| 平和フォーラムや市民団体が集会 かけはし2008.6.23号 |
自衛隊イラク派兵は違憲だ
日米軍事一体化に反対しよう |
原子力空母横須
賀母港化阻止へ
六月十二日、総評会館で「自衛隊イラク派兵は違憲だ! 日米軍事一体化に反対する6・12集会」が集会実行委員会(平和フォーラム、許すな!憲法改悪・市民連絡会、憲法を生かす会、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、平和を実現するキリスト者ネット、平和をつくり出す宗教者ネット)が主催し、WORLD PEACE NOW協賛で開催され、二百五十人が参加。
藤本泰成さん(平和フォーラム副事務局長)が「四月十七日、名古屋高裁が出したイラク派兵違憲判決はこれまでにない画期的なものであった。小泉、安倍政権が進めた憲法改悪、イラク派兵に対する痛烈な批判である。この判決をどのように社会に生かすかが問われている。七月十九日、横須賀で米原子力空母母港化阻止一万人集会を開催する。共に動き、平和をつくり出そう」と開会あいさつを行った。
次に、那谷屋正義さん(民主党、参議院議員)と福島みずほさん(社民党党首、参議院議員)が国会報告を行った。さらに、参加した社民党の又市征治議員、辻元清美議員が連帯あいさつを行った。
神奈川出身の那谷屋さんは「福田内閣に対して、参議院で問責決議が上がった。国民に信を問うために解散・総選挙を行うべきだ。政府は今回の判決を傍論だといい、憲法を勝手に利用し、さらに憲法改悪をねらっている。横須賀を母港として配備しようとしている米原子力空母が火災を起こした。しかし、政府はアメリカべったりで何もしようとしない。こうした動きを絶対に許さず平和憲法を守ろう」と訴えた。
福島みずほさんは「名古屋高裁判決にすごく励まされている。判決は政府のイラク派兵を違憲とするとともに、国民は現在イラク戦争に加担しているとした。ボールは国会と国民に返された。憲法改悪をめぐる二つの動きがある。@設置された憲法審査会を動かす規則をつくろうとしているA中国被災支援ということで自衛隊機が行こうとしたが中止になってよかった。政府は自衛隊をいつでもどこにでも派遣できる恒久法をつくろうとしている。これを止めていかなければならない。沖縄県議選で与野党が逆転した。流れが変わった。今度は勝つ番だ」と決意表明した。
名古屋高裁判決
の画期的な意義
続いて、訴訟団の池住義憲さん(自衛隊イラク派兵差止訴訟の会・代表)が「自衛隊イラク派兵違憲判決」「画期的判決」という勝利判決当日の垂れ幕を掲げながら報告した。
「バクダッドは戦闘地域であり、航空自衛隊の空輸作戦は憲法九条違反であるという画期的判決だ。市民平和訴訟は砂川闘争など、長く蓄積されてきた闘いである。今回の判決は提訴しなければなかったものであり、闘って勝ちとったものだ。一審は門前払いのひどい判決だった。朝・夕にハンドマイクで裁判所に抗議した。そうした持続的な闘いの積上げによって獲得できた判決だ。今回の判決で重要な点が二つある。@政府と国会認識を厳しく問うている。それは自衛隊がイラク戦争に参戦中で憲法九条が否定されているということだ。主権者に対して、どうするか問うているA平和的生存権の侵害であるとしている。これは政府の違憲行為を裁判にかけ、補償や救済の対象になるということだ。私たちは違いを超えて三千二百六十八人の原告団を組織した。違法行為をやめさせるために何をするかが問われている」。
弁護団事務局長の川口創さんが判決の内容に立ち入って報告した(別掲)。前田哲男さん(軍事ジャーナリスト)が「自衛隊と違憲訴訟」の歴史的経緯を説明した。次に、呉東正彦さん(原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会)が横須賀米空母母港化阻止運動を報告し、七月十九日一万人全国集会への参加を呼びかけた。木村辰彦さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が「今後、辺野古新基地建設で海上埋め立てには県知事の認可が必要になる。沖縄県議会選で与野党逆転を勝ちとったので、新基地建設はきわめて難しくなった」と報告した。
集会アピールを採択し、鈴木玲子さん(平和を実現するキリスト者ネット)が「フィリピンには平和憲法があるが、米軍の基地のようにされ、政府や資本・地主に歯向かう者は殺されていっている。日本がそうならないようにと、フィリピンの友人に言われた。今日の集会で私たちはそうした社会にならないように決意した。がんばろう」と閉会のあいさつを行い、集会を終えた。名古屋高裁判決を生かす行動をつくりあげよう。(M)
川口創弁護士の報告
判決の成果を生かす学習会運動を全国で
4・17違憲判決の真髄。ファルージャやバクダッドでの米軍の掃討作戦の実態を克明に認定した。
「クラスター爆弾並びに国際的に使用が禁止されているナパーム弾、マスタードガス及び神経ガス等の化学兵器を使用して、大規模な掃討作戦が実施された。残虐兵器といわれる白リン弾が使用されたともいわれる。これにより、ファルージャ市民の多くは、市外へ避難することを余儀なくされ、生活の基盤となるインフラ設備・住宅は破壊され、多くの民間人が死傷し、イラク暫定政府の発表によれば、死亡者数は少なく見積もって二千八十人であった」。
