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「各党トップに聞く」集会                かけはし2008.8.4号

今こそ派遣法の抜本改正を
希望の持てる働き方を!



後退している
民主党改正案

 七月二十五日、総評会館で「今こそ派遣法の抜本改正を!希望の持てる働き方を! 各党トップに聞く7・25集会」が全国ユニオンなどでつくる「格差是正と派遣法改正を実現する連絡会」の主催で開かれ、二百四十五人が参加した。
 秋の臨時国会に政府与党が日雇い派遣を原則禁止するなど労働者派遣法の改正案を提出することが明らかになり、いよいよ本格的に抜本改正ができるかどうかの攻防が始まっている。四野党を中心としながら、改正案を話し合う院内集会を四度重ねてきたが、ここにきて民主党案が他の野党案に比べても、後退している点が問題となっている。日雇い派遣禁止では一致しているが、日雇い派遣を含む登録型派遣について、民主党は「二カ月以下の派遣契約の禁止」にとどめており、連合の「一般業務については登録型派遣を禁止」という方針とも食い違っている。
 民主党はなぜこうした中途半端な態度をとっているのか。実は内部に派遣規制について、強力に反対する勢力があるからだ。派遣業の正社員四万人を組織するUIゼンセン同盟・人材サービスゼネラルユニオン(JSGU)は日雇い派遣の禁止についても反対している。こうした勢力に結びついて、民主党の中に「派遣制度の改善を推進する議員連盟(会長・川端達夫衆院議員)」が結成された。
 こうした状況を受けて、どのように派遣法の抜本改正を実現するか――として各党トップに聞く集会が開かれた。

非正規も正社員も
買いたたかれた

 集会は安部誠さん(全国ユニオン事務局長)の司会で始められた。最初に、全国ユニオン会長の鴨桃代さんが「ワーキングプアが取り上げられ、その中でも日雇い派遣の問題を告発してきた。六月八日の秋葉原事件で、流れが急速に変わった。派遣法の抜本改正が社会的な主張となっている。与党も改正を提示している。見せかけの労組であってはならない。野党が雇用に責任を持つものであってほしい。引くに引けないところに立っている。奴隷状態にある労働者にディーセントワーク(人間らしい労働)への道筋を示したい。希望を取り戻したい」と主催者あいさつを行った。
 パネルディスカッションには次の政党の代表が参加した。山田正彦さん(民主党ネクストキャビネット厚生労働大臣)、志位和夫さん(日本共産党幹部会委員長)、福島みずほさん(社民党党首)、亀井亜紀子さん(国民新党副幹事長)。進行役を弁護士の中野麻美さん(派遣法労働ネットワーク代表)が行った。
 中野さんが最初に問題点を提起した。
 「労働者派遣の改革は正しかったのか。それを根本的に問うものである。派遣法は根本的な問題があった。労働が商取引にされ、人権のためのルールをそぎとってしまった。それを合法化した。これは労働法の破壊であった。一九九九年の派遣業種の原則自由によって賃金・雇用が買いたたかれてきた。非正規だけでなく、正社員も買いたたかれた。産業の基盤、人間の生活を奪い、未来を奪った。どんな働き方を社会に広めていくのか、政治問題化し焦点化している」。
 「どんなふうに見直していくのか。与党はPT案を出さざるをえなくなった。二十四年前に議論された業務に限って登録型派遣を認めるかどうかの議論になっている。マージン率の問題、偽装派遣を禁止できるような抜本改正というのはどういうものか。各党の改正案のポイントを三点に絞って提起してほしい」。
 民主党、「@日雇い派遣の禁止A登録型派遣の二カ月以内の派遣禁止B違法派遣元への罰則強化。党内にはいろいろな意見がある。四野党共同で出したらと要請されている。めざすところはいっしょだと思っている。専ら派遣について、われわれの案に近いものを与党が出してきた。いずれにしても野党で協議したい」。
 山田議員が途中退席するということで、中野さんが「民主党案の登録型派遣問題についてもう少しつっこんだ説明を。マージン率の上限規制がない点、みなし派遣についての規制について」聞いた。山田議員は「マージン率の上限規制については、今のところ情報公開で。みなし派遣については、派遣先と派遣労働者との法的つながりが難しいと法制局に言われている」と答えた。

