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「慰安婦」決議に応え今こそ真の解決へ         かけはし2008.8.25号

「靖国強制合祀」をやめろ

戦争犯罪に時効はない!日本政府は謝罪と補償の立法化を


 【大阪】八月十日おおさかドーンセンターで、「慰安婦」決議に応え 今こそ真の解決を! 関西フォーラム実行委員会主催(「アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む集会」実行委員会が協力)の関西フォーラムが開かれ五百六十人が参加した。

あい次ぐ外国
議会での決議

このフォーラムは、日本軍の性奴隷たる「慰安婦」についての日本政府の責任と謝罪・未来の世代についての教育を勧告した米国下院決議(07年7月30日)をはじめとし、日本政府の責任・謝罪と補償・教科書の正しい記載を要求するオランダ下院決議(07年11月8日)、「狭い意味での強制はなかった」とする安倍首相声明への抗議と責任と謝罪を勧告したカナダ下院動議(07年11月28日)、日本政府の責任・謝罪及び未来の世代への正しい歴史教育を勧告した欧州議会決議(07年12月13日)、日本政府の責任・謝罪を勧告したフィリピン下院外交委員会の決議案採択(08年3月11日)をうけ、さらに宝塚市議会で日本政府に「慰安婦」問題の真相究明と被害者の尊厳回復の対応を要請する意見書が採択されたこと(08年3月28日)をうけて準備され開催された。
 八月七日の国会での議員との交流会を皮切りに、八日の東京市民集会、九日の名古屋集会、十日の大阪での関西フォーラム、十一日福岡・札幌市民集会と全国規模で取り組まれた。その間東京都清瀬市でも同趣旨の意見書が採択されている(08年6月25日)。
 関西フォーラムは午前十時、暗い舞台にろうそくの灯がともる中、被害者十四人の写真が映し出され、追悼詩「砕かれた花たちへのレクイエム」(石川逸子作)の朗読から始まった。繁村事務局長のあいさつに続き、ピラール・フロレンダ・フリアスさん(フィリピン、82才)が被害証言をした。

フィリピンから
の被害者証言

 一九四二年、ゲリラ討伐を目的に五人の日本軍兵士が村にやってきた。ピラールさんはその時十五歳だった。兵士にたばこの火を顔に押しつけられ、ナイフで鼻を切りつけられ、裏の納屋で兵士二人に強かんされた。それから、村に日本兵がよく来るようになった。そして、三日以内に村から退去するようにいわれ、食糧をもって山の中に逃げた。食糧が尽きたので米を買いに下りていくと、出くわした兵士から、お辞儀をしないからといって体罰を受けた。
 一九四三年の終わりに村に帰ってみると学校以外の家・建物は潰されていた。学校を仮の住まいにして生活していると日本兵がたくさんやってきて、ピラールさんは、村の男二人・女三人といっしょにゲリラ捜しに連れて行かれた。兵士の食事を作らされ、食べた後は六人の日本兵に強かんされた。このような生活を二カ月間やらされた。ピラールさんは最後に、日本政府として正式に日本軍の犯罪を認め、責任をとり、制度として補償をしてくれるように訴え、自作の歌「慰安婦の人生」を歌った。

リラ・ピリピナ
からの活動報告

この後、ピラールさんのタガログ語を通訳していたレチェルダ・エクストレマドゥーラさん(フィリピン人「慰安婦」組織・リラ・ピリピナのコーディネーター)が発言した。
 リラ・ピリピナは一九九二年に結成され、外国軍による性被害者・その家族が制度的にきちんと補償されるように活動し、国際的なネットワークもつくってきた。百七十三人の被害者を調査・記録しているが、うち五十八人はすでに他界している。早く制度がつくられることを急いでいる。フィリピン人犠牲者のふるさとに追悼碑を建設することが決議されたが、まだ一つしかできていない。フィリピン下院外交委員会で採択された決議案は、日本のロビー活動によって本会議で採択されず、外交委員会に差し戻されたままだ。これがきちんと採択されるよう、日本でも働きかけてほしい。一番おそれているのは、正義がもたらされたとき、被害者が誰もいないということだ。
 続いて議員紹介として、まず尾立源幸参議院議員(民主党政策調査会副会長)が発言し、「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」が、二〇〇〇年から十二回、最初は民主党案として、その後は野党案として、国会に上程されている。政権交代でこれをぜひとも通したいとの決意を語った。北野聡子宝塚市会議員(民主党)、本岡昭次元参議院副議長が発言した。
 午後は、方清子さん(実行委員会)がコーディネーターをし、アナベル・パクさん(米国下院決議を実現した草の根市民団体の中心メンバー)とキャサリン・バラクロウさん(EU決議を実現させたアムネスティ・インタナショナルの担当者)の二人をパネラーとするシンポジウムが行われた。

