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                           かけはし2008.8.25号

〈戦争の記憶〉を問い続けよう

死者の「英霊」化を許さない!
派兵・戦争国家づくりをやめろ


侵略賛美の靖国
参拝に抗議する

 八月十五日、「〈戦争の記憶〉を問い続けよう!8・15反『靖国』行動」《主催・実行委員会》が行われた。
 北京オリンピックを通してナショナリズムが繰り返し煽動される中、「63年目の終戦記念日」と称して侵略戦争と天皇制を賛美する勢力は、靖国神社参拝や各地で諸行事を強行した。政府主催の全国戦没者追悼式で福田首相は、「不戦の誓い」などと押し出したが、その中身はとんでもない「戦争宣言」だ。「平和協力国家として国際社会の先頭に立ち、世界の恒久平和の確立に向けて積極的に活動していく」と決意表明し、米グローバル戦争戦略に積極的に参戦していくために「恒久派兵法」の制定をねらっている。天皇アキヒトも例年と同じように戦争責任をあいまいにし、天皇制自身の犯罪性を直接掘り下げようとしないのだ。
 政府閣僚では野田聖子消費者行政担当相、保岡興治法相、太田誠一農水相、そして超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・島村宜伸元農水相)のメンバー五十六人(自民党48人 民主党6人、無所属2人)が靖国神社を参拝し、侵略戦争賛美キャンペーンのパフォーマンスを繰り広げた。島村会長は参拝後の記者会見で、福田首相が参拝しないことについて「日本人として日本の政治家として参拝すべきではないか」と牽制した。これと連動して、靖国神社では「日本会議」と「英霊にこたえる会」が戦没者追悼中央集会を開催し「アメリカ下院での慰安婦決議問題、いわゆる『A級戦犯』分祀問題など歴史認識や靖国神社を巡り看過できない問題が起こっています」と危機感を表し、福田政権に対する圧力を強化していくことを確認した。
 実行委員会は、このような侵略戦争と天皇制を賛美する勢力の動向を見据え、断固として抗議デモと集会を行った。

右翼の挑発はね
かえしてデモ

 前半は、靖国神社に対する抗議デモだ。すでに会場の西神田公園の周辺では、天皇主義右翼の街宣車が徘徊し、集会破壊をねらいながら、「靖国解体、天皇制反対を言う輩が集会をしています。こんなやつらは、たたき出せー。北朝鮮に帰れー」などと差別・排外主義に満ちたシュプレヒコールを繰り返している。右翼担当の公安らは、右翼車の違法駐車・走行をなんら規制することもなく放置のままだ。公園付近では大量の公安を配置し、集会参加者の監視と面割り、盗撮を行っている。
 実行委員会の仲間たちは、このような権力、右翼のいやがらせを許さず、デモにむけて前段集会を開始した。司会は、「オリンピック一色の中、元首相や三人の閣僚、多くの国会議員、石原都知事が靖国神社を参拝した。また、武道館では天皇出席のもと全国戦没追悼式が行われている。死者に対する儀式を通して戦争国家に統合していこうとしている。天皇制の戦争・戦後責任を問い続け、反天皇制運動を強化していこう」と呼びかけた。
 井上森さん(立川自衛隊監視テント村)は、「反戦ビラ配布に対して最高裁は不当判決を出した。いつのまにか集合住宅でのビラ配布が違法行為だと人々に植え付けた。どのような弾圧だったのか、そしていかにはね返していくかを粘り強く問い続けていきたい」と発言した。
 京極紀子さん(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)は、北村小夜さんの連続講座を通して学校の中に戦前がいかに残っているのかを解き明かし、「公教育」が新自由主義と結びついて強化されていることを指摘。さらに県教委が「日の丸・君が代」強制に抗議して不起立した教員の氏名を収集していることに抗議して裁判闘争が始まることを紹介した。
 靖国解体企画の仲間は、靖国神社で行われる正午の黙祷に抗議して抗議デモを貫徹したことを報告した。
 辺野古への基地建設を許さない実行委員会は、沖縄・辺野古の米軍新基地建設阻止にむけて連日闘いが行われていることを報告し、支援を訴えた。
 最後に、「もう やめちょくれ!大分国体・全国連絡会」からのメッセージが読み上げられ、参加者全体は靖国神社にむけてデモ(参加者二百人)に移った。
 デモは、集会実の横断幕を先頭に、「靖国解体」のスローガンを掲げたアドバルーンを上げた。さらに「天皇制廃絶」「憲法改悪反対!イラク侵略やめろ」「恒久派兵法制定阻止」などのプラカードを掲げる。
 隊列の最後尾には、アジア連帯講座の横断幕「天皇制-靖国・グローバル安保NO! 打ち倒せ!日本帝国」、「やすくに解体ファイヤーまつり 靖国神社は終了しました」の垂幕が掲げられた。
 権力・機動隊は、デモ出発時から右翼対策を口実に不当な規制を強行してきた。参加者は、右翼・権力の挑発を許さず、デモと抗議アピールを続けた。公安の黙認のもと右翼別働隊は歩道になだれ込み、デモ隊列に突撃を繰り返すが、参加者は挑発に乗らず整然とデモを貫徹した。

