| 東京高裁の報復的暴挙に抗議 かけはし2008.6.23号 |
怒りの控訴審判決報告集会
市民を守る弁護士を市民が守る死刑廃止運動を発展させよう |
安田弁護士は
絶対に無実だ
六月十四日、文京区民センターで「怒りの控訴審判決報告集会」が、市民を守る弁護士を市民が守る 安田さんを支援する会の主催で開かれた。
控訴審判決の解説を岩井信弁護士が行った。
「今回、東京高裁は逆転の有罪判決を下した。判決は罰金五十万円、未決勾留日数のうち(勾留は二百日を超えていた)、一日を一万円とし算入するとしてすでに支払ったことになった。無罪が有罪という逆転敗訴のもし理由があるとすれば、それは東京高裁だからと言うしかない。最初に結論ありきで、全体の動向の中で判決を出す。裁判は、事実を認定し、どういう事実を引っ張ってくるかによって、有罪・無罪が決まる。経済犯の場合、今までみんながやっていたことが犯罪になる。分かりにくい境目が有罪になる。例えば、立川反戦ビラ事件や学内でデモをしただけで逮捕されていく事件などだ。日常あったことが犯罪とされる時代になっている」。
「事件は十五年前に起きたが一九九八年十二月逮捕。二〇〇〇年四度の保釈請求(地裁が三度まで許可したにもかかわらず、高裁が棄却した)によって保釈。〇四年、一審は完全無罪判決。〇八年四月二十三日、逆転有罪判決。実体のない会社を間に入れて、差し押さえをしにくくした。その強制執行妨害を安田さんが指南したという罪だ。今まで、こうした事例で逮捕・起訴されたことは限りなくなかった。一歩踏み込んできた。一審の争点は妨害の目的があったかどうか、共謀があったかどうかだ。証拠は共犯の証言しかなかった。共犯とされる供述の信用性が問われた。共犯とされる者は罪を軽くするために他人に責任を転化しようとする。えん罪事件の典型的なものであった。高裁は共犯者の供述を採用してきた」。
「一審の無罪判決は起訴前だけではなく、起訴後について誤解を招くような証拠を出してきたと捜査機関を批判していた。三百%勝たなくてはならなかった。犯罪をねつ造した経緯を明らかにしないと勝てない。一審で勝ちすぎて逆バネが働いた。高裁判決は共謀の認定をし、犯意を認めたが、正犯ではなく幇助犯とした。しかし、スンーズが中心で安田さんではなかった。安田さんは実行行為に関与していない。対象物件の選択に関与していない。助言によって実質的利益を得ていない。この事件では一切報酬をもらっていない。安田さんは完全に無罪である」。
光事件の死刑判決
をひっくりかえす
次に、ジャーナリストの魚住昭さんが「検察が狙うもの―安田裁判の問題性」を明らかにした(別掲)。
続いて、安田弁護士自身が今回の判決について語った。
「判決前にコメントを求められた。私は妥協判決が出るだろうと予想した。高裁で終わりにしたいと幕引きをやった。東京高裁は司法官僚がいる場所だ。地方裁判所の長官が東京高裁の裁判官になる。国家のやることの過ちを認めない、先例を踏襲する、必ず上を立てるという官僚の発想しか持っていない。高裁は本質を見落とし、決定的な過ちをしている。検察は上告しないだろうと理解していた。しかし、検察は幕引きすることなく、私の弁護士資格をはく奪するために上告した。最高裁では破棄差し戻しし、もう一度事実調べを行うことも可能だ」。
「別のスンーズの判決で安田は共犯であったことが最高裁で確定している。この最高裁判決の上での今回の高裁判決だ。今後何をやっていくのか。なぜ横領したのか、事件の真相を明らかにする。妥協判決のいいかげんさを明らかにする」。
