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6・28〜29東京行動・7月北海道現地行動へ!      かけはし2008.6.23号

G8サミット包囲する民衆の闘いを

全世界で破綻する新自由主義
希望と連帯のグローバル化を


金融危機はいっそう深まる

 米サブプライムローンの破綻を引き金とした世界的金融危機は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパーナンキ議長が述べるような「戦後最大の金融恐慌」の様相を呈している。三月以後一時は大したことにはならないという「楽観論」も流されたが、しかし今や「楽観論」はあらゆるところで否定されている。
 毎日新聞社の「週刊エコノミスト」6月17日号は「米経済深刻」と題する特集を掲載し、「金融当局から発せられる楽観論は、金融機関の自助努力の時間稼ぎを後押しするムード作りの一環に過ぎない」と述べ、今回の危機の損失が百兆円に達するというIMF(国際通貨基金)の見通しそのものが過小評価の可能性がある、と打ち出している(草野豊己「これから始まる『超バブル崩壊』」)。
 危機をさらに深刻化しているのが、穀物や乳製品の価格をはじめとする食糧価格の高騰であり、またついに1バレル百四十円の大台に迫った石油先物価格の急騰である。穀物・原油価格の急騰は、米住宅バブルの破裂により、過剰な資金が穀物・原油の商品市場へ投機的に殺到したことが大きな要因となっていることは間違いない。そのことは原油価格の急騰が、米ゴールドマン・サックスが五月五日付のリポートで「6〜24カ月以内に百五十ドルから二百ドルになる」と予測したことを機に加速したものであることに示されている。つまり投機的金融資本が自ら「高騰」を演出して投機をあおり、それによって莫大な利潤を手にしている構図である。
 これはまさしく新自由主義的なグローバル資本主義システムそのものが作りだした危機なのだ。「自由競争」「金融開放」「規制緩和」を看板に超国籍金融資本の意にそったグローバリゼーションを促したG8諸国の指導者自身、制御不能な危機の加速化に立ち往生している。

石油・穀物価格の高騰

 六月十四日に閉幕したG8財務大臣会合声明は、この危機感を端的に表現している。
 声明は「われわれの経済が長期的に強固であると確信しており、新興市場国は力強く成長している」と強がる一方で「しかしながら世界経済は引き続き不確実性に直面しており、下方リスクが依然存在する。米国住宅価格がさらに下落したり、金融市場の緊張が高まる場合には、経済見通しに悪影響を与えるおそれがある。一時産品、とりわけ原油及び食糧の価格上昇は、世界の安定成長に重大な試練を提起し、最も脆弱な人びとに深刻な影響を与え、また、世界的にインフレ圧力を高めるおそれがある」としている。
 また六月八日のG8と中国、インド、韓国のエネルギー大臣会合の共同声明でも「われわれは、最近の原油価格高騰に対する深刻な懸念を共有する。現在の石油価格は異常であり、消費国・産油国双方の利益に反する。現在の石油価格の高騰は、とりわけ資源の乏しい発展途上国にとって重荷となっている」と言わざるを得なかった(いずれも外務省ホームページより)。
 しかしこの金融危機、石油・食糧価格の高騰に対して、G8諸国の対応は一致していない。たとえば石油価格の高騰に対してイタリア、フランスは投機資金の商品市場への流入が大きな影響を与えているとの観点から投機規制を求めたが米英は「あくまで需給逼迫が主因」として投機が深刻な影響を与えているかどうかは「不透明」とする立場で、投機資金への規制を避けようとしている(「朝日」6月15日)。
 資本主義の新自由主義的グローバリゼーションの危機が、労働者・市民の生活を直撃し、雇用の不安定化・労働条件の急激な悪化、福祉の切り捨てと貧困が、「南」の諸国のみならずG8諸国の都市と農村にも蔓延している状況の中で、G8の資本主義大国の首脳たちも、そうした状況を作りだした自らの責任を絶対に認めようとはせず、貧困・飢餓・環境破壊・そして戦争と民主主義や人権の破壊を作りだしている現実になすすべもないままである。
 われわれは今こそ、こうしたG8大国の首脳たちの談合にはっきりとしたNOを突きつけ、世界を変える主体としての国境を超えた労働者・市民の抵抗と新自由主義的グローバリゼーションの世界的「無秩序」に代わる「オルタナティブな世界」をめざす闘いを前進させていこうではないか。

