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G8サミット反対国際連帯デモ             かけはし2008.7.14号

環境・財務・外相会議に抗議行動

G8に未来はない、われわれにこそ未来はある


 【大阪】七月一日、五月神戸でのG8環境相会議、六月大阪でのG8財務相会議、京都での外相会議に異議申し立ての行動をともにとり組んできた団体の代表十一人のよびかけによる集会(於・大阪扇町公園)とデモが行われ、戦争と貧困・環境破壊を引き起こすサミットに反対するという一点で四百五十人の労働者、市民が参加した。集会は中桐さん(釜ヶ崎パトロールの会)の司会で進められた。
  最初に、中北さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク代表)が集会の基調報告を行った。

神戸、大阪、京都
の連続闘争を報告

 「今回の闘いは、二〇〇〇年沖縄サミットに対する闘いの継承・発展でもある。一九七五年より始まったサミットは、国際法上の根拠はなく、民主的な手段を持たないにもかかわらず、金持ち大国・軍事強国が集まり、自らの都合のいい政策を進めるために行ってきたものだ。弱肉強食の新自由主義政策により世界は貧困と飢餓に苦しめられている」。
 「日本でも格差社会がますます広がってきているが、その背景はサミットが進める新自由主義政策だ。G8サミットはまた米国を中心とする対テロ世界戦争を正当化するためのものでもある。G8は環境対策をとってきていると言っているが、G8が進める新自由主義政策こそが環境破壊の原因だ。元を絶たねば環境は護れない。我々はG8サミットに反対する対抗サミットと連帯して闘わなければならない。スーザン・ジョージさん(入国時に4時間以上にわたり妨害を受ける)は「彼らG8には未来がない、我々にこそ未来がある」と発言したが、われわれもそのような立場で洞爺湖サミットに反対していこう」と呼びかけた。
続いて各地からの取り組みの報告。まず、G8サミット反対実行委員会。反戦運動に取り組んでいる労組・市民団体によってつくられた実行委員会がとり組んできた講演会や集会・デモ等の闘いの報告があった。
 続いてATTAC関西。「G8サミットを問う連絡会とのネットワークをつくり、シンポジウムやデモを行ってきた。首都圏の仲間が昨年のドイツ、ハイリゲンダムサミットに参加し、広範な人々の参加、多くの若者の熱気にふれて、日本でも再現したいと、世界のさまざまな運動団体と協議しながら昨年より準備してきた。日本でも、グローバリゼーションがもたらすさまざまな局面に対して闘うかつてない広がりを見せている」と報告。
 最後に、サミット外相会議反対!京都行動実行委員会。
 「六月二十五日、円山野外音楽堂の集会には五百人が参加した。二十六日は二百人の結集で決起集会とデモを行った。沖縄・岩国・神奈川で反基地を闘う仲間も参加した。これに先立って京都でも六人の仲間が逮捕された。韓国民主労総の仲間は入国を妨害され本国に強制送還された。人気の落ち込みがひどい福田政権は、サミットを成功させ日本を戦争のできる国にするという荒削りのやり方で延命を図ろうとしている」と報告。

フランス反貧困
運動がアピール

次は外国ゲスト・フランスNoVoxのブノア・ユージューヌさんの報告。「サミットは人々が近づくことができないような場所で開かれている。私たちは、住宅・仕事などを持たないもののネットワークだ」。
 「経済のグローバル化で世界に貧困が拡大した。G8がやっている経済政策は、多国籍大資本を儲けさせ現地の経済を壊している。この公園にも十年前から野宿者がいる。東京、大阪の日雇い労働者と交流したが、日本のような経済大国でこのような問題が放置されていることは信じられない。フランスでも米国でも同じような状況がある。最近の十年間このような状況が生まれた。貧しいのはその人の責任ではない。彼らはどこでも排除される対象だ。私たちは、このような人たちの闘いを支持し連帯していく。これが、私たちがG8に対して闘うことの意味だ。私たちの生活に直接関わるようなことを勝手に決めてしまうことに対して闘う」。

韓国民主労総が
入国拒否される

もう一人の海外ゲストとして予定されていた韓国民主労総の仲間は、入国妨害で参加できなかったため、急きょ、釜ヶ崎6・13救援会からのアピールがあった。飲食店での出来事から西成署に連行され暴行を受けた釜ヶ崎の労働者が、そのことを訴えたことが発端で、六月十三日から五日間にわたって日雇い労働者らが西成署を糾弾する闘いに立ち上がった。この闘いにたいして、十八人が現行犯逮捕され、釜合労の稲垣委員長も翌日道交法違反で逮捕、四人が起訴された。このことに対する救援のアピールがあった。釜ヶ崎は例年になく仕事が少ないとのことだ。
この後集会のスローガンを全体で唱和し、川村さん(全日建連帯労組)がデモコースの説明をして、参加者は米国領事館前を通り大阪市役所までのデモに出発した。     (T・T)


