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政府と大統領の欺まん策が闘いの炎を拡大         かけはし2008.7.7号

米国産牛肉輸入反対闘争を
反自由主義・反政府闘争へ



日ごと発展・変化する闘い

 BSE(牛海綿状脳症)牛肉輸入反対闘争は時間がたてばたつほど拡散、発展している。5月1日、インターネットで「米国産牛肉の拙速交渉無効化特別法制定要求」の署名運動として始まった運動はソウルと各地域のキャンドル文化祭によって、「BSEの危機、米国産牛肉全面輸入に反対する国民対策会議」(以下、国民対策会議!1500団体が参加)の結成によって、青少年中心から大学、労働、農民、貧民など各界各層へと広がっている。
 この間、キャンドル集会の大多数を占めていた10代の青少年から20〜40代の青壮年層の参加がぐんぐん増えるとともに、民主労総および傘下組織もまたBSE牛肉輸入反対闘争に合流している。

反対闘争から
独裁打倒へ!

 BSE牛肉輸入反対闘争の燃えさかる炎を鎮めようとするイ・ミョンバク政府のあらゆる試みは全く効果を発揮できていない。初期の「不法厳重処断措置」、「捜査措置」の発表は、キャンドル集会の持続と広がりを阻むことができなかった。あげくにイ・ミョンバク政府は5月19日、米国との「牛肉の検疫主権の明文化」合意というギマン策と大統領の対国民謝罪を通して局面の転換を図ろうとした。だがむしろこのようなギマン策は逆に全民衆の心に一層火をつけただけだ。
 こうして今や闘争の様相は5月24〜25日を起点として全く異なった形へと変化している。25日、17回目のキャンドル文化祭には5万人余が参加し、キャンドル文化祭が終わった後、参加者たちが清渓広場から光化門交差点へとどっと繰り出すなど、初めて街頭に「進出」した。警察による暴力連行および鎮圧に抗して翌未明まで続けられた座り込み籠城と自由発言において、今や集会参加者たちの要求は「交渉は根本から無効」「長官告示の撤回」を超え「平和集会の保障」、「独裁打倒」にまで発展した。集会のシュプレヒコールは実に多様化した。
 BSE牛肉問題から「公企業の私有化」「健康保険」問題など、イ・ミョンバク政府の政策全般に対する反対の声がわき起こった。25日には全州のイ・ビョンニョル同志が「BSE牛肉輸入反対」と「イ・ミョンバク政権打倒」を叫んで全身に火をつけて抵抗した。そして28日の長官の輸入告示以降は連日、闘争の人員が拡大し、31日には10万人が雲集して警察の阻止線を破って青瓦台(大統領府)前まで進出、警察の放水攻撃と夜を徹して対決し朝まで闘争を展開した。非暴力平和デモを展開していた市民たちに対する警察の暴力は、まるで戦場をほうふつとさせるものであって、これはさらに巨大な大衆の怒りと抵抗を作り出すだろう!

政府の強硬弾圧の意図

 5月24〜25日を起点として米国産牛肉の輸入反対闘争が新たな様相を示し始めると、政府は旧時代的なファッショ的弾圧を一層強化している。
 集会を暴力的に鎮圧して数百人を連行し、主導者を拘束するとの方針を決めた。ハン・スンス国務総理は5月27日の国務会議(閣議)で「不法暴力デモに対しては法と原則に則り厳正対処する」ことを明らかにし、大検察庁(最高検)公安部長の主宰で「公安対策会議」を2年ぶりに復活させた。警察もまたインターネット・カフェ・サイトと国民対策会議を含め、キャンドル文化祭を主催してきた5つの団体の代表および関係者たちに対する捜査に着手した。
 「政府は検疫主権の強化、原産地表示の拡大など国民の不安を解消するために最善の努力を傾けてきた」(ハン・スンス国務総理、5・27国務会議での発言)とし、全国民の抗議の声に全く耳を傾けないまま、旧時代的なファッショ的公安統治へと回帰している。

労働者と諸階層と
の合流を恐れる

 まず、BSE牛肉輸入反対闘争が「4・15学校自律化措置」、「医療保険の民営化」、「公企業の改革」(公共部門の私有化および構造調整)、「水自由化措置」(水道事業の構造再編・水産業の育成・水産業支援法の制定)、韓米FTAに対決する闘争へと結びつき拡散するのを阻むためだ。BSE牛肉輸入反対闘争の気勢を確実にへし折ってこそ今後の新自由主義構造調整・私有化政策を確実に押しつける条件や自信感を確保できるのだ。

 次に闘争の水位が「イ・ミョンバク政府退陣・打倒」にまでかけ上がるのを阻み、闘争の隊伍が全階級・階層に一層拡大すること、特に労働者階級の組織的な闘争結合を断ち切るためだ。すでに民主労総および傘下の大衆組織がBSE牛肉輸入反対闘争に組織的に乗り出すことを決議しており、公共部門の私有化・市場化と対決する公共部門労働者の闘争が始められた日が5月24日だという点が、これを示唆している。

再交渉か交渉の無効化か?

