日比谷メーデーで闘う連帯の絆
賃金は8年連続減っている
生活と権利のために闘おう |
五月一日、日比谷メーデーは、例年通り九時十五分の開場にもかかわらず、午前八時過ぎには公園のあちこちに各労働組合の旗が立てられ結集が始まった。昨年以来部分的であれ「格差社会」に対する非正規の若者たちが労働組合を結成し、反撃を開始したせいか、メーデー会場はいつもより明るい感じがした。
午前十時、田宮高紀・民間労組懇代表が開会を宣言し、主催者を代表して石上浩一国労東京委員長があいさつに立った。「空前の好景気が続いていると言われているが、五年連続労働分配率は低下し続け、八年連続で賃金は減り続けている。今春闘で経営者がサブプライムローン問題を口実に大幅賃上げを拒否した。……国鉄・JR採用差別からすでに二十二年にもなっている。今年こそ雇用・年金・解決金の三点を中心にした政治解決を追求していこう」。
次に増渕都労連委員長が連帯のあいさつを行った。「小泉―安倍のもとで押し進められた新自由主義政策によって、五年間に資本の利益は十五兆円も増加しているにもかかわらず、労働者の賃金は五兆円も減っている。役員報酬は八四%も増え、株式配当にいたっては二倍以上になっている。年収が二百万円以下の人は一千万人を超え、五人に一人がこの中に含まれるまでになっている。さらに政府は公務員の賃金を二・六兆円も下げると言っている。『働くものの団結で生活と権利、平和と民主主義を守ろう』というメーデースローガンが今年ぐらい重要な年はない」。
来賓の福島みずほ社民党党首は「昨夜、政府は五十六年振りにガソリン税再議決を強行した。国民に一層の負担を強いるあのどうしようもない後期高齢者医療制度を四月一日から実施しながら、他方では十年間に道路建設に五十九兆円をも注ぎ込む法案を復活させた。この法案は土建屋だけではなく族議員にまで広がる利権の塊だ。自公政権は国民に信を問うために国会を解散し、総選挙を行うべきだ」と訴えた。
その後、KP(コリアン・パワー)が在日二世・三世の置かれている複雑な位置と存在を訴えた上で、歌と演奏を行った。連帯メッセージで一番大きな拍手を受けたのは韓国民主労総からのアピールであった。「私たちは七月四日〜八日までG8洞爺湖サミットに反対するために日本に行きます。サミットは環境問題が中心ですが、全世界で新自由主義政策によって労働者を搾取することを計画する場でもあります。日本の労働者の皆さん、ともにG8に反対し闘いましょう」。
最後に藤崎全労協議長の音頭で団結がんばろうを三唱し、日比谷公園から二コースに分かれてデモに出発した。結集した労働者は野音内がいっぱいになっただけでなく、野音外の道路にも広がっていた。 (D)
大阪メーデー集会-分断・差別はねかえせ
橋下知事の人員削減、賃下げ
福祉切り捨てを許さない!
【大阪】おおさかユニオンネットワーク、大阪全労協などで構成するメーデー実行委員会主催の中之島メーデーは、例年の剣先公園が工事で使用できないため、今年は大阪城公園の一角にある教育塔前で行われたが、前段行動として、朝から争議支援行動があり、十一時からは橋下大阪府知事に対する申し入れ行動が行われた。
大阪府では橋下知事が誕生してから府改革プロジェクトチームがつくられ、四月には「財政再建プログラム試案」が発表された。試案は、収入の範囲内で予算を組むという財政路線に基づき千百億円を削減するため、人件費・助成金・教育費・福祉費を減額するというもの。しかし、財政危機の根本原因である府債発行に伴う償還・利子返済にはまったく手をつけていない。
さらに、財政再建団体が行うのと同じ手法で、府有地・施設の売却、民営化、人件費の削減、私学助成費等補助金の削減、医療費等福祉費の削減、三十五人学級の中止、使用料・賃貸料の引き上げが行われようとしている。また教育政策では、高校学区廃止、土曜授業解禁、非常勤職員の解雇・授業持ち時間の増加などが言われている。
