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 9・20 PEACE DAY TOKYOへ       かけはし2008.9.1号

自衛隊はイラク・インド洋から
撤退を!洋上給油の継続許すな



8年目の「対テロ」戦争

 二〇〇一年の「9・11」から七年が経過しようとしている。「米本土同時テロ」という衝撃を背景に猛然たる「愛国主義」の大合唱をテコにブッシュ政権が「報復戦争」を宣言し、国際法に違反する先制攻撃をアフガニスタンのタリバン政権に仕掛けたことにより、世界は「対テロ」戦争という新しい戦乱の時代に踏み込んだ。
 米国が主導したこのアフガニスタン戦争を日本政府は無条件に支持し、テロ特措法を成立させて自衛隊をインド洋に派遣した。米軍とNATOを軸にした「有志連合」軍による「不朽の自由」作戦を支援する海上自衛隊のインド洋・アラビア海での洋上給油活動は、そのまま二〇〇三年の米軍による対イラク戦争への支援に直結した。海上自衛隊の無償の給油活動はイラク攻撃に参加する米艦船への支援にまわされたのである。
 アフガニスタン侵略戦争への自衛隊の参戦は、イラク侵略・占領への自衛隊の派兵へと連動した。小泉政権は「イラク派兵特措法」を強行成立させ、陸上自衛隊をイラク南部のサマワに送り込んだ。陸上自衛隊は二〇〇六年にイラクから撤退したが、航空自衛隊は今なおクウェートの基地から、イラクでの戦争のために米軍の兵士と軍事物資をイラクに輸送し続けている。そして福田政権は、今年一月には、新テロ特措法=洋上給油新法を参院での否決にもかかわらず、「三分の二条項」にもとづく衆院での再議決という異例の強行手段で成立させ、インド洋・ペルシャ湾での海上自衛隊によるアフガニスタン侵略戦争支援を継続している。
 アフガニスタンとイラクへの戦争と占領はますます泥沼状態を深め、アフガンでもイラクでも「武装勢力掃討」を口実に、多くの住民が今も毎日のように殺され続けている。戦争は絶望的様相を呈しているが、米国の支配エリートたちは、この「地獄の戦場」から自ら抜け出すことができない。「米軍のイラクからの早期撤退」を掲げた民主党次期大統領候補のオバマも大統領選本番が近づくにつれ、その主張をますますあいまいにしている。
 米国から戦場に送り出されている者の多くは、貧困と差別からの脱出への道を求め、兵士となることに賭けた黒人やラテン系の若者たちである。新自由主義的グローバリゼーションが世界の貧困と飢餓を加速し、それがまた若者たちを戦争に駆り立てるという構図の典型が、ここにも現れている。

もう一つの戦場・パキスタン

 七月のG8北海道洞爺湖サミットの最終日にだされた福田首相の「議長総括」は、次のようにうたっている。
 「我々は、アフガニスタンを支援するというコミットメントを新たにする。我々は、同時に、アフガニスタン政府に対し、治安、ガバナンス及び復興においてより大きな責任を担うよう強く要請する」「我々は、国際治安支援部隊(ISAF)及びこの努力を支援する海上の要素を含む不朽の自由作戦(ORF)が果たす役割を評価する」「我々は、テロと闘う我々の戦略の不可欠の一部として、アフガニスタンとパキスタンの間の国境地帯に対する支援を強化することに合意した」。
 アフガニスタン問題に関する福田首相によるG8議長総括は、米軍が樹立したアフガニスタンのカルザイ政権が統治能力を全く欠いた存在であって、G8が総力でそれを軍事的にも支えなければならないことの決意を示したものだ。実際、いま米国をはじめとしたNATO諸国軍を主力とするISAFと、再び影響力を回復したタリバンとの間の戦争が激化している。「タリバン掃討」を名目にしたISAFの戦争は、多くの住民の「誤爆」による虐殺を新たに生み出している。それがアフガニスタンの民衆の「反米欧・反占領」感情を増幅させている。この七月には、アフガニスタンにおける一カ月の米兵の死者はイラクでの米兵の死者数を上回った。NATO諸国軍兵士の死者も急増している。
 アフガニスタンだけではない。タリバン勢力は、パキスタンにおいても従来の北西部山岳地帯から都市部や中部にまで拡大し、それがパキスタン情勢の不安定化とパキスタン・アフガニスタンの政府間関係の対立を引き起こしている。
 タリバンを支援してきたのはほかならぬパキスタンの軍情報部である。カルザイ政権は今年アフガニスタンの首都カブールで起きたカルザイ大統領暗殺未遂テロ(4月)とインド大使館自爆テロ(7月)を仕掛けた張本人は、パキスタン軍情報機関だったと主張している。そして総額十億ドル以上の援助を受けて米国の「対テロ作戦」に協力してきたパキスタンの軍事独裁者ムシャラフは、昨年来の非常事態宣言に対する民衆的抵抗と事実上のゼネスト、そして今年二月総選挙での与党の大敗北によって、ついに八月十八日に辞任した。
 アフガン戦争を遂行する上で、ブッシュの最大の協力者の一人だったムシャラフの辞任は、何よりもパキスタンでの広範な反米意識の高まり、ムシャラフが強権的に推進してきた新自由主義政策に対する労働者・市民の怒りの表現である。
 自民党は「テロとの闘い」に加わるパキスタンへの支援の意義を強調してきた。しかし「対テロ」戦争の遂行そのものが、パキスタンにおけるタリバン勢力の拠点の拡大につながってきたという事実によって、海上自衛隊の洋上給油活動を正当化する政府の言い訳の根拠は奪われているのだ。

