もどる

                           かけはし2008.7.21号

国際民衆連帯でG8サミットにNO!

G8サミットを問う連絡会
多彩な企画でサミットを斬る!私たちの世界は売り物ではない


フォーラムとシン
ポ、そしてデモ

 G8サミットを問う連絡会は七月四日から九日までを「国際民衆連帯DAYS」と設定し、札幌市で各ワーキンググループ、団体などによる一連のフォーラム、シンポ、デモなどを開催した。
 七月四日午後には、「貧困・労働ワーキンググループ」が「貧困・不安定雇用・社会的排除はもうたくさんだ!反G8札幌行動集会」を開催し、「国際民衆連帯DAYS」の口火を切った。午後四時過ぎからは大通公園西8丁目で「オープニング・セレモニー」を開催。北海学園大学での講演を終えたスーザン・ジョージさんをはじめ、ビア・カンペシーナ、CAW(アジア女性委員会)、NO VOX(持たざる者の運動)などの海外代表が発言した後、約二百人でデモに出発。しかしこの日、警察当局は、デモ隊列に厳しい規制を行い、あまつさえ「時間切れ」を口実にデモを途中で解散させて歩道を歩け、と指示する始末であった。デモ隊はそうした規制をはねのけ、道路上での行進を貫徹した。
 七月五日には、午後一時からの「ピースウォーク」に先立って、午前九時から各所でシンポジウムが行われた。「台頭する中国――誰の犠牲で」(香港グローバリゼーション・モニター)、「`援助aのおカネはどこへ行った? 途上国の債務とG8」(ジュビリーサウス、ATTACジャパン、アジア太平洋資料センター、ジュビリー九州、債務からの自由連合〔フィリピン〕など)、韓国・民主労総集会(記事別掲)、「グローバル・クライメートキャンペーン」などである。
 ピースウォーク終了後にはエルプラザホールで「G8サミットを問う集会」が行われた(記事別掲)。
共同宣言を作成
し取り組み集約

 七月六日には、大通公園西6丁目に早朝からテントを張って持たざる者の国際連帯行動、ATTACジャパン、反差別国際運動、G8女性の人権フォーラム、農民連などがブースを出すと共に、演壇では三十度を超える暑さの中で「国際民衆連帯イベント」を開催。気候変動、アフリカの債務と開発などをテーマに各国からの熱心な討論が行われた。
 気候変動をめぐるシンポでは、「気候変動は市場システムの失敗の最大の表現」という立場から、市場メカニズムに依拠した取り組みを厳しく批判。排出権取り引きの問題点、自由貿易と気候変動、「クリーン・テクノロジー・ファンド」が環境を汚染する工場などに投入されるという問題点、「南」の諸国が排出したのではない温室効果ガスに「南」の諸国が責任を負わせられる問題点などが、国際公務労連、フォーカス・オン・ザ・グローバルサウス、オーストラリアの「フェアトレード・投資ネット」、「地球の友」インターナショナルなどの代表から次々に指摘された。なおこの日、韓国民主労総の仲間は、会場の公園内で韓国の仲間の新千歳空港入管での不当逮捕と二十四人の入国拒否に抗議する座り込み闘争を行った。
 この大通公園のイベントと平行する形で、各会場で「自由貿易が食糧・環境危機を招く」、「反サミット・反植民地主義フォーラム」などが開催され、また夜にはATTACドイツの仲間を招いた「公共サービスを取り戻そう」シンポも行われた。
 七月七日には午後三時から大通公園西6丁目で「食糧主権」を訴える集会とデモ。農民連各県組織の代表の発言に続いて、バングラデシュ、タイ、インドネシア、カナダのビア・カンペシーナに結集する農民組織の仲間があいさつし、韓国の民主労総、世界女性行進に取り組んでいるバスクの女性、ATTACジャパン、ジュビリー・サウスからも連帯のあいさつが行われた。集会後のデモには約百二十人が各国の色とりどりの旗を掲げて参加した。
 こうした「国際民衆連帯DAYS」の多様な連携した取り組みは、七月九日のサミット最終日に発表された「北海道サミットを最後のG8サミットにしよう」という共同宣言(3面別掲)に結実したのである。(K)




