| 沖縄・米海兵隊員による性暴力糾弾 かけはし2008.2.25号 |
もうたくさんだ!すべての
米軍基地を直ちに撤去せよ |
アメリカ合衆国ブッシュ大統領 殿
在沖米総領事 殿
在沖米四軍調整官 殿
基地・軍隊の駐留を強いられている私たち沖縄県民・女性は、2月10日、またしても米兵による悪質な事件が起こったことに、強い憤りを覚えます。
基地・軍隊が存在するゆえに、女性・子どもたちが安心して暮らせない沖縄の状況が、62年も続いています。
今回の事件が連休の最中で市民の楽しむ場から連れ出されたということは、軍隊の存在によって県民の生活の場がいかに暴力と隣りあわせ、危険であるかを物語っています。しかも加害者の海兵隊員(キャンプ・コートニー所属)は、基地の外、住民地域に居住していました。
どうして、米軍兵士がいつでも自由に、県民の生活地域に入ってくることが許されるのでしょうか。なぜ、子ども・女性が安心して生きられる環境が大事にされないのでしょうか。被害に遭った少女の恐怖、父母の悲しみと怒り、さらに地域の人々が受けた衝撃と不安は、計り知れないものがあります。
事件が起きるたびに米軍から繰り返し発せられる「綱紀粛正」の約束。しかし、それがいかに実態を伴わないものであるか、過去においても、アメリカ独立記念日など米軍の休日において米兵の暴力が弱い少女たちに向けられてきました。
今回の事件の背後に、被害を訴えられない女性や子どもがいることを忘れてはいけません。私たちは「軍隊は構造的暴力組織であり、地域においても、また国家間においても真の安全は保障しない」という立場から、暴力をなくすために軍隊の撤退をもとめます。
そして私たちは、以下のことを求めます。
一、暴力を受けた児童、生徒への精神的ケアーを充分に行うこと。
一、被害を受けた少女への謝罪と補償、加害米兵の厳正なる処罰を行うこと。
一、基地外に居住する米兵に対する行動の管理および規制を行うこと。
一、日米軍事再編は、沖縄の基地のさらなる強化にほかならない。沖縄の全ての基地・軍隊の撤退を求める。
2008年2月12日
基地・軍隊を許さない行動する女たちの会
共同代表 高里鈴代 糸数慶子
那覇市久茂地3―29―41―402
TEL/FAX098―864―1539
歴史的没落に直面する「帝国」
ブッシュ「年頭教書」演説批判
戦後最大級の
金融危機が襲う
イラク侵略戦争で惨憺たる結果を示し「史上最悪の大統領」とも呼ばれたジョージ・W・ブッシュ米大統領は、経済の面では「成果」を示したと一部では評価されていた。
「経済運営においては功績を認めないわけにはいかない。07年現在のほぼ全世界的な好況を導いた功績は、グリーンスパンと彼(ブッシュ)にあると思われる」(竹森俊平『1997年――世界を変えた金融危機』、朝日新書)がその典型である。著者の竹森俊平(慶応大経済学部教授)は、ブッシュの「行け行けドンドン」的な攻勢的・楽観的路線がイラクでの破綻と経済での「成果」を招いたのだ、と捉えていた。
しかし一月二十八日(日本時間二十九日)の米上下両院合同会議で行われたブッシュ最後の「一般教書演説」は、彼の「成果」とされてきた経済をめぐる冒頭部分で「米国経済は先行き不透明な時期を経験している。長い目で見れば、国民が経済成長に自信を持てるが、短期的に経済成長が減速していることは明らかだ」として、「サブプライムローン」に端を発した米国経済の停滞を認めざるをえなかった。今や「減速」を通り越して経済活動自身の後退から不況・恐慌局面への転落すら予測されている。
竹森はこの状況に直面して今度は「1987年に起きたブラックマンデー、97年のアジア通貨危機と比較して、2007年に発生したサブプライム危機は世界経済への影響が遙かに重大となるだろう」と書いている(「戦後世界最大級の金融危機に発展する可能性も」、『週刊エコノミスト』2月5日号:特集「米国崩落」)。
ブッシュが一月十八日に発表した約十六兆円にのぼる緊急経済対策も、効果を発揮する可能性は小さい。すでに金融部門、自動車部門などでの大規模なリストラが進行しており、米国の失業率も昨年十二月の四・七%から来年までに六・五%に跳ね上がるだろうとの予測もされている(投資銀行最大手ゴールドマン・サックス)。米国発の長期不況の波が押し寄せている。「対テロ」グローバル戦争の先制的な強行とセットとなった、「攻勢」的なブッシュの新自由主義政策は、彼の最後の一年に決定的な危機の局面を満開させることになろうとしている。
強気のポーズ
だが出口なし
