| 沖縄・米海兵隊員による性暴力糾弾 かけはし2008.2.25号 |
もうたくさんだ!すべての
米軍基地を直ちに撤去せよ |
連日展開される
怒りの抗議行動
二月十日夜、沖縄でまたしても米兵による少女への性暴力事件が起こされた。同日午後八時半ごろ沖縄市の路上で、在沖縄米海兵隊員でうるま市のキャンプ・コートニー配属のタイロン・ルーサー・ハドナット二等軍曹が、友人といっしょにいた中学生の少女を「家まで送る」と言ってオートバイに乗せ、北中城村(きたなかぐすくそん)の自宅に連れ込み、性的暴力行為を行おうとした。逃げ出した少女をハドナット二等軍曹は車で追いかけ、さらに「家まで送る」と繰り返して車内に引きずり込み、北谷(ちゃたん)町の路上で車を止め、車内で性暴力を振るった。
女子生徒は携帯電話で友人に助けを求めた、という。沖縄県警はハドナット二等軍曹を強かん容疑で緊急逮捕した。被害者の少女の恐怖と怒りは、どれほどのものだったろうか。基地・軍隊を許さない行動する女たちの会をはじめとする沖縄の女性たち、そして沖縄の人びとは、一九九五年九月の小学六年生の少女への性暴力事件をただちに思い起こさざるをえなかった。
米軍による住民への暴力に日常的にさらされている沖縄の人びとは、ただちに緊急の抗議行動に立ち上がった。那覇市議会、沖縄市議会、北谷町議会、沖縄県議会が相次いで「被害者への謝罪、基地縮小、日米地位協定の抜本的見直し」などを求める決議を全会一致で上げるとともに、那覇の米総領事館、北中城村のキャンプ瑞慶覧(ずけらん)前などで労働者・市民が激しい怒りをぶつけた。
沖縄で、佐世保で、岩国で、そして横須賀、厚木、座間、横田、三沢でも、在日米軍兵士による暴力やひき逃げが繰り返されている。島ぐるみの闘いで当時の大田昌秀県知事が軍用地強制使用の代理署名を拒否した一九九五年以後も、在日米軍による「凶悪犯罪」はいっこうに減少していない。
タテマエだけの
「再発防止措置」
沖縄では昨年一年だけで、米軍人・軍属・その家族らによる刑法犯の検挙人数は四十六人に及ぶ。地位協定の壁に守られて、日本側が身柄を拘束できない米軍関係容疑者の数も多い。昨年十月には岩国基地の米海兵隊兵士が広島市内で女性を集団暴行した。横須賀では二〇〇六年一月に、米兵によるパート女性への強盗殺人事件まで引き起こされている。
事件が起きるたびに「再発防止」や「綱紀粛正」というタテマエ的言辞が繰り返される。しかしそれは全く言葉だけである。軍隊や基地という支配階級の殺人・暴力機構は、住民を「敵」とし、女性や子どもへの性暴力を内在させた存在であることが、この現実から浮かび上がる経験的本質であることを、とりわけ沖縄の住民はしっかりとつかみとっている。「軍隊は住民を守らない」「すべての基地を撤去せよ」というアピールをたゆむことなく発し続けよう。
「米軍再編」の
全面的撤回を
二月七日に首相官邸で開かれた「普天間移設協議会」で、仲井真弘多・沖縄県知事は、防衛省が辺野古新基地建設に関わる環境影響評価(アセスメント)方法書の追加資料を提出したことを評価し、アセスメント本調査を「最優先の課題として取り組む」と述べたことに、政府・与党は安堵した。その見返りとして政府は二月九日に、名護市に対して米軍再編に伴う交付金を支出する方針を固めた。
二月十日の岩国市長選では、政府・与党が総力で支援した「艦載機移駐受け入れ」派の福田良彦・前自民党衆院議員が僅差で当選した。「米軍再編」への大きな難関がクリアされたとして、政府や米国はひとまず胸をなで下ろした。
そこに起こった米海兵隊員による少女レイプ事件である。シーファー駐日米大使やライト在日米軍司令官が相次いで沖縄を訪れ、仲井真知事に「謝罪」を表明した。福田首相や高村外相、石破防衛相、町村官房長官なども、口々に「遺憾」の意を表明した。
しかし日米両政府の対応は、「今回の事件が『米軍再編』の妨げにならないようにする」ということにつきる。彼らの「謝罪」や「遺憾」は、住民の怒りをかわして、いかに「米軍再編」をスムーズに進めていくか、というためのものだ。もうたくさんだ。これまで、何回、「謝罪」や「再発防止の約束」が語られたことだろうか。
米軍がグローバルな「対テロ」戦争を遂行し、自衛隊がその実戦部隊に組み込まれて米軍の指揮下で海外での作戦に従事するための「米軍再編」こそ、住民への人権侵害、暴力の規模を拡大する最大の要因なのである。占領下のアフガニスタンやイラクで米軍が住民に対して行っている虐殺、暴行の数々、韓国やフィリピンでの女性への凌辱、そしてグアンタナモの強制収容所で日々繰り返されている拷問を見るとき、今回の少女への性暴力犯罪こそ、まさに侵略のための軍隊と基地に組み込まれたものだと言わなければならない。
「二度と繰り返してはならない」。この言葉を現実のものとするために、今こそ「米軍再編」計画を全面撤回し、基地を完全に撤去するために闘わなければならない。沖縄の人びとは、再び、三たび「県民大会」を準備していると報じられている(「朝日」2月14日夕刊)。
沖縄の怒りと結び、沖縄から「本土」からすべての米軍基地を撤去しよう。(K)
【追記】「週刊新潮」2月21日号は「『危ない海兵隊員』とわかっているのに暴行された沖縄『女子中学生』」という大見出しで、あたかも「危ない」海兵隊員の暴力を受けた被害者の側に非があるかのような記事を掲載した。これはメディアによる「セカンドレイプ」にほかならない。「週刊新潮」はただちに被害者に謝罪せよ!
