事件最高裁判決
第三の事態は、和歌山毒物カレー事件に対して最高裁は、状況証拠による有罪立証を「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度に証明されている」と断定し、一、二審の事実認定に誤りはないと判断したことだ。
判決に対して報道は、犯行動機が不明なままの事件の場合、裁判員制度ではよりその全容解明にはつながらないかもしれないと危惧を表明している。さらにこの事件の場合、一審段階で千七百点近くの証拠を提出し、九十五回の公判が開かれ、地裁判決までに三年七カ月かかっている。検察幹部でさえも裁判員制度の場合、「一審の公判は十四回程度」かかるといわざるをえないのだ。ましてや公判前整理手続きは、相当長期にかかるだろう。つまり、三日から五日程度で判決を出そうとする裁判員制度の根幹のところで致命的な欠陥を露呈してしまったのである。
広島高裁差し
戻し判決の意味
〇八年十二月、広島高裁はペルー国籍の男性の女児殺人事件で無期懲役とした広島地裁の一審判決を破棄し、差し戻す判決を出した。一審の広島地裁は、裁判員制度実施のモデルケースとして設定し、初公判から五日間、計二十五時間の短期集中審理を強行したのだった。ところが広島高裁は「一審は審理を尽くしておらず違法」と判断し、差し戻し判決を出してしまった。最高裁は、制度の欠陥を広島高裁に指摘され、断罪されてしまったのだ。
大慌ての最高裁は、全国の地裁で行われてきた模擬裁判の結果報告にあたって「国民の負担を減らすために審理期間の短縮を目指して工夫を重ねてきたが、真相の解明を重視し、必要な審理は尽くされるべきだ」、「証拠の点数を減らすことのみに力を注ぐのではなく、真相解明に必要な証拠は何かという観点が重要だ」などと弁明し、修正ポーズをとろうとしていた。しかし、和歌山毒物カレー事件最高裁判決をめぐって報道各社による裁判員制度の不安定性と問題点の指摘を浴びることになってしまった。
そもそも五百件を越える模擬裁判を行ってきたが、和歌山毒物カレー事件のように死刑と無期懲役かボーダーのケースを取り扱ってこなかった。その理由が「模擬裁判の性格上、現実感をもって死刑の適用を検討することが難しいのが理由とされている」などと無責任な言い訳をしている(朝日新聞、09・3・11)。このように制度の欠陥は明らかであり、ただちに凍結し全面的な再検証が優先されなければならない。
裁判員制度は、支配者たちにとって新たな「国の形」を作る制度であり、グローバル派兵国家建設の一環としての治安弾圧体制を構築していくための重要な制度だった。八割以上の不安・反対の声、国会内の反対・凍結の動きなど、問題点・欠陥が急速に表面化している。小泉改革の破綻に対して最後的な結論を打ち固めるために裁判員制度の廃止を実現していこう。(遠山裕樹)
よびかけ
「〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!
え〜かげんにせーよ共同行動」参加・賛同を
今年は現天皇の明仁(あきひと)が即位してから20年という年にあたります(おまけに結婚50周年とか)。今年いっぱいはまたマスメディアなどを通して、この「20年」と「50年」にかこつけた「奉祝」キャンペーンや皇室中心の回顧ムードが麗々しく脚色され、これでもかというほど流されるに違いありません。
実際にこうした動きはすでに始っています。昨年6月には、経団連会長である御手洗冨士夫を名誉会長に据えた「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会」が発足し、また超党派の国会議員による「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」(会長はあの森喜朗)も10月につくられました。このふたつは手をたずさえて、1989年の「即位礼正殿の儀」から20年目となる今年11月12日に、政府主催の「奉祝国家式典」・皇居前広場での「国民祭典」の開催を目指し、またその日を「臨時の休日」とする法案上程の準備も同時に進められています。昨年の9月27日には大分と大阪で、また12月19日には東京で、そして長野など各地でもそれぞれ「奉祝」のイベントが開かれています。
「奉祝委員会」の会長には日商会頭の岡野正、代表世話人は神社本庁総長である矢田部正巳、「議連」のほうは「日本は天皇を中心とした神の国」と思い込んでいる元首相をはじめ、海部俊樹などの首相経験者や、細田博之、鳩山由紀夫、北側一雄、さらに綿貫民輔、小沢一郎、太田昭宏など、保守系与野党の幹部がずらりと名を連ねています。文字通り、政・財界、そして神道系宗派が一体となって、11月12日の「皇居前祭典」をゴールとした「国民がひとしく祝う奉祝運動」を繰り広げようという算段です。
けれども、こうした官・民の上層部が熱をあげて音頭をとったからといって、私たちにはこの「20年」や「50年」を「こぞって祝う(祝わなくてはならない)」理由がどこにあるでしょうか。
