かけはし重要記事

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戦争動員のための慰霊・追悼と対決          かけはし2002.8.26号より

新たな「戦死者」作りを許さない

小泉政権5閣僚と石原都知事らの靖国参拝に抗議行動

 八月十五日、「8・15閣僚・石原都知事の靖国神社参拝抗議行動」が大島孝一さん(日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会)、郡島恒昭さん(真宗本願寺派、小泉首相靖国神社参拝違憲九州山口訴訟原告団長)などの宗教者や今村嗣夫弁護士、反靖国運動を取り組んできた人々の呼びかけによって行われた。
 この日の午前中、小泉政府の五閣僚、自民・民主・自由・保守党などの国会議員有志で作る「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の五十四人、石原都知事が靖国神社参拝を強行した。すでに小泉首相は、「春の例大祭」(4月21日)に参拝し、アジア民衆から抗議を受けたが、開き直り続けている。秋の臨時国会で有事法案の成立をねらっているなかでの政府閣僚などの靖国神社参拝は、戦争ができる国家作りと連動している。さらに政府の「国立戦没者墓苑」構想の動きも含めて、国家による戦没者慰霊・追悼は、戦争賛美と戦争動員のための装置を強化していくものである。
 このような流れに抗議して閣僚らの靖国参拝に反対する仲間たち百二十人は、千鳥ケ淵戦没者慕苑前に結集した。抗議行動の出発にあたって森山つとむさん(日本キリスト教団靖国神社問題委員会委員長)は、行動にあたってあいさつした。行動のための意思一致後、参加者は、靖国通りに向けて移動した。
 しかし、機動隊が阻止線を張っていた。実行委の抗議にもかかわらず権力は、右翼が来ているからなどという理由によって実行委の抗議行動を妨害し続けた。炎天下だったが仲間たちは、「閣僚の靖国神社参拝反対」「戦争賛美を許さないぞ」「アジア民衆の抗議の声を聞け」などと書かれたバンダナを掲げ、力強く抗議のシュプレヒコールを行った。
 抗議行動終了後、再び千鳥ケ淵戦没者慕苑前に戻り総括集会を行った。森山さんは、「警察は、私たちの抗議行動を妨害していながら右翼の街宣車による挑発を放置していることに抗議する。来年も抗議行動を行いたい。小泉首相は、これからも靖国参拝すると言っている。天皇制・靖国イデオロギーに国民が毒されてはいけない。侵略戦争の罪跡の意識もなく、戦死者を英霊として、神として祀っている神社を支える政府を許さない。参拝強行を許さない。」と訴えた。
 続いて、小泉首相靖国神社参拝違憲訴訟・東京の事務局から裁判の取り組み状況を報告し、今後も抗議行動を行っていこうとアピールした。最後に参加者全体で「閣僚・都知事の靖国神社参拝に抗議するぞ」とシュプレヒコールを行った。(Y)


「国家による戦死者の『追悼』を許すな!8・15集会」

全国戦没者追悼式に抗議集会とデモ


 八月十五日、東京・全水道会館で「国家による戦死者の『追悼』を許すな!8・15集会」が行われ、百八十人が参加した。
 米ブッシュ政権によるグローバル戦争の拡大政策に小泉政権が参画し、秋にも有事立法の成立をねらっている状況下、「全国戦没者追悼式」の開催、閣僚や自民・民主・自由・保守党の国会議員らの靖国神社参拝、「新しい戦没者追悼施設」(国立墓苑)建設構想など新たな戦争動員と賛美キャンペーン、イベントが強行されている。この集会の主催者である「W杯・天皇訪欧を問い、天皇制の戦争責任を追及する共同」は、この間、「みどりの日」(4月29日)反対集会、国家主義的スポーツショーであるワールドカップ批判の行動、天皇東欧訪問反対、「海の日」反対の取り組みを行ってきた。この日は、政府・右翼勢力の政治的意図を暴露し、天皇制の戦争・戦後責任を追及し、戦争国家化の強化に反対していく闘いとして行われた。
 集会は、主催者あいさつで始まった。あいさつでは、この間の天皇制強化をめぐる諸動向、天皇主義右翼勢力の主張などが資料にもとづいて報告され、「昨年以上に右翼側の『攻勢』が続いている。反撃のきっかけを本日の闘いを通して作り出していこう」と訴えられた。
 次に池田浩士さん(京大教員)が「死者を『追悼』するのは誰か? 生きているものの責任について」と題して講演した。
 池田さんは、国家儀礼としての追悼儀式によって国民を動員することに成功した例としてヒトラーとナチズムの時代に焦点をあて、とりわけナチズム革命に青年を動員する第二の国歌と言われた「ホルスト・ヴェッセルの歌」や国民の祝日を通して現れた動員の実例を紹介しながら、「追悼」の持つ政治的イデオロギー的効果の問題性を暴き出していった。
 また、日本の明治以降、アジア・大平洋に侵略していった過程を取り上げ、追悼儀式など戦争国家作りのための諸装置を批判し、「追悼とは加害の忘却である。天皇制の戦争責任を決して忘れてはならない。そもそも天皇制国家は人間のもっとも大切なものを私から奪うものだ。つまり、天皇のために死ねという社会、制度は、人間の一番大事なものを盗むことだ。死者のことを忘れないことは大事だが、それを天皇に売り渡して追悼の行事に加わることで責任を逃れてはいけない。天皇制国家に委ねて責任を果さないことは恥ずべきことだ」と強調した。
 続いて連帯アピールに移り、住基ネット8月5日実施を許さない実行委員会、天皇制賛美の「昭和記念館」建設に反対する立川基地監視テント村、日の丸・君が代法制化と強制に反対する神奈川の会、教育基本法改悪に反対する教職員と市民の会、8・15閣僚・都知事の靖国神社参拝抗議行動実、「全国戦没者追悼式」反対行動をした8・15靖国行動二〇〇二靖国みたまままつり実行委員会、反安保実から発言が行われた。
 集会終了後、参加者全体でデモに移り、神保町一帯にわたって抗議のシュプレヒコールを行っていった。なお天皇主義右翼グループ維新政党・新風らがデモ隊に対して組織的に「日本から出ていけ。北朝鮮へ行ってしまえ」などと差別排外主義的野次を叫び、挑発してきた。デモ隊は、右翼らの挑発に乗らず最後まで街頭の人々に「閣僚らの靖国神社反対! 天皇制はいらない! 天皇制の戦争・戦後責任の清算を許さないぞ!」と訴え続けた。(Y)

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