沖縄・一坪反戦関東ブロック
米大使館へ緊急抗議行動
これ以上被害者を出さない
二月十三日午後六時半、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは、二月十日に起こった米海兵隊員による少女暴行事件に抗議して、緊急の米大使館抗議行動を呼びかけた。東京・虎の門のJTビル前には、この冬一番の寒気の中で四十人の労働者・市民・学生が集まった。
いつものように警官隊が、抗議のために米大使館前に向かおうとする仲間たちに阻止線を張っている。二〇〇三年のイラク戦争開始以後、それまではまがりなりにも可能だった米大使館前での抗議行動は、なんの法的根拠もないままに妨害されている。
警官隊による不当な行為に対して「いったいあなたたちは何を守っているのか」という怒りがぶつけられる。
この日の行動には緊急の呼びかけだったにもかかわらず、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、アジア女性資料センター・ふぇみん婦人民主クラブ・女たちの戦争と平和資料館などから九通の抗議文が寄せられた。各団体の代表が米大使館の前で、それぞれの抗議文を読み上げた。一時間半におよぶ抗議行動のしめくくりとして、仲間たちは「米軍基地を撤去せよ」などのシュプレヒコールを米大使館に向けて怒りをこめて叫び、今後もさらに行動を積み上げていくことを確認した。 (K)
大阪米国領事館への緊急行動
少なくとも日米地位協定の抜本的な見直しが必要だ
【大阪】二月十六日、沖縄米兵少女暴行事件に対する緊急抗議行動が行われた。呼びかけたのは、沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会、関西共同行動、しないさせない戦争協力関西ネット、米軍犯罪被害者救援センター。
領事館前で簡単な集会をし抗議文を読み上げた。十三年前の沖縄少女暴行事件以来でも、米軍による犯罪は増加している。事件のたびごとに米国政府は米兵の綱紀粛正と再発防止を繰り返えしてきたが、その約束は守られることなく事件・事故は多数起きている。抗議文では、被害者に対する謝罪と速やかな補償、日本の捜査当局に協力して加害者を厳正に処罰すること、再発防止の実効性ある対策の早急な作成、「日米地位協定」の抜本的な見直し、在日米軍の撤退と基地の撤去を要求した。
一人一人の思い
を語る参加者
この行動には六十人ほどの労働者や市民、在日の人たちが参加し、多くの人たちが発言した。
「このような事件が起きるのは米軍基地があるからだ、撤去するまで闘う」。「力の弱いものに暴力が向けられることに対して、特に女性たちは腹の底から怒らなければいけない。橋本大阪府知事は防衛相にあいさつに言ったようだが、そんなことやっている場合ではない」。
「犯罪者の米兵が基地内に逃げたら日本は何もできないことが問題だ。岩国の海兵隊四人が広島で起こした女性暴行事件は不起訴になったが、今回の沖縄の事件を配慮したのか、軍法会議にかけて経過を公表すると米政府が方針転換したようだ。根本的には安保条約があることが問題だが、せめて地位協定の抜本的見直しが必要だ。」
「沖縄問題が解決しない限り戦後は終わらない。いつの間にかうやむやにされてしまうことのないように、最後までがんばろう」。「戦後六十年以上たっても、地位協定のような不平等条約が未だに存在すること自体が問題。日本のみんながこれを許していることが問題だ」。「米軍のいるところ、基地のあるところ、戦争のあるところ暴力と人権侵害が繰り返して起きている。韓国でも同じ事件が起きている。米軍を追い出し基地を撤去するまで闘いたい」。
「あんな時間帯にうろうろしていることが問題だと言って、加害者と日本政府をかばうような人たちがいる限りなかなか解決しない。怒りをもって訴えていこう」。
「一九九五年事件のとき十五歳だった少女は今二十三歳。彼女が今この事件をどう考えているかと思うと心が痛む。この十三年間、私たちが沖縄の現状を変えて来れなかったことを反省している」。「韓国では四十トンの装甲車に女子中学生がひき殺されたが、犯罪者の米兵は無罪宣告を受けた。地位協定の存在が米兵の犯罪を国民に見えにくくしている。このような集会が行われることは大きな意味がある」。
「国会議員団と一緒に米国大使館の中に入り、抗議した。今回の事件の特徴と背景には、基地の外に住んでいる米兵が非常に増えている事実がある。北谷町でも町八千戸のうち千二百戸が米軍の住宅だ。家賃四十万もの超豪華な住宅に住んでいる。住民登録などはどうなっているのか、大きな問題になっている。オーストラリア人の女性が米兵に暴行され、日本の警察は不起訴にしたが、本人が個人で民事裁判を起こして、事実を日本の司法に認めさせて三百万円の慰謝料判決を勝ちとった。ところが米兵が逃げてしまって判決が宙に浮いている。こんなとんでもなことはない」、などなど。
二月十八日には、外務省と防衛省の出張所に申し入れ行動をすることになっており、あらためて三月三日に領事館への抗議行動とデモを予定しているので参加をしてほしいとの呼びかけがあった。
(T・T)
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