アフガン戦争参戦をやめろ

 政府は、米国やNATO諸国からの強い圧力によって、ISAF兵員のヘリ輸送などに従事させるためアフガニスタン本土への自衛隊派兵を検討してきた。しかし、アフガニスタン本土での「治安悪化」によって、この派兵プランは当面断念せざるをえなかった。ペシャワール会やJVC(日本国際ボランティアセンター)などアフガニスタン民生支援を行っているNGOは、自衛隊の派兵が民間の支援活動を不可能にさせるものだとして厳しく批判した。当面のところ福田政権にとって「対テロ戦争協力」「アフガン支援」の国際公約を履行する残された方法は、来年一月に期限切れとなる現行特措法による洋上給油を継続すること以外になくなった。
 高村外相は、福田首相が議長として確認したアフガニスタンでの「テロとの闘い」への支援=インド洋での海上自衛隊による補給支援継続をカルザイ大統領に確約した。福田首相自ら、「洋上給油」継続のための強い意向を表明している。
 一方、臨時国会で民主党の反対を押し切って「衆院再議決」という方法て洋上給油作戦を継続する法案を再び強行成立させることは避けるべきという公明党との対立も浮上している。福田内閣が八月中の臨時国会召集を取り下げ、「九月中旬」召集に転換したことは与党内の対立を調整するための苦肉の策だった。この中で、自民党の一部からは昨年十二月に提出された民主党の「アフガン支援法案に乗る」という可能性も出ているという。
 四月十七日の名古屋高裁判決を受けて、航空自衛隊のイラク派兵継続は事実上困難になっている。そして今また、アフガニスタン戦争と占領支援のための給油活動についても動揺が広がっているのだ。
 日本の反戦・平和運動は「テロにも報復戦争にも反対」を掲げて、アフガン侵略、自衛隊派兵に反対した。この闘いを引き継ぎ、世界規模のイラク戦争反対運動の中から生まれたWORLD PEACE NOWは、九月二十日に「PEACE DAY TOKYO 2008 武力で平和はつくれないともに生きられる世界を」を開催する(芝公園4号地。12時〜午後3時。パレード出発・午後3時半)。この機会にあらためて航空自衛隊のイラクからの即時撤退を求めるとともに、洋上給油継続新法案も新たなアフガン派兵にも反対する世論と行動を広げるべき時である。
 この運動の広がりこそ、自民党だけではなく民主党も構想している「国際平和協力」を口実にして自衛隊を米国のグローバル戦争に参戦するための自衛隊派兵恒久法案を葬るための道であり、「米軍再編」=日米軍事一体化と憲法九条改悪の道を断ち切るための水路である。貧困と人権・環境破壊に抵抗する運動の広がりを戦争と軍事化に反対する闘いに結びつけ、労働者・市民が平和を作りだすための行動を強化しよう。
 9・20「PEACE DAY TOKYO」の成功で、自衛隊の洋上給油作戦継続法反対、自衛隊のイラク・インド洋からの撤退を実現するうねりを!
     (8月24日 純)

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