4つのテーマで
討論を深める

 後半は、千駄ヶ谷区民会館で討論集会が行われ、百五十人が参加した。
 太田昌国さん(民族問題研究)は、「人権と反中ナショナリズム」というテーマ。とりわけ北京オリンピックの開会式が漢民族支配の歴史的表現ではないか、チベット問題と人権弾圧などを切り口に「ナショナリズム」について掘り下げた。
 日野直近さん(靖国解体企画)は、全国戦没者追悼式典に対する抗議行動の積み上げをもとに「死者の追悼」と称する「国家儀式」の参加強要の危うさを問題提起した。さらに、運動の中の死者の扱いにも踏み込んで、今後の課題を指摘した。
 成澤宗男さん(ジャーナリスト)は、「映画『靖国YASUKUNI』と表現弾圧」から「表現の自由一般ではなく、反天皇・反靖国の言論だから公安、右翼は攻撃してくるのである。この性格をはっきりおさえておくべきだ。ここから反撃していく回路、スクラムを作り、即反撃していくサイクルを粘り強く作っていこう」と呼びかけた。
 天野恵一さん(反天皇制連絡会)は、「沖縄戦と大江・岩波裁判」を通して、戦争の加害性・被害者、軍隊と民衆の問題、林博史論文「『集団自決』問題を考える視点」を題材にしながら問題提起した。
 提起後、四ブロックのワークショップに分かれ、次に向けた戦略・戦術にむけたの討論を行った。 (Y)


韓国シチズン精密労組の闘い
偽装売却を撤回し雇用確保を!と連日の本社行動貫く

 四月二十四日、シチズンホールディングス(シチズンHD)は組合との事前協議をするという協約を無視し、全株を時計メーカーと関係ない高麗TTRに売却してしまった。組合はただちに闘争体制を組み職場占拠をして、偽装売却撤回、雇用の確保のために闘いに突入した。
 日本への遠征団を組織し、東京・田無のシチズン本社へ話し合いを求めて連続した闘いを行っている。八月四日に新しい遠征団員五人が合流し十四人の闘争団員になった。六月から給料が支払われず、家族を残しての苦しい闘いだ。会社倒産と闘う全統一光輪分会が用意した宿舎で集団生活をして連日の闘いに臨んでいる。七月十六日に日本人による「応援する会」が作られ、韓国シチズン精密労組を支援しシチズン本社行動に参加している。
 
シチズン本社の
露骨な敵対姿勢
 
 当初、会社の門のところに詰め所があり、そこに警備員がいるだけだった。しかし、抗議行動が連続して行われるようになると、別の数十人の警備員を雇い、門には鉄ジャバラがつけられた。行動のたびに、鉄ジャバラは鉄柱によって補強された。常に、行動をビデオ撮影するなどして、シチズンは話し合いに応じないばかりか、闘いに対するあからさまな敵対をするようになっている。
 社員の多くがお昼休みに道路を隔てた食堂に陸橋を渡って行くのに合わせて、社員へのチラシまき、宣伝行動を行っている。一部の社員の話によると、会社は「韓国シチズン精密はシチズンとは関係ないので、チラシを受け取らないように」と社員に強制しているようで、社員の多くはチラシを受け取らない。それでも、韓国労働者の迫力ある歌や踊り、シュプレヒコールはいやがうえにもシチズン社員に届いている。社員の一部や道行く人はチラシをとり、がんばってくださいと声援を送る。

