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韓国はいま                       かけはし2008.9.22号

「国家保安法の利敵団体」を
叫ぶ独裁の亡霊がよみがえる

社労連への弾圧に抗議する


 今回の148号の「ヒム・ニュース」では社会主義労働者連合(社労連)事件だけを扱う。社労連以外にも重要なニュースがたくさんあるが、労働者階級の政党建設を明らかにした「労働者の力」としては、今回の社会主義の公論化(?)を実に特別なニュースだと考える。「48時間の歴史」を社労連の主張、事件に対する解釈や主張、印象深い声明の順に掲載する。社会主義運動が満開となることを願いつつ。

社会主義の公
論化始まる!

 革命的社会主義政治組織である「社会主義労働者連合」(以下、社労連)の運営委員および活動家7人は8月26日、国家保安法違反容疑で緊急逮捕されたが、28日に拘束令状がすべて棄却され、釈放された。
 社労連は今年2月に発足した組織で、「公開的な社会主義の政治活動」を始めることを明らかにし、自らの革命的社会主義の内容を盛り込んだ「われわれの立場」と「大衆行動綱領」を提出した。

「われわれの立場」

 @工場や事務室、そして各地域から選出される労働者とそれ以外の被搾取勤労人民の代表者機関を国家の最高権力として打ち立てるA警察と常備軍は廃止し、これを労働者と人民の民兵隊に代替するB工場、鉱山、船舶、病院をはじめとする資本家所有のすべての生産手段や銀行、保険会社、証券社、百貨店をはじめとする資本家所有のすべての交換手段を「社会の共同財産へ転換」させる。すべての土地を国有化するC国有化されたすべての産業と銀行を統合し、全国的に単一に組織し、労働者国家が計画的に運営するD1時間以上の中間休息を保障する6時間労働制。危険で健康に有害な労働の場合、1回の労働時間を1日4時間以下に減らすE国民年金、医療保険、労災保険をすべての社会構成員に全面拡大し、保険金は全額国家が負担するF裁判所の許可なしに、そして夫婦のうちどちらか1人の要求だけでも離婚を保障する。国籍や同姓同本(同姓で、始祖の故郷が同じであること)など、結婚についてのすべての制限を撤廃するGすべての教育機関に対する無償教育の導入H医療は国家が無償で提供し、予防医療中心へと再編するI家族の生活にとって適切な水準を超える余分な住宅は国家が没収する。没収された住宅は最も劣悪な住居条件にある労働者、貧民に最優先で提供するJ北韓(北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国)労働者階級が労働者革命を勝利へと導いて誕生させる北韓労働者国家との労働者階級的統一を追求する。
「大衆行動綱領」

 社労連がキャンドル闘争の中で提出した「キャンドル労働者13大行動綱領」は、「われわれの立場」と「大衆行動綱領」を基礎として作られた。「大衆行動綱領」は以下の通りだ。
 1、非正規職の撤廃
 2,労働時間―雇用の連動制、生活賃金の保障下に労働時間短縮を通じた仕事の分かち合い(ワーキング・シェア)
 3、完全なスト権争取! 労働悪法の撤廃! 国家保安法撤廃! 国情院(かつてのKCIA=安企部)などの暴圧機構解体!
 4、労働組合の戦闘的再編
 5、労働者の正当防衛隊の常時構成
 6、労働者による生産統制
 7、没収・国有化
 8、帝国主義反対! 戦争反対!
 9、労働者政府

歴史の復讐

 以上のように公開的に社会主義の政治活動をしてきた社労連の活動家が逮捕されると、労働、政治、社会の各団体は相次いでイ・ミョンバク政権糾弾の声明を発表した。極めて鼓舞される現象だ。しかし、それぞれの声明ごとに若干の違いが感じられる。声明の中で最も多く登場するのは「時代錯誤」、「公安弾圧の中断」、「国家保安法撤廃」、「政治・思想の自由の保障」などブルジョア民主主義の拡張として理解され得るものが多数だった。

危機なのか?
チャンスなのか?