「四月二十二日、光事件で死刑判決が出た。私は死刑判決が出ないと自信をもっていた。客観性を失っていた。最高裁は高裁の無期懲役を破棄差し戻した。実質死刑判決だった。しかし、事実が違えば、死刑判決を書けないと考えた。広島高裁は証拠を全部採用し、証人尋問を行った。少年は十八歳一カ月であった。今まで、十八歳の少年が死刑になったことはなかった。少年の殺人事件は三十年前に比べて四分の一に減っている。なぜ、少年犯罪が減ったのか世界から注目されている。死刑を拡大していく理由がない。判決では十八歳に死刑判決を行うことに考慮する必要はないとした。しかし、自我が芽生えてから数年しか経っていない。父親の虐待、母親を亡くしている。実行行為が違う。こうしたことを考えればおとなと同じ処罰はできないはずだ。少年の未熟さ、鑑定人の証言を裁判所は考慮しなかった。ただ最高裁の結論に従っただけだ」。
「横領事件があったとされた日、一九九三年二月十九日、永田・坂口連赤事件の上告審の判決があった。その年の三月二十六日、後藤田法務大臣が死刑を再開した。十一月、七人が死刑執行された。そして、今年一人の法務大臣が十人死刑執行した。さらに三人を執行するだろう。死刑執行は拡大の一歩をたどっている。光事件の判決の後、インターネットで世論調査をしたら、八七%が判決を妥当とし、おかしいとの答えは三%だった。死刑という暴力が拡大し、命の大切が失われていっている。光事件の死刑判決を最高裁でひっくり返し、死刑拡大の風潮を押し止どめたい。私はこれからも闘っていきたい」。
発言の後、質疑応答が行われ、安田裁判のいっそうの支援と死刑廃止運動を盛り上げようと確認して集会を終えた。 (M)
魚住昭さんの講演から
警察・検察の筋書きは完全に崩れている
高裁の原審破棄の判決を聞いた時、「勝ったんだ」と思った。妥協的判決を書かせた。弁護士資格を剥奪できなかった。十年前逮捕の時、人権派弁護士の仮面かぶった悪徳弁護士とマスコミがキャンペーンした。それを見て、弁護士が金銭トラブルに巻きこまれたと思った。しかし、最高刑でも懲役二年なのに、勾留が十カ月に及ぶにおよんで、おかしいという疑問が芽生えた。釈放後の安田さんは「オレはあんなへたなことしないぞ。同じやるなら、もっとうまくやる」と言っていた。賃料の振込先を変えるだけでは一カ月くらいしか時間稼ぎができないはずだ。そんなことをするだろうか。
第二の疑問は、真相の事実を知ったのはY子の横領の事実が発覚し、正体がハッキリ分かった。拘置所の独房でスンーズの会計帳簿を調べていた安田が巨額の使途不明金を見つけた。帳簿をつけていたのは古参経理係Y子だった。法廷で弁護団の追及に、社長に内緒で経理を捜査し、浮かせたカネを隠し口座に貯めていたことを認めた。その額は「賃料隠し」の額とほぼ同じ二億一千万円。Y子は一九九七年に全額を下ろして貸金庫に隠し、翌年の退職時に古参社員四人で分配していた。業務上横領と言われても仕方がないことを行っていた。
捜査当局はスンーズ関係口座を調べるうちに「隠し口座」から二億一千万円が消えているのを発見していた。それを安田と社長が工作して隠したと誤認した。しかし、Y子は社長逮捕の直後の警視庁の聴取に対して「横領」の事実を告発したと法廷証言した。警視庁はこの事実を伏せたまま捜査を続行した。本来なら、ここで捜査をご破算にすべきだった。なぜなら、安田さんの「賃料隠し(強制執行妨害)」が成立しなくなるからであった。
警察に都合がよかったのは、強制執行妨害罪は隠匿の目的だけで成立させることができるから、それを悪用した。
形式は有罪だが
実質は無罪判決