さらに、暫定予算を理由に、時間講師や特別嘱託員・教育専門員の本来一年であるべき辞令を七月末までの四カ月にするということが行われている。十年前に財政危機が叫ばれたとき、大阪全労協は、府債償還の棚上げ・低金利への借り換えによる公債費の切り下げ、大規模プロジェクトの中止を提言した。しかし提言は無視され、予想どおり府債残高は当時よりさらに一兆円以上増加し現在五兆円になっている。
橋下知事は、すべての領域に聖域はなく、ゼロベースで総点検をすると言っているが、公債費は聖域になっている。しかも財政をこのような危機的な状態にした責任は問われていない。このような状況の中では、財政再建に失敗してきた府幹部に頼るのではなく、労働組合を含め広く府民から意見を求めるよう申し入れが行われたわけである。
米軍再編・憲法
改悪阻止しよう
メーデー会場では、かわさきゆたかさんのミニコンサートが終わると、関生太鼓でオープニングとなり、主催者を代表して垣沼さん(全日建近畿地本書記長)が開会宣言をし、「今や労働者の組織率は二割を割った。十人の労働者がいれば組合員は二人いるかいないかの状態のなかで、このメーデーには派遣・パート・ゆうメイト・外国人労働者などさまざまな非正規労働者が参加している」と述べ、改正パート法についてもどの程度差別是正に役立っているのか検証していこうと述べた。
引き続いての連帯のあいさつで、北本さん(大阪労働者弁護団代表幹事)は「改正労働者派遣法により派遣が原則自由化され、対象が拡大され膨大な非正規労働者がつくられた。働く仲間の三割が労働条件が劣悪な非正規労働者だ。この非正規労働者に対しても同一労働同一賃金の原則を適用することが重要だ。労働者には分断攻撃、そして国民には監視社会、対外的には戦争のできる国づくりが進められているが、団結によってのみこれと闘うことができる」と訴えた。
大川さん(沖縄と共に基地撤去をめざす関西連絡会事務局長)は、「いま、沖縄では教科書問題や少女暴行事件で怒りが頂点に達している。本土との温度差も大きい。沖縄が強いられている状況は日本の中から変えていく必要がある。沖縄に関心をもち、反安保の声を日本政府にぶつけてほしい」と述べた。また中北さん(関西共同行動共同代表)は、「日本列島では米軍再編の動きがどんどん進められている。しかしこれまで改憲の旗を振ってきた読売新聞の世論調査でも改憲反対の声が賛成を上回った。名古屋高裁ではイラク派兵違憲判決が出た。平和の国づくりの動きも確実に強まってきている。五月三日には、皆さんの協力で『止めよう改憲』の新聞意見広告を載せることができる。万が一国民投票になっても改憲を止めるだけの草の根の力をつけていきたい」と述べた。さらに社民党、新社会党、市民派議員団からそれぞれ連帯のあいさつがあった。
続いて、争議アピールが、全港湾大阪支部クボタ分会(来年3月の解雇に直面している外国人労働者問題)・三黄通運分会、全日建関生支部石原産業分会(解雇問題)、教育合同夕陽丘学園分会(解雇)・新任免職裁判原告、ゼネラルユニオン(NOVAの倒産と解雇問題)、蓑田さん(国労熊本闘争団)からそれぞれあった。
最後に大野さん(全港湾大阪支部委員長)の団結ガンバローで集会は終了し、参加者は本町通りから御堂筋を北上し大阪市役所までのコースをデモ行進しながら、格差社会をなくせ、橋下知事は弱者イジメをやめろ、均等待遇の実現、憲法改悪阻止などを府民に訴えた。
(T・T)
反「昭和の日」集会とデモ
天皇制賛美と「歴史偽装」に対決する運動を作り出そう
明仁即位20年
式典と国民統合
四月二十九日、文京区民センターで「許すな!環境破壊と歴史偽造 反『昭和の日』4・29行動」(主催・実行委員会)が取り組まれ、百十人が参加した。
「昭和の日」は、二〇〇五年五月、小泉政権のグローバル派兵大国作りと連動して、昭和天皇ヒロヒトの誕生日であった四月二十九日を欺瞞的な「みどりの日」にでっち上げていた「祝日」から、より突出した天皇制統合の強化と侵略戦争の「清算」のための賛美日として強行的に制定したのであった。そして、「みどりの日」は、「クリーンでグリーン」な天皇制を演出するために五月四日に移したのである。