「対テロ治安弾圧と戦争協力態勢を問う」分科会
G8をステップに警備を強化し法制化をねらう

 六月二十八日、反G8直前東京行動分科会「対テロ治安弾圧と戦争協力態勢を問う」が文京シビックセンターで行われた。
 すでに警察は、G8サミットを前に「見える警備」などと称して各駅改札前に張り付き「威嚇」警備を強行し、人権侵害に満ちた職務質問、荷物検査を繰り返している。自衛隊は、「テロ対処訓練」を積み重ね、戦時出動態勢で部隊展開を拡大した。さらに民間企業、商店街、地域ボスなどを動員して現代版「隣り組」を組織し、実質的な「国民保護実働訓練」の先取りとして押し進めているのだ。さらに反グローバリズム活動家への入管でのいやがらせ、妨害が頻繁化し、外国人管理を強化している。G8内相サミットでは「国産テロリスト」などと称してG8が共同対処することを意志一致した。
 分科会は、このような治安弾圧体制が以前から強化され、G8サミットをバネに次のステップに移行しようとするねらいを暴き出し、戦争協力態勢作りを許さない運動の方向性を探った。

盗聴法・共謀罪
制定をねらう

 小倉利丸さん(ピープルズプラン研究所)は、「グローバリズムのなかのサミットと『テロ』問題」をメインに問題提起した。
 小倉さんは、サミットにおけるテロリズムの位置づけに焦点をあて、第一期「冷戦期のテロ対策」、第二期「ポスト冷戦期 九〇年代の国際組織犯罪対策」、第三期「テロとの戦争」の時代について経過分析した。そのうえで、日本の場合、「九・一一以降のサミット諸国が目指しているのは、法執行機関の相互協力と国際法及び国内法整備を通じて、刑事司法制度そのものを欧米先進国にとって有利なようなグローバルスタンダード化を実現することにある」と整理し、その基本路線のうえで盗聴法があり、共謀罪制定の野望を捨て去ることはしないと強調した。
 また、「対テロ戦争」についてサミット諸国は、「欧米先進国を基軸とするグローバルな政治経済体制を構築すること、欧米に拠点を置く多国籍企業の投資環境を整備すること、その前提として『平和構築』なのだという観点について利害の一致がある」と指摘し、「新たなグローバルな搾取構造の再構築が進行していることを意識しながら解明する作業が求められている」と述べた。
 今後の方向性として「サミットにおける司法警察をめぐる議論がほとんどノーチェックのまま警察庁や法務省の官僚たちによって仕切られ、それが首脳会談でオーソライズされてトップダウンで法制化や制度化への道筋がつけられている現状を、再度憲法の要請する法の支配の原則に立ち返って検証する必要がある」と問題提起した。

「一国治安主義の
克服」をめざす

 藤井剛さん(共謀罪に反対する京都連絡会)は、「G8内相サミットと対テロ弾圧」というテーマで報告した。
 「G8司法内相会合」の経緯に触れ、ポイントとして一九七八年のボン・サミットでテロ専門家会合(ローマ・グループ)を設置し、一九九五年のハリファックス・サミットでG8国際組織犯罪対策上級専門家会合(リヨン・グループ)が国連越境組織犯罪条約起草の原動力となったことを取り上げた。
 そして九・一一事件以降、ローマ・グループとリヨン・グループの統合が図られ「国際組織犯罪対策」にテロ対策をも加えた「国際犯罪に関するG8勧告」を策定し、国連を介して非G8諸国の政策にも影響を与えてきたことを明らかにした。
 また、六月十一日〜十三日の東京会合で日本が「一国治安主義の克服」と称してインドネシア、ブラジルなどに中央集権的警察の構築、交番の輸出などを展開していくことを紹介。とりわけ一連の会合において「若年層の過激化」「国産テロリストについて議題に上げ、情報収集・共有、徹底的な対処をしていく確認していることを批判した。

度重なる市民
生活への介入

 さらに問題提起が続き、旗手明さん(自由人権協会)が政府のテロ対策の一環として外国人登録の再編、社会保障・住基による管理支配が強まっていることをレポート。
 京極紀子さん(横浜のTICAD〈アフリカ開発会議〉とG8を考える会)が、アフリカ開発会議の問題点を浮き彫りにした。とくに神奈川県警が治安弾圧の強化として度重なる訓練、市民生活に介入してきたことを批判した。また、日本政府のビザ発給遅延措置によって南アフリカの反アパルトヘイト運動や社会運動活動家であるトレバー・ングワネさんの来日が妨害されたことを抗議し、抗議声明を二十三団体、二百三十七人の賛同で発したことを報告した。
 吉田正司さんが(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック)「沖縄から考えるサミット警備」について報告。自衛隊監視立川テント村から連帯アピールが行われた。
 最後に池田五律さんが(戦争協力させない!東京ネットワーク)「国民保護態勢・恒久派兵法とサミット」について提起し、「サミット警備体制をステップに、八月三十一日の東京都総合防災訓練で『国民保護動員』を実施し、〇九年一月の朝霞基地での『ヤマサクラ』ではPAC3を組み込んで訓練することが予想される。軍事強化をこれ以上ゆるしてはならない。サミット後の自衛隊、警察の動向に注意し、反戦運動を強化していこう」と訴えた。(Y)