しかし、警察・検察には四つの誤算があった。@二億円をふせておくことができず、証言で明らかになったA安田逮捕によって、港合同法律事務所がつぶれると思ったが全国の支えで存続できているB全国の弁護士が支援した。一審の段階で千七百人の弁護士、高裁段階で二千百余人の弁護団が結成され支援している。弁護士たちにとって、今回の事件がどれ程日常業務にかかわるかということであり、これが有罪とされると弁護士稼業が成りたたなくなる問題だということ。さらに安田さんの弁護士としての活動の重みであり、尊敬されていたからだC東京地裁裁判長がまれにみる良い裁判長であったこと。完璧の無罪判決で、奇跡の判決と言ってよい。
東京高裁は日本の司法を凝縮したようなおかしな裁判所だ。検察に都合の良い判決を繰り返し出している。最初に犯罪を認め、有罪として検察に勝たせた。しかし、それだけでは弁護士会の反発がものすごいから、幇助を持ってきて罰金刑とした。弁護士資格を剥奪できなかったということでは実質無罪の判決だ。十年間にマスコミや世論が司法に対する評価が変わった。検察や裁判所を批判する、悪口をいう記事がたくさん載るようになった。私に「週刊朝日」が五月九日号に、安田事件について記事を書くように依頼があった。これは「週刊朝日」が安田事件はえん罪であると考えているからだ。他のマスコミも分かっている。こうした流が出来たのが安田事件だ。形は有罪だが実質無罪だ。(発言と「週刊朝日」の魚住さんの記事を参考にしてまとめた。文責編集部)
光輪モータース闘争
「倒産なんかに負けない」と支援との団結打ち固める
資産を隠して逃
亡した社長一族
六月十二日、台東区民会館で「光輪モータース闘争`倒産なんかに負けないa総決起集会」が光輪モータース闘争支援共闘会議主催で開催され、支援労組を中心に三百人以上が集まった。
東京東部労組岸本委員長が「四月二十四日に光輪モータースは倒産した。十二年前に働きやすい職場を目指して組合を結成して、ワンマン若林社長と対決してきた。ついに、若林社長は逃亡した。組合はあわてることなく、新しい道に進んでいる。最後まで支援しよう」と開会のあいさつをした。
次に、支援共闘議長の中岡全労協事務局長が主催者のあいさつを行った。
「若林社長は儲かってしようがない会社の社長として『日本の社長』というテレビにも出た。その一方で、忌引きもとれない、残業代も出さない程に、労働者をこき使ってきた。組合は労基法を守ってくれと要求して闘ってきた。しかし、若林社長は労組つぶしに血道を上げた。十年前に支援共闘を結成した。解雇を連発し、石上書記長に対して、全治三カ月の重傷を負わせる暴力事件も起こした。若林は経営をまともに行わず逃亡した。バブル期に、みずほ銀行は百四十億円融資したが、そのカネがどこにいったかわからない。職場を守る厳しい、新たな事業展開の闘いに入っている。みんなの協力なくして、勝利はない」。
続いて、経過報告を当該と弁護団が行った。
「千五百万円の家賃の滞納ということで破産手続きが地裁によって認められ、破産管財人が指定された。光輪モータースの関連会社が三社あり、破産回避は可能であった。若林社長は資産を隠して逃亡した。光輪モータースと関連三社に対して、雇用の継続を求めている。長野などで隠し在庫が見つかっている。四月末の賃金が支払われなくなったので、在庫処分セールを行い、生活を維持する闘いに入っている。若林一族を追及するとともに、何とか新しいオートバイ屋として再建したい」。
韓国シチズン
から支援要請
