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2009東京 マーチ・イン・マーチ           かけはし2009.3.23号

移住労働者は働く仲間

安定した雇用と生活できる賃金を
差別をなくそう!生活と権利のための外国人労働者総行動


 三月八日、渋谷宮下公園で「生活と権利のための春の外国人労働者総行動、2009東京マーチ・イン・マーチ」が、使い捨てを許さない!2009全国マーチ・イン・マーチ実行委員会主催で行われ、四百人が参加した。午後三時から、ペルーの「ルパイ」楽団による「コンドルは飛んで行く」など南米の民族音楽が奏でられ、参加者が歌に合わせて踊った。そんな移住労働者集会ならではの明るく、楽しい集会の雰囲気だった。集会参加者はブラジル、ペルーなど南米、中国、アフリカ、欧米の外国人労働者とその労働者が参加する全国一般東京南部、神奈川シティユニオン、埼京ユニオン、全統一、下町ユニオンと国労闘争団、郵政ユニオン、電通労組など全労協を中心とする日本人労働者だった。
 最初に、中程モニカさん(神奈川シティユニオン委員長)が主催者あいさつを行った。
 「移住労働者は自動車、エレクトロニクス、食品、建設などで働き、日本社会を支えてきている。それなのに、ボーナスも退職金もない。有期雇用で職場からすぐに追い出される。不法就労だといって日本から追い出す。研修生・実習生は奴隷のようなひどい労働条件だ。警察は職務質問をして弾圧する。日本政府はIC在留カードの導入によって管理と監視を強化しようとしている。こうした差別を変えて、権利を獲得していかなければならない。移住労働者の抱えている問題を共有しよう。非正規職労働者と連帯しよう。安定した賃金をすべての労働者へ。移住労働者は働く仲間だ。日本人労働者といっしょに闘おう」。
 この後、在日ブラジル人コミュニティーのABCジャパン、いすゞ自動車で解雇された派遣社員、中国人研修生がひどい労働実態と闘いの報告を行った。ブラジルの民族音楽とダンスの後、埼玉、名古屋から参加した仲間の訴えが行われた。移住労働者と連帯する全国ネットが「オーバーステイが十一万人住んでいる。入管法の改悪で追放されようとしている。こうした人たちが居ることを忘れないでいっしょに歩こう」と訴えた。この他、09けんり春闘実行委員会、大阪ゼネラルユニオンが連帯のあいさつを行った。
 キャサリン・キャンベルさん(全国一般東京南部)が「セーフティネット」の必要性について訴えた。「セーフティネットは空中ブランコをする時、落下しても安全なように下に網をはることからきた言葉だ。だれにでも失業や病気は起こるものだ。その時救われる安全網がなければならないということだ。それば派遣切りのように穴だらけになってしまっている。不安定な雇用状況だからこそ、セーフティネットが必要だ」。全統一の鳥井書記長が「二百三十万人の移住労働者が日本の社会を支えている。派遣切りの中には、移住労働者がたくさんいる。これと闘い、本当に共生社会をつくるためにがんばろう」と訴えた。
 むしろ旗、プラカードなどを掲げて、音楽を奏でながら渋谷の街を一周するにぎやかなデモを行い、移住労働者の権利獲得のための訴えた。      (M)




「派遣労働者に生きる権利を!」院内集会
セーフティネットだけでは
なく今こそ派遣法抜本改正へ


空前の規模に
達する派遣切り

 三月四日、格差是正と派遣法改正を実現する連絡会は「派遣労働者に生きる権利を!」院内集会を参院議員会館で正午から行った。集会には百六十人が集まった。この日の集会は、戦後最大の世界的な不況・経済危機への突入の中でいよいよ派遣労働者への解雇・失業が空前の規模に拡大している現実を見つめ、この資本の攻撃と対決するために今こそ派遣法の抜本改正のために闘うことが必要だ、という問題意識から準備されたものである。
 司会の小谷野毅さん(全日建連帯労組)が、「派遣法を改正し、製造業への派遣を禁止すれば失業が拡大する」という政府・財界の盗人猛々しい謬論を批判し、問題が「セーフティーネット」の整備に一面化され、派遣法抜本改正が後景に追いやられているように見えるあり方への危機感を語った。その後、院内集会に駆けつけた各政党からのあいさつが行われた。
 民主党の菅直人代表代行は「二月から社民党、国民新党と派遣法改正のための勉強会を開いている。年越し派遣村の湯浅誠さんが求めている全国でのシェルター、相談窓口の設置を実現すると共に、すべての人びとへの雇用保険法適用、職業訓練期間中の生活支援について検討したい」と語った。公明党の谷口和史衆院議員は「党内でまだ結論が出るには至っていないが、派遣元・派遣先が講じるべき措置を、指針ではなく明文的に法制化する必要があるのではないか」との見解を述べた。
 共産党の小池晃政策委員長は、「ナショナルセンターを超えた皆さんの闘いが、派遣法改正を政治の中心問題に押し上げた」と激励し、社民党の福島みずほ党首は「職を失った多くの労働者が路頭に迷おうとしているこの時期においてこそ派遣法の抜本改正を」と訴えた。また新党大地の鈴木宗男代表、国民新党の亀井亜紀子参院議員も「派遣切り」を止める法改正の必要性を主張した。
 次に、実行委員会から棗一郎弁護士が「派遣村からの報告」として、昨年十二月四日の「派遣法抜本改正集会」を受けて、抜本改正は重要だが今現にクビを切られている人たちにどう対応するのか、というところから手探りで出発した「年越し派遣村」の現実と、それが突き出した「派遣切り」イコール「住む場所も奪われる」というこの現実に立ち向かう必要性を指摘した。「労働現場からの派遣法改正提言」として製造業派遣からガテン系連帯代表の池田一慶さん、日雇派遣・事務派遣から派遣ユニオン書記長の関根秀一郎さんが報告した。

