全動労裁判の
勝訴を受けて
二月十五日、中野ゼロホールで「首切り通告から21年 怒りの2・15中央集会」が4者・4団体の主催で開催され、七百人が集まった。
主催四団体を代表して建交労・佐藤委員長と国鉄闘争に勝利する共闘会議の二瓶議長があいさつをした。
佐藤委員長。「一月二十三日に全動労裁判の採用差別の違法性を認めた判決が出た。マスコミの報道は『政府は労組と協議して全面解決をせよ。解決をこれ以上延ばすのは政府の怠慢だ』と一斉に報じた。一月二十五日に、国交省に政治決断を行うように申し入れをした。しかし、政府は自ら解決に向けて動く姿勢を示していない。世論を喚起する新たな行動が必要だ。四党合意の二の舞は踏まない。当事者の納得のいく解決を求める」。
二瓶議長。「解雇通告から二十一年が経過した。早期解決をなんとしても実現しなくてはならない。民主党の国会議員へ要請を行った。そこでの話では、国交相に直接面談を申し入れたが拒否された、という。その理由は『1・23、3・13判決は運輸機構側が百パーセント勝つから会うわけにはいかない』というものだった。判決後に、民主党国会議員と会った。『不当労働行為が認定されたことは極めて大きい。いっしょうけんめいやりたい』というものだった。解決金だけが解決ではない。雇用と年金を合わせた三点セットだ。鉄建公団訴訟でJR東海会長の葛西の証人喚問が決まった。これは『国がほうっておいてはいけない』という裁判所の意思だ。正念場だ。当事者が前面に立って、大衆闘争と裁判闘争をひっぱって解決をつくりだす」。
次に、主任弁護士の加藤健次さんが一月二十三日の全動労裁判判決について解説を行った。
「四回目の裁判でようやく勝利した。運輸機構の言い分をひっくりかえし、9・15鉄建公団訴訟判決の水準を維持し確認させた。@運輸機構側は分割・民営化に反対するような労働者はJR職員としてふさわしくないと見られても仕方がないとして、なぜ、採用名簿に載せなかったかの反証はしなかった。労働組合活動をつぶす主張をしてきたが、裁判所はこのような主張を認めなかった。これはリストラに反対する組合活動への弾圧は違法であるということであり、意義があるA消滅時効について。一九八七年から三年が過ぎているから、訴えることができないという運輸機構側の主張を退けた。マスコミも政府の責任を一斉に報道した。この成果を一気に広げて政府へ解決のテーブルにつくようにせまっていこう」。
不当労働行為
の認定と問題点
続いて、龍谷大学法科大学院教授の萬井隆令(よろい・たかよし)さんが「全動労判決の評価とJR不採用問題」と題して記念講演を行った。
「二〇〇三年十二月、全動労最高裁判決は、@国鉄改革に伴う職員の移動はJRと清算事業団への『振り分け』であるAJRの『使用者』性を否定―JRに使用者責任を問い得ない(不当労働行為があった場合、精算事業団=鉄建公団が責任を負う)というものであった。それ以降の裁判闘争は、この枠内でしか争えなくなった。今回の裁判の争点は、JR北海道、JR貨物に採用されなかった原告らについて@国鉄による不当労働行為の存在の認定A不当労働行為による損害賠償、であった」。
「本判決の意義は組合所属を理由とする不公平な取り扱い(不当労働行為)が認定されたことである。この判決を東京高裁で覆すことは難しい。国鉄の分割民営化に際し、国鉄は不当労働行為を行った=『ながれ』はできた」。
「しかし、本判決の特徴は明快さに欠ける判旨―判断が一直線に進まず、揺れており、結論への道筋を読み取り難い。本判決の問題点。@『不選定』と不採用の関係について誤認している。『不選定がなければ、原告等がJR北海道等に確実に採用されていたという関係を認めるには足りない』と判示しているが、採用予定候補者名簿への掲載はJR採用に直結していた。A損害を『精神的打撃』に限定している。採用されなかったこと自体による損害を認定しない明確な説明がない。判断を誤った原因。改革法二十三条によるJRの新規採用とみる―最高裁の『振り分け』論から逸脱・後退している。本判決は『不公平な取り扱い』『差別的取り扱い』といい、『不当労働行為』とは呼ばない(組合所属を理由とする『不公平な取り扱い』『差別的取り扱い』と判示して、内容的には不当労働行為を認定しているにもかかわらず)」。
「不当労働行為の救済は原状回復が基本である。本来ならJRへの採用が命じられるべき。不当労働行為の認定を政治的解決につなげる運動に期待したい」。
次に、鉄建公団訴訟・加藤晋介主任弁護士、採用差別国労訴訟・宮里邦雄主任弁護士、採用差別横浜人活訴訟・岡田尚主任弁護士、鉄道運輸機構訴訟・萱野一樹主任弁護士がそれぞれ裁判の進行状況を説明した。