労働者・市民の怒りが渦巻く

 この破綻が鮮明になった新自由主義的資本主義に対する労働者・民衆の怒りが全世界で渦巻いている。韓国では、発足したばかりのイ・ミョンバク政権は米国産牛肉の輸入全面開放への労働者・市民、そして若者たちの怒りの前に深刻な危機に陥っている。数十万、百万のデモが街頭に繰り出し、イ・ミョンバク政権打倒を訴えている。怒りに火をつけたのはBSE問題だったが、今やそれは市場開放に表現された政権のあからさまな新自由主義路線の強行に対する拒否としての成果を持つに至っている。
 フランスの高校生たちの教育改悪に対する闘い、年金制度の改悪に反対する労働者のストライキ闘争は、昨年成立したサルコジ政権の支持率を急速に低下させている。食糧価格や石油価格の高騰に対して、第三世界の労働者・市民は飢餓からの解放のためにストライキや街頭直接行動に決起している。
 こうした新自由主義的グローバリゼーションの世界秩序の急激な破綻は、アメリカ帝国主義・ブッシュ政権によるアフガニスタン・イラク侵略戦争の完全な失敗と、ポスト冷戦期のアメリカの軍事・政治・経済全般にわたるグローバルな「覇権」の崩壊と一体のものである。
 アフガニスタン、イラクの泥沼から脱出することのできないアメリカ帝国主義は、確実に衰退の道を歩みはじめた。それは米国のグローバルな覇権に裏付けられたG8体制そのものの分解が本格的に始まっていることを示すものである。このことは単に新自由主義的グローバリゼーションの行き詰まりに止まることなく、労働者・市民の新しい反転攻勢の始まりをも意味する。ラテンアメリカでの相次ぐ反米左派・中道左派政権の登場は、その現れであり、また世界社会フォーラム運動に端著的に表現されたオルター・グローバリゼーション運動の多様な展開とそのネットワークの広がりは、民主主義・社会的公正・平和・環境に裏打ちされた新しい反資本主義運動の可能性を突き出している。
 もちろんそこでは、資本の新自由主義的グローバル化に親和的な「社会自由主義」的流れとの分岐も必然であり、この分岐を主体的に促進するオルタナティブな反資本主義の政治潮流が未だ弱体である、という困難についても自覚的でなければならない。しかしわれわれは、この新自由主義的グローバリゼーションがもたらした結果に対する抵抗の中から、新しい階級意識が成長しつつあることにこそ注目しなければならない。

新しい階級意識の形成へ

 日本でも情勢の大きな転換が始まっている。小泉・安倍が進めた新自由主義路線と、米国のグローバルな「対テロ」戦争に従属的に一体化した海外派兵・改憲路線は、いったんは頓挫せざるを得なかった。昨年七月の参院選での自民党の歴史的大敗北と参院における与野党逆転は、極右・安倍の政権投げ出しに帰結した。後継・福田政権は、今回の169通常国会での現実に見られるように、安定した政権運営能力を日々喪失している。後期高齢者医療制度への大衆的怒りは、四月の衆院山口2区補選、六月の沖縄県議選で自民党の敗北に直結した。
 後期高齢者医療制度への広範な民衆の怒りは、小泉・安倍の新自由主義的「改革」路線がもたらした医療・福祉サービスの切り捨てに対する批判を象徴的に体現するものだった。今とりわけ、資本の無制限な強搾取をもたらした新自由主義的な「雇用破壊」に対する労働者、若者たちの闘いが展開されている。年収二百万円に満たない派遣労働者など非正規の「ワーキング・プア」は一千万人を超え、超長時間労働・低賃金にあえぐ貧困の現実が大きな社会問題としてマスコミでも大きく取り上げられるようになった。
 「格差は当然」「貧困は自己責任」といった新自由主義の露骨なイデオロギー攻勢への社会的反撃が始まっている。絶望的な「底辺への競争」にNO!という声が日増しに高まりを見せている。小林多喜二の『蟹工船』に描かれた悲惨きわまる労働現場の実態と自らの生活・労働をストレートに重ね合わせて若者たちの間に大きな共感が広がっていることは、その象徴である。
 新自由主義に対するこうした抵抗と批判の萌芽を多様に結びつけながら、グローバルな闘いの中に自らを主体的に位置づけていくことが、オルタナティブな政治潮流=社会主義をめざす意識と行動をを築き上げていくための出発点である。七月G8サミットに向けた一連の行動を、こうした観点から共に作りだしていこう。

