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                            かけはし2009.1.26号

東京地裁による京品ホテル明け渡し決定を許さない!

組合は解雇撤回・自主営業の決意

仮処分決定抗議
直ちに記者会見

 一月十五日、東京地裁民事十九部蓮井俊治裁判官は解雇撤回、自主営業を続ける東京ユニオンと組合員に対して、「京品ホテルから退去してこれを明け渡せ」という不当な仮処分の決定を下した。組合は午後四時半から京品ホテルの二階で、「不当な仮処分決定に対して、ただちに異議申立と執行停止申立を行った(別掲)ことを明らかにし、自主営業を続け、解雇撤回を求める」記者会見を行った。この記者会見には多くのテレビ局などマスコミが殺到した。
 最初に、組合の代理人・鬼束忠則弁護人が今回の決定の不当性について説明した。
 「従業員を全員解雇し、土地建物をLCホテルに売却し、六十億円の負債を返済するという京品実業に対して、従業員は組合を結成して解雇撤回を要求し、自主営業を続けている。これに対して会社は退去を求めた。裁判所は異例の長い期間審議し、いろいろ検討したが、会社の言い分を認めた。裁判所は紛争の本質をまったく理解しない決定を下した」。
 「仮処分の要件は二つある。@営業の中止・退去を求める権利が会社にあるかどうかA仮処分は本裁判とは違い、必要性が高いかどうか、著しい損害が発生するかどうか――であったが、決定は満たすとした。@根拠は、会社はいつでもやめることができる。それに対して組合は抵抗できない。一方的に会社が決めても組合は文句が言えない。建物を占有することはできないA今、出さなければいけない必要性があるのかどうか。根拠。売却先のLCホテルズは昨年十一月二十一日、売却契約を解除してきた。LCホテルズの代理人は契約を復活させる予定も意思もないと十二月二十二日に連絡してきた。こうした状況にあるにもかかわらず、今回の決定は組合が立ち退けば再交渉の余地が残されている。退去しなければ交渉できないので、退去すべきだというものだ」。
「買い手の誤算は土地の値段が下がったことだ。このままだと二十から三十億円の損になってしまう。争議を利用して売買契約を解除してきた。このように、今回の決定は証拠に基づかないものだ。組合はただちに保全異議申立をした。判断は東京地裁民事十九部の別の裁判官が担当する。明日から二週間以内に退去の手続きをしなければならない。執行は執行裁判所が決定し、執行官が来て催告する。従えないとなれば、強制執行になる。異議が認められれば元に戻。今回の決定は占有についての決定であり、解雇が有効というものではない」。

最後まで闘う!
闘志溢れる発言

 次に東京ユニオン渡辺秀雄委員長が闘う決意を述べた。
「五月八日に最初の団交を行った。社長は十月二十日にホテルを売却することになったこと、従業員を全員解雇すると表明したが売買契約の中身は開示できないとした。そして八月二十九日、臨時株主総会を開き会社の解散を決めた。いずれも会社はこうした決定に対して、組合活動も解雇問題も認めない態度を貫いた。それに対して、われわれは施設管理権を要求し、争議権を行使しているだけだ。小林誠社長は団交の席上で、五億九千万円を使って、別のところで会社を起こすと公言した。これは偽装倒産だ。立ち退きの決定が出ても、根本的な解決にはならない。労使紛争は継続する。われわれは雇用確保のために闘う」。
 続いて、全国ユニオン鴨会長が「五万人以上の署名が集まり、全国から自分たちの問題だと大きな支援をもらっている。倒産・リストラが続く中で、いち京品ホテルという問題ではなくなっている。今回の仮処分はこうした問題に労働者は一切口をはさめないことになってしまう。解雇権の濫用で企業を追及していく」と述べた。
 この後、記者との質疑応答が行われた。b異議申立の期間に執行はできるのか。――できる。b強制執行に対して。――きちんと整然と座り込みで対抗する。排除されないように社会的に訴えていく。b自主営業はどうするのか。――自主営業を手放したら、本質的解決が難しくなるので継続する。
 最後に、京品ホテルで自主営業を続ける二人の組合員が意見を述べた。
 料理店「いのじ」の料理長であり、支部長の金本正道さんが「仮処分が出されたからといって解決したわけではない。最後の最後まで闘っていきたい。私には二十歳の息子がいる。その息子が『お父さんがやっていることを恥ずかしいことだとは見ていない』と励ましてくれた。組合員は全員が家族だ。最後の最後まで家族として闘ってゆく。五万人が支えてくれているのはまぎれもない事実だ。絶対にあきらめることのなく闘いをやってゆく」と堅い決意を述べた。
 続いて「さが野」の富田さんが「九分通り立ち退き命令が出るだろうと予測していたが、今回の決定は残念だ。これは通過点であり、屈することなく一丸となって闘っていく。社長に売られたケンカなので死ぬまで闘う」と気迫を示した。
 今後、立ち退き執行という重大な局面に入る。執行を許さない闘いに駆けつけよう。                                      (M)