鉄建公団訴訟・加藤晋介主任弁護士は、二月十五日、東京高裁101号法廷で開催された鉄建公団訴訟第7期日弁論の中で、原告側より強い要請のあった敵性証人に葛西敬之JR東海旅客会社代表取締役会長の証人喚問が決定したことを報告した(証人調べは次回期日4月18日13時30分、次々回期日が5月30日、1時30分いずれも101号法廷)。加藤さんは、「今回の葛西の証人採用は、裁判所が解決しなければならないと考えているメッセージである。3・13判決をみて、解決の方向へ流れをもっていく。原状回復につなげられるかどうかは運動の力にかかっている」と檄を飛ばした。3・13判決を迎える萱野さんは「東京地裁の民事の労働部は三つある。すでに、二つのところで、不当労働行為を認めさせた。残る19部でも認めさせ、地裁の三つの部全部が認定するという動かし難い確固とした土台をつくりたい。何としても負けられない」と決意を述べた。
次に、安部誠管理職ユニオン副委員長が日本マクドナルド判決の意義を報告し、国鉄闘争と連帯していくと力強いアピールを行った。さらに当事者全員が登壇し、判決を迎える川端鉄道運輸機構訴訟団長が、二月・三月の闘争予定を報告し、勝利に向けた決意を述べた。最後に、高橋国労委員長が「闘ってよかった、支援してよかったという納得のいく解決をめざそう」と締めのあいさつをし、集会アピールの採択(別掲)、団結がんばろうで集会を成功させた。 (M)
集会アピール
政府・鉄運機構を追い詰めるために全力で闘いぬこう
本日、中野ゼロホールで「首切り通告から21年――怒りの2・15中央集会」を開催し、改めて全面解決を勝ち取る決意を固め合い、集会は大きく成功しました。
明日の2月16日は、被解雇者にとって紙切れ一枚で「JR不採用」を一方的に通告された、生涯、忘れることのできない屈辱の日です。あれから早期解決をめざしたJR採用差別事件(1047名問題)の闘いは、21年という時が経過することになり、本年1月23日の全動労訴訟判決が言い渡されたこの日にも、北海道・紋別闘争団の須藤俊春さん(55才)が他界し、被解雇者総体では、実に47名にのぼる仲間が、解決を見ることなく無念の生涯を閉じる事態となっています。
この間、政府・鉄道運輸機構は、「まとまらなければ解決を図ることは難しい」等と被解雇者や当該労組・支援組織に責任転嫁してきましたが、最早その言い逃れは通用しません。とりわけ昨年開催した「11・30全国大集会」成功に象徴されるように、「4者・4団体」のより確かな運動実態を構築し、解決の枠組みを社会的にアピールしてきたところです。
また、国際労働機関(ILO)は、1999年11月の中間勧告以来、解雇された労働者の公正な補償を求め、政府と関係当事者の努力を求めてきました。さらに、2006年11月の第7次勧告では、政府に対し、解決に向けたILOからの「具体的援助」の受け入れも求めています。
一方、司法判断としては、2005年9月15日の鉄建公団訴訟判決に続く裁判として、その判決が注目されていた全動労訴訟で、本年1月23日、請求内容からいって問題はあるものの、いずれも時効問題をクリアし、旧国鉄(現・鉄道運輸機構)の不法行為を認定し、慰謝料等の支払いを命ずる判決が示されました。
本年3月13日の鉄道運輸機構訴訟判決にいても予断は許しませんが、司法の場における「不法行為の認定」は、揺るがしがたい大きな流れになろうとしています。
国内世論の高まりについても象徴的なものとして、全国の地方議会で多くの意見書が採択されており、その数は、本年1月現在、751議会・1125本(延べ)に上ります。
これらの全体情勢と闘いの到達点を踏まえ、「4者・4団体」は、改めて去る2月5日、国交省・鉄道局、鉄道運輸機構に対し、解決意思と交渉テーブルの設置を求める申し入れを行ってきました。しかし、曖昧な答弁に終始し未だに解決のためのテーブルに着こうとはしていません。ただこれまでと違い、「9・15」判決と「1・23」判決、解決をめざす「4者・4団体」の強固な団結により、間違いなく解決の決断に向かって政府・鉄道運輸機構を追い込んでいると、その態度全体から感じ取ることができます。文字通り、「追い込みされるかどうかの重要な局面に立っている」と言って過言ではありません。
ここで一気にJR採用差別事件の解決を政府・鉄道運輸機構に決断させるため、この2月、3月を最重要闘争ゾーンと位置づけ、「4者・4団体」は、持てる力を振り絞って闘い抜きます。全国の仲間の一層のご支援を心から訴えます。
2008年2月15日
首切り通告から21年――怒りの2・15中央集会
「日の丸・君が代」強制反対!
