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六ヶ所再処理工場本格稼動阻止へ            かけはし2008.6.23号

G8エネルギー相会合に向けて
STOPロッカショのアピール


反核・自然エネル
ギー団体が結集

 六月七日から八日にかけ青森市内で開催されたG8エネルギー相会合に対し、自然エネルギー団体によるシンポジウムや反核団体を中心としたさまざまな行動が取り組まれた。
 市民風車事業などを展開するNPOグリーンエネルギー青森は六日、グリーンピース・ジャパン、環境エネルギー政策研究所、自然エネルギー市民の会と共催で、シンポジウム「地球温暖化はこうすれば避けられる」を開催した。青森県反核実行委員会は四日〜六日の三日間にわたり、青森県庁正門前で、六ケ所再処理工場本格稼働の中止を求めての抗議の座り込みを行った。
 また、各地の市民運動団体も青森県や政府に対して、六ヶ所再処理工場の稼動中止を求める申し入れを行っている。青森や首都圏の新聞紙面へ意見広告を出す活動をしている岩手の市民グループは、青森駅前の市民市場周辺でチラシ配りなどのアピール行動を行った。

再処理はまだ
止められる!

 六月七日の原水禁や原子力資料情報室などで構成する止めよう再処理!全国実行委員会と青森県実行委員会の共催による全国集会を中心に、市民の手作りによるフリーマーケットやコンサート、八日のシンポジウムなどが加わり、多彩な催しが繰り広げられた。
 むつ湾に面した青い海公園で開催した「6・7止めよう再処理!全国集会」には二千名が集まった。六ケ所再処理工場をめぐっては、昨年末から高レベル廃液のガラス固化溶融炉が止まったまま、また使用済み燃料のせん断・溶解工程も四月十三日に起きた油圧ポンプの油噴出し事故以来ストップしたままだ。五月二十四日、変動地形学を研究する東洋大の渡辺満久さんが六ケ所核燃施設の下を既知の海底活断層とつながる活断層があることを発表し、全国の地方紙の一面を飾った。
 五月二十九日になりようやく、日本原燃は五月しゅん工を七月に延期すると発表。加えて、政府がG8関連行事として計画していた九日の六ヶ所村ツアーへの申し込み国が全くなく、中止が報じられていたことから、主催者関係のあいさつの語気も強まり、参加者には本格稼動阻止に向けた強いメッセージが伝わった。また、六ヶ所再処理工場に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークを代表して西日本をエリアに活動するグリーンコープ連合会長の吉田文子さんからは、グリーンコープ鹿児島から十五名が参加していることが報告されると、連帯の拍手が沸きあがった。
 市内デモはG8が開催されているホテル青森の手前約六百メートル手前の交差点を左折するコース。仮装や楽器などの鳴り物などで趣向を凝らした市民グループはこの交差点に差し掛かるといっそう盛り上がり、道行く青森市民に「再処理はまだ止められる」とアピールを強めた。

六ヶ所視察の
参加国はゼロ

 G8エネルギー相会合自体はどうだったのか。地球温暖化対策として、原子力の推進などを掲げた「青森宣言」を採択したものの、従来の域を出るものではなかった。そもそも、青森県が作成したG8パンフレットには原子力の記載がほとんどなく、参加者がゼロで六ケ所視察が中止になったことが象徴したように、参加国の多くは経済産業省の提案する「地球温暖化対策」には耳を貸さなかった。
 イギリスが原子力発電所の新規建設に向かう一方、再処理は行わないという政策を選択したように、再処理が商業的に成り立つという幻想を持つのは日本政府とフランス政府以外にはない。CO2の排出権取引や環境税の導入への取り組みを明らかにした福田ビジョンの発表が青森G8後であったことが示すのは、一方では経産省と電力会社をはじめとする産業界の抵抗が強いことを示している。
 六月十四日、六ケ所再処理工場ではせん断・溶解工程が再開された。岩手・宮城内陸地震のおよそ二時間後のことである。残る使用済み燃料は約七十五トンで、順調であればおよそ三週間で処理が終わる。半年間ストップしている高レベル廃液とガラスを混ぜ、ガラス固化体を製造する溶融炉の試験再開に向け、日本原燃は六月十一日に最終報告書を原子力安全・保安院に提出した。保安院は十三日に開催した審議会で検討したが再開するとの結論は先送りにしたが、この二十日に行われる予定のワーキンググループでの審議で再開の決断をし、再度開催する審議会でゴーサインを出すものとみられる。
 ガラス溶融炉はAとBの二系列があり、先行したA系列のトラブルで止まっていた。今回、保安院がゴーサインを出すのはA系列での試験再開であり、B系列での試験は、A系列での試験結果が「可」であった場合に限られる。各地の市民グループから審議会委員などへの働きかけにより、六ケ所再処理工場のガラス固化溶融炉は「優」「良」を出せる施設ではないことが明らかとなっている。半年前までの試験ではすでに六十体のガラス固化体が製造されたが、これを事実上認めた内容の報告書を試験再開のために日本原燃は提出せざるを得ない状況となっている。もし国が、AB両系列のガラス溶融炉の試験結果を「可」とし、本格稼動となった場合には、再びガラス溶融炉のトラブルによって長期の運転中断が必至である。