ディーセント
ワークの実現

 日本共産党、「野党も与党も日雇い派遣の原則禁止を主張するようになった。緩和から規制へと一歩動かした。中途半端ではなく抜本的な改正が必要だ。使い捨て自由な不安定雇用を一掃しなくてはならない。まず、最初に法律の目的を明記した。名称を『派遣労働者保護法』と改称。労働者派遣は臨時的かつ一時的業務、常用代替として行われてはならない。@登録型派遣業務を限定する。一九九九年の専門業務に限定したところに戻す。日雇い派遣や製造業派遣を禁止するAこれでも常用代替が残るのでそれを規制する」。「違法派遣を摘発すると期間社員に置き換えることが横行している。六月三十日に、キャノン長浜工場は派遣をゼロにし、期間工にした。雇用期間が五カ月から最長で二年十一カ月だ。これは新たな労働者の使い捨てだ。労基法を改正し、有期雇用を禁止し正社員化をさせなければならない」。
 社民党、「労働者派遣法の改正を最近の選挙の争点にした。日野自動車やキャノン宇都宮工場に調査に入った。私鉄総連は非正規の正規化の要求を掲げている。グッドウィル問題で厚労省交渉を仲介している。格差や貧困問題は個人で解決できない。まったなしの問題となり、一部の労働者が自殺か他殺か極端に走るようになった。派遣は例外であってディーセントワークを実現していかなければならない。与党PT案は民主党案より、自分たちの案に近い。ポイントは登録型を専門職に限ることだ。残る派遣に対して情報公開などきびしく制限していく。問題は派遣労働者だけでなく、グッドウィルの支店長は朝五時半から夜の九時から十一時まで働かされ、深夜一時まで電話をするという。そして寝袋を持って会社に泊まる。こうした正社員の問題も取り扱っていく。長時間労働禁止法も必要だ。抜本改正を四野党そろって実現していこう」。
 国民新党、「自分は選挙で初めて民主党・連合に支援してもらった。自分たちの支持基盤は旧自民党だ。組合とはなじみがなかった。自分たちは民主主義・自由主義であり、小泉流の新自由主義構造改革ではない。一億総中流時代に戻していき、雇用不安を解消する。派遣を一九九九年に戻し、業種を限定する。派遣は三年以上認めない。均等待遇は時給を正社員よりも高くして、正社員にした方が安上がりだと企業に考えさせるようにする」。

登録型派遣に
厳しい規制を

 次に鎌田慧さん(ルポライター)が派遣法の歴史的経緯と問題点を明らかにした(別掲)。
 中野さんが「職安法で労働者供給事業を禁止したが、この例外で派遣法が作られてしまった。そもそも職安法には救済規定がないことが問題だ。これをどうするか意見を聞きたい」と討論を促したが、この点では深まった討論にはならず、「一九九九年に戻す。この点でみんな団結する」という意見が大半であった。その他についての討論。
 国民新党、「自分たちの党の中の空気は昔の口入れ屋はモラルの点でこれはダメだ。企業は雇用に責任を持つべきだ。亀井静香が運輸大臣の時、アルバイトスチュワーデス導入に強く反対した」。
 社民党、「マージン率上限規制について。グッドウィルは日雇い労働者に七千円払い、自分たちが三千円から六千円とっていた。三一%というマージン率がある。これはサラ金規制から考えても高額のピンハネだ。情報公開させることにより、例えばヘルパーさんとか他の業界への影響も大きい。タクシーの規制強化をしなければならないと国交省が態度を変えた。潮目が変わった。アイヌ先住民族国会決議が全会派によって行われた。社会保険庁の懲戒された人を再雇用しないと政府・自民党は決めた。二度の処分であり、こんなあらっぽいことを許してはならない」。
 共産党、「使い捨て労働が一番ひどい。社会全体の未来がない。正社員・派遣の連帯が重要だ。正社員にとっても長時間労働の問題とか自分自身にはねかえってくる。社会的連帯で解決を。大事なところでの一致点を」。
 国民新党、「自分の選挙区を回ると一番関心が高いのは、後期高齢者問題。次に若者に仕事がないから、田舎を捨てて都会に出てしまうという問題だ。若者の雇用を安定させることが重要だ。自民党を巻き込んでいかなければならない」。
 パネルディスカッションでは、労働者派遣法の業種を限定した一九九九年に戻して登録型派遣を労働者保護の立場から厳しく制限していくべきだというものであった。ただし、民主党代表は所要があるということで途中退席したので、この点では一致したわけではなかった。
 小谷野毅さん(全日建書記長)が「臨時国会に向けた最初の闘いであった。抜本改正に向けて力を合わせていこう」とまとめた。(M)