 社会主義的視角が際立っているものとしてコ・ミンテク(労働者の力)の文を挙げることができる。彼は以下のように主張した。

 「キム・デジュン―ノ・ムヒョン自由主義政権の10年間、韓国の社会主義者、社会主義政治勢力、社会主義運動は政治的市民権を獲得することに余りにも安逸であったとともに、余りにも力を尽くすことができず……社会主義を前面に掲げて労働者民衆と政治的に疎通し、これを基盤として支配勢力と対決して闘うことに、ずっとちゅうちょしてきた。力学上、社会主義を全面化、公論化するにはまだ早いだとか、『現実社会主義圏』の崩壊に代替する対案からまだ形成されてはいない、という考えが社会主義者、社会主義政治勢力、社会主義運動に余りにも重くのしかかっていた」。
 「社労連に対する弾圧は、厳然たる現実だ。それがいかにあきれ返る現実であれ、予想された現実であれ、はたまた歴史の復しゅうであれ、いずれにせよ取り返すことのできない現実だ。問題は今からだ。今からは相身たがいであり、同じ状況に置かれているのだ。繰り広げられた現実を誰かが被ることになろうし、誰がそれに当たるかは決められてはいない。最初に被ったからと言って、被り続けなければならない理由はない」。
 「ブルジョア民主主義、または自由民主主義の完成に向けた終わりなき渇望が決して人類の未来であることはできない。危機に向かっている新自由主義にこれ以上、引き回される必要はない。したがって我々の対応も過去への回帰ではなく、未来志向的でなければならない。社会主義または反資本主義運動は、もはや単なる概念やスローガンにとどまらせてはならない。それがなぜ最も現実的なのか、それがなぜ最も早い方法なのか、それがなぜ最も正しい道なのかをめぐって今や全面勝負、全面突破をしなければならない時だ。まだ準備が不充分で態勢が整えられていないというのは、それはそれなりの課題だ。けれどもその課題も生身の世相にうって出て、ぶちあたり、破れ、再び立て直すという過程の中で鍛えあげ、整えられなければならない」。

 以上のように社会主義者は危機をチャンスとしてとらえなければならないし、1日1日が惨たんたるこの社会に希望と感動のメッセージ、社会主義に向けて大衆とともに踏み出さなければならないのではないのか。以下にイ・ミョンバク政権を思いっきり嘲笑し、小気味よくカウンターを飛ばしている声明を良い例として引用する。

 「……社会的に生産される富をどのように分配して、この世の中をもっと平等で豊かなものに作っていくのか、我々は苦悩し、そして実践する。物乞いしている乞食がかわいそうで小銭を投じるのが罪にならないのであれば、平等ならざる富の偏重によって、一方では代々の貧しさが呪わしく、他方では代々継がれる資本と権力の集中によって腐敗の腐った臭いが鼻をつくとき、人間がより平等で自由に生きるために分配の正義を語り、社会主義を主張することは、なぜ罪となるのか? 生産する労働者が、この世の中の主人公だと主張することは、この世の中の主人公だと主張することが、なぜ罪となるのか?
 守旧保守勢力、富と権力をすべて握っている奴らの言う、失われた10年を取り戻すということは、こういうことなのだ。人間の良心と思想を統制しつつ、「異なった意見」には「パルゲンイ(アカ)」だとして犯罪のレッテルを貼り、我らの手に手錠をはめ、閉じ込め、飼い慣らそうとする、今や残ったものは通行禁止と乱暴ろうぜきの取り締まりなのか?
 「国家保安上の利敵団体」、古くなった独裁の亡霊がよみがえるのを見る。
 平等な世の中を望み、もっと豊かな民主主義を望んでいる我々に迫りよって息を殺して生きよ、と脅迫するのであれば、我らは喜んで利敵団体になろう」(現場実践社会変革忠南労働戦線)。(「労働者の力」第148号、08年8月29日付、整理/労働者の力宣伝編集部)



