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横堀団結小屋の鉄筋柱・ネット囲い込みに抗議を      かけはし2008.1.28号

成田空港会社はB滑走路着陸容量30万回計画を撤回せよ!



騒音・環境破壊
拡大の欠陥構想


 成田空港会社は、二〇一〇年三月の成田空港B滑走路供用の強行に向けて東峰地区住民に対する追い出し攻撃を強めている。その一環として昨年十二月に離着陸容量を現在の年間二十万回から三十万回に大幅に引きあげる計画を明らかにした。計画は、B滑走路からの離陸コースを東側に十五度旋回させてA滑走路のコースから離せば可能だというのだ。ところが離陸コースが東側に広がることで東峰地区および既存のコース下の騒音・環境破壊地帯に加えて成田市北部、多古町、芝山町東部など新たな地域を作り出してしまう。まさに離着陸容量増大と利益至上主義のみを優先した欠陥計画を厳しく糾弾し、ただちに撤回させるために反対運動を強化していかなければならない。

航空ビッグバン
時代への暴走

 この暴挙は、アジア国際空港競争からの遅れを取り戻し、航空規制緩和、過密運航、「手抜き」整備などの複合的要因がセットとなる事故多発必至の「航空ビッグバン」時代の突入に向けて暴走を開始したということなのだ。ところが空港会社は十二月二十六日に空港周辺の九市町で構成する「成田国際空港都市づくり推進会議」で説明会を開く予定だったが、芝山町長が「町民の理解が得られない」などを理由に欠席することになり、延期になってしまった。つまり、空港周辺自治体への根回しもそこそこにB滑走路離着陸容量三十万回計画を公表しなければならなかったところに空港会社のあせりと危機感の現れがあるのだ。とりあえず従来通りの手法で事前の根回しを行い一月中にも説明会を再開することになっている。
 だがこの事態の本質は、空港会社の民営化によって、関係自治体や地元利権集団への空港対策費と称する買収費を削減せざるをえなくなり、具体的額を提示できないことへの反発でしかない。例えば、空港会社は、国税局から昨年の税務調査で約十一億円の申告漏れを指摘され、約五億二千万円の追徴課税額を納入しなければならないほどだった。表向きの数字だが、用地買収事業にかかる約二百数十万円は「交際費に当たる」として固定資産処分の損失費用の計上は認められないと通告されるまでにしめつけられている。
 〇五年十二月、空港関連企業と空港会社幹部の談合事件が摘発され逮捕者が出たが、これは外国資本を排除した利権に満ちた組織体質が許されない状況に追い込まれていることの象徴的な事件だった。結局、〇七年予定の株式上場も延期に追い込まれてしまった。三十万回計画は、株式上場の遅れを取り戻すためのアドバルーンとしての性格もあることも注意しておかなければならない。
 すでに空港会社は、「四十カ国以上の航空会社が乗り入れ待ちという状況であり、この計画が実現すれば一気に解決に向かう」などとマスコミを動員してキャンペーンを展開している。千葉県、国交省は、騒音問題について地元との協議が必要などと飛行ルート下の住民に配慮したポーズをとりながらもB滑走路離着陸容量三十万回計画を支持しているのだ。
 国交省は、航空自由化協定の促進と二十四時間空港化を強調した「アジア・ゲートウェイ」構想を打ち出し、「戦略的新航空政策ビジョン」では成田空港平行滑走路二千五百メートル化によって発着回数を二十二万回に増やすことを強調していた。ところが、冬柴国交相は、年頭の業界紙インタビューで「いまでも三十カ国以上の国々が、増便や新規就航を待っており、焼け石に 水の状態」だと述べ、裏で空港会社の三十万回計画をバックアップしていることを明らかにするほどだ。このような政府・千葉県・空港会社が一体となった犯罪計画を暴露し、東峰地区住民をはじめ闘う三里塚農民と連帯して、計画の撤回とB滑走路供用中止の取り組みを強化していこう。

闘いの拠点を
まもりぬこう

 空港会社の暴挙は、これだけにとどまらない。暫定滑走路の北側延伸に伴う新誘導路建設のためとして「東峰の森」を破壊し、あげくのはてに暫定滑走路を南側に延長し、三千〜四千メートル級の滑走路を作ることもぶち上げた。この空港拡張・新誘導路工事強行とセットでD誘導路の整備の一環として横堀団結小屋周囲に高さ三十二メートルの鉄筋柱を十八本(一月十三日段階)を建設し、金属製ネットを張り巡らした。かつて沖縄の米軍通信施設アンテナとしてあった「象の檻」のような状態となってしまった。横堀団結小屋周囲への鉄筋柱とネット囲い込み強行を許さない。
 空港会社は、すでに団結小屋周囲を鉄板製フェンスで囲むことによって封じ込めを強化してきたが、今度は鉄筋柱とネット張りによる完全封鎖をねらったのである。しかし、横堀団結小屋、案山子亭、大鉄塔は、加瀬勉さんをはじめ断固たる空港反対派によって守り抜かれている。空港会社による直接的な破壊攻撃ができないのが現実だ。案山子亭、横堀団結小屋、大鉄塔、横堀農業研修センターなどの闘争拠点を守り抜いていこう。   (遠山裕樹)