 

東京地方裁判所の決定に対する声明
全国コミュニティ・ユニオン連合会会長 鴨桃代
労働組合東京ユニオン執行委員長 渡辺秀雄

2009年1月15日

 本日、東京地方裁判所民亊19部蓮井裁判官より、京品ホテルから東京ユニオンと組合員の立ち退きを命ずる仮処分の決定が出された。しかもこの決定は「事業の決定は、事業者が自由に行い得るものであり、これを従業員において争うことができない」と言い切り、たとえ偽装解散であろうと、また本件のように2年間の黒字経営の中での小林社長とリーマングループによる不当極まりない売却劇であろうと、労働者はこれに従えという。「仮に解雇が解雇権を濫用したものとして無効であるとされても、使用者が事業を廃止した場合に、これを再開するよう請求する権限は従業員にはない」とまで言う。これでは世界大不況に突入した日本社会で、吹き荒れていく会社整理やリストラに対して、労働者は何の異議申し立てもできないことになる。
 全国ユニオン及び東京ユニオンは、この決定を不服として「異議申立」をすると共に、行っている自主営業は、京品ホテルの理不尽な廃業と不当解雇に抗して行っている正当な組合活動であり、今後も断固として続けていくことを声明する。このような不条理な決定に屈せず、労働者と家族の生存権をかけ、ユニオンは闘い続ける。
 京品実業の小林誠社長は自らの放漫経営で作った60億円以上の債務の清算のため、従業員とその家族を犠牲にして「理不尽な売買契約」を締結した。
 労働組合に対しては、経営危機に至った経過や売買契約の内容について一切開示することなく団体交渉を一方的に打ち切り昨年10月20日の廃業と従業員全員解雇を強行したのである。しかし、昨年11月21日、リーマンの意を受けた京品ホテルの買主・株式会社LCホテルズは、「当社が京品実業らとの間で京品ホテルにつき売買契約を締結していたことは事実です。しかし、当社は既に売買契約を解除しており買主としての立場にはありません。」と東京ユニオンに通告してきた。更に、昨年12月22日には改めて「今後も売買契約を復活させる意思はない」と断言している。裁判所はこの点もなんら斟酌していない。
 労働組合東京ユニオンとの間で誠意を尽くした話し合いで合意を得ない限り、私達を京品ホテルの建物から強制的に立ち退かせようとも、なんら本件解決の枠組みはできない。
 京品実業は、仮処分の審尋のなかでも、何一つ解決策を提示することをせず、ひたすら立ち退きの「決定を出してくれ」と裁判所に迫るばかりだった。
 今回の、仮処分の決定は京品ホテルにおける労使紛争の解決には全く寄与することはない。むしろ、労使紛争を泥沼化させていくものにしかならない。 強制執行が行われ、京品ホテルの建物が債権者リーマンの手に渡れば、港区の歴史的建造物にも指定されているこの建物は、取り壊されてしまう。そのことは、地元住民の利益にも反する。短期間に、地元住民を含む5万人以上の人々が「京品ホテルの存続を求める要請書」に署名を寄せてくださったことからも明らかである。
 全国ユニオン及び東京ユニオンは、今回の不当な決定に屈することなく、全国の働く仲間と地元の住民の皆さんのご支援を得て、強制執行があろうとも、これをはねかえし、労働者が人として働き生きて行くための大切な職場を守っていく決意である。
  2009年1月15日


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