直接雇用は憲法
上の原則である

 「派遣法改正の基本視点」と題して近畿大学法科大学院教授の西谷敏さんが講演した。西谷さんは直接雇用の原則が憲法の人権条項(生存権、労働権、職業選択の自由)に基づき、戦前の間接雇用への反省から生じたものであることを強調し、直接雇用の原則からの逸脱を認めるためには@企業運営上の不可欠性A労働者保護に欠けないこと、という二つの要件が必要だが現行派遣法がその点を事実上度外視していることを厳しく批判した。そして派遣法改正の基本原則が@登録型派遣の原則禁止A業務の範囲の限定B派遣先の責任強化C派遣業者への規制D派遣労働者の保護(均等待遇原則、労基法・労安法上の権利の実効的保障)によるものでなければならない、と提起した。
 派遣法抜本改正のポイントについて報告した鴨桃代さん(派遣法改正連絡会、全国ユニオン会長)は、@雇用の原則(直接・無期限の雇用が原則であり、誰もが不当に差別されない雇用の権利を持っている)とそれを守るための常用代替防止を法律の趣旨目的とするA登録型派遣については原則禁止とし、労働者派遣事業を営むについてはすべて許可制とするB派遣元が雇用主としての責任を全うできないような労働者派遣事業や契約締結(日々派遣契約など)を禁止するC労働者派遣受け入れ規制を逸脱した派遣先の責任を抜本的に見直し、期間制限違反のみならず、適用対象業務違反、許可届出のない派遣元からの受け入れ、事前面接による派遣決定禁止違反などにも拡大したうえ、「みなし」規定を導入して制裁措置を強化するD派遣労働者の権利について、人間としての生存と生活の営みにおいて同一の権利が保障されるべき事項については、法律に基づく権利の完全な保障の実質的確保を図ると共に、派遣労働者について不合理な差別を禁止して均等待遇を確保する、の五点を指摘した。
 最後に全国ユニオンの安部誠さんが、「労働者の間にもある差別を克服し、憲法原則に立ち返り、セーフティーネットだけではなく派遣法の抜本改正を実現しよう」とまとめの発言を行った。      (K)




国賠ネットワークが交流集会
国家・自治体から受けた不法な
損害の責任を問い謝罪と賠償を


たがいに知恵
を出し合おう

 二月二十一日、国賠ネットワークは、渋谷勤労福祉会館で「第20回 交流集会」を行い、約四十人が参加した。
 国賠ネットは、一九八九年に「さまざまな国家賠償請求訴訟が各地で進んでいます。国や地方自治体から不法な損害を受けた人々が国家賠償法に基づき、その責任を問うて賠償や謝罪を求める訴訟です。無実の罪で逮捕・勾留され、長い間、刑事裁判を強いられた冤罪被害者を中心に、あれこれの国賠訴訟を繋ぐネットワーク」として立ち上げ、「毎年、さまざまな国賠訴訟の原告や支援者が集まって、互いに報告し語り合い、知恵を出し合いそれらを共有する」取り組みを積み上げてきた。
 集会は、事務局の土屋翼さんから「この1年」を振り返りながら、「国賠ネットワーク会員の勝訴は残念ながら、なかなかない。十月に入会した微罪逮捕国賠(10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判)の一審勝訴だけである。『救援ニュース』には、〇八年民事裁判判決一覧には十一の判決があり、そのうち七つの国賠はすべて勝訴している。富山冤罪事件、志布志冤罪事件、映画『それでも僕はやっていない』効果があるとおもう。皮相的にいうと、このようなチャンスはそうないだろう。それゆえ、厳しい国賠裁判が続くのが予想される。さらなる、闘いを、心をつなげてがんばりましょう」とアピール。

