| 賃上げ・時短・非正規均等待遇・増員を! かけはし2009.3.30号 |
ストに敵意むき
出しのJP労組
昨年三十三年ぶりの郵便局ストを打ち抜いた郵政労働者ユニオンは、今年も三月十九日全国十の拠点職場(福島・郡山南支店、新潟・新潟中支店、東京・深川支店、神奈川・横浜支店、静岡・浜松支店、大阪・城東支店、大阪・枚方北支店、兵庫・灘支店、福岡・粕屋南支店、長崎・長崎支店)で一時間の時限ストを貫徹した。
郵政労働者ユニオンは、時短、大幅賃上げと共に、二十一万人にも上る多数の郵政非正規社員の処遇改善、そして雇用危機への緊急政策として人員確保・増員の要求を提出し、日本郵政グループとの交渉を積み重ねてきたが、三月十八日段階で完全にゼロ回答だった。とりわけ本社側はユニオンの非正規労働者の処遇改善要求に対し「正社員と非正規とでは『人材育成』の意味が違う」と述べ、非正規社員に対しては「スキルアップ、育成」の対象ではないとする、差別的な姿勢を明らかにして恥じないのである。
こうした会社側の不当きわまる対応に怒りを燃やして対決する郵政労働者ユニオンのストに対して、あろうことか日本郵政グループ労働組合(JP労組=旧全逓と全郵政)は、山口義和・中央執行委員長名で「他労組の争議行為予告に対する対応について」という表題の声明を西川社長宛に差し出し「一部の勢力によるストライキ等の行動により、万が一にも業務運行確保に支障を来すような状況が起こることを看過できません。……JP労組はかかる状況となった場合においても、『新・パートナー宣言』の趣旨に則り、全組合員が協力体制をもって対応していくことを表明します」と、あくまで会社側に恭順の意を表しているのだ。
深川局門前で
スト突入集会
三月十九日のストライキ当日、東京のスト拠点職場に設定された深川支店前には郵政労働者ユニオンの各職場の労働者と支援の仲間、七十人が早朝から結集した。掲げられた郵政労働者ユニオン中央本部の旗は、春闘のさなかにすい臓がんで無念にも死去し、この日告別式が執り行われた神奈川支部の竹内淳さんを追悼して、黒い喪章がつけられた半旗となっている。
七時半から始まったスト突入集会では、ユニオンの内田委員長、中岡全労協事務局長、地元・江東区の前田薫区議があいさつした後、この日のスト闘争に決起した深川支店の三人の労働者が、簡潔かつ闘志に満ちた決意表明を行い、大きな拍手を受けた。
午前八時、いよいよストに突入。管理者や警察が監視・警戒する中で、郵政産業労組(郵産労)東京地本からは「郵産労もゼロ回答への抗議をこめて三月二十三日に全国十二拠点で百人がスト突入する」と連帯あいさつ。さらに下町ユニオン、中小労組政策ネット、NTT関連合同労組(N関労)、国労音威子府闘争団、国鉄闘争葛飾支援協、ATTACジャパン、南部全労協、郵政ユニオン特別執行委員で前松戸市議の吉野信次さんが激励の言葉を送った。社民党、共産党の国会議員からの連帯メッセージも紹介された。
深川支店に向けて、元気あふれるシュプレヒコールを行った後、一時間ストを打ち抜いた三人の仲間を拍手で職場に送り出した。
つづいて霞ヶ関の郵政グループ本社前に移動し、午前十時から本社に向けた行動を開始。全国のスト拠点での闘いが成功裏に貫かれたことが報告された。内田委員長は「派遣切り、失業が全国にかつてないほどに広がる深刻な危機の中で、昨日の大手民間の一斉ゼロ回答、定期昇給もストップという事実上の賃下げ攻撃にもかかわらず、連合大手民間指導部はスト一つ組織せず、責任をなんら果たしていない。われわれは郵政において貧困と格差が拡大するのを見過ごすことはできない」と檄をとばした。
郵産労の山崎委員長が三月二十三日のストライキの決意を語り「郵政ユニオンと郵産労の事実上の共同ストとして闘おう」との意識がふくらんでいく。全国一般東京南部支部の中島書記長は「公正な分配を勝ちとることと大幅賃上げは一つのもの」と訴え、さらに国労闘争団の佐久間忠夫さん、全労協藤崎議長が連帯の言葉を送った。
本社前の行動を終えた後、さらに横浜に移動し、横浜支店前で昼からストに入る仲間を支える集会をやりきった。
巨額の「内部留保」をためこみながら、不況や「赤字」を口実に、大量解雇・賃下げで労働者に犠牲を強制する資本の攻撃に、郵政労働者ユニオンは果敢な闘いを挑んでいる。三・一九ストの成功はそれを実証したのである。 (K)
大阪・城東支部のストライキ
会社は莫大な利益を上げている!有額回答は可能だ