韓国民主労総が熱い訴え
キャンドル行動で政権を追いつめる闘いの息吹き


 七月五日、札幌大通り公園で行われた「チャレンジ・ザ・G8サミット-私たちの世界をつくろう!」と銘打たれた集会は北海道をはじめ世界各地・日本全国から労組・農民団体・市民団体・NGOなどが結集して五千人の参加で成功した。
 午前中は、韓国の民主労総のこのかんの牛肉闘争の報告や地球温暖化の問題、中国における新自由主義グローバリゼーションなどについて、分科会が行われた。
 韓国の仲間は、まず日本の入管による韓国からの活動家たちに対する入国拒否措置の経過報告を行った。その際に民主労総の活動家が、入国審査官に暴行を加えたとして逮捕されたが、面会時に彼は「審査官がカメラを奪おうとしたから、思わず取り返そうとした偶発的な動きをしただけ。審査官を押したりなどしていない」と語っていることが伝えられた。
 この分科会では、反サミット運動の破壊を企図した、日本政府の横暴に抗議する声明を作成することが確認された。
 また、このかん韓国で連日続いている米産牛肉反対闘争について、民主労総金属労組の仲間から報告を受けた。
 「正直、私たちはこの牛肉闘争の高揚をまったく予期していなかった。最初に街頭に出たのは子どもたちで、大人や運動団体は後からついていったのが実態だ。六月十日に全国で百万人が集まり、翌日に李明白が国民への`謝罪声明aを出してからは、参加者も減りキャンドルが消えるか、という局面もあった。しかし、新たに神父や仏教界が戦線に加わり、運動は新たな息吹を得ている。これからは、こちらから国民にキャンドルを持ち込む闘いが必要だ。そして、ゼネストは、国民に支持され、感謝されている状況だ。李をさらに追い詰めるために、さらに闘いを広げる」と語り、韓国の闘いの熱気と息吹を伝えてくれた。
 日本からは、全国一般の遠藤一郎さんが、日韓FTA反対運動の経過を報告し、東水労の仲間からは「水が世界で企業の利潤の対象とされていて、日本でも水道の民営化が狙われている。水は民衆の財産であり生命そのもので、金儲けにはそぐわない。そういう観点でグローバリズムに反対する闘いを続けていく」と、職場と世界をつなげて闘う決意が述べられた。(F)




G8サミットを問う集会
アジア各国からの報告で闘いの意義を共有化する

 七月五日、G8サミットを問う連絡会・国際民衆連帯ワーキンググループは、札幌・エルプラザホールで「G8サミットを問う集会」を行った。「チャレンジ・ザ・G8サミット ピースウォーク」に参加し、ともに反G8サミットのシュプレヒコールをともに行ってきた仲間たちが駆けつけた。
 集会は、各国で社会運動をねばり強く推し進めている仲間たちがどのような課題を持ってG8サミットに疑問を持っているのかというテーマから次々と報告が始まった。
 メインスピーカーのウォールデン・ベローさん(フィリピン)は、「何も生み出さないG8サミットは洞爺湖で終わりだ」というタイトルで問題提起した(報告要旨別掲)。彼が所属するフォーカス・オンザ・グローバルサウスは、タイのチュラロンコン大学に本部があり、グローバリゼーションとミリタリゼーションが第三世界の民衆の貧困・抑圧・環境破壊を強制していることを研究し、国際社会に告発し続けている。
 第三世界債務帳消し委員会のスショバン・ダールさん(インド)は、G8が金融危機、エネルギー危機、農業危機、気候変動の危機に直面しているにもかかわらずまともに対応できていないことを厳しく批判し、その責任を追及していこうと呼びかけた。
 ビア・カンペシーナ(農民の道)のサフラブ・アラムさん(バングラデシュ)は、「G8は、八人のギャングだ。私たちはG8に支配を委ねることはできない。支配者たちの食料安全保障は欺瞞であり、私たちが主張している食糧主権の政策こそが、世界から飢えをなくすことができる」と訴えた。
 韓国、民主労総のファン・ヨンホさんは、日本政府による十九人の農民運動の仲間の入国拒否、民主労総の四人が入管施設に抑留され、一人が警察にでっち上げ逮捕されたことを厳しく糾弾し、ともにG8サミットに反対していく決意を表明した。
 香港のグローバリゼーション・モニターの区龍宇さんは、中国がG8サミットに加わろうとねらっていることを取り上げ批判。さらに中国の経済発展が民衆の人権と民主主義が否定された状況での結果であり、中国モデルを評価する人々の問題点を指摘した。
 ノエル・フローレントさん(カメルーン、債務帳消しキャンペーン)は、北の国々と世界銀行の構造調整プログラム、諸プロジェクトのために膨大な債務、生活・環境破壊、貧困・飢餓が発生していると告発した。
 パフィー・マカブアグさん(移住労働者のための機関、フィリピン)は、資本のグローバル化によって大量の移住労働者が生まれたが、低賃金・劣悪な労働環境が続き、人権が否定されていることを批判した。彼女は、「移住労働者は資本、エリート層を豊にするために使い捨てられている。私たちは商品じゃない」とアピールした。
 アジア女性委員会のシーア・ビクトール・ジャン・シナーさんは、「アジアの多くの人々が貧困と飢えで暮らしていることをG8は知っているのか。その九〇%が女性と子どもだ。自由貿易協定が拡大するなかでインフォーマルセクターで働く女性が増え続けている。外国で奴隷のような状態で労働を強制され、人身売買的なあり方も蔓延している。女性に対する暴力被害も増えている。このような状態を作りだしたG8に責任がある。まともな労働条件を保障せよ。労働組合の権利を認めよ。人権条約を守れ」と強調した。
 日本からは、平和フォーラムの市村忠文さん、日本消費者連盟の山浦康明さん、反差別国際運動の荒井摂子さんから反G8の取り組み報告とアピール。
 最後に主催者から明日からの国際民衆連帯員イベントが紹介され、参加を呼びかけた。      (Y)