労働者階級の政党建設を
担う誌面の実現に向けて!
「労働者の力」


 キャンドル闘争が小康局面にさしかかり、オリンピックなどで何となく気ぜわしい隙に乗じて、イ・ミョンバク政権は資本家政府としての本分を忘れることなく労働者階級に対する攻撃を一層強化している。8月11日に第1次の公共企業の先進化方案を発表したのに続き、8月26日には第2次計画を発表した。しかし言葉が先進化方案というだけで実際には公共企業を各財閥に売り渡すという、いわば国民に対するサギ芝居にほかならない。
 そればかりではない。8月26日には警察が社会主義労働者連合の活動家8人を緊急逮捕する事件が発生した。よしんば裁判所が拘束令状を棄却したとは言うものの、この事件は今後も類似した試みはいくらでも蒸し返しされ得るという点において、運動陣営全体にとって示唆するところが極めて大きい。裁判所は棄却の理由として「社労連が国家の独立や自由民主的基本秩序に実質的害悪を及ぼす危険性を持っている、との疎明が充分ではない」と明らかにした。ひとことで言えば、社労連は結成されてからまだ幾らもたっておらず、単に主張をした程度なのに、どんな実質的な危険がもたらされるのか、という判断のようだ。これは裏を返せば、実質的な危険性を持っているという判断さえできれば、いくらでも社会主義者たちに対する弾圧がなされ得るということだ。然り、行くべき道は今なお遠い!
 イ・ミョンバク政権が最近、繰り広げているやり方こそが、もはやこれ以上、労働者階級の政党建設を遅らせることができないことを反証している事例の数々なのだ! すでに5月23日に「労働者の力」は労働者階級の政党建設を公開提案した。そして今年の下半期には推進機構の構成を目標とし、遅くとも来年初めの推進委員会結成のために渾身の力をふりしぼって全力投入しようと考える。8月30日の第23回総会で今一度、労働者階級の政党建設の決意を固め、具体的な設計図を確定する場を予定している。今後の誌面では労働者階級の政党推進機構などについての記事に誌面を割いていこうと思う。読者諸氏のさらなる関心と支持とを訴えたい!(「労働者の力」第148号、08年8月29日付、コラム「ヒムイヤギ」より)



コラム

要塞・猿島

 九月の初旬、猿島に釣りに行った友人が電話をくれた。会話の最後に「大勢の警官が長い棒を持って島の中で、不審物の捜索をしていましたよ。ジョージ・ワシントンの警備が始まったんですかね。全く大げさですよ」と言うので、私も笑いながら「ミサイルでも配備するのかなぁ。洞爺湖サミットでも噴火湾にミサイル配備しましたから」と半ば冗談で答えた。
 東京湾にはお台場や夢の島など幾つかの島が存在する。しかしそのほとんどが人工島であり、唯一の自然島が横須賀の北東沖に浮かぶ猿島である。猿島は京急横須賀中央駅から歩いて十五分の戦艦三笠が係留されている三笠公園から船で渡ることができる。定期船は三月から十一月までの間、毎日一時間ごとに運航されており、絶好の釣り場・海水浴場・観光スポットとして人気がある。私も二度ほど行ったことがある。
 猿島は周囲六キロで横須賀側から見ると全体が樹木で覆われた小さな島に見えるが、砂浜は広く船着き場周辺にはテラスや売店、トイレも完備されており、バーベキューの道具も貸してくれるので食料さえ持参すれば充分に楽しめる。さらに島には「歴史」がつまっており、わくわくする探検的気分も味わえる。島の中央には外から見えないように岩を開削した切り通しが走り、両側には赤いレンガの壁が並ぶ。壁の裏側には兵舎や弾薬庫跡が隠れており、トンネルや砲座も残る。一見しただけでかつてこの島が要塞であったことが分かる。切り通しを抜けて北端に出ると日蓮上人が安房の小湊から鎌倉に向かう途中、嵐で遭難して漂着したと伝えられる日蓮洞があり、洞の中には縄文時代の住居跡も発見されている。洞穴前の海岸に立つと東京湾を往来する船舶が間近に眺められる。
 太平洋戦争中、東京湾の中で最も狭い浦賀水道には首都防衛のための数多くの要塞が建造された。千葉県側から浦賀水道に突き出た富津岬の沖には第一海堡と呼ばれた要塞が造られ、今もトーチカの柱と思われるコンクリートが海面に残り砂嘴となって岬とつながっている。水道の真ん中には第二海堡がある。崩れてはいるが巨大なトンネルや石積みの跡が海上に当時の面影を残す。その数百メートル南に第三海堡があり、石積みの跡がちょこんと海面から顔を出している。要塞の歴史を知らなければ船上から見ても浅い岩礁帯と間違ってしまう。そして最も南に位置するのが水道最大の要塞・猿島である。富津岬から一直線に横須賀まで軍港を守るための要塞が並ぶ。当然にも太平洋戦争中、この一帯は一般人の立ち入りは許されなかった。
 戦後横須賀は米軍や自衛隊の基地となり、付近には防衛大学校やレーダー基地などの軍事施設が集中するが、猿島だけは海上公園として整備され人々に開放された。しかし今、原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備が再び猿島を「立ち入り禁止区域」に追い込もうとする危険がせまっている。この稿を書き出した九月十二日夜「米海軍横須賀基地に向けて飛しょう弾を発射するゲリラ事件」というテロップがテレビで流れた。警察の別働隊の仕業かと思うくらいタイミングがよすぎる。九月二十五日の入港・配備に反対する闘いに決起を!   (武)


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