野党と国民対策
会議は再交渉

 民主党、民主労働党など野党は「再交渉」を基調とした要求案を準備し、5月13日「特別法」(BSEの危険牛肉の輸入および流通制限などについての特別法)を発議した状態だ。特別法の主たる内容は輸入および流通対象を30カ月齢以下の牛から特定危険物質と骨などを除いた精肉などと厳格に規定し、輸入および流通中断のパターンを厳密に規定するものだ。
 民主党、民主労働党はノ・ムヒョン政権の時節に合意した内容を基準とした「再交渉」を、進歩政党はEU・日本の交渉文を基準とした「20カ月の月齢制限、骨のない精肉」としていて視角の違いを見せているものの、全般的に再交渉に焦点を合わせているという点において違いはない。民主労総および国民対策会議もまた大同小異であるうえ、「BSE牛肉の無効化および再交渉」と「BSE予防のための特別法制定」が主たる要求だ。

再交渉は健康権
生存権を守れない

 再交渉を通じた特別法制定の要求はBSE牛肉の危険から国民の健康権を守る根本的予防策とはなりえない。
 第1に、輸入・流通の対象から動物性飼料を食べていない牛、年齢把握が客観的に証明された牛というのは客観的証明が難しいばかりでなく、30カ月齢以下の牛が安全だとの保障もないからだ。
 第2に、米国産BSE牛肉の輸入自体は米国の超国籍(多国籍)農畜産資本の利潤極大化のために、韓国畜産農家を没落させる一方、国民の基本的健康権(生命権)をはく奪するやり方であるからだ。今回の米国産牛肉輸入交渉の過程で韓米両局に強大な影響力を行使した肉牛牧畜協会(NCBA)は米国内の農場主連合団体として多様な牧場主を包括しているが、その中には大農場だけではなくカーギル、タイスンのような多国籍巨大企業をも会員として包括している。
 この多国籍巨大企業が肉牛牧畜協会を左右するだろうことは明らかだ。結局、韓国畜産農民の生存権や国民の健康権を超国籍農畜産資本の利潤に売り渡すものなのだ。
 第3に、米国産牛肉の輸入再開は「韓米FTA締結」と密接にからみ合っている。すでに05年にノ・ムヒョン政権は「韓米FTAの4大先決条件」のひとつとして米国産牛肉の輸入再開を決定した経過がある。だが以降、06年の検疫過程で骨片が検出されるとともに米国産牛肉の輸入が中断され、韓米FTAが韓国と米国の両国ともに国会批准の手順だけが残っている状況にあって、今回の韓米牛肉交渉の妥結は韓米FTAの速やかな処理のための、両国政府間に合意されたカードと見ることができる。
 もちろん最近、米国民主党の大統領予備候補であるオバマが「韓米FTAに反対する」と主張するとともに米国内での年内批准の可能性が怪しくなり、その結果「韓国の牛肉輸入開放は韓米FTAの米議会での年内批准のための措置」だとする政府の立場の説得力が色あせることになるばかりだった。

 それにもかかわらずイ・ミョンバク政府は米国議会を圧迫するためにも、先ず韓国国会において韓米FTAを批准しなければならないとの立場を曲げることができないのだ。現在、「牛肉の再交渉なしにはFTAの締結はない」との野党の立場によって韓米FTAの国会批准に障害が生じたけれども、「再交渉」を通じて米国産牛肉の輸入ならびに流通制限規定が強化されるならば、韓米FTAの批准は重要な障害を取り除いたことになる。もちろん「再交渉はない」との政府の強硬な立場が変わる可能性は大きくはないが、再交渉と特別法制定は韓国内で韓米FTAの国会批准のための中間手続きとなるだろう。
 したがって超国籍農畜産資本の利潤欲から国民の健康と畜産農家を守るために、韓米FTAの国会批准を阻むための重要な闘争として、再交渉でなく「交渉自体の根本的無効化」闘争を通して米国産牛肉の輸入を完全に阻止しなければならない。