反対同盟旗開きとスタディーツアー
東峰住民追い出し許すな 新しい闘いのスタート


 一月十三日、三里塚芝山連合空港反対同盟は、横堀研修センターで〇八年旗開きを行い、五十人が参加した。
 空港会社のB滑走路離着陸容量三十万回計画キャンペーンに抗して、反対同盟の旗開きは、「東峰住民追い出しを許さない」のスローガンをメインに掲げ、始まった。
 柳川秀夫さん(世話人)は、「昨年、上坂喜美さんが亡くなり、十二月に偲ぶ会が行われた。あらためて哀悼を表明したい。上坂さんは、全人生をかけて三里塚闘争に邁進した。上坂さんに恥じない生き方をしていきたい」と決意を述べた。
 さらに「経済が大きくなると同時に空港も発展するという考え方で生活、環境が破壊されている。成田空港が大きくなって飛行機が多く飛び便利になるという考え方に対してNOと言わなければならない」と強調した。
 平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)は、空港会社の三十万回離発着計画を糾弾した。「シンポジウム・円卓会議の歴史的経過を完全一掃しつくした暴挙だ。このような空港会社を追い詰めていく新たな決意をしなければならない」と激を飛ばした。
 労活評現闘の山崎努さんは、この間空港会社の東峰追い出し攻撃やB滑走路工事状況について報告し、「B滑走路三十万回離発着計画は、騒音問題を全く無視したズサンなものだ。こんな騒音・危険な計画は破綻する」と厳しく批判し、計画を打ち砕いていこうと訴えた。
 続いて、関西・三里塚闘争に連帯する会、東峰団結小屋維持会、空港はいらない静岡県民の会、反空港全国連絡会、高見圭司さん、たんぼくらぶ、しいたけ運動、三里塚スタディーツアー、WSFあらかわグローバルアクションなどから発言が続いた。
 最後は「団結がんばろう!」と気合いを入れ、新たな闘いのスタートを確認した。

WSFあらかわプレ企画
スタディーツアーで問題意識を深める

 旗開き終了後、参加者は、各車に分乗し、スタディーツアーがスタートした。ただちに横堀大鉄塔に移動した。移動中、十八本の巨大な鉄筋柱が大鉄塔と横堀団結小屋周囲を囲んでいる。まさに沖縄米軍通信アンテナと同様な姿が近づいてくる。まさに「象の檻」だ!
 平野さんとスタディーツアーの仲間によって、鉄塔前でコースのポイント説明などのレクチャーが始まる。他方、鉄塔に上がる仲間、鉄柱囲い込みの分析論議などが始まる。寒い強風に抗して、闘う農民像とともに怒りの拳をたたきつけていった
 東峰地区のワンパック養鶏所前に到着。平野さんから東峰の営農の歴史について、とりわけ堆肥作りや有機農法の重要性が解説される。ジェット機が暫定滑走路着陸コースを通過するたびに轟音で会話がストップする。頭上四十メートルを飛ぶジェット機の轟音を体験しながら参加者は、あらためて生存権を否定する空港会社に怒りが沸いた。
 らっきょう工場に移動。平野さんは、三里塚闘争の中から工場が生まれ、地域とともに育ってきたことを語る。レクチャー後、参加者はらっきょう・シソジュースなどを次々と購入していった
 木の根ペンションに到着。参加者は巨大空港と対峙するペンションの二階に上がる。成田空港A滑走路を見渡しながら三里塚闘争の歴史の「重さ」や「問われている課題」を検証していった。
 「三里塚と農業、入会権」をテーマにした講座が始まる。地球的課題の実験村の大野和興さんは、「解体するアジア小農世界」「グローバル化がもたらす、新しい貧困 しのびよる農業恐慌が村を覆う」をテーマに新たな貧困ネットワーク、アジア的な規模の団結の可能性を提示し、「三里塚の世界化」が進行していることを問題提起した。
 平野さんは、「新自由主義と対抗する民衆の入会権の主張は、有効な対抗戦略である」と冒頭から重要なキーワードを提示した。そのうえで東峰神社裁判の勝利的和解、東峰の森破壊と抗議裁判などを経過的に報告し、「入会」的団結とベクトルについて強調した。
 質疑応答を行い、さらに論議を深めていくために1・26あらかわへの参加、実験村の村民参加が呼びかけられた。
 最後に山崎さんから今春、東峰現地行動を行っていこうと提案が行われた。(Y)

 【訂正】前々号(1月14日号)6面「債務帳消し」記事5段小見出しから6〜11行目「公的債務」「債務国」を「公的債権」「債権国」に訂正します。


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