えん罪・微罪
弾圧被害者から

 次に、国賠裁判を取り組む仲間たちから以下のように報告が行われた。
 b冨山冤罪国賠を支える会│二〇〇二年、富山県永見市で起きた強かん事件と強かん未遂事件で逮捕、起訴された柳原浩さんは冨山地裁高岡支部で懲役三年の有罪判決をうけ、服役。ところが、満期釈放後の〇六年になって、別の容疑により鳥取県警に逮捕された男性がこの事件の真犯人だった。冨山地検は再審を請求。〇七年四月に検察・弁護側双方が無罪判決を求める再審裁判が開始され、十月無罪判決。〇八年九月、支える会を結成。
 会の仲間は、「柳原さんはいま、この冤罪の成り立ちやその責任を明らかにし、被った損害の賠償を求める国賠裁判の準備をすすめています。そこには冤罪被害からの名誉回復のみならず、同じような冤罪の再発をふせごうという強い意志があります。さらに、この冤罪をただすべきだった裁判所や弁護士の果たした役割がどのようなものであったかも、明らかにしなければなりません」と強調した。
 b沖田国賠事件│沖田光男さんは、一九九九年九月、帰宅途中、JR中央線の車内で携帯電話を使用中の若い女性に「携帯を止めなさい」と注意。約十分後、「痴漢された」という女性のウソを鵜呑みにした警察官によって「痴漢の現行犯」だとして逮捕。二十一日間も拘束されたが不起訴。沖田さんは、〇二年四月十九日 、国(検察)、東京都(警察)、女性を相手どり東京地裁八王子支部に損害賠償訴訟を起した。〇三年十月、地裁却下。高裁、〇六年四月十日、棄却判決。最高裁第二小法廷で異例の口頭弁論が開かれる。〇八年十一月七日、最高裁は、「客観的証拠を調べなかったのは法令違反」だとして原判決を「破棄、差し戻し」とした。
 沖田さんは、「検察官は、女性の携帯相手である男性を取り調べたが、この調書の内容と女性の説明は重大な違いがあった。痴漢行為はありえないことを明確にするためにも男性の証人尋問を実現することだった。ところが高裁はこの男性の証人尋問を却下した。最高裁は証拠調べを行えと判断した。原判決の誤りを正されなければならない」と発言した。
 bNシステム国賠│Nシステム(自動車ナンバー自動撮影システム)によるプライバシー侵害の問題に取り組んでいる市民団体。Nシステムの設置や運用の実態が明らかにされないままに全車両のデータを収集保管することはプライバシー権の侵害であると、国を訴える訴訟をおこしてきた。第一次Nシステム訴訟は、結果は最高裁で敗訴確定となっている。さらに第二次Nシステム訴訟を取り組む。ドイツでNシステムに対して違憲判決が出ていることがわかり、補充書を提出したが高裁判決は〇九年一月十七日に棄却判決を言い渡した。
 b微罪逮捕国賠(10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判)│二〇〇六年十月二十四日、神奈川県警公安三課は、Aさんを免状等不実記載罪(運転免許証に記載されている住所〈実家〉と現住所が違っていた)で不当逮捕。Aさん宅と実家、越境社と新時代社、関西新時代社を家宅捜索した。国と神奈川県(県警公安三課)を相手に国家賠償請求を横浜地方裁判所民事部に起こす(06年12月25日)
 〇八年十二月十六日、横浜地裁第6民事部は、被告神奈川県に対して原告Aさんに金三十三万円、原告越境社に金十一万円、原告関西新時代社に金十一万円を支払えという判決を言い渡した。
 原告Aさんは、「神奈川県警公安三課は、免状不実記載が日本革命的共産主義者同盟、日本共産青年同盟の『武装闘争路線の一環として、組織活動を推進する目的のために行われた、組織的、計画的な犯罪だ』とでっち上げ、弾圧を強行した。その根拠は、荒唐無稽のストーリーであり、とんでもない稚拙な内容だった。勝利判決は当然だった。県は控訴したが、同じような主張を繰り返しているだけだ。高裁闘争勝利判決をかちとるために奮闘していきたい。裁判所は、違法捜査、人権侵害の観点から令状発付請求の内容を点検しなかったにもかかわらず、令状乱発主義について「違法性はなかった」と棄却したことは厳しく批判していきたい」と決意を語った。
 また、東京高裁第一回国賠裁判(八二〇号法廷/4月20日〈日〉、午後一時半)が始まることを紹介し、共に闘っていこうと呼びかけた。

今年も大賞と
最悪賞を決定

 さらに、沖縄密約事件西山国賠、バレンタイン国賠(新宿警察署 逮捕時の傷害・医療拒否 国賠訴訟)、自衛隊護衛艦たちかぜ国賠、仙波さんを支える会(愛媛県警裏金問題告発)、国賠ネット・自由権規約委員会(CCPR)への取り組み、菅家さんを支える会(えん罪足利事件)、水俣国賠、よど号青年国賠から裁判取り組み状況と今後について提起があった。
 恒例の〇八年度国賠ネットワーク大賞と最悪賞の選考に入った。主催者は志布志事件踏み字元原告の川畑幸夫さんに大賞、高知白バイ衝突事件で不当判決を出した柴田秀樹・高松高裁裁判長に最悪賞を推薦した。参加者全体で挙手裁決で決定した。
 最後に国賠ネットの磯部忠さんから閉会挨拶が行われ、今後もネットワーク活動の豊富化にむけて諸提案を実現していこうと集約した。       (Y)


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