鎌田慧さんの提起から
本当に労働組合の
責任が問われている


 派遣法は人ころがしの悪法だ。戦後労働者保護のために職業安定法が作られ、労働者を供給してもうけてはならないとした。派遣法はこれを壊した。派遣の最初は通訳などでそれから大量に必要とされたコンピュータのプログラマーが突破口だった。社会制度として変えなければいけないとなり、派遣法により闇に葬られたものを合法化した。
 労働組合が何の力も持たなかったから、現状のようにひどい状態になってしまった。秋葉原事件を起こした加藤が周りにいっぱいいるようになった。労組をつくってがんばるとならない。永山則夫と同じだ。永山はタクシー運転手など四人を殺した。永山はその後反省し、仲間を殺してしまったと印税を遺族に配ろうとした。加藤もいずれ反省するだろう。八王子事件を起こした者も三十三歳で初めて本工になった。希望を失わせた派遣法は解体すべきだ。
 派遣業は五兆円産業といわれる。大企業の欲望は大量の不安定雇用を必要としてきた。企業は膨大な失業者を作って、フリーマーケットに流した。トヨタのカンバン方式は労働者を人間ではなく部品化した。時間給にきり縮めた。
 行き詰った問題をどう解決していくのか。人間的な労働に変えていこう。人間らしく働く、生きる。人間が復権していく。こんなみじめな社会を何とか変えていこう。
 制度改革である。派遣法を一九九九年に戻そう。そこから派遣法について考えていこう。民主党案は二カ月にしようとか、派遣が三百五十万人もいるから変えられないと、条件闘争になっている。これは御用学者の論理だ。大企業の労働組合がだめだったからだ。民主党案では派遣労働者は救われない。かつて大企業に出稼ぎ労働者が働いていた。この下に派遣労働者をつくった。出稼ぎ労働者は寮費や光熱費は会社持ちで、ボーナスもあったし、帰省のための旅費も会社が用意した。労組が追及しないから経営者のモラルがなくなった。
 ルールをきちんとつくらないと社会が維持できなくなっている。公害問題が起こった時に似ている。企業は自分たちがもうかればいいと利益のみを追求して公害をたれながし、社会を危機に陥れた。自民党も巻き込んで変えていくべきだ。(発言要旨、文責編集部)



鉄建公団訴訟第10期日

東京高裁南裁判長が「話し
合い解決」を双方に求めた

 七月十四日、鉄建公団訴訟第10期日で、東京高裁南敏文裁判長は、原告、被告双方に「裁判所はソフトランディングを考えている。当事者が訴訟外で考えてみないか」と訴訟を離れた話し合いによる解決を提案した。原告側闘争団は提案を受け入れたが、機構側は態度を保留した。
 翌十五日、冬柴鉄三国土交通相は閣議後の会見で、国鉄分割・民営化に伴うJRへの採用差別をめぐる訴訟の控訴審で、東京高裁が原告、被告双方に裁判外での話し合いを提案したことについて「お受けしてその努力はすべきだ」と述べ、被告の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構、旧国鉄清算事業団)に提案に応じるように促した。さらに、鉄道運輸機構からの要請を前提に「私の職権の中であれば、力いっぱい誠心誠意、解決に向かってやるべきだと思う」と、助言などを通して自ら解決に努力する姿勢を示した(時事通信)。
 これまで、鉄建公団訴訟、全動労裁判で、採用差別があったことを認める、原告側に有利な判決が出る一方で、三月には鉄運機構訴訟では時効でバッサリと原告敗訴を下し、裁判所の判断が分かれていた。鉄建公団訴訟は9期目でJR東海葛西会長の尋問が実現し、いよいよ結審に向けた段階に入っていた。国鉄分割・民営化を決めた国鉄改革法二十三条の上に判決が出される裁判所においては、雇用・年金・損害賠償の三つの原告団の要求をすべて、裁判だけで実現することはきわめて厳しい状態であった。
 国とJRの責任を明らかにし、解決のテーブルをつけさせるためにも、裁判以外での交渉テーブルの設置が何よりも必要だった。裁判所の提案と冬柴国交相の努力表明は解決に向けた重要なきっかけだ。全面解決に向けて、四者・四団体は10月24日(金)日比谷野外音楽堂において一万人集会を決定した。さらに大衆的な闘いをつくりあげ、全面解決を勝ちとろう。 (滝)


4者4団体のコメント
原告団は東京高裁・南裁判長提案を
受け誠意をもって交渉に応じます

 2008年7月14日、東京高裁・第17民事部で開かれた鉄建公団訴訟控訴審で、南敏文裁判長は、原告、被告双方に「ソフトランディングはできないか?」と、裁判外での話し合い解決を促しました。
 1047名の不採用問題は、紛争から22年目を迎え、病気などで他界している被解雇者は既に47名にものぼっており、すみやかな解決が求められています。
 私たち原告団は、これまで鉄道運輸機構に対し、裁判は裁判としながらも、「解決交渉テーブルの設置」による話し合い解決を求めてきた事からも、今回の南裁判長の提案を受け入れ、誠意をもって交渉に応じる事を明らかにするものです。

★ 国土交通大臣の「誠心誠意解決に努力する」との発言を歓迎します

 南裁判長からの裁判外での話し合い提案について、冬柴国土交通大臣は、7月15日の閣議後の記者会見で、「お受けし、その努力はすべきだ」と鉄道運輸機構に応じるよう促し、大臣自ら「誠心誠意、解決に向かってやるべきだと思う」と述べました。私たちは、この発言について感謝し、歓迎の意を表するものです。
 私たち4者・4団体は、国土交通大臣発言を真摯に受止め、誠実に対応いたします。
 2008年7月17日

(4者)
国労闘争団全国連絡会議
鉄建公団訴訟原告団
鉄道運輸機構訴訟原告団
全動労争議団・鉄道運輸機構訴訟原告団
(4団体)
国鉄労働組合
全日本建設交運一般労働組合
国鉄闘争支援中央共闘会議
国鉄闘争に勝利する共闘会議


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