一方、ブッシュの08年「年頭教書」は、経済における「不透明な局面」の自認とは一見対照的に、昨年初頭以来のイラクへの「増派」の「成果」を高々とうたい上げる「強気」のポーズを取っている。「米国に見捨てられると心配した人が見たのは、米軍が隣家へ入り、テロリストを掃討し、敵が戻って来ないよう援護する姿だ。敵は依然として危険で活動もより活発であるが、イラクへの米軍増派は一年前にはほとんどの人が想像しなかった成果を上げた。アルカイダはイラクで敗走中で、敗れ去るだろう」と。
イラクでの米軍の死者数は、昨年は開戦以来最多となり今や四千人に達しようとしている。他方、本紙前々号・前号に掲載したジルベール・アシュカルとのインタビューでも指摘されているように、首都バグダッドを中心とした米軍の集中的な兵力投入によって、宗派的な衝突をふくむ武装勢力の活動が低下していることは事実である。流入した「アルカイダ」勢力の孤立も進んでいるようである。
しかしそのことは、イラク情勢が「構造的安定」の局面に入ったことを意味するものではない。むしろ不安定化の要因は北部のクルド人問題をふくめて多様に拡散しており、イラクの石油資源を米国系多国籍企業が収奪しようとする「イラク石油法」への批判と抵抗の拡大など、大衆的な反米・反占領の感情がいっそう広がっている。米国はたとえ一部ではあっても占領支配に友好的な階層・グループを育成することに成功していない。
かくして「米軍の役割は作戦の先導からイラク軍のパートナーへ、そして最終的にはイラク軍の監督へと移っていく」という、それ自体傲慢きわまりないブッシュの願望は幻想に過ぎないことは、明らかである。日本占領から駐留軍方式への移行を模したイラクの直接的軍事支配からの移行プログラムは、画餅に帰すことが必然である。
ブッシュは占領米軍の段階的撤退に関する期日を明示できなかった。「すでに陸軍1旅団と海兵隊遠征部隊が帰国した。……それ以上の部隊の削減は、イラクの状況と司令官たちの助言に基づいて行われる。ベトレイアス将軍は削減を急ぎすぎると、イラク治安部隊が崩壊しかねず、アルカイダが失地回復しかねないと警告している。ここまで来て、そんなことを許してはならない」。この一般教書演説の言葉は、米国の袋小路を如実に物語っている。ブッシュ後継政権はこのイラクの泥沼から抜け出せるのだろうか。いずれにせよ、イラクの「復興と平和」の第一の条件はイラクからの全占領軍の撤退以外にはないということが唯一の回答である。
再び世界中で
反戦のうねりを
ブッシュのイラク戦争の大破綻は、イスラエルとの共謀シナリオによる「中東和平」構想を崩壊させている。そしてアフガニスタンはタリバン勢力の復活とNATO諸国間の派兵をめぐる深刻な対立・分裂を作りだし、さらには百億ドルもの援助資金を投入して「対テロ」戦争の重要な同盟国にしたてあげたパキスタンを、「対テロ」戦争の戦場にまで転化させてしまった。
この中で、米国はイランに対し「あなた方がはっきり知っておくべきことは、米国は米軍を脅かす存在には必ず立ち向かうということだ。われわれはつねにわれわれの同盟国とともにあり、ペルシャ湾におけるわれわれの利益を守る」と、戦争の恫喝で「核開発」をめぐりイランの側からの妥協を引き出そうとしている。
この脅迫は、ブッシュの焦りの表現であって、決して彼らの「強さ」や「決意」を示すものではない。ブッシュは支持率三〇%そこそこにまで低下した「史上最悪の大統領」としての汚名を身につけたまま、恥辱にまみれて退場することに耐えられず、なんとかして形だけでも取り繕って「成果」と強弁すべきものを残しておきたいにすぎない。しかしそれはムダなあがきというべきである。そして誰がなろうと次期大統領にジョージ・ウォーカー・ブッシュが残した「遺産」とは、冷戦の終焉とソ連崩壊によってアメリカが手に入れた軍事的にも経済的にも「唯一の世界覇権国家」という地位が歴史的没落を迎えた姿なのである。
全世界の労働者・民衆は、この歴史的没落にあらがおうとする米帝国主義の軍事的冒険を阻止しなければならない。イラク開戦まる五年の三月二十日を前後して、全世界でイラク反戦の行動が取り組まれる。日本でもすでに全国各地で反戦集会が準備されている。
東京では三月二十二日(土)に「イラク占領、まる5年 WORLD PEACE NOW3・22〜平和を願い世界が動く〜」(芝公園23号地 午後1時)が開催される。この日のピースパレードは、アメリカ大使館に向けて行われる。
ふたたびイラク反戦のうねりを作りだそう。それは同時にブッシュに追随してアフガニスタン・イラクの戦争に自衛隊を派兵し、「米軍再編」によって自衛隊を米主導のグローバル戦争に参戦させようとしている日本政府に対する闘いである。 (純)
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