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総務省が「改憲国民投票法」リーフレット作成       かけはし2009.5.4号

新手の憲法改悪キャンペーンだ

えっ?来年「国民投票」があるの!
手の込んだ意識的偽装宣伝
油断は禁物、改憲派の巻き返し


500万部も
作って宣伝活動

 総務省は三月末に三千八百万円の費用をかけて「ご存知ですか 平成22年5月18日から『憲法改正国民投票法』が施行されます」と題するリーフレットを五百万部も発行し、各自治体を通じて配布を始めている。投票する男のイラストを表紙に配したこのリーフレットは一見したところ、「来年五月には改憲国民投票が施行される」と思わせる、つまり意図的に人びとの「誤解」を引き起こすことを狙った体裁になっている。
 二〇〇七年五月、任期内での「憲法改正」の実現をかかげた安倍政権の下で「改憲国民投票法」の可決・成立が強行された。しかしこの法律は、「一般国民投票の是非」「成人年齢の見直しを中心にした投票権者の範囲」「投票の方法」「広報・広告」「運動規制」「憲法審査会の運営」などについての検討を含む十八もの付帯決議がついた異例の方法で採択されたものであった。
 「改憲国民投票法」成立の二カ月後の参院選で自民党は大敗し、参院では野党が多数となった。安倍内閣は二〇〇七年九月に首相の政権投げ出しによって崩壊した。安倍を継いだ福田、麻生の両政権は「憲法改正」など一言も語らなくなった。当然のことではあるが両院に設置された「憲法審査会」は法の成立から二年近くなった今日もまったく始動していない。この状況は、何よりも全国の各地域で「草の根」的に繰り広げられてきた改憲反対・護憲運動の力が作り出したものである。それはすでに七千を超える「九条の会」にも表現されている。
 しかし、改憲派は決してあきらめてはいない。米軍と自衛隊のグローバルな実戦的一体化、戦後最悪の不況に示される資本主義の危機の深まりと貧困の拡大、それがもたらす社会的不安の増大と、労働者民衆の抵抗の高まりは、支配階級にとって新しい「国家ビジョン」の提出と国民統合の強化のための憲法改悪を避けて通ることのできない課題として突き付けている。
 総務省による「改憲国民投票法リーフ」の制作と配布は、彼らの焦りに満ちた攻撃なのである。

両院憲法審査会
を始動させるな

 総務省はリーフ五百万部発行に続いて二〇〇九年度には「改憲国民投票法」関係で四十六億九千万円の予算を計上している。そのうち四十六億二千四百万円は「国民投票システム構築」のために市区町村に交付される額であり、さらに二千三百万円を使って国内五万枚、国外二万枚のポスター、また新たに国内三百万部・国外五十一万部のリーフレットを作成する。これが、なかなか思うようにならない改憲プロセスを加速する世論操作であることは言うまでもない。
 「改憲国民投票法」リーフレットの作成と軌を一にして、自民党の中から新たな動きが見られる。改憲派の重鎮・中曽根元首相は、改めて改憲目標を正面に掲げることを訴え、自民党憲法審議会は党の選挙マニフェストに改憲を盛り込め、と訴えている。四月二十三日、与党はついに衆院議院運営員会に衆院憲法審査会の定数や議決要件を定める「規定」案提出の動議を出した。与党は五月三日前にも議運で動議を可決し、規定案の本会議提出を行って審査会を始動させる構えである。
 与党案によれば、衆院憲法審査会の委員数は予算委員会と同規模の五十人で、各党の議員数に応じて人数を割り当て、国会が閉会中でも審査会を開くことができるとしている。民主党は今国会での「規定」作成には反対しており、野党が多数の参院では「規定」が作られ憲法審査会が始動するのは事実上不可能だろう。
 しかし今、民主党が「小沢秘書起訴」問題で浮足立ち、守勢に回っている局面を与党は最大限に利用してゆさぶりをかけ、総選挙のイニシアティブを取ろうとしている。この時期を利用して再び改憲日程を手繰り寄せようというのだ。
 一方で「海賊」対処法案、「北朝鮮ミサイル破壊」問題で集団的自衛権行使への歯止めを外し、他方では衆院だけでも「憲法審査会」を始動させて既成事実を積み上げ、一度は頓挫した改憲ロードマップを軌道に乗せる――改憲派のこうした巻き返し戦略の中で総務省の「改憲国民投票法」リーフの配布が周到に位置づけられている。

