| 「名ばかり店長」に尊厳を5・19集会 かけはし2008.6.2号 |
ナショナルセン
ターの枠超えて
五月十九日、全水道会館で「『名ばかり店長』に尊厳を」集会が行われ、二百人が集まった。
いま、「管理職」という肩書きがついただけで無制限の長時間労働やサービス残業を強いられる「名ばかり管理職」の問題が社会的に大きくクローズアップされている。その多くが出退勤の自由も権限もふさわしい待遇もないのに、労働基準法上の「管理監督者」(経営者と一体の立場)と「偽装」されたケースだ。長時間労働による健康障害が起きる深刻な相談もある。
「名ばかり管理職」の問題をめぐっては、日本マクドナルドの現役店長が訴えた裁判で、一月二十八日に東京地裁が「店長は管理監督者ではない」と明確に判断を下し、残業代の支払いを命ずる判決を出した。ところが、マクドナルドは控訴した。これは財界総体の方針でもある。財界は、ホワイトカラー・エグゼンプション(過労死促進法)の導入によって労働時間の規制の撤廃と残業代未払いの合法化を企んできた。
八時間労働制という働く人にとって最大の権利を守り、違法な「名ばかり管理職」を職場から一掃しようと、連合、全労連、全労協が労組の枠を超えて共同で集会を開催することになった。(集会呼びかけチラシより)
マクドナルドと
コナカから訴え
マクドナルド、コナカ、すき家、ショップ99、セブイレブンなどに対して闘っている店長たちが会場の前にずらりと並んだ。テレビ各局のカメラが何台も入っている。マスコミ各社の取材もすごい。会場には続々と参加者がつめかけいっぱいになった。熱気あふれる集会が始まった。
管理職ユニオンの安部誠さんが「長時間労働を強いられている店長たちが普通に働き、生きさせろと闘いに決起している。この闘いを発展させよう」と主催者あいさつを行った。
参加した店長たちが次々と名ばかり店長の実態を怒りをもって告発した。日本マクドナルドの高野廣志さん、「百時間超える残業を強いられ、休みがとれなかった。長時間労働の問題は個人の能力の問題ととりあってもらえなかった。会社をよくするために、管理職ユニオンに参加して闘い、地裁で勝訴判決を勝ちとったが、会社側は控訴した。過酷に働かされている人たちはもっと声を挙げてほしい。過労死ゼロをめざしたい」。紳士服のコナカの店長、「昨年二月に労組を結成した。闘いの結果、昨年五月に一般従業員の未払い残業代約九億円を支払った。しかし、店長には残業代を払おうとしないので、六月六日に提訴した。コナカは店長の管理監督者扱いをはずす代わりに、資格手当てと役職手当を六万円カットし、その分を『みなし残業代』にあてるとする方針を出してきた。どっちにしても店長は割が合わない働きかたをさせられている。人間らしく生きたい」。
泣き寝入りは
もうゴメンだ
すき家の福岡さん、「一時間五千円以上の売り上げがないと、二人分の賃金が払われず、半額にされてしまう。月に十万円にしかならない。下水道の側溝掃除を時間内でやれとただ働きを強制されている。会社は世界中の飢えと貧困をなくせというスローガンを店内に貼っている。まず、自分の会社からそのことをしろと言いたい。まともに働いてあたり前に生きたい。泣き寝入りしないでください。必ず道は開ける」。
ショップ99の清水さん、「フリーターで八年間働いてきた。二十代後半になり、将来が不安になって、正社員として働きたく、ハローワークを通じて入社した。九カ月で店長にされすべてをまかされた。正社員は店長だけで、アルバイトを使った。そればかりでなく、一年間で六回も店舗を移動させられた。だれにも相談できず、いつ移動させられるか恐くてしょうがなかった。薄利多売なので、人件費は売り上げの九・八%とされ、残業代なしで十二時間働かなければならなかった。休みは週に一日、毎月人はやめていく。人をこきつかい、自転車操業で会社を運営していた。責任感から逃れられず、店を放り出さなかった。たまの休日に電話が鳴り『人が足りないので来てくれ』と呼び出されたり、深夜にも電話がかかってきた。一年二カ月でうつ病になり、休職に追いやられた。まさしく奴隷だった。組合に参加した。団交で会社側はマック判決は関係ないと答え、謝罪もいっさいしない。人を人として扱わず、利益のみを追求している。会社が変わることを望んでいる。こんなことは許せないので、五月九日に提訴した」。
仲間の過労死
をきっかけに
長野県のセブンイレブンのフランチャイズ会社・シーブイエストヨクラ分会の四人、「四年前に仲間が脳梗塞で入院し、三カ月後に死亡した。会社は何の面倒もみなかった。これに衝撃を受けて、自分たちもこうなってしまうと組合を結成した。社長は会社をつぶすつもりかと怒り、店長は管理監督者なので組合も認めないと敵対してきた。長時間労働で、たまの休みに子どもと会うと『どこのおじさん』という顔をされた。こんな働き方を変えないといけない」「私たちの例は氷山の一角だ。一人で悩んでいる人はいっぱいする。変えられると思う」「人間らしい仕事、生き方のできる社会にしなくていけない」「田舎の中小企業も法を守らなくていいのか、そういう人たちのためにも法を守らせたい」。
