全動労・鉄運機構訴訟一審判決
勝訴をふまえ、さらに前進を今こそ解雇撤回し全面解決へ |
一月二十三日、東京地裁民事十一部(佐村浩之裁判長)は、全動労組合員のJR不採用事件に関し、被告独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対して、原告一人当たり五百五十万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。採用差別を「中立保持義務」に反する「民法上の不法行為」と認定したものであった。
原告団はただちに「本日の判決によって、採用候補者名簿作成の過程で国鉄が不当労働行為を行った事実とその法的責任は争う余地のないものになった。このことは、二十年にわたるわれわれのたたかいの正しさを証明するものである。われわれは、鉄道運輸機構及び日本政府が、本日の判決で示された不当労働行為の事実と損害賠償責任を踏まえ、採用差別事件の全面解決のための交渉のテーブルに着くことを強く求めるものである」と声明を出して、政府・鉄運機構へ責任を取るようにせまった。
こうした中で、翌日のマスコミ各社はこの判決を大きく扱い、国が責任をとって解決せよとする報道を行った。「東京地裁判決は、国策が生んだ『負の遺産』の解決を強く促している。旧国鉄による組合差別を初めて認めた05年9月の判決を追認しており、救済を拒む国側の姿勢が改めて問われそうだ」「国鉄改革を断行した当時の中曽根康弘首相は86年、『一人も路頭に迷わせない』と公言した。国はその`原点aを重く受け止め、解決の道筋を示す時期にきている」(毎日、1月24日付)。
今回の全動労地裁判決は二〇〇五年9・15鉄建公団訴訟判決に続く、闘う側にとって極めて重要な判決であったが、鉄建公団訴訟原告団中央協議会などの声明(資料別掲)でも明らかなように、「国鉄改革法23条を引用して採用候補者名簿搭載と採用行為は別だとし、賃金・年金等相当損害の賠償までは認めていない」不十分な側面を持ったものである。政府が国鉄分割・民営化そのものが間違っていたことを認め、謝罪と原告団の要求を全面的に認めるように、裁判闘争と大衆闘争を強力に推し進めていこう。 (滝)
資料
全動労判決への声明
さらに鉄運機構訴訟・鉄建公団訴訟の勝利へ
1 さる1月23日、東京地方裁判所民事11部(佐村浩之裁判長)は、全動労(現・建交労)組合員が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄運機構)に対して提訴したJR採用差別に関する損害賠償請求事件で、全動労組合員の請求を一人あたり550万円の限度で認容する判決を言い渡した。
この訴訟は、1987年の国鉄分割民営化に際して、JRに採用されなかった原告らが、国鉄を承継した鉄運機構に対し、原告一人当たり5500万円の賃金・年金・退職金相当損害金と慰謝料の支払いを求めたものである。
2 判決は、国鉄当局が、国鉄の分割民営化に反対した全動労組合員を敵視し、JR採用候補者名簿の作成にあたり、労働組合に対する中立保持義務に違反して不利益に取り扱ったことを認め、不法行為が成立するとした上で、消滅時効の起算点も中労委のJR各社に対する救済命令の取消訴訟が最高裁判決により確定した2003年12月22日とした。これらについての同判決の判示は適切であり積極的に評価できる。
しかし、同判決は「単に、全動労に所属していることの一事をもって採用候補者に選定されなかったとまではいえない」と判示し、国鉄改革法23条を引用して採用候補者名簿搭載と採用行為は別だとし、賃金・年金等相当損害の賠償までは認めていない。
この点では、我々原告団員は、国労組合員というだけでJR採用候補者名簿に登載されずに不採用とされ、他方、国労を脱退した者は事故歴、処分歴、組合役員歴等を一切問わずに採用された現実からすれば、同判示は事実誤認の不当なものである。ここに同判決の限界がある。また、採用候補者名簿に登載された者は全員JR各社に採用されているのだから、国鉄改革法23条は本来、原告らの承継法人採用の権利を否定する理由とはならない。同判決の通りであれば、差別があっても賃金等相当損害の賠償を認めない改革法23条は、憲法27条(勤労権)28条(団結権)違反にほかならない。
さらに、550万円は21年間に及ぶ原告ら組合員の苦闘を償うべき慰謝料としてはきわめて不十分であるといわざるを得ない。
3 ただ、我々の鉄建公団訴訟での9.15判決に加え、昨日の全動労判決により、「組合差別があってはならない」という憲法・労組法に基づく参議院決議にも関わらず組合差別があったことは争う余地がなくなり、我々の「国家的不当労働行為」との闘いの正しさが証明された。