以後も安倍政権時には、憲法と教育基本法改悪と派兵攻撃とセットで天皇制ナショナリズムを押し進めてきた。福田政権となった現在、洞爺湖G8サミットでの資本防衛を前提とした地球温暖化対策などの環境問題と天皇制を結びつけた新たなキャンペーンをねらっていることは間違いない。
この日、天皇主義右翼各派は、「昭和天皇のご聖徳を伝えつぐ集い」、「昭和の日奉祝式典」などと称して決起集会を行っている。「激動の昭和時代を振り返って将来に生かすことは意義深い」などと言って歴史の偽造と天皇制賛美を繰り返した。それは来年のアキヒト天皇の即位20周年を大演出していくことを射程とする、先行した踏み出しであることも警戒しなければならない。
反天皇制運動をねばり強く取り組んできた仲間たちは、「軍隊『慰安婦』問題、沖縄戦における『集団自決』問題、『南京事件』問題、靖国問題、それらがすべてが天皇制国家がつくり出した歴史偽造をめぐる問題にほかならない。この事実に向き合うことができない日本社会の根底には、やはり現在の天皇制の問題があるのだ」(集会宣言)と強調し、「戦争を行うための改憲、先進国のしかも支配層のためだけにあるG8サミット、歴史への欺瞞と偽造・改竄を繰り返す天皇制国家。私たちはこれらと対決する言論を、これからも多くの人々とともにつくりあげ、ともに行動を起こすことを宣言」した。
G8サミット
と対抗の論理
集会では、林博史さん(現代史、戦争・軍隊論)と天笠啓裕さん(市民バイオテクノロジー情報室)から講演が行われた。
林さんは、「日本の戦争責任・歴史認識問題と『過去の克服』│沖縄戦・『慰安婦』をてがかりに」というテーマから(1)沖縄戦への教科書検定(2)日本の侵略戦争のなかの「集団自決」(3)日本軍「慰安婦」正当化論との共通性(4)なぜいま日本の戦争責任が問題になるのか(5)権力の交代あるいは政権交代の意義について問題提起した。
そのうえで「権力・権威に寄り添うことによってしか、自己の拠り所を作ることのできないありようの民衆意識がある。これが天皇制を支えているのだろう。米軍は、この有り様を分析し、戦後統治のために天皇制を利用した。この意識構造は、続いている。これを壊すためには、政権交代を繰り返しながらその契機を作りだしていくしかない」と問題提起した。
天笠さんは、「地球環境破壊・食料・エネルギー問題を考える」というテーマから石油・穀物価格の高騰、地域紛争・治安、地球温暖化、食品偽装事件などを取り上げ、この原因が資本の新自由主義的グローバリゼーションであることを取り上げ批判した。また、ミートホープ事件と中国ギョーザ事件から見えてきたコスト削減と食の安全軽視、原料価格高騰と安値合戦の狭間で日本の農家が生きられない状況を明らかにした。
さらにG8サミット批判の一つとして「地球温暖化・環境問題を討議すると言ってるが、経済拡大を前提にしており絶対に経済縮小を言わない。つまり、大量生産・大量流通・大量廃棄・金儲け優先主義に貫かれており環境対策なんてインチキだ。G8では戦争・貧困・環境破壊は何も解決できない」と結論づけた。そして、オルタナティブなインターナショナリズム、スローフード、地域循環型社会、有機農業の推進と農業の多様性などの対抗論理を指し示した。
続いて、自由と生存のメーデー08、立川テント村、ピープルズプラン研究所、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会、新しい反安保実から取り組み報告が行われた。
集会後、デモに移り、九段下から靖国神社にむけて「『昭和の日』反対!天皇制の戦争責任を追及するぞ!靖国神社はいらない!戦争国家はまっぴらだ!」のシュプレヒコールを行った。
なおデモ隊列に対して国家権力は、警視庁機動隊、公安政治警察など総勢で三百人以上も大量動員して過剰警備・規制を強行した。機動隊小隊長には拳銃を携帯させていたように、明らかにG8サミット重弾圧態勢で対応してきたのだ。しかも天皇主義右翼の挑発ともなれあいながら展開していた。明らかな反天皇制デモのアピールに対する妨害である。断固糾弾する! (Y)
|