自衛隊の輸送対象の大多数が武装した多国籍軍(主にアメリカ軍)の兵員。二〇〇七年になってからバクダッド等の都市への掃討作戦が一層激しくなった。この一年間のイラク国内の空爆は千四百四十七回。前年の六倍になる。イラクは泥沼化した戦争の状態と認定。バクダッドは、「戦闘地域」と認定。空自がバグダッドに送り込んだ米兵が、イラクの子どもたちを含む多くの民間人の尊い命や生活を今もなお、奪い続けている。空自が行っている活動は、「武力行使」すなわち実質的な「戦争」に他ならない。これが憲法九条一項違反。
判決は平和的生存権の具体的権利性を肯定した。
戦争ではまず少数者、弱者がその人権、命を奪われる。「人権」とは、政府や多数者にも侵されない権利。少数者が戦争を食い止める可能性を認めた歴史的大転換。しかも、「憲法九条に違反する戦争の遂行等への加担・強制される場合、効果として、「差止めむも可能と判断。政府がもう一歩酷いことをすれば、私たちは「平和的生存権が侵害された」と訴えることができる可能性を大きく広げた。
違憲判決の要因。無法なイラク戦争に日本は加担し、すでに戦争をしてイラクの無辜の市民を殺しているに等しいのだ、という怒りと悲しみが裁判官を動かした。さらに、着々と進む米国の下請け部隊化。派兵恒久法などの深刻な動きを裁判官に伝え続け、職責を果たすときと訴え続けたことに応えた。
全国各地で弁護士による判決報告会を計画し行っている。その数はすでに百四十を超えている。小さな勉強会が水脈となり、平和を実現し、政治を動かす力にしたいからいだ。会場費と弁護士の交通は負担。講演料は不要。五〜十人でも行く。この場合は交通費負担についても相談に応じる。FAX052―781―4334。(発言と出されたレジメをもとに、編集部でまとめた。文責編集部)
5.3憲法集会実が院内集会
自衛隊海外派兵恒久法と憲法審査会始動止めよう
「5・3憲法集会実行委員会」は六月九日午後三時から衆院第二議員会館で「自衛隊海外派兵恒久法と憲法審査会始動に反対する院内集会」を開催した。
第169通常国会の会期末を目前にして、派兵恒久法案の策定に向けて与党ブロジェクトチーム会合が急ピッチで開催され、陸上自衛隊のアフガニスタン派兵やスーダンPKO派兵の話も出され始めた。また昨年五月に改憲手続き法が成立して以後、参院選での与党大敗、安倍前首相の辞任などを経て、一年たった今でも止まったままの憲法審査会を始動させ、改憲論議を再度軌道に乗せようという動きが民主党をも巻き込んで始まった。
この日の集会は、そうした流れに反撃するために緊急に準備されたものである。集会には百人が参加した。
事務局の高田健さんが主催者あいさつを行い「世論調査での改憲支持の後退、四・一七名古屋高裁での空自イラク派兵違憲判決などへの焦りから、改憲派のあがきが強まっている。臨時国会を例年よりも一カ月早く八月末に召集するという話が出るなど、派兵恒久法案を次期国会で成立させようという流れが作られつつある。こうした動きに歯止めをかけよう」と述べた。
続いて野党国会議員の発言。日本共産党の笠井亮衆院議員は「船田元や中山太郎ら、自民党憲法調査会の幹部は『このままでは憲法の話が消えてしまう』と危機感をあらわにしている。五月二十三日から始まった恒久派兵法に向けた与党プロジェクトチームの会合が週二回のペースで行われており、今国会中にも法案をまとめたいとしている」と国会情勢を報告した。
社民党幹事長の重野安正衆院議員は「昨年の改憲手続き法成立以後、三年たてば改憲発議も可能となる。そのために改憲準備をやっておかねばならないというのが改憲派の意向だ。昨日の沖縄県議選で野党が勝利したが、この流れを院内に波及させたい」と語った。続いて共産党の佐々木憲昭衆院議員、社民党の菅野哲雄衆院議員、共産党の井上哲士参院議員も発言した。
恒久法のねらいと
イラク派兵違憲
続いて自衛隊イラク派兵差止め訴訟弁護団事務局長の川口創弁護士が「イラク派兵名古屋高裁判決と派兵恒久法」と題して報告した。
川口弁護士は、四月十七日の空自イラク派兵違憲判決を出された要因として@自衛隊が現にイラクで参戦し続けているという事実を突きつけたことA三千人の原告の陳述書として表現された世論の声が判決文に表現されたことB海外派兵と改憲・戦争国家への激流の中でイラク派兵が果たしている決定的役割を果たしていることを訴え続けたことCイラクの一人の子どもたち命の問題として問題を提起した姿勢が判決に結びついていること、とまとめた。
今回の判決が、派兵恒久法が提出される情勢の中で出されたことは決定的であり、派兵恒久法が成立すれば今までの自衛隊の「安全確保支援活動」が「安全確保活動」という直接の戦闘行動に転化することになると語った川口弁護士は、「判決文は政府の情報不開示にも厳しい姿勢を取っている。それは政府の国際貢献・国際協力という主張が嘘であることを示し、国民に対していい加減だまされるのはやめよう、と訴える判決だ」と強調した。
川口さんは最後に「イラク特措法の延長はもはや不可能だ。だからこそ派兵恒久法案の策定が急がれている。今回の違憲判決を派兵恒久法反対の運動へと広げていこう」と力強く訴えた。 (K)
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