| 「即時停戦」求める千五百人のピースパレード かけはし2009.1.19号 |
ガザへの侵攻・虐殺は戦争犯罪だ
パレスチナ民衆に「正義と自由」を |
残虐兵器による
「ジェノサイド」
十二月二十七日に始まったイスラエル軍によるガザ侵攻からすでに二週間以上が経過した。イスラエル軍の爆撃と地上軍の侵攻は、ガザ住民への一方的殺りくであり、ジェノサイドとも言うべき戦争犯罪にほかならない。ガザ市民の使者はすでに一月十日の段階で八百五十人を超えた。そのうち、四〇%近くが女性や子どもである。
一月五日深夜から六日にかけて国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校三カ所をイスラエル軍が攻撃し、四十八人が死亡した。また国連人道問題調整事務所(OCHA)は、一月八日夜(日本時間一月九日未明)にイスラエル軍が百十人の市民を一軒の家に誘導して閉じ込めた上で砲撃を加え、三十人が殺害されたと報じている。長期間にわたる封鎖によって、医薬品、食糧、電気・水道・ガスなど最低限のライフラインを失われた巨大なゲットーとも言うべきガザの住民百五十万人に対して、こうした犯罪が昼夜を問わず波状的に繰り返されているのだ。
しかもイスラエルは白リン弾、クラスター爆弾、熱気圧爆弾、高密度不活性金属爆弾(DIME)などの残虐兵器、最新兵器を使用して、密閉されたガザを人殺しの実験場にしている。これはメディアの言う「暴力の連鎖」でも「イスラム原理主義過激派ハマス」の攻撃に対する「イスラエルの報復」でもない。国際法を足蹴にするイスラエルの一方的な「国家テロ」なのである。
欧州諸国、アメリカ、アジアなど全世界で十万人規模の反戦デモが続いている。イスラエルのテルアビブでも一万五千人の反戦行動が展開された。一月八日夜(日本時間一月九日)には、国連安保理が「停戦決議案」が米国だけの「棄権」で可決した(賛成14、棄権1)。しかしイスラエルはこの決議を拒否し、軍事攻撃をいっそうエスカレートしている。今こそ、イスラエルの侵攻を阻止し、封鎖を解除して「人道的惨害」に終止符を打ち、パレスチナ民衆の「正義」を実現すべき時である。
これは「暴力の
連鎖」なのか?
一月十日、パレスチナ子どものキャンペーン、アムテスティ・インターナショナル日本、日本国際ボランティアセンター(JVC)、ピースボートなど十二のNGOが呼びかけた「ガザに光を!即時停戦を求めるピースパレード」が芝公園23号地から出発した。パレードには、若者をはじめ主催者の予測を大きく上回る千五百人もの人びとが参加した。
パレード出発前の集会では、ピースボート、アムネスティ・インターナショナル日本、日本国際ボランティアセンター、日本YWCA、パレスチナ子どものキャンペーンが発言した。パレードの先頭にはパレスチナ国旗を掲げた在日のパレスチナ人が立った。寒風をついてパレードは夕暮れの町並みを六本木の三河台公園まで行進した。
パレード終了後、飯倉坂上の聖アンデレ教会でシンポジウムが行われた。シンポジウムには五百人が参加した。シンポでは電話インタビューを通して戦火の下でのガザの現状が幾人もの人びとから相次いで伝えられる。瓦礫の下で山となった市民の死体、医療、電気も水道も止まり、食糧に事欠く惨状がつぶさに語られる。
ジャーナリストの広河隆一さんは「暴力・報復の連鎖」というステロタイプ化された報道を批判し、「日本中のメディアは戦争の原因を結局のところハマスに帰している。しかし現実に起こっているのは一九四八年のイスラエル建国に伴うパレスチナ民衆の難民化をもたらした『ナクバ』(大破局)の繰り返しだ」と語った。評論家の大塚英志さんは名古屋でのイラク派兵違憲訴訟に関わった経験から「言葉によるコミュニケーション」で平和への努力を行い、国家に憲法九条を守らせていく闘いの重要性を訴えた。
さらに古居みずえさん(映像作家)、天木直人さん(元レバノン大使)、土井香苗さん(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)、高橋和夫さん(放送大学助教授)からイスラエルの戦争犯罪への加担を拒否するアピールが続いた。
イスラエルの戦争、そしてそれを支える米国、米国に無条件に追随してアフガン・イラク戦争に参戦し、恒久的派兵国家への道に入り込んでいる日本政府への抗議を強めよう。何よりもイスラエルのパレスチナ民衆虐殺を即時やめさせよう。 (K)
許すなイスラエルの侵攻
ガザへの封鎖を解除せよこの「人道的惨害」許すな
【大阪】昨年末から続くイスラエル軍のガザ空爆・地上軍の侵攻に対する抗議の緊急行動が十三の市民団体の呼びかけで行われた。大阪市役所横の中之島河川敷で集会がもたれ、五百人を超える市民が参加した。この行動は昨年十二月二十九日、一月五日の大阪領事館前での抗議行動に続いて行われたものである。