我々原告団及びその家族は、1987年2月16日の「解雇」通知から21年間、就職差別、結婚差別などあらゆる差別、偏見と闘い、苦難の道を歩んできた。21年間に1047名の仲間のうち47名が亡くなった。解決をこれ以上引き延ばすことは、団結権保障に反するだけでなく人道的にみても許されない。国及び鉄運機構は、直ちに不当労働行為を謝罪し、解雇を撤回して「JR等の雇用・年金補償・解決金(損害賠償・慰謝料)」の要求を実現する解決の方針を示すべきである。
4 我々はこの判決をふまえて闘いをさらに強化し、来る3月13日、解雇無効確認をも請求している鉄運機構訴訟の判決では、この判決の水準を必ずや突破し、鉄建公団訴訟の控訴審の勝利と納得のいく解決に向けて邁進する決意である。これまでの各位のご支援に感謝するとともに、勝利の日まで引き続きご支援、ご協力をお願いする次第である。
2008年1月24日
鉄建公団訴訟原告団中央協議会 対鉄建公団訴訟・鉄道運輸機構訴訟弁護団 1047名の不当解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議
日雇全協反失業総決起集会
不当逮捕・起訴を許すな!貧困・失業に抗し生存権を
一月十四日、東京山谷で「佐藤さん虐殺23ヶ年、山岡さん虐殺22ヶ年弾劾追悼、日雇全協反失業総決起集会」が行われ、各地で越年闘争を闘い抜いた日雇・野宿労働者、そして支援の仲間約二百五十人が参加した。
玉姫公園で行われた集会は冒頭に国粋会金町一家に殺された二人の仲間に黙祷を捧げた。続いて寄せられたアピールの紹介のあと発言に入る。持たざる者の国際連帯行動の仲間は十二月にフランスのDAL(住宅への権利運動)のアニー・ブールさんを招いて各地で後援会を行い、隅田川のキャンプアウト行動にもアニーさんが参加したことなどを報告し、さらに一月二十六日の「グローバルアクション・あらかわ」ヘの参加を呼びかけた。
続いて争議団連絡会議、反侵略学生共同行動、山谷労働者福祉会館・活動委員会、横浜・寿越冬実、釜ヶ崎パトロール、渋谷・のじれん、連帯労働者組合・ジャレコ分会が連帯発言を行った。対都行動を闘う全都野宿労働者実行委員会を代表して発言した渋谷・のじれんの仲間は十二月二日に東急資本によって「テロ対策」の名の下に行われた渋谷駅地下道での野宿者追い出しと、それ以降の抗議行動や排除された仲間の寝場所を確保する闘いの中で作り出していった越年期の闘いを報告した。
続いて釜ヶ崎日雇労働組合、笹島日雇労同組合、横浜寿日雇労働者組合、山谷争議団の日雇全協各支部が発言。山谷争議団の仲間は日本の労働者の約三分の一が非正規雇用となり、貧困が大きな社会問題となる中で、越冬ではフリーター全般労組の仲間と共に労働生活相談などを行うなど共同の取り組みが行われていることなどを報告した。
シュプレヒコールを上げ、山谷を一周するデモに出発した。デモの途中で加わってくる仲間なども含め、元気に声を上げながら進んで行く。
三分の二ほど進んだところで警視庁第6機動隊による不当な、全く許しがたい弾圧が行われた。この日は機動隊はタテを持たずにデモ隊を押したり、小突いたりするなど悪質な挑発を繰り返していたが、参加者は毅然と跳ね返していた。が、突然興奮し逆上した機動隊員が「逮捕!」と叫んだと思うと機動隊は一斉にデモ隊に襲いかかり、多くの参加者が殴られ、倒され、引きずり出された。そしてそのうちの三名が警察車両に引きずり込まれ、連れ去られた。
活動家を狙い撃ちにしての逮捕というわけでもなく、混乱を意図的に作り出しての弾圧というわけでもなく、個々の機動隊員が勝手に混乱して不法な暴力を働いた上での逮捕劇であった。
連れ去られた三人のうち二人は約二時間後に釈放された。残った一人を連れ戻しに浅草警察署に行くと一人は逮捕であると言う。そして釈放された二人は参考人として来ていただいた、などと言う。二人の仲間は暴行され、連行されたのである。
今回、警察はサミット警備の予行演習と位置づけ、経験の浅い機動隊員に場数を踏ませる目的を持ってハッパをかけていたと思われるが、最新の装備に身を包んだ第6機動隊は無法集団と言うより他はなかった。今後もこのような「警備」が行われるならば、それはむしろ火に油を注ぐことにしかならないだろう。その後、許せないことに逮捕された仲間は公務執行妨害罪で起訴された。反撃を! (板)
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