「生活の営みを破壊する『軍事化』を許すのか?」分科会
G8はいずれも世界の戦争に責任ある軍事大国



米太平洋艦隊の6
割がグアムを母港

 六月二十八日、G8サミット直前東京行動のワークショップの一つとして、シンポジウム「生活の営みを破壊する『軍事化』を許すのか?」が、午後一時半から東京の文京区男女平等センターで行われ、七十人が参加した。共催したのはアジア女性資料センター、新しい反安保行動をつくる実行委員会、ピープルズ・プラン研究所の三団体。
 最初にアジア女性資料センターが今年行ったグアム島へのスタディーツアーの模様をまとめたDVDが上映された後、マナイ(マリアナ)諸島グアハン(グアム)島に生まれ育ったチャモロ・ネーションのファナイ・カストロさんが「米軍に軍事化されるグアム島と破壊される先住民チャモロの社会」と題して報告した。
 グアム島は「米軍の槍の先」と言われ、島の面積の三〇%を米国防総省が所有している。米軍のグローパルな再編・再配置の中で、グアムの米軍基地の役割はますます強化されている。米太平洋艦隊に属する艦船の実に六割がグアムを母港としている。ファナイさんはこの現実を「グアムで進んでいる軍事化は生命の搾取である」と捉えた。そして「先住民族であるチャモロの歴史が消されようようとしている。しかし米国の領土であるため、私たちにはそれを国際的に訴える手段を持っていない」と強調した。
 「この世界は戦争状況であり、戦争の世界は恐れによって支配されている。この世界は『善と悪』の二項対立が支配する世界であり、私たちを死に駆り立てる。この戦争と操作の世界では人生の意味を見いだせなくなってしまう」。ファナイさんはチャモロ民族の置かれた状況をこのように特徴づけた。

米軍兵士の性
犯罪は減らない

 次に、沖縄の「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんが報告した。高里さんは沖縄の辺野古新基地建設反対運動で海上阻止行動に使用している二隻目のゴムボートに、チャモロ語で「共生」ないし「調和ある生活」を意味する「イナファ・マウレク」号と名づけたエピソードを紹介した。それは「沖縄の負担軽減」を名目に進められる在沖米海兵隊のグアム移転=米軍再編にグアムの人びとと共に反対する意思を込めたものだ。
 高里さんは「人間の安全保障」をテーマに行われた二〇〇〇年沖縄サミットに対して、「安全保障の再定義――女性、子どもの視点から安全保障を問いなおす」をテーマに「国際女性サミット」を行ったことを語った。
 しかし二〇〇一年の「9・11」を機に事態の本質が明らかになり、当初は「基地の返還」と言われた一九九六年のSACO合意が「新基地建設」にほかならないことが示されることになった。高里さんはその中で、米軍犯罪がますます矮小化され、「良き隣人政策」という名目で、米軍人と家族の「ボランティア英語教師」としての活用などの「融和政策」がもくろまれていることを紹介した。しかし米軍兵士の性暴力は決してなくなってはいない。軍隊による性暴力・人権侵害・環境破壊に対して、被害者への支援を進めながら「軍事によらない安全・平等・平和」をめざす努力を訴えた。

女性自衛官に
対する性差別

 アジア女性資料センターの丹羽雅代さんは、二〇〇六年に北海道の航空自衛隊通信基地で、当時二十歳の女性自衛官が深夜、泥酔した男性自衛官から性暴力を受けた事件を報告した。被害者の女性は孤立と強い圧力の中で、二〇〇七年五月に民事提訴し、現在裁判中である。しかし加害者の男性自衛官は、刑事告訴を受けて書類送検されたものの、不起訴となっている。
 この中で見えてきたことは自衛隊内の女性自衛官に対する性差別の実態である。丹羽さんは、二〇〇七年八月に九年ぶりで行われた二千人を対象とした女性自衛官への「セクシュアル・ハラスメントアンケート」でも、「わざと触る」「性的なからかいや冗談を聞かされる」「容姿・結婚など執拗に話題にする」などの行為が、二割を大きく超えていることを指摘した。さらに米軍でも軍内部の性暴力犯罪が非常に多く、罪意識がほとんどなく、犯罪が繰り返され、不処罰の連鎖が続いていることが報告された。例えば米国防総省が発表した二〇〇六年十月から二〇〇七年九月までの性暴力事件は二千六百八十八件に達するが、そのうち被害者が米兵自身であるものが八百六十八人。
 最後に、前福生市議の遠藤洋一さんが詳細な資料を駆使しながら、日本の軍事予算、在日米軍経費と「思いやり予算」、「負担軽減」というまやかしで推進される米軍再編の本当の姿について説明し、市民からの厳しい監視の目を光らせる必要性について強調した。
 G8諸国は、いずれも世界の戦争に責任のある軍事大国である。彼らの語る「平和や安全」は社会の軍事化と一体のものである。こうした現実を批判しながら世界の軍事支配と具体的に、ねばり強く闘っていく必要性をあらためて感じさせた報告と討論だった。
(K)


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