当該労働者の
感動的な訴え

 八月十一日の行動の時、韓国シチズン精密労組の仲間一人一人が訴えた。
 「第三次闘争団として到着した。多くの仲間が韓国でがんばっている。家族のために闘っている。通り過ぎるだけでなく、チラシを受け取ってください。皆さんも関心を持ってください。私たちは最後まで闘う」。
 「日本に来るとき長男とした会話を紹介したい。『社長は社員のことを考えずに逃げちゃったの? お父さんは悪い社長を捕まえに行くの?』。『間違っていること、世の中の悪いことはたださなければいけない。父さんはこの問題を解決して必ず帰ってくる』と約束した。息子はまだ小さいので物事が分からない。日本人は結局悪い人間だと思われるのが心配だ。シチズン社員の皆さん、私たちの問題に関心を持ってください」。
 「シチズン社員が私たちのことを知っているのか心配だ。迷惑をかけるために来ているのではない。シチズンは世界のあちこちに工場を持っている。労働組合を無視して株を売ってしまう卑怯なことをやったら世界から支援者がやってくるだろう」。
 「四月二十四日、一方的に売却されて私たちは嘆いている。組合が団結して立ち上がった。闘いは百日が過ぎている。金持ちが貧乏人を無視してもわれわれは闘う。三カ月前はわたしたちもシチズンの社員だった。私たちにも妻や子どもがいる。関心を持ってください。韓国に早く帰ることができるように解決したい」。
 「シチズン社員の皆さんも私たちのようになるかもしれない。シチズンはイメージを悪くしないためにも話し合いに応じてください。騒いでいるとかうるさくしていると思わないで下さい。なぜ、闘っているか理解して下さい。日本の支援の皆さんがいるから闘えています」。
 「私は四月に結婚式をあげる予定だった。しかし解決できるまで延期した。解決できるようにシチズン労組の人たちも協力してください」。
 「ある日出勤したら、正門の様子が変わっていた。シチズンは全世界に工場を持っている多国籍企業だ。韓国シチズン精密は赤字が出ていて、株主に配当が出せなかった。赤字は為替ルートの問題だった。働いている労働者に責任はない。そのことで首を切られるようなことがあってはならない。利益が出ているときは『家族』だと言っていたが赤字だと『いらない』というのは許せない。会社の言うことを信じて働いてきた。会社は組合とリストラを行うときなど、組合に事前に話し合うと協約を結んでいた。約束を破って一方的に株を売却した。韓国シチズン精密の中島社長はちゃんと解決すると日本に行ったきりで帰ってこない。社長のウソはもう一つの姿かもしれない。個人的にも困難であるが長期戦を覚悟して闘う。シチズンはチラシを受けとるな、見るな、聞くなと目と耳をふさごうとしている。私たちは高麗TTRに早く解決しろと要求している。しかし、解決にはシチズン本社が乗り出されないと解決しない」。
 「私はデザインの仕事をしていた。日本人や香港の人たちといっしょにがんばった。すると社長から、デザイナーから組立てラインに移動してくれと言われた。なぜかと聞き返すと、何の仕事をするかが大事ではない。おカネがもらえればいいのではないかと言われた。雇用保障と言っているが大間違いだ。私たちは特殊訓練を受けた軍人ではない。なぜ、ジャバラの柵を作って、会社に入れないのか。私たちは武器を持っているわけではない。話し合いにきたのだ。昨日、私は陸橋で首を吊った夢を見た。日本では地下鉄に飛び込んで自殺をする人がいることを知った。私たちは死ぬために来たのではない。生きるためにここに来ている。私たちのことを理解してください。将来のことを考えてください」。
 「私は二十年勤めた。一つの家族と思って一生懸命働いてきた。それなのに一夜にして切り捨てられた。親が子どもを捨てたと同じだ。だから怒っている。青春を取り戻し、人間らしく生きたい」。
 「カンカン照りの日でも雨がジャージャー降ってもがんばってきた。二十人でも三十人でもやってくる」。
 
本社に責任を
取らせるぞ!

 こうした闘いによって、七月二十四日、韓国シチズン精密労組が高麗TTRと団体交渉を持った。三十日に回答書が提出された。それによると、高麗TTRの子会社・JT精密は雇用ならびに団体協約を継承する、再売却や外注拡大の意思がないことを明らかにした。しかし、シチズンHD、高麗TTR、組合の三社の交渉を拒否し、売買契約書などの公開を拒否している。回答書にはシチズンHDは当事者ではないということが何度も書かれており、この問題から逃亡しようとしていることが明らかだ。さらに、シチズンの仕事は一年分の在庫があるだけということで、今後どのように雇用が保障されるかが明らかにされていない。結局、シチズン本社が責任を明らかにして、雇用継続を保障すること以外に解決の道はない。
 八月七日、長野で支援する会が結成された。本社行動には、応援する会に参加している全統一労組、国労闘争団、全日建設連帯労組、全水道、東京東部労組など多くの組合や日韓連帯運動の仲間たちが参加している。ホームページもできた。http://citizen.labornetjp.org/ さらなる支援を! 時計のシチズン本社に抗議を!  (M)

シチズンホールディングス(株)代表取締役 金森充行あて 東京都西東京市田無町6―1―12 TEL042―466―1231 FAX042―466―1280


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