アジア社会運動の連携を

 日本政府は、G8サミットを次のように位置づけている。
 「グローバル化が進むと世界各国の相互依存関係が進み、物事が起こり展開する速度が速くなり、その影響するところも国境を越えて大きくなりますが、それらに有効に対処するためには、非常に柔軟で果断かつバランスの取れた決断、効果的な措置が必要となります。サミットには他の国際的なフォーラムと異なり事務局がありませんが、それぞれの国で総合的・横断的に様々な分野を総覧する立場にある首脳がトップダウンで物事を決めるため、適切な決断と措置を迅速に行うことが可能になります」(外務省ホームページ「サミットとは」)。
 ここで強調しているのは「トップダウン」と「迅速な決断」である。これは大国の首脳による「私的会合」であるサミットの民主主義的正統性の欠如を自認するものである。しかし今年のG8サミットで浮き彫りになるのは、国際的金融危機、米国の覇権的イニシアティブの衰退などなどがもたらす大国間の利害の不一致、新興発展国の成長ゆえに「迅速な決断」そのものが困難になっている現実だろう。
 だが同時に「政権浮上」をG8サミットにかける福田政権が、アメリカ帝国主義に追随するかたちで派兵恒久法へのステップとしてアフガニスタン本国への陸上自衛隊派兵、スーダンPKO派兵などに踏み出す契機とすることも意図されている。表向きは「環境」「アフリカ支援」などで「リーダーシップ」を取ろうとする福田政権の目論見は達成されないにしても、「政権浮上」に向けたこうした新たな軍事的動きがG8サミットを機に具体化していくことに、警戒しなければならない。
 この間、各地でG8関連の閣僚会合に対する闘いが各地で積み上げられてきた。G8に対する多様な批判・抵抗を連携させながら、戦争・貧困・環境破壊を強制する新自由主義的グローバリゼーションに対決する運動を社会的に登場させるために全力を上げよう。
 東京では六月二十八日〜二十九日に「G8サミット東京直前行動」が「SHUT DOWN! 貧困と環境破壊のG8」をスローガンに、分科会とスーザン・ジョージを招いた全体集会(28日)、デモ(29日)として取り組まれる。札幌では七月五日の「一万人ピースウォーク」を最大の結集点としながら、七月四日から八日までの「国際民衆連帯DAYS」やキャンプをはじめさまざまな行動が取り組まれる。アジアの社会運動団体からは韓国・民主労総、香港のグローバリゼーション・モニター、ジュビリー・サウス、ビア・カンペシーナなども共に討論や行動に参加する。不当な入国拒否や弾圧・監視をはねのけよう。
 六・二八〜二九の東京行動、七月北海道現地の行動の成功を! 
  (6月15日、平井純一)

6月28日(土)サミット直前東京行動分科会・全体会
分科会
b貧困と不安定雇用と社会的排除に抗議する反G8東京行動/午後1時/新橋区民会館大集会室(JR恵比寿駅下車)
b自由貿易が食料危機を招く/午後2時/アカデミー茗台学習室B(地下鉄茗荷谷駅下車)
b非正規の仕事に正当な評価を/午後2時/文京シビックセンター3階和室(地下鉄後楽園駅下車)
b生活の営みを破壊する「軍事化」を許すのか?/午後1時15分/文京区男女平等センター研修室A(都営地下鉄本郷三丁目駅下車)
b私たちの税金が貧困を作る――アジア・アフリカそして日本/午後1時半/PARC2階会議室(地下鉄淡路町駅下車)
b生命特許/午前10時/PARC2階会議室(地下鉄淡路町駅下車)
b公共サービスと労働運動の再生/午後1時/たんぽぽ舎会議室(JR水道橋下車)
b対テロ治安弾圧と戦争協力態勢を問う/午後1時/文京シビックセンター区民会議室3A(地下鉄後楽園駅下車)
全体会
bスーザン・ジョージ講演「G8サミットの何が問題なのか?」/午後6時/文京区民センター3A(都営地下鉄春日駅下車)
b6月29日(日)オルタナティブサウンドデモ/午後2時半集合、3時出発/新宿柏木公園(JR新宿駅、都営地下鉄大江戸線新宿西口駅下車)


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