ウォールデン・ベローさん報告
私たちの任務はG8を洞爺湖で終わりにすること


 一九七五年G8(当時はG6)が創設された。その目的は世界経済を管理するための委員会の設立だった。つまり、北の国がたくさん恩恵を被り、南の国が不利な現状を維持することだった。G8の政府は、マクロ経済的政策が成功していないが、発展途上国の利害を監視することについては機能してきたと言える。
 一九九〇年代、G8は企業主導のグローバル化を促進する主要な機関となった。さらに、世界銀行やIMFを主導として政策協調を行い、WTOも創設した。このイデオロギーの基軸は新自由主義だ。
 G8に参加している国を見ると、多少の違いが存在している。例えば、米国は市場と企業が経済の推進力となっているケース、日本やヨーロッパの場合は国が中心的な役割を担い介入をしている。しかし、南の経済を自由化することについては一致団結している。自由化とは規制緩和、民営化、市場主義のことだ。
 新自由主義をベースにした改革は、発展途上国、一部の北側の国に対して混乱をもたらし、多くの人々が貧困に追いやられ、不平等が生まれた。成長が促進されるのではなく、構造改革、市場主義がまかり通り、経済が後退していった。

対峙と協調 ││
二つのアプローチ

 このようなG8に対して社会的に抗議する動きが生まれた。新自由主義への抗議運動が始まった。
 二〇〇一年六月、ジェノバ・サミットの時、G8に対峙するために大変多くの人々が結集した。G8の政策に反対の意志を表明した。この時、イタリア警察と衝突し、一人の活動家が亡くなり、負傷者も多く出た。ジェノバは、G8に抗議する象徴となった。
 ところがベルルスコーニ首相はイタリア警察を免罪してしまった。G8は、大変評判が悪くなった。そこで国内改革をもっと押し進めるべきだと主張する人物が出てきた。その一人がイギリスの元首相のトニー・ブレアーだ。サミットについても様々な問題を取り上げようと主張した。G8サミットを改革していこうとする顔をもつために債務国の債務帳消し、発展途上国への援助拡大、気候変動の問題を取り上げようと提案した。
 〇五年、スコットランドのサミットでは、市民社会と連携していくことまで主張しだした。この動きを主導したのがイギリスのNGOだった。つまり、対峙と協調という二つのアプローチがG8に対して存在している。
 〇六年、〇七年のサミットでは約束を履行することができなかった。アフリカへの援助拡大、気候変動問題、発展途上国の債務帳消しについて真剣でなかったということが明らかとなった。ドイツのサミットでは、NGO、社会運動の様相が変わった。南を支配するためにG8サミットを使っているのだと抗議し、ジェノバのように対峙する雰囲気に回帰した。

世界に危機を
もたらしただけ

 去年のG8では、かなり対峙的な動きとなったが、そのスローガンは、「G8は退去せよ」だった。そして日本において洞爺湖サミットが開かれようとしているが、これまでと違った状況になっている。世界的な大きな危機の真っ直中で開催されようとしていることだ。一つは金融危機。資本の流れを規制緩和したために起こった。発端は米国のサブプライム問題だった。二つめはエネルギー危機。石油経済に過剰に依存したたために起こった。石油価格が暴騰している。三つめが農業危機。南の国の経済を自由化することによって農業を壊滅させ、輸入依存の経済にした。四つめが気候変動の危機である。
 洞爺湖サミットは、協調的なものになるのか、ジェノバのように対峙的なものとなるのか。そもそもサミットは、重要な成果を上げておらず、世界に対して危機をもたらしただけの組織だ。自らを世界の管理者と称しながらも、結局、その管理は失敗に終わっており、世界を危機に落とし込んでしまった。私たちの任務は、洞爺湖サミットを最後のサミットにすることである。(報告要旨・文責編集部)


もどる

Back