石原・都教委の暴走止めよう
卒入学式「不起立」処分許すな
憲法改悪への
先取り攻撃だ
二月十日、石原・中村都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットは、東京・中野ゼロで「『日の丸・君が代』強制反対!処分撤回!2・10卒・入学式総決起集会」を行い、四百五十人が参加した。
政府・与党のグローバル派兵大国建設の一環である愛国心教育と国家主義的統合の強化と連動して東京都教育委員会は、○三年十月二十三日に「入学式・卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」通達(10・23通達)を出して以降、「日の丸・君が代」強制に抗議する三百八十八人の教職員を「職務命令」違反だとして処分を強行してきた。憲法十九条の思想・信条の自由を否定し、改憲攻撃の先取りだ。
さらに「東京都教育ビジョン」(○四年四月)に基づいて新自由主義教育破壊を押し進め、ジェンダーフリーバッシング、侵略戦争と天皇制を賛美する「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書採択など数限りない教育の反動化に突進している。
このような石原・都教委の暴挙を許さず、被処分者と市民たちは、首都圏ネットをはじめ反撃のスクラムを作り、ねばり強く運動を広げてきた。10・23通達から五回目の卒業式・入学式を前にして、この間の運動の成果と課題を共有化し、都教委の「日の丸・君が代」強制に抗議し、処分攻撃を許さないために集会を行った。
大きく広がる
反撃のスクラム
集会は、主催者の開催挨拶後、沖縄教科書問題の性格と今後の取り組みについて高島伸欣さん(琉球大教授)、杉並・和田中学の民間塾企業による夜間塾設置を通した教育の民営化の危険性について杉並区教員、神奈川県教育委員会による「君が代・日の丸」強制に抗議する不起立教員の「氏名収集」継続に抗議する高校教員から報告と決意表明が行われた。
続いて共謀罪反対運動、勝利した労働争議(全逓4・28闘争、ジャバマハイツ、国立女性ユニオン)から連帯アピール。
「日の丸・君が代」解雇・処分撤回を求める裁判闘争の報告のトップとして、東京都君が代嘱託採用拒否事件弁護団が東京地裁の二・七判決の分析、評価を行った。
〇三、〇四年度の卒業式などで起立しなかった教職員が懲戒処分を受け、〇五、〇六年の退職後に非常勤教職員として採用をもとめていたが、都は不起立処分を理由に再雇用を拒否した。地裁は「不起立が勤務成績を決定的に左右するものとは言えず、再雇用を否定すべき非違行為とするのは疑問」と判断し、一年分の賃金相当額(一人当たり約百九十万円)の賠償を命じた。
だが地裁は、10・23通達について憲法十九条違反だと判断せず、改定前教育基本法十条の「不当な支配」に該当することも認めなかった。
弁護団は、この判決の限界を指摘したか、そのうえで「国歌斉唱時の不起立のみを理由とした本件採用拒否を都教委の裁量権の逸脱・濫用にあたり違法であると判示したことは、都教委の10・23通達以後の『日の丸・君が代』の強制に、司法が一定の『歯止め』を掛けたものと評価できる」と提起した。
なお都教委の中村正彦教育長は、「裁量の逸脱、乱用はない」と居直り、控訴した。 石原都知事も「都教委の姿勢は間違っていないと思う。控訴に賛成」と発言している。
東京都君が代嘱託採用拒否事件原告団は二・七判決の限界を批判し、完全勝利に向けて奮闘していくことを表明した。
さらに藤田勝久さんが都立板橋高校卒業式弾圧と裁判闘争、東京教組が取り組む反処分裁判を報告した。
「卒業式・入学式に向けた闘い」では、卒・入学式対策本部から報告と取り組みを呼びかけた。本部は、「日の丸・君が代」強制に反対する予防訴訟をすすめる会、被処分者の会、被解雇者の会、嘱託員不採用撤回を求める会で構成され、「内心の自由」
を守り抜くために闘いを準備していることを紹介し、連帯を訴えた。
続いて、不起立宣言をしている根津公子さん(都立南大沢学園養護学校)、河原井純子さん(都立八王子東養護学校)が登壇しアピールした。都教委は、根津さんに対して免職恫喝を行いつつ、さらに「日の丸・君が代」強制に抗議するトレーナーを着用したことで事情聴取し、「職務命令違反、職務専念義務違反」だとして不当解雇を策動している。集会では「根津公子さんの解雇を阻止する特別決議」が採択した。
全国の取り組みとして、宮城、大阪、三重の仲間たちによる「日の丸・君が代」強制反対闘争を報告。最後に、集会決議、行動提起を参加者全体で確認した。 (Y)
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