呼びかけ団体は、ATTAC関西、アムネスティ・インターナショナル日本、釜ヶ崎医療連絡会、釜ヶ崎パトロールの会、関西共同行動、「しないさせない!戦争協力」関西ネットワーク、ジュビリー滋賀、日本キリスト教団大阪教区社会委員会、パレスチナの平和のための関西連絡会、パレスチナの平和を考える会、反戦と生活のための表現解放行動、RAWAと連帯する会、リブ・イン・ピース☆9+25である。
初めにガザ在住のB・サーメドさんの携帯電話による現地からのレポートが紹介され、ガザの封鎖を解くよう国際的な圧力をかけてほしいと、生存のために闘っているガザの人々からの訴えがあった。
続いて、岡真理さん(京都大学教員)が基調的なアピールを行った(別掲)。
岡さんのアピールに続いて呼びかけ団体が順に短いアピールをして集会を終え、米国領事館前を通って梅田の桜橋方面に向けデモを行いながらガザの即時停戦を訴えた。 (T・T)
岡真理さんのアピールから
封鎖・占領されたガザは「絶滅収容所」そのもの
空爆が始まって今日で十五日目になる。世界の人々が見ている前で公然と行われている。今朝のフランスのホームページによると死者は八百四人、うち子どもが二百三十人、女性が九十三人、負傷者は三千三百十人だ。これほど膨大な数の負傷者を治療する施設はガザにはない。医療・食糧スタッフが昼夜区別なく働いている姿を想像してほしい。
一九七六年レバノンの難民キャンプがレバノンの右派軍事組織により封鎖され攻撃された。最後は食糧も医薬品も底をつく中、塩水を使って手当てしていた。一九八〇年代半ばにも難民キャンプの封鎖・攻撃があった。このときキャンプにとどまって治療に当たっていた英国の女性医師の手記が翻訳されている。
顔見知りの二人の青年が運び込まれた。どちらもただちに対応しないと死んでしまうという状況下で、彼女は一人を選ぶ。その時、もう片方の青年がつぶやいた、「そうか、死ぬのは僕か」。
おそらくガザでも同じ状況になっているだろう。救急に携わっているパレスチナ人十人が殺されている。連日連夜爆撃されてがれきの山になっているガザの写真がインターネットを通じて世界に送られている。このグランドゼロの写真をわれわれは新聞やテレビで目にすることはない。百五十万の人間たちを狭い檻のようなガザに閉じこめて、空から海から陸からミサイルや砲弾の雨が浴びせかけられている。
かってガザは巨大な難民キャンプだと言われたが、封鎖が始まって巨大な監獄になり、今絶滅収容所になっている。今ガザでおきていることは無差別大量テロだ。9・11だ。インドのムンバイのテロを大きく報じる日本のマスメディアは、あくまでもハマスに対するイスラエルの自衛の戦いだという立場だ。イスラム原理主義のテロに対する自衛戦争・対テロ戦争という枠組みの中に還元している。
今こそ問われる
メディアの姿勢
一月三日、イスラエル国内でも大規模な反戦デモが起きている。北部のカクニンではアラブ系市民十万人がガザで虐殺されている同胞に連帯してデモに参加した。テルアビブでもユダヤ系市民一万人がデモに参加した。一万人は人口比では日本の二十万人に相当する。このデモを組織したイスラエルの平和人権団体は、イスラエルの封鎖・占領こそがハマスのロケット攻撃の原因だと主張し、イスラエルの首相、国防相たちを戦争犯罪人として告発している。
イスラエルの封鎖・占領こそが原因であるということが日本の報道では覆い隠されている。マスコミ関係者はこのことを報道してほしい。ガザのグランドゼロの写真を新聞に載せてほしい。これがガザの9・11だということを報じてほしい。六十年前の翼賛報道を真に反省しているかどうかが今問われている。
ガザはこの三年間封鎖され、水・食糧・電気・ガス・燃料などすべてのライフラインをイスラエルにコントロールされ、百五十万の人びとがかろうじて生命だけを維持するという生活を強いられてきた。ガザを出れば適切な治療が受けられるのにイスラエルが出ることを許さない。それで亡くなった人が大勢いる。
われわれやマスメディアの人権感覚は相当間違っているのではないか。百五十万人の人たちが封鎖され尊厳を否定されていても報道されない。一度に数十人が殺されて初めて控えめに報道される。ナチの時代のポーランドのワルシャワゲットーと同じ状況なのに。われわれはガザ空爆が始まって初めてこんなことがあってはならないと叫び始めた。
占領終了まで
訴え続けよう
ガザの人々を殺しているのがイスラエル人で、米国製の兵器が使われているとしても、あのとき沈黙することでイスラエルの封鎖・占領を許容し、殺人者たちに攻撃のゴーサインを出していたのではないか。もう黙っていてはいけない。一刻も早く停戦が実現するように声を上げよう。
停戦が実現しても占領が続く限り、六十年前の主張が認められない限り根本は何一つ解決されない。停戦が実現しても、占領が終わるまで声を上げ続けよう。ガザの攻撃は私たちの人間性に対する攻撃だ。シュプレヒコールは嫌いだが今は叫ばずにはおられない。ガザに自由を!、パレスチナに公正な平和を!、パレスチナ人とイスラエル人の共生の未来を!(発言要旨、文責編集部)
|