イ・ミョンバク政権打倒へ

 現在、BSE牛肉反対闘争は「再交渉、特別法制定」として表現されているが、実際に大衆はBSE牛肉反対闘争を乗り越えて教育、医療などイ・ミョンバク政府の政策全般に対する問題提起を行っている。
 キャンドル・デモを主導した10代たちの怒りは4・15教育の自律化措置と連動しており、最近発表された医療民営化もまた「健康権」と連関し、BSE輸入牛肉反対闘争と内容的に結びついている。つまり発表される公共部門の私有化もまた超国籍国内外資本のどん欲な利潤の場保障のために医療・健康権など公共サービスを放棄しているという点において、これはBSE闘争と結びつく。すなわち国内外の超国籍資本のどん欲さだけを充たすために国民の基本権である教育権、健康権、公共サービスを攻撃しているイ・ミョンバク政権の政策と正面から対決しつつ、反イ・ミョンバク戦線へと拡大している。
 これに加え、イ・ミョンバク政権の初期の対応(背後操縦説、不法厳重処罰などの措置)がむしろ大衆の怒りと反発を生み、「平和集会の保障」「独裁打倒」「イ・ミョンバク退陣」というスローガンが出ていることから分かるように、今や闘争の隊伍は民主主義の後退への糾弾と「政権打倒」のイシューにまで駆け上がっている。

韓米FTA反対
闘争との結合を

 現在の闘争は「広範で自発的な大衆闘争」という長所にもかかわらず、BSE牛輸入反対闘争が新自由主義・韓米FTA反対闘争へ今なお完全には転換できていない。
 これは「反イ・ミョンバク」のスローガンの下、保守野党勢力まで含んでいるBSE牛肉輸入反対の共同戦線が、保守(新自由主義)政治勢力によって引き裂かれかねないことを意味する。「牛肉での再交渉なきFTA締結はない」という民主党は既にノ・ムヒョン政権時代に米国産牛肉の輸入を再開した張本人であり、韓米FTA締結の先鋒に立った新自由主義勢力であって、現イ・ミョンバク政権と根本的な違いはない。
 そのうえ彼らは現在のBSE牛肉輸入反対闘争が公共部門の民営化反対、韓米FTA反対闘争および民主主義の後退に対する闘争と結合・発展することを、イ・ミョンバク政府に劣らず恐がるだろう。したがって、野党が闘争過程において行う一切の攪乱要因を阻みつつ、BSE牛肉輸入反対と韓米FTA反対闘争を結合させ、公共部門の自由化・市場化阻止闘争へと発展させることが極めて重要だ。

いかに闘うべきか?

 第1に、BSE牛肉交渉の根本的無効化、米国産牛肉輸入反対の基調の下、牛肉交渉と韓米FTAは密接に連動していることをさらに広く知らせなければならない。
 こうしてBSE牛肉の輸入には反対し「韓米FTA」には賛成する民主党など野党の奇怪な論理の虚構性を暴露し、BSE牛肉輸入反対が実質的な韓米FTA国会批准反対闘争へと結びつくことができるようにしなければならない。

 第2に、5月28日の長官告示はBSE闘争局面の重要な分岐点となった。31日の集会が示したように大衆の怒りと闘争の熱気は決して冷めることを知らず、一層高まりゆくばかりだ。
 キャンドル集会を一層拡張し、この闘争を地域と現場に拡大させるために努力しなければならない。
 すでにキャンドル集会が進んでいるすべての所においてキャンドルの火が消えないようにし、BSE闘争とは異なる闘争の事案(公共部門の私有化・市場化)が密接に結びついていることを伝えなければならない。またこれまでキャンドル集会が実現されていない地域では、地域闘争を作り出していかなければならいない。
 現在、BSE問題および公共部門の私有化・市場化、韓米FTA問題をもって討論を積極的に組織し、この結果として現場の大衆がBSE闘争をはじめとするイ・ミョンバク政府の新自由主義政策と対決して闘争の主体として踏み出すことができるように積極的に努力しなければならない。一方、政府の公安政局のあおりたてに対して強力な対応闘争を展開しなければならないし、警察の暴力によって民主主義をじゆうりんしている現政権に対する大衆的公憤を一層高めていかなければならない。また民主労総の運送阻止闘争と積極的に結合し、労働者たちの底力を見せつけなければならない。
 今こそ、この闘いはBSE反対闘争から公共部門の私有化に反対する労働者・民衆の連帯闘争、イ・ミョンバク政権に対する反対闘争へとさらに拡大されなければならない。

 第3に、イ・ミョンバク政府が最も恐れているのは労働者階級が闘争の中心に立つこと、そしてBSE闘争が韓米FTA反対、公共部門の私有化・市場化阻止闘争と結合してイ・ミョンバク政府の新自由主義戦略にブレーキをかけることだ。労働者階級が先頭に立って「BSE牛肉輸入反対闘争」と「韓米FTA阻止闘争」を結びつけ、「公共部門の私有化・市場化計画」を阻止しぬき、全民衆的「反新自由主義・反イ・ミョンバク政府」の闘争戦線を力強く切り開いていこう。
bBSE牛肉輸入強行、韓米FTA強行のイ・ミョンバク政権を追い出そう!
b公共部門の私有化を図るイ・ミョンバク政権を退陣させよう!
b韓半島大運河を進めるようとするイ・ミョンバク政権を打倒しよう!
(「労働者の力」第145号、08年6月3日付、チャン・ヘギョン/政策教育1委員長)


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