参加した労組から心のこもった連帯あいさつが行われた。全労協藤崎議長、東京全労協、東部全労協、東京清掃、台東連絡会(郵政ユニオン)、全石油シェル労組、電通労組、東水労青年女性部長、埼京ユニオン、東京東部労組、全国一般全国協遠藤書記長、ネットワークユニオン、NTT関連合同労組木下さん、千代田学園労組、荒川区労評、荒川区職労白石書記長、電検労、自主生産ネットワーク、全国一般南部、公共清掃労組、下町ユニオン、中小政策ネット、郵政ユニオン、全日建運輸連帯労組、国労闘争団、神奈川シティユニオン、東京労働安全センター、全統一東京地方支部、千葉支部。
四月二十四日のシチズン資本の撤収に抗して、偽装売却撤回、雇用確保を求めて来日遠征行動を行っている韓国シチズン精密労組が経過報告と闘争歌を歌い、支援要請を行った。全統一鳥井書記長が「これからの闘いの基調」を提起した(別掲)。続いて、光輪モータース分会全員が壇上に並び大原分会長が決意表明を行った。
「完全な偽装倒産である。バイクハンズが七億円、ロッカールームが三億円で売り手が決まっていて、その売却金が若林の懐に入ることになっている。二千七百万円の未払い賃金があり、昨年解雇撤回し職場復帰した割田さんに対して、経理上は復帰したとなっていない。若林社長に責任をとらせなければならない。上野の地でバイク屋をやりたいが簡単ではない。支援は減ることはない。これからもしっかりやっていきたい」。
最後、参加者全員で団結がんばろうで今後の支援の決意を固めた。
光輪モータースは上野駅浅草口一分のところの、多くのバイクビルのあるバイク店街にある。金・土・日には格安セールを行っている。ぜひ、行って支援をしよう。さらに、支援共闘でカンパを呼びかけている。(M)
b「倒産なんかに負けない!支援」カンパ 個人一口1000円 団体一口5000円 カンパ振込み先 「光輪モータース闘争支援共闘会議 鳥居一平」郵便振替 口座番号 00160―4―541408
全統一鳥井書記長の報告
多くの仲間を勇気づけた光輪モータースの闘い
暴力的組合つ
ぶしに抗して
一九九六年六月、組合を結成し組合員は九十人になった。しかし、組合つぶしが猛烈に行われた。九九年、山下さん解雇。撤回させる。二〇〇〇年、石上書記長に覆面をした四人組が両手・両足を鉄パイプでメッタ打ちにする衝撃的な事件が起こる。〇四年、割田さん解雇。撤回・職場復帰。裁判所や労働委員会に申し立てをして闘ってきた。若葉社長は団交に最初二回出てきただけで、後は顧問弁護士にまかせっきりだった。しかし会社で、個人的には組合つぶしを常に行ってきた。その結果倒産だ。追撃戦を行っていきたい。
会社があって闘うのと違って倒産は職場がなくなってしまうことだ。今までと違いたいへんな闘いだ。次の団結をどうつくっていくのか大きな課題だ。金曜日から日曜日までセールをやっているが、売ってしまえば終わってしまう。それぞれの道もある。悩み考えながら闘っていきたい。関連会社三社が残っているし、資産も残っている。
倒産攻撃の中
から新しい団結
組合の闘争は何をつくり出してきたのか。
多くの仲間と出会ってきた。組合員が強くなってきた。他の組合に勇気を与えてきた。一九九五年以後、光輪労組は韓国シチズン、韓国ヤマモトそして、外国人研修生問題など倒産闘争、職場占拠闘争を光輪の職場を提供しながら、寝食を共にして闘う経験をしてきた。若者が労働組合に集まった。労働組合は結構良いのではないか、と労働組合の価値を明らかにしてきた。労働組合の社会的役割を果たしてきた。新しい闘いのスタイルも工夫してきた。
今後、倒産との闘いの中で新しい闘い、次の団結をつくりだしていきたい。若林一族にはきっちりとけじめをつけさせる。さらに、みずほ銀行の責任を追及する。六月二十六日のみずほ銀行の株主総会に抗議行動を行う。(発言要旨、文責編集部)
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