この20年は、まさに右に名を挙げたような人たちが企業利益のみを追求し、それを政策的に支えて、人を切り棄て、自然環境を破壊し、自衛隊の海外派兵を進めてきた20年にほかなりません。そればかりか、20年前は昭和天皇が死去し次代が世継ぎをするという「喪」と「祝賀」が交錯するなかで、そのムードをマスコミが煽り立てていました。そしてそうした息苦しい雰囲気に疑問を感じ異議を唱える者たちの声を、天皇主義右翼が前面に立って封殺しようとし始めた時期でもありました。
いま私たちが冷静にその「50年」なり「20年」を振り返ることは、直接の戦争責任者である昭和天皇が、戦前―戦中―戦後の責任を何らとらないままに死亡し、その死をいいことに、それに頬被りをしたまま代替わりをしてゆく天皇制とは何なのかを、あらためて問い直すことではないかと思います。
もうひとつ重要なことがあります。それは、明仁天皇がすでに高齢であり(75歳)、どうやら体調を崩しているらしいということです。「平成は長くない」というのが、この「奉祝20年」を準備している者たちの本音でしょう。そうすると今度の「奉祝運動」は、明仁の次世代以降の天皇制をどう展望していくのかという意味も含まざるを得ないということになります。つまり「平成Xデー」とそれ以降を見据えたものになるということで、今回の「奉祝20年」もそれなりの危機感をもって準備が進められていることは容易に察しがつきます。それが却って熱を帯びた天皇制賛美の一大キャンペーンになるだろうということも。
現在、大手資本は「百年に一度の経済危機」を口実に労働者のクビを切りまくり、大量の失業者を作り出しています。「格差社会」はますます広がるばかりです。天皇は折に触れそうしたことを「気遣う」発言をしていますが、それはこの社会の矛盾を糊塗する役割りを果たすばかりか、「格差」の頂点にいる自身の存在をごまかすものでしかありません。ましてや、この11月12日の「国民祭典」をピークとした祝賀ムードの演出とその強制は、この社会のありかたに疑義をもつ者の口を封じることになりかねません。
私たちは11月12日の政府主催「国家式典」・皇居前「国民祭典」とそれに連なる「奉祝20年」の動きに異議を唱え、「こぞって祝う」ことを強いる「休日化法案」に、はっきりと反対します。全国各地で「反奉祝」の運動をつくりあげましょう。そのための「共同行動」を提案します。ぜひ、ご賛同ください。
それぞれの立場から創意工夫に満ちた、存在感ある運動を繰り広げていきましょう。
2009年2月28日
【呼びかけ団体】(五十音順)
アジア連帯講座/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/環境人権ネットワーク/関西共同行動/神戸はんてんの会/国連・憲法問題研究会/「山谷」
制作上映委員会/山谷労働者福祉会館活動委員会/市民の意見30の会・東京/女性と天皇制研究会/スペース21/立川自衛隊監視テント村/たんぽぽ舎/「天皇在位20年奉祝」やめろ!行動/「天皇制を問う」講座実行委員会/「天皇即位20年祝賀」反対!大阪行動/日韓民衆連帯全国ネットワーク/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/反天皇制運動連絡会/ピープルズ・プラン研究所/東アジア反日武装戦線への死刑・重刑攻撃とたたかう支援連絡会議/許すな!憲法改悪・市民連絡会/連帯社/労働運動活動者評議会/労働情報
【呼びかけ人】(五十音順)
青山薫/浅野健一/天笠啓祐/池内文平/天野恵一/池田恵理子/板垣竜太/伊藤晃/鵜飼哲/内田雅敏/江沢正雄/太田武二/太田昌国/大野和興/岡田剛士/小倉利丸/小野俊彦/海妻径子/加々美光行/金井淑子/金子文夫/菅孝行/北村小夜/木元茂夫/京極紀子/栗原幸夫/小林賢一郎/小山和久/近藤和子/崎山政毅/桜井大造/佐藤文明/塩川喜信/徐翠珍/白川真澄/新城郁夫/辻子実/高里鈴代/高田健/高橋武智/高見圭司/竹森まき/千本秀樹/津田道夫/富山妙子/中原道子/中山幸雄/なすび/西尾漠/野崎六助/花崎皋平/原田隆二/針生一郎/東琢磨/彦坂諦/土方克彦/日野直近/平井玄/弘田しずえ/深田卓/福富節男/古荘暉/古荘斗糸子/宮本なおみ/武藤一羊/村田久/柳田真/山口正紀/山本浄邦/吉川勇一/吉田宗弘/渡辺健樹/渡辺 勉
天皇即位20年奉祝に異議あり! え〜かげんにせーよ共同行動
東京都千代田区三崎町3-1-18 近江ビル 市民
のひろば気付
FAX 03-5275-5989
Eメール:igiari20@ten-no.net
◆賛同金
個人:1000円 団体:3000円
◆郵便振替口座
加入者名:天皇即位20年奉祝に異議あり!え〜かげんにせーよ
共同行動
口座番号:00180-7-564826
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