| 「神世界」霊感商法詐欺事件 かけはし2008.3.31号 |
不祥事を繰り返す神奈川県警
隠ぺいと逃げ切りを許さない |
県警幹部が霊
感商法に関与
〇七年十二月二十日、神奈川県警生活経済課は、県警警備課長の吉田澄雄警視が「神世界」グループの霊感商法事件に関与したとする詐欺容疑で家宅捜索を行った。吉田宅(横浜市)、県警の警備課長室、有限会社「神世界」(山梨県甲斐市)、「びびっととうきょう・青山サロン(杉本明枝社長)」〈吉田が賃貸契約の連帯保証人〉(東京都港区)二十階と吉田が賃貸している同マンション十三階(連帯保証人が横須賀署の警視)など六十六カ所を家宅捜索した。
「神世界」の傘下である「びびっととうきょう青山サロン」は、心身の疲れを癒す「ヒーリングサロン」を装い顧客に恐怖心を植え付けて次々に高額商品を売りつける霊感商法を繰り返してきた。霊感商法事件に取り組む弁護士グループに被害相談が相次いでおり、被害額は総額で百億円にも上っていた。
「また神奈川県警察不祥事かよ」と揶揄されるほど県警は、過去数々の「不祥事」を繰り返してきた。あげればきりがないほどだ。ところがこの事件は、警視という県警幹部が霊感商法に関与していたのだ。事件の実態が明らかになるにつれ、吉田人脈にとどまらず、かなり広範囲に及ぶ可能性もある。いまだに吉田は、逮捕されていないが、県警が某所に「隔離」しているためか、依然として公然と登場していない。
私たちの仲間であるAさんに対して免状等不実記載弾圧を強行したのが、〇六年十月二十四日だ。吉田は、この年の三月に県警国際テロ対策室長に就任しており、県警公安警察とともに治安弾圧の担い手として「活躍」の真っ最中だった。10・24弾圧の実行犯は、県警公安三課と小田原署であったが、当然10・24弾圧計画に加担していたことは間違いない。
同時に吉田は、県内治安弾圧体制を強化しながら、霊感商法に積極的に関与し、県警人脈を巻き込んでカネを荒稼ぎしていた。吉田の犯罪は、単なる個人にとどまることはない。このような吉田を生み出した警察こそが問題なのだ。いまだに神奈川県警をはじめとする警察機構幹部による裏金作り構造の実態が暴かれず、温存・助長され続けたままであることに、それは示されている。一時期の社会的批判によって公然とできなくなった警察の裏金作りは、さらに巧妙な形で再生産されている。
このような体質が治安弾圧強化をしながら霊感商法を通して荒稼ぎする吉田を生み出したのである。神奈川県警をめぐる事件は氷山の一角でしかない。無数に隠蔽され続けている事件があるはずだ。吉田事件は、まさに警察の体質を現した象徴的な事件なのである。
懲戒処分での
収拾をねらう
別掲の〈吉田澄雄と「神世界」グループの経緯〉を見ていただきたい。吉田がセンターとなり、同僚や部下の警察官に「神世界」への勧誘活動を幅広く行っていたことがわかる。現段階で表に出ているのは吉田の同僚と部下だけだが、吉田の上司や県警幹部にまで及んでいることは完全否定できない。また、〇三年、横須賀署の警視は、サロンが入る東京・赤坂のマンション十三階にある吉田名義の部屋の連帯保証人に吉田に頼まれてなっていたことが明らかになっている。
これだけではない。報道によれば在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の売却を巡り、詐欺罪で起訴された元公安調査庁長官の緒方重威が設立した不動産会社が所有する宅地(世田谷区)を「神世界」に〇五年十一月から賃貸していたことを伝えている。さらにこの宅地は〇四年ごろまで、朝鮮総連詐欺事件で起訴された元不動産会社社長、満井忠男被告の居宅でもあったという。
つまり、吉田の警察庁出向時人脈と神奈川県警人脈、「神世界」人脈が緒方の公安調査庁人脈と不動産人脈の繋がり、これらの複雑な人脈が接点を持ちながら根深く培養されてきたということだ。
〇八年二月七日、県警は、吉田の行為が地方公務員法で禁止された信用失墜行為などにあたると判断し、警備部付だったが懲戒免職処分にした。
しかし、詐欺の立件について県警幹部は、自己保身むき出しで「嵐」が早く終わってほしいと願いながら、「吉田は神世界の神は本物であり、霊感商法、詐欺の意識はないと話している。吉田が金をだまし取る明確な意思があったことを立証するには証拠が不十分だから立件が困難な状態にある」と吐露している。
吉田のコメントは、すべて県警による報道用発表でしかない。県警は事件の捜査を継続しているらしいが(終わったとは言ってないだけ)、吉田の懲戒処分と関係者の処分を踏み切ることによって、とりあえずの収拾をねらったのだ。吉田を突破口とした「神世界」詐欺事件は、深い闇に入りながらも、その全貌は明らかになるのか。否!事件を封じ込めようと水面下で策動していることは確かだ。
腐敗・堕落した神奈川県警による「神世界」詐欺事件の逃げ切りを許すな! 10・24弾圧を強行した県警の犯罪を糾弾していこう! (Y)
〈吉田澄雄元警視と「神世界」グループの経緯〉