国際的な運動で
権利をまもろう

アナベルさんたちの団体(121決議連合)を担ったのはせいぜい五十人ぐらいの人たち。この十年ほど米国では「慰安婦」問題に関心がなかったが、安倍首相の発言でスポットライトが当たり、一気に二百団体が集まり、事実に向き合うことになった。毎週下院に行って議員と話をした。
 この決議は日本を批判するものではない。日本が謝罪すれば、地域の平和に寄与できる。「和解と誠実」がキーワードだ。日本が過去に何をしたかより、これは犯罪であり、将来このような被害者をつくらないために必要、という普遍的な問題だ。公式的に謝罪をしないと言うことは、このような犯罪を野放しにするということだ。
 国際的な運動によって、権利を奪われた人たちを守るということだ。現在米国にも同じ問題がある。謝罪すれば日本はむしろほめられる。市民が意見を言わないと政府は自分の好きなようにしてしまう。経験を持っている人、若い人、さまざまな世代の人が集まったことが最大の強みだった。政治的に洗練されている人たちからは、何百万ドルも使って日本政府が阻止をしているのだから、そんな決議は通りっこないといわれた。でも、われわれは巨人に勝った。つぎは日本だ。日本で成功したら、ニューヨークに呼んで成功した経過を聞きたい。

犯罪を野放し
にするのか!

キャサリンさんの所属するアムネスティ・インタナショナルは国際的な人権NGO団体で、世界人権宣言に謳われている人権をすべての人々が享有できる社会をめざしている。
 二〇〇五年、「ストップ女性への暴力」の世界規模のキャンペーンを開始した。この問題は最も隠されている問題だ。文化、経済格差の違いに関係なく世界のあらゆるところではびこっている。この犯罪を処罰するのは政府の責任だ。このキャンペーンの重要な部分である日本軍の「慰安婦」問題は未だに正式な謝罪がなく、賠償に至っていない。今なら、残された時間はまだある。
 アムネスティ・インタナショナルは二〇〇七年十一月、韓国・フィリピン・オランダの「慰安婦」とともに欧州スピーキングツアーを開始し、議会に働きかけをおこなった。欧州議会は十一月六日公聴会を開き、一刻を争う問題なので緊急決議の形で日本政府に対する勧告決議案が審議され、採択された。オランダ議会、カナダ議会へもアムネスティ・インタナショナルが働きかけを行った。市民一人ひとりの声が届くことが重要だ。フィリピン議会では決議が止まっている。日本から声を届けることも大切だ。
 この後、田中さん(宝塚の市民団体)、辻元清美衆院議員(社民党)、清末愛砂さん(アジア女性資料センター)の発言があった。辻元さんは、安倍首相発言について、ニューヨークタイムスなどたくさんの外国メディアから取材があったが、国内のメディアは関心を示さず、オランダ議会で決議がされた後初めて取材があった。国際的にも恥じないようにきちんと教科書にも書かせていきたい。法案を審議しろという声を上げてほしい、と述べた。

立法化へ働き
かけ強めよう

短時間の休憩の後、質疑応答に入った。その中で、戦争時のレイプは戦争犯罪として国際法上時効がないこと、元「慰安婦」に正義を!ではなく、軍隊の人権侵害を許さないということ、「慰安婦」問題は過去の歴史の問題ではなく人間の問題であり、正義を実現する責任があるなどがあらためて確認された。また、米国のロビー活動のとき、決議を通すと日米関係が悪くなるという反対があったが、むしろ謝罪がない方がアジアの不安定要因になり、日米関係が悪化するといって説得したこと、アムネスティ・インターナショナルとしてイギリス・ドイツをターゲットとした第二弾のツアー計画があることが語られた。
 現在も日本政府の謝罪がないことにより、二〇〇七年より〇八年の方がより意味が大きくなった。つぎは日本での運動の成果が必要であることが強調された。
最後に、参加していた六名の市会議員の紹介につづいて、立法化のための行動提起(@法律成立への政府の誠実な対応要請・法律案の早期成立を求める請願署名運動A地方自治体での決議のための働きかけB十一月に開催される第9回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議への参加)が行われて終了した。  (T・T)