市民と議員の
院内集会開催

 こうした緊迫した国会状況の中で四月二十一日午前十一時半から「総務省の改憲キャンペーンに抗議します 4・21市民と国会議員の院内集会」が参院議員会館で緊急に開催され、五十人の労働者・市民が集まった。
 共産党の笠井亮衆院議員が総務省リーフ作成の背景を説明して改憲派のねらいを暴きだした後、福島みずほ社民党党首「ある自治体では町内会に配っているという話もある。これは詐欺商法だ」と批判した。近藤正道・社民党参院議員は「リーフを作る法的根拠など存在しない」と指摘した。
 さらに許すな!憲法改悪・市民連絡会、憲法を生かす会、憲法を愛する女性ネット、宗教者平和ネット、キリスト者平和ネットからも、総務省による人びとを欺く改憲宣伝に抗議する発言が相次いだ。ドサクサにまぎれて「改憲」を既定のスケジュールであるかのように偽装する政府・与党、総務省のキャンペーンに抗議しよう。憲法審査会を始動させるな!    (K)




WPNが申し入れ行動
アフガン戦争のためのパキ
スタン支援国会合はいらない


主戦場となっ
たパキスタン

 四月十七日、東京のホテル・ニューオータニで「パキスタン支援国会合」が開催された。この会合は、アフガニスタンに「対テロ」戦争の戦場を移したオバマ米政権の戦略の一環である。今やアフガニスタンと一体化したパキスタンでの戦争の激化の中で、危機に陥ったパキスタンのザルダリ政権を支えるために、麻生首相はオバマ政権の意を受けて「パキスタン支援」の旗を振ったのだ。
 それはザルダリ政権に対して「テロとの戦い」に本腰を入れさせるための強い圧力だった。麻生首相は「パキスタンの安定なくしてアフガニスタンの安定なし」と危機感を表明し、各国は当初予想されていた四十億ドルを上回る総額五十億ドル(約五千億円)もの巨額の支援をパキスタンに投入することを表明した。うち日本政府は十億ドル(約千億円)を拠出する。
 パキスタンは二〇〇一年に「対テロ」戦争への参加を宣言して以来、核武装に対する経済制裁が解除され、米国や日本などから巨額の援助資金が流入した。しかしこれらのカネは軍事予算と債務返済にまわされ、パキスタンの貧困はかつてないほどに深刻となっている。
 米国の対アフガン戦争と占領支配の泥沼化は、パキスタン民衆の反米意識を駆り立てている。米国のパキスタン北西辺境州への越境爆撃により多くの市民が殺されていることは、この反米意識を全土で増幅させ、ムシャラフ前政権に続くザルダリ政権の腐敗と無能力ともあいまってパキスタンを内戦状況に追いやっている。こうしたパキスタン・ザルダリ政権への支援は、貧困の解消のためではなくアフガン戦争のためだけになされている。

どのような援助
が必要なのか

 四月十七日、WORLD PEACE NOWは「アフガン戦争支援のためのパキスタン支援はやめよう」と呼びかけて、午前十一時にホテル・ニューオータニ近くの四谷駅に三十人が集まり、申し入れ行動を行った。代表が外務省の係官に以下の要請項目を含む申し入れ書を手渡した。

1 パキスタンでの諸外国、あるいはパキスタン軍による武力行使継続のための資金援助は行わない。

2 援助資金は、パキスタンが真に民主的で持続可能な社会を目指すために使わなければならない。

3 援助資金の使われ方については、パキスタンの一般の人びとを含むすべての当事者(NGO、社会運動団体、労働組合、農民組合など)の代表が参加して、透明性ある民主的な討論の上で決定されねばならない。

