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「これからどうなる駒込病院」緊急報告集会         かけはし2009.5.4号

企業のために医療を破壊する
PFI=民営化をすぐやめろ



充分な説明も
なく強行された

 四月十六日、東京・文京区民センターで「民営化!これからどうなる駒込病院、緊急報告集会」が都庁職病院支部駒込分会、「都立駒込病院を存続・充実させ、地域医療を守る会」の主催によって開かれ、八十九人が参加した。
 四月一日から、都立駒込病院がPFI(Private Finance Initiativeの略。企業の利益のために公的部門を民間に提供するための手法)により民営化された。都は利用者や働く労働者に充分な説明もなく、民営化を強行した。なぜ都立駒込病院をPFI化する必要があるのか、そしてPFI化によって病院はどうなっているのかを明らかにする集会だった。
 守る会高田会長の主催者あいさつと東京都議の小竹さん(文京区出身・共産党)、都議予定候補大島さん(現足立区議、共産党)が連帯のあいさつを行った後、集会は三部構成で行われた。第一報告、駒込病院PFIと都立病院問題。第二報告、駒込病院のいま。第三報告、現場からの報告。看護師・民間委託労働者。
 第一報告を都庁職病院支部柳美智子支部長が行い、東京の病院がどのように変えられていっているのかを明らかにした(別掲)。

医療サービスは
明らかに低下

 次に四月からPFI化された駒込病院がどうなっているのかを守る会事務局長の大利英昭さんが行った。
 運動を始めた当初は、PFIが民営化であると言い切ることができなかった。なぜならPFIの複雑な手続きに惑わされ、本質を見抜くことができなかった。四月一日以降駒込病院でおこっていることは、駒込病院の医療サービス提供における都の責任の低下と、その隙間に入り込んできた駒込SPC(三菱商事)が持ち込んだ様々な混乱である。この結果駒込病院の医療サービスの水準は残念ながら低下している。医療サービスの明らかな低下をもたらしたPFIは、自治体責任の低下、企業の参入による労働の破壊、議会を通じた民主主義的統制が不可能になっている。このような実態は民営化としか言いようがない。
 都立駒込病院は四十年前に作られた病院なので、プライバシーが守られない大部屋、天井が低く圧迫感がある、車椅子で洗面所が使えない、介助者が入れない外来トイレなど今すぐ改築・改修が必要だ。
 四月一日より院内清掃、MEセンター、医療作業、物流、ビル管理がSPCに渡っている。清掃を例にとると、事前説明では@清掃のプロがA病院清掃の専門教育を受けてB患者さんのベッド回りの清掃も行う、であったが、実際は@三月まで来ていた同じ人が二病棟を受け持たされ、A定着しないので教育しようがなく、B人員不足で清掃に来ない日もある。この状態がすぐに契約違反にならないのは、PFIでは仕様発注(手法を厳密に規定し安全等に自治体が責任を持つ)から性能発注(性能を満たしていれば細かな手法は問わない)へ契約が変更されているからである。
 早晩、駒込病院PFIは破たんする。いま駒込病院で起こっている混乱は、移行期の不慣れによるものではない。労働者を安く使い、労働を破壊するPFIの本質がもたらす混乱である。近江八幡市は住民不在のPFIを導入し破産した。契約破棄にともない二十億円の違約金をSPC企業に支払った。しかし、企業や自治体の責任は問われなかった。なぜならPFIに反対する運動がなかったからだ。駒込病院PFIを都立に戻すには、地域住民、公務労働者、民間委託労働者がいっしょになって運動をつくることが重要だ。

委託労働者と
看護師の訴え

 続いて、三部の現場で働く、委託労働者と看護師が報告した。
 委託労働者。「定員が二十七人から十七人に減らされた。就労時間が月から金まで三十分、土曜日は午前中が夕方までと延びた。宿直が四人から三人へ。定期点検が一カ月から二カ月に延ばされた。
 看護師。「ベッドの回りの掃除やごみ集めもしてくれない。掃除が行き届いていないと苦情が患者さんから寄せられた。物流システムで、薬品を週三回補充するとしていたのに、週二回にするという。事務と作業係りが二人いるがこれから兼務するという。電話で連絡するとすぐに対応すると返事するが時間がかかり過ぎる。すべてのことで混乱している。こうした事態は移行期の混乱というよりPFIの本質による混乱だと思う」。
 会場からの質疑応答の後、足立の守る会・森事務局長が「十七万人の署名を集めて提出したが都は無視した。もっと広く、何が起こっているのか知らせ、PFIを監視しよう。都議選での勝利を」とまとめた。銚子市民病院の廃止が大問題になっているように、全国で公立病院が統廃合の名のもとに廃止されていっている。都立駒込病院を守る運動はきわめて重要であり、支援をしていこう。(M)

柳美智子さんの報告から
石原都政の推進する
都立病院改革とは?
 
 石原都政は二〇〇一年に十六の都立病院を八病院にする「都立病院改革マスタープラン」を作った。〇三年、第一次都立病院改革実行プログラム(02年、母子保健院廃止、04年大久保病院、05年多摩老人医療センター、06年荏原病院を(財)東京都保健医療公社に移管)、都立病院を十二に。〇八年、第二次都立病院改革実行プログラム(老人医療センターを地方独立行政法人化、豊島病院を公社移管、3小児病院廃止、駒込・府中・松沢の整備にPFI導入、すべての都立病院を一般型地方独立行政法人へ)によって八病院体制へ。
 八王子小児病院(多摩西南部の高度専門小児医療の中心)、清瀬小児病院(トップレベルの高度専門医療を提供)と梅ヶ丘病院(日本で唯一の小児精神専門病院)の三つの小児病院を廃止し、二〇一〇年三月、PFIによって府中・小児総合医療センター(仮称)として開設することを三月都議会で決定した。
 なぜこうしたことが行われているのか、それは税金を使って大企業にもうけの場を提供することにほかならない。清水建設が九五%出資して設立したSPC(特定目的会社)が建設と運営を独占する。十九年間、二千四百九十億円の長期巨大公共事業だ。医療センターが赤字でもSPCは都から利益を受け取ることができる。現在の三小児病院の委託費は三十一億円だが新センターでは五十億円であり、新規大型機器の購入費は百五億円になり、機器のメンテナンスは都の責任で行われる。年間のアドバイザー費用として一億円も支払われる。しかも議会への報告義務がない。
 こうした東京都のやり方は、政府による「公立病院改革ガイドライン」に沿ったものである。政府のガイドラインは@経営効率化A再編ネットワークB経営形態の見直し。そして具体的には@病床利用率三年連続七〇%以下の場合病床数の削減、診療所化A民間も含む医療機関全体での再編B地方独立行政法人、指定管理者制度の導入C診療所化、老人保健施設・高齢者住宅事業などへの転換――である。
 都民や病院労働者を犠牲にし、民間大企業を儲けさせる石原都政を転換させよう。都立三小児病院の存続、全都立病院の直営での充実を求める5・16総決起集会(日本青年館ホール、JR・地下鉄千駄ヶ谷駅下車)を成功させよう。(発言の順序を一部変えてまとめた。文責編集部)


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