試験強行・本格
稼動ヘ進む政府

 青森G8後の試験再開の強行と本格稼動へ突き進む政府の判断は、低稼働率であっても面子にかけ六ケ所再処理工場は本格稼動をさせるという決意のあらわれに他ならない。また、経済産業省が主催した青森G8の際に、トラブルで試験運転もできなかった恥をさらしたことを、洞爺湖の本番にむけて失地回復をもくろむ危険性を顧みない暴挙といえるだろう。原発現地の運動を先頭に、試験の停止と再処理の中止を勝ち取っていこう。  (S・K)




G8財務相会合対抗企画
世界の貧困と金融の仕組みを考えるシンポジウム開催


 【大阪】六月七日夜、エルおおさかで、「世界の貧困と金融の仕組みを考える」シンポジウムが開催された。ATTAC関西グループ、ジュビリー関西を中心とする実行委員会の主催、関西NGO協議会の後援で、約七十人が参加した。
 大阪では六月十三〜十四日にG8財務相会合が開かれるが、メディアの話題はもっぱら橋下知事の一連の歳出削減策をめぐる攻防に集中し、財務相会合にはあまり注目が集まっていない。サブプライムローン問題や食糧・石油価格の高騰に直面して、G8財務相会合が何らかの積極的な対策を打ち出すとは誰も期待していない。張り切っているのは警察だけだ。

家計から企業
への所得移転

 六・七のシンポジウムは、昨年五月のアジア開発銀行総会に対抗する市民フォーラムの債務問題分科会と、同十二月のエクアドル債務帳消しを要求するスピーキングツアーの継続として、「不当な債務の帳消し」のための日本における運動を強化することと、この問題を日本における貧困問題や自治体財政破綻の問題と結びつけて提起していくことを主要な目的として計画された。それにふさわしい三人の講師を招き、問題提起を受けた。
 はじめに「暮らしと経済研究所」の山家悠紀夫さんが「改革がもたらした貧困―経済のグローバル化についての誤解と神話」というテーマで報告した。山家さんは近著『日本経済―見捨てられる私たち』(青灯社)と『暮らしに思いを馳せる経済学』(新日本出版社)で橋本政権以降、とくに小泉・安倍政権下で進められた一連の改革がもたらした結果を実証的に、しかもわかりやすく分析している。
 この日の報告は、それらの著書のエッセンスを、いくつかの図表を使って要約した内容だった。景気が回復しても賃金が上がらない、景気が低迷していても企業の収益は上がっている、政府や企業はグローバル化のせいにしているが、それはウソである。「改革」の下で一貫して進められてきたのは家計から企業への所得の移転であった。この流れを変えるべきであり、そのためには政府や企業のウソを見抜く必要がある。

ジュビリー・サ
ウスから報告

 次に、フィリピン「債務からの自由連合」(FDC)とジュビリー・サウスを代表してリディ・ナクピルさんが債務帳消し要求運動の経過と現在の局面について報告した。リディさんは、山家さんが話した日本における改革が、南の諸国でこの二十数年間にわたって、新たな借款や債務の支払猶予の条件として要求されてきた構造調整政策と全く同じ内容であると指摘した。
 債務帳消しは毎年G8で約束がされるが、実際には債務の負担はますます重くなっている。フィリピンでも、年間の債務の金利と元金の支払いが年間予算の一〇〇%を超えている(つまり、新たな借款をしない限り予算も組めない)。しかもその債務の多くは、フィリピンの民衆には何の利益ももたらさず、それどころか住民の立ち退きや環境破壊をもたらしてきた大型プロジェクトに関連している。
 ジュビリーサウスでは、このような「不当な債務」について監査し、支払いを拒否することを各国政府や国際機関に呼びかけている。すでにフィリピンの国会では昨年末に、十一のプロジェクトに関わる借款について不正であると認め、返済を拒否することを決議した(アロヨ大統領が拒否権を発動したため返済拒否は実現していない)。リディさんは「北」側の債権国でも、この運動を進めてほしいと訴えた。

南米からの新し
い息吹きを紹介

 三番目の報告はジュビリー九州の大倉純子さん。二〇〇〇年のジュビリー・キャンペーンをきっかけに債務帳消し運動に関わるようになったという大倉さんは、その当時、日本では「貧困」とか、「構造調整政策」とか言ってもピンとこない人がほとんどだったが、最近では債務の問題というのは非常に身近に感じられるようになっているようだと語った。
 しかし、「借りたものは返すのがあたりまえではないか」という反応も多い。債務帳消しはチャリティではなく、不当な債務だから返さないということを主張していかなければならない。税金の半分、あるいは八割を債務返済に充てていたのでは、いつまでも貧困化から抜け出せないと強調した。そして新しい試みとして、エクアドルの債務監査・支払い拒否の動きや、南米における「南の銀行」設立の動きに注目していきたいと述べた。
 同八日午後には、京都大学で、リディさんを囲む学習会が開かれ、十人ほどの小さな集まりだったが、債務問題のDVDをまじえて熱心な討論が行われた。
 G8財務相会合に向けては、このほかに「08年G8サミット反対実行委員会」主催の集会(同十二日)とデモ(同十三日)も行われた。関西では六月五日から十二日にかけて、釜ケ崎パトロールと洛南労組連の仲間三人が相次いで逮捕されている(免許証不実記載や詐欺罪など)。この集会・デモでは、このような不当弾圧に対する抗議のアピールが行われ、サミット弾圧を許さず、一連の闘いを成功させる意志が確認された。 (小林)


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