すかいらーく「名ばかり店長」の過労死について、報告が行われる予定であったが、参加できなかった。すかいらーくで二十五年間店長を続けてきた中島富雄さんは残業が百八十時間を超えているばかりか、パワーハラスメントを受けた。労組に「殺される」と相談してきた翌日に倒れて亡くなった。労災として認定された。「過労死をなくそう!龍基金」を立ち上げた。さらに、中島さんはすかいらーくのUIゼンセン系の労組員でもあったが、過労死をするような職場状況を改善する努力をしないばかりか、中島さんの過労死問題についても労組としての責任を明らかにしていない。労組に対しても責任を求めて闘っている。
また洋服の青山に対して、福島の店長が組合に加入して闘い、残業代十二億円を支払わせた。法定残業代を支払うように裁判で闘っていることが報告された。
こんな企業や
社会を変えよう
次に棗(なつめ)一郎弁護士が一月に勝利した日本マクドナルドの高野さんの判決を詳しく分析し、当事者の店長が闘いに立ち上がったのをベースとしながら、過労死防止法をつくって普遍的なものにしたいと闘いの方向を提起した。厚労省への申し入れの報告の後、最後に首都圏青年ユニオンの河添誠さんが「怒りと悲しみの発言が店長さんからあった。こうした店は日本全国にあり、日々自分たちが利用している店で起こっていることだ。死にそうになりながら、働かされている人々がいる。こんな企業・社会を変えていこう」とまとめた。
追記、集会の翌日五月二十日に、日本マクドナルドは店長に残業代を払う代わりに役職手当などを削り、総額で給与支給額を同じにすると発表した。店長によりいっそう過酷な労働を強制するものだ。ただちに管理職ユニオンは抗議の緊急声明(別掲)を発し、五月二十三日にマクドナルド本社に撤回を求める抗議行動を行った。 (M)
緊急声明
5・20決定(新報酬・労務管理制度)は、一方的
不利益変更だ! 日本マクドナルド社は控訴を
取下げ、問題の抜本的解決をはかれ!
東京管理職ユニオン書記局
日本マクドナルド社は、昨日(5月20日)記者会見を開き、本年8月1日より、これまで管理監督者とみなしてきた店長及び、個々の店長を直接管理するAMDを『管理職であるが、法上の管理監督者から外す』ということを柱とする新報酬・労務管理制度を発表した。『法上の管理監督者』ではないというのであれば、本年1月28日の東京地裁判決を不服とした控訴を取下げるべきであるにもかかわらず、取下げを拒否し、新制度の発表を行ったのである。
会社の説明によれば、今回の制度導入の柱は、@成果に見合った公正な報酬制度の導入A労働時間管理の明確化に基く残業手当支給及びB管理職手当廃止である。その結果は、『総人件費は変わらない』のである。要するに、固定給を削減し、成果給の比率を高め、しかも昨日の記者会見における原田泳幸CEOの発言によれば、「本年4月の店長の平均残業時間は18・3時間(※根拠は不明)」なので、残業代も殆ど払わなくて済むという見通しがあり、しかも残業は、上司の残業命令を要する。更に、成果主義の名のもと、店長間格差拡大、会社が望む成果を生まないであろう多くの店長の賃金ダウン必至の一方的不利益変更である。このような行為は、本年3月1日施行の労働契約法を含む労働法制、判例によるならば、労働者の同意なき強行は違法的・脱法的行為であり断固撤回を要求する。
原田CEOは、今回の決定は、訴訟と無関係としつつ、「『名ばかり管理職』が報道されるたびに1月の判決が話題にされる」(本日付日経朝刊)などとこぼしているがなぜか。
2006年、日本マックは、直営7、FC3の比率を逆転させる方針をうちだした。ハンバーガーでの利益でなく、ロイアリティー収入をメインとする業態変更である。この度のFC化は、嘗てのような退職者への暖簾分けではなく、いわば、〈店長つき店舗売却〉という性格を持たざるを得ないビジネス戦略なのだが、現状は必ずしも順調ではない。
マックで働く皆さん! 新制度導入は、FC化戦略推進が第一の眼目だ。店長間格差拡大による労働条件切下げは、投資家にFC店が魅力ある商品である事をアピールするのに役立つ。
マックで働く皆さん! FC拡大戦略を阻止しよう! 出向要請を拒否しよう! 現在、出向協定は結ばれていない! 業務命令での出向は違法である。既に、わがユニオンは団交の席でこの事を会社に突きつけた。わがユニオンは常に皆さんとともにある! ともに闘おう!
2008年5月21日
管理職ユニオン
〒160│0023東京都新宿区西新宿4―16―13MKビル2F
TEL03―5371―5170.FAX03―5371―5172
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