【大阪】三月十九日、郵政労働者ユニオン近畿地本傘下の大阪城東支部が、始業時(午前8時)から一時間のストライキに起ちあがった(近畿地本全体では拠点は3つ)。支援にかけつけた地域の仲間と共に、正門前でシュプレヒコールをした後、場所を移し、下村近畿地本副委員長の進行で集会が開かれた。
4つの要求を
あくまでも貫く
本部の松岡書記長が中央交渉の経過報告を交えてあいさつをした。
「交渉は四回行った。今春闘の要求の第一は、郵政で働く労働者の半数以上(21万2000人)を占める非正規社員の賃金改善。非正規社員は年収二百万以下の賃金しかもらっていない。第二は均等待遇要求。一例をあげると、正社員には夏と冬特別休暇があるが非正規社員にはないし、正社員には年末特別勤務手当が与えられるが非正規社員にはない。同じ労働をしていながらいまだにこのような差別がある。第三は、慢性的な欠員状況に対する増員要求。郵政は民営化されてから大幅に人減らしをしてきた。そのため超勤が常態化している。経済危機でどんどん失業者が出てきている現在の状況下で、ワークシェアリングと合わせ、全国で一万九千人の増員要求をしている。第四は、賃金引き上げ有額回答。郵便事業会社は、昨年六百九十四億円の純利益をあげている。膨大な内部留保がためられている。非正規社員の時給引き上げの有額回答はできるはずだ。二百億円あれば非正規社員全体の時間給百円引き上げは可能だ。支払い能力がないなどという会社の主張は認められない」と、今後も闘いと交渉を積み上げていく決意を述べ、JPUが早々と賃上げ要求を取り下げたことを批判し、二十三日に予定されている郵産労のストライキが、郵政労働者ユニオンのストライキと一連の闘いであると位置づけている旨を述べた。
地域の仲間が
次々にアピール
続いて、全日建連帯労組、全港湾大阪支部、国労、大阪全労協、大阪教育合同労組、西運送労組、自立労働組合連合が連帯のあいさつを述べた。
「全労連の調査によると大阪に本社のある資本金百億円以上の大企業百二十七の内部留保は約二十九兆円に上るという。その一%か二%をはき出すだけで一万人以上の雇用が可能だと言われている」。
「連帯労組は二月末にまた弾圧を受け、現在三人が逮捕されたままだ。この国策捜査には断固闘う。産業別労組である連帯労組は業者団体と集団交渉をし約束を交わす。その約束を守らない企業があると労使関係の有無に関係なく抗議行動を展開する。それは当然のことだ」、「正規も非正規も労働者だ。生きる権利を奪うようなことは許されない。少しでも安ければそこに飛びつくという日本全体の考え方がおかしい。われわれ自身の認識も変えていく必要がある」。
「年度末には多くの倒産会社が出てくるだろう。その場合は、他の会社で雇用してくれという集団交渉をしている。雇用は絶対守る。今はこのことを最優先すべきだ」。
「クボタで働いている外国人の有期雇用労働者三十人が全港湾にいる。三月末で全員首を切られる。絶対に許すことはできない。そうなれば本社前で座り込みをする」。
「三月末での大量の派遣切り・非正規切りが予想される中で、内部留保を使って雇用確保せよという要求をかかげて闘う以外にない。大手労働組合のていたらくが明らかになった」。
「非正規労働者の要求を実現するためにストライキで起ちあがるということが二十一世紀にふさわしい労働組合の姿だ。正規だけで闘うのではなく、非正規を包み込むような形の暖かい労働組合であるということに郵政ユニオンの将来性を見る」。
「大阪府の三百六十四人の教務補助員はこの三月に解雇される。非常勤の組合員の半数ぐらいは解雇されるかもしれない。そうなれば即争議に入る」、「今の危機は労働者に何の責任もない。金融機関や機関投資家などのマネーゲームで起きたことだ」、などの発言があった。
また、岡山で非正規として五年間郵便局で働いていたが二〇〇八年末雇い止め解雇され裁判を闘っている萩原さんが支援を訴え、郵産労からは「大幅賃上げ、均等待遇、正社員化、人員の大幅増員の要求で闘っている。これは郵政の職場だけではなく幅広く支持される内容だ。ストライキは全国で十二拠点、大阪・京都・兵庫では五つの拠点ストを闘う」との決意が表明され、最後に山田城東支部書記長からストライキで闘った組合員(全体で9人、内3人が非正規)の紹介があった。 (T・T)
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