4 援助資金は、パキスタンの一般の人びと、特に貧困にあえぐ女性の人権、民主主義、平和等を保障するための民主的支援に使われなければならない。

5 今回の会合が米国のアフガニスタン戦争支援が目的であれば、ただちに会合は中止されなければならない。

 これらの要求は、パキスタンのNGO、社会運動団体の友人たちの要求でもある。      (K)



六本木ヒルズ包囲デモ第2弾
リーマン・ブラザーズは
京品ホテル争議を解決せよ


第2ステージ
に入った闘争

 一月二十五日の強制排除から、三カ月が経過した。その間、京品支部組合員は自ら「第二ステージ」と位置づけた闘いで鍛えられ、一人ひとりがよりたくましさを増してきた。リーマン・ブラザーズの事務所がある六本木ヒルズ、そして閉鎖された京品ホテル前で、闘争心みなぎる抗議活動を連日展開しているのだ。
 三月十九日の六本木包囲デモに引き続き、債権者であるリーマンに京品ホテル争議解決をせまる二度目の集会と包囲デモが、四月二十三日夕方に都立青山公園で行われた。東京ユニオン島崎書記長は、ホテル買収のメドがまったくつかないことから、強制排除自体のナンセンスさを指摘し、「解決の鍵はリーマンにある。本日第二波の六本木ヒルズ包囲デモを行います」と、集会開催を宣言。まず全国ユニオンの鴨会長は「闘い続けることが、雇用維持につながる。春風のなかで、元気に心意気を示すデモを行おう!」と、参加者へ呼びかけた。
 連合本部・辻村組織対策部長は、「リーマンショック以降、輸出産業や基幹工業は大きな打撃をうけ、市場原理主義が世界中を混乱に陥れた」と批判した。「派遣村で労働相談を担当したが、所持金を二百四十円しか持たぬ人や、住まいを失い茨城から歩いてきた派遣切り労働者がいた」と体験を述べ、強制排除について「徹底抗戦しなければならないようにした責任はどこにあるのか! 社会的不条理に対して徹底的に闘う」と発言。
 社民党の福島党首が、「社民党も全力で支えます」と闘争支持を表明。そして派遣法抜本改正への決意に触れた。「今日も抜本改正に向けて民主党と協議してきた」ことを報告し、野党四党または三党で抜本改正法案を提出する意気込みを示した。(現在抜本改正案に対して、民主党は右ぶれを起こしている)。
 そして港区職労、JR総連、全労金、非正規フォーラム事務局などの支援労組や団体からの発言が続いた。東京東部労組の須田書記次長は「強制執行に体を張って共に闘った。あの闘いは希望の光」と表現し、「組合があればこういうことができる、生きることができることを社会へ伝えた」と発言。そして阪急トラベルサポートが週刊誌の取材を受けたことを理由に、東部労組HTS支部塩田委員長を事実上の解雇状態にしている不当を糾弾した。

がつぷり四つに
組んだ持久戦

 東京ユニオンの渡辺委員長が、闘いのあり方を明らかにした。落ち着いた口調で「京品支部結成から一年になろうとしているが、強制執行をしのぎ苦しいけれども、よかったという境地になりつつある。問題解決の糸口が見えなかった前哨戦が過ぎた」として、勝利の鍵は「組合が債権者リーマンとがっぷり四つに組むこと」にあると指し示した。そして「リーマンが動かなければ、この争議は解決しない。債権者が組合と話をつけなければならない状態に持ち込んだ。債権者は私たちの要求に応ずることなる!」と勝利に向けて、自信あふれるアピールを行った。
 京品支部金本支部長から「仲間のみなさん、こんばんは!」と、大きな声の挨拶。「何千、何万人から力と勇気をいただきました。しかし残念なことに、何一つ恩返しできていません。恩返しとは、ただひとつ。私たちのホテルに泊まって、私たちが作る料理を食べてもらうことです。これからも支援をよろしくお願いします」と今後の支援を要請した。最後に京品支部の吉田さんが、リーマンに京品ホテルの争議全面解決を要求する決議文を読み上げ、参加者全員の大拍手で決議文が採択された。そして組合と市民の約四百人がリーマンに対する抗議のシュプレヒコールをあげて、六本木ヒルズへ向けてのデモを貫徹した。  (かめ)


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