01年
吉田は神世界に通い始め、山梨県の神世界本部を訪れた。
4月 吉田は、警察庁警備局に出向し、サッカー日韓W杯の警備を担当。
03年
3月 吉田は県警公安2課課長代理に就任。
横須賀署の警視が吉田に頼まれてサロンが入る東京・赤坂のビル
十三階にある吉田名義の部屋の連帯保証人となる。
11月 杉本社長がサロンを開業。吉田はサロンの名義人になり、開業資
金として1000万円を杉本社長に貸す。
05年
吉田は、青山サロンで会計業務を手伝い、報酬を得る。
県警察学校教官時の教え子に架空の投資話を持ちかける。
部下の巡査長、同僚の警視、県警交通部の警部らをサロンに勧誘
し、多額のカネを出資させる。
06年
3月 吉田は県警国際テロ対策室長に就任。
〈10月24日、Aさん県警公安三課と小田原署によって不当逮捕〉
07年
3月 吉田は警察学校教官時代の教え子ら7人からサロンの運営資金と
して現金520万円を集める。
9月 吉田は北海道洞爺湖サミット警備を担当する県警備課長に就任。
12月 サロン幹部からサロン近くに止まっていた警察車両のナンバー照
会を依頼され、県警警備課の部下に「不審車両がある」とうそを
ついて照会させ入手した情報をサロン幹部に渡す。
12月20日 県警は吉田宅、神世界関係先を詐欺容疑で家宅捜索。吉田元
警視を警備部付に更迭。
08年
2月7日 県警は吉田元警視を地方公務員法違反(営利企業への従事制
限など)にあたる行為を繰り返したとして、懲戒免職処分。
関係上司も処分。
コラム
五十歳という年齢
この三月で五十歳になる。先輩諸氏には申し訳ないのだが、とうとうボクもそんな年になるのかと、少々とまどっているしだい。よく会話の中で使われる自嘲的な「もう俺も五十だぜ」というやつ。もちろんいたって元気だし、単に年を重ねてきた結果であるが、どうも大台に乗る最初というのは気が重い。
この気持ちは二十代から三十代、そして四十代になるときもあった。別に四十九歳が五十歳になるだけで、実際は何も変わらない。きっと老いたという感覚がそうさせるのだろう。
元気だといったが、それと健康はべつのこと。つい先日、病院嫌いのボクが自ら覚悟して胃カメラを飲んだ。たかが胃カメラと思うだろうが、ボクの場合、かつて採血だけで貧血を起こしたほどの、筋金入りの病院嫌い。
今まで入院は、睡眠無呼吸症候群の際、連れ合いの切なる願いで手術台に乗せられた一泊二日と、脳梗塞との誤診(?)から救急車で運ばれ検査入院した五日間だけである。そんなボクが胃カメラを飲むというのは、それだけの理由があった。胸焼けが止まらないのである。「胃がん」という文字も、脳裏をよぎった。
胸焼けは、今に始まったことではない。夜中に胃液が逆流し慌てふためいたこともしばしば。ひどい時には、病院に行かず治したい一心で市販の胃薬を一日に何袋飲んだか分からない。きたない話だが、そのせいで便が緑色になったこともあった。しかし、今回ばかりは限界。筆舌つくしがたい、読んで字のごとく焼けるような痛みに耐えかね、仕事の合間を縫って病院に向かったのである。
そんなボクの悲壮な決意に、連れ合いも心配顔で付いてきた。処置室というプレートを見ただけで気が重い。あれやこれや説明を受けたのち、スプレーやら、うがいやらの麻酔をかけられ、いざ検査開始。もはやまな板の鯉状態の心境だった。
カメラの挿入が始まり、口腔から食道をヘビのような管が進入していく。苦しい。涙が止まらない。胃までカメラが到達する一分間が、えらく長く感じられた。しかも、横で医師がモニターを見ながら、その部位ごとの症状を説明してくれる。結果は異常なし。
「きれいな胃ですね」とほめられた。そして、カメラの飲み方も上手ですねとおまけもついた。
診断は、逆流性食道炎。胃と食道を結ぶ弁が弱っているという。ひどくなれば手術もというが、それはご遠慮願い、薬をもらって退散した。
薬を飲むと今までの胸焼けは嘘のようにすっきり。これなら、もう少し早く行っておけば良かったと反省しきりの出来事だった。
四月から厚生労働省の旗振りで、特定健診、特定保健指導が始まる。病気の早期発見、生活習慣病予防を目的に、四十歳から七十四歳の被保険者に義務づけられる制度だ。食事の栄養指導も行うという。目的は、糖尿病や心血管疾患を引き起こすメタボリックシンドローム、いわゆる内臓脂肪型肥満をなくすこと。「健やかに老いる」ためには、これが重要らしい。
この制度により増大する医療費削減を目論む官僚たちのシナリオ通りいくかは別に、定期的に自分の健康を考える機会になることだけは確か。
日本人の寿命は男性七九歳、女性八五・八一歳、平均寿命八二・四歳という長寿国である。ボクも健康でいられれば、あと三十年は生きる計算だ。
暴飲暴食、運動不足から抜け出すマスタープランを、そろそろ作る年齢になったと感じる大台一週間前である。(雨)
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