アートで表現するYASUKUNI
「ヤスクニと表現」「天皇制」
をテーマにリレートーク

 「平和の灯を!ヤスクニの闇へ! キャンドル行動2008」の一環として、八月四日から十一日まで、日本教育会館内の一橋画廊で美術展「アートで表現するYASUKUNI」が開催された。八月九日には、同じ日本教育会館で美術展関連の「リレートーク」も行われ、約百人が参加した。
 このリレートークの第一部は「『ヤスクニと表現』をめぐって」。毛利嘉孝(社会学者)、鈴木邦男(一水会顧問)、針生一郎(美術評論)、井口大介(画家)、安星金(画家)などの各氏が、藤田嗣治の戦争画「玉砕」への評価などを切り口に、一見「戦争の悲惨と絶望」を描いたような構図が「戦意高揚・聖戦貫徹」に国民を動員する媒体となった問題などについて論議を交わした。針生一郎さんは「国家にもたれかかった日本人の『国家宗教』に内側から対峙する文化の闘い」について語った。
 休憩をはさんだ第二部のテーマは「東アジアと天皇制」。ここでは金城実(彫刻家)、洪成潭(韓国・美術展出品作家)、徐勝(立命館大学教員)などの各氏が発言し、討論を行った。
 沖縄の靖国合祀取り消し訴訟原告団長でもある金城さんは、当初、沖縄で靖国合祀取り消し裁判を起こした時、「ヤスクニで静かに眠っている人を起こすような行為は死者への冒涜」という意見が出て、原告になる人がなかなか集まらなかったことを紹介し、この裁判は「沖縄戦とは何だったかを県民自身が自己の内部に問う過程であり、学習の場でもあった」と提起した。
 洪成潭(ホン・ソンダム)さんは、「日本民衆への抑圧の根源としての天皇制」への出会いについて語り、「現代日本は戦争における『死』ということの本質を隠し、見ないふりをしているのではないか。死の本質を知らないかぎり日本の未来は明るくないし、東アジアの未来も明るいものとはならない」と訴えた。徐勝さんは、この十年間「東アジアにおける冷戦と国家テロ」についてのシンポを続けてきたことを語りながら、「侵略と植民地支配の産物である東アジアという地域概念」を逆転させるためには、日本の侵略戦争を支えた「八紘一宇」イデオロギーの頂点にある「靖国と天皇制」との闘いが不可欠である、と述べた。
 討論の中で洪さんは「日本人が自ら靖国に決着をつけることなくしてアジアの人びととの連帯はできなない」と語りかけるとともに「被害者意識からは人間の尊厳への自覚は生まれない」と強調した。  (K)


投書
高野連と出場停止問題
千葉 K生

 桐生第一高校野球部の二年生が強制わいせつで逮捕された。
 高野連はチームに対して出場停止としなかった。警察による冤罪の可能性も否定できないが、部長の引責辞任と一般生徒の応援が自粛されたことを考えると、事実と考えられる。。桐生第一は一回戦で敗退し事態は終焉した。はたしてそれで良かったのか?
 私はこの事件は連帯責任で出場停止にすべきだったと思う。被害者女性の癒しと再発防止こそ第一に語られなければならない中で、「野球評論家」江本孟紀のような「何も悪いことはしていない部員が他人のせいで出場できなくなるのはおかしい(エモやん、あんた本当に元政治家か?それ以前にチーム・ワークを重んじる野球選手か―筆者)」(8月8日付東京新聞)といった意見には組みすることはできない。「連帯責任をとらせることによる教育効果はない」(同)だって?では連帯責任をとらせなかった彼らにどのような「教育」を考えているのか。江本は語らない。
 私は今回の高野連の対応は、高校球児(やな言い方だが)に計りしれないほど悪いメッセージを与えたと思う。「おまえらは真面目に野球だけやってりゃいいんだよ」というような。
 私の考えだが、無期限の出場停止と、当該野球部員全員を中心とした全校生徒の討論集会を定期的に開催し、高野連はその成果を踏まえた審査を行い、再エントリーを許可すべきだ。また、その審査主体の体質も弾劾の対象だ。今回のような無処分という「処分」を下した高野連は全員更迭されなければならない。
 教育労働者の皆さんにもぜひご意見をいただきたい。     (8月14日)


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