| JR採用差別問題の即時解決を かけはし2008.11.3号 |
雨をついて全国
から闘いの熱気
十月二十四日、日比谷野外音楽堂で「今こそ政治決断を!JR採用差別問題の解決要求実現をめざす10・24中央大集会」が開催された。雨宮処凛さん(作家)、鎌田慧さん(ルポライター)、神田香織さん(講談師)、佐高信さん(評論家)、萬井隆令さん(龍谷大学法科大学院教授)など、十人の学者・文化人の呼びかけで、主催は被解雇当事者らの当該組合・支援団体で構成する4者(国労闘争団全国連絡会議・鉄建公団訴訟原告団・鉄道運輸機構訴訟原告団・全動労争議団鉄道運輸機構訴訟原告団)、4団体(国鉄労働組合・全日本建設交運一般労働組合・国鉄闘争支援中央共闘会議・国鉄闘争共闘会議)。
当日は朝方から激しい雨が降り、集会が始まる頃には小降りとなった。そんなあいにくの天気をものともせず、北海道から九州まで全国から、何としても1047解雇問題―国鉄闘争を勝利解決に向けようとする熱気にあふれる集会となり、一万千二百人(主催者発表)が集まった。
勝利解決への
決定的局面だ
1047解雇撤回闘争はすでに二十二年の長い闘いとなっている。これまでの地を這うような闘いの積み上げによって、七月十四日、鉄建公団訴訟控訴審で、南敏文裁判長(東京高裁第17民事部)は、原告・被告双方に「ソフトランディングはできないか」と、裁判外での話し合い解決を提案した。それを受けて、七月十五日の閣議後の記者会見で、当時の冬柴国土交通相は「お受けしてその努力はすべきだ」と述べ、被告の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道運輸機構、旧国鉄清算事業団)に提案に応じるよう促すと共に「私の職権の中であれば、力いっぱい誠心誠意、解決に向かってやるべきだと思う」と、助言などを通して自ら解決に努力する姿勢を示した。
原告団は受入れを表明したが、鉄運機構側は裁判での決着を優先させる姿勢を崩さず膠着状態となっている。鉄建公団訴訟は十二月二十四日結審、来年三月あたりに高裁判決が出されるだろうと予想される。
その後、政治の世界でもめまぐるしい流動化が起きている。福田の突然の辞任と麻生政権の誕生によって国交相が三人も交代する事態となり、総選挙をめぐる駆け引きが日増しに激しさを増している。総選挙が行われ、与野党逆転もありうる政治状況と鉄建公団訴訟の高裁判決がせまってきている中で、1047解雇撤回闘争は勝利解決をつかみとる重大な局面にある。その意味で、一万人結集をめざした10・24集会が成功するかどうかは今後の闘争の大きな跳躍台となるかどうかであった。
雇用・年金・解
決金かちとる
オープニングセレモニーとして、国鉄歌声合唱団が労働歌を歌い入場してくる全国の仲間を励まし、闘う集会を盛り上げた。最初に、国労高橋伸二委員長が「高裁南裁判長のソフトランディング発言とそれを受けた冬柴国交相のリーダーシップを発揮し解決努力をするという発言があった。総団結の力でとびらを開くところまできている。ゆだんは許されないが、解決要求実現に向けて総力をあげて闘う」と主催者あいさつを行った。
次に参加した国会議員が紹介され、各党を代表して連帯あいさつが行われた。
民主党の郡司彰さん(参議院議員)が「民主党の担当窓口になっている四人のうちの一人。この問題を人権の問題としてとらえ、ひとりも路頭に迷わせてはならないと考えている。南裁判長の提案で、交渉テーブルの用意ができた。政治の世界が重要になっている。民主党として解決の努力をしたい」と語った。民主党の富岡由起夫参議院議員も参加した。
共産党の仁比聡平参議院議員が「冬柴国交相の発言はきわめて重い。具体化して踏み出すべきだ。党派を超えて共同し団結して闘う」と激励した。社民党の保坂展人衆議院議員が「京品ホテルの解雇撤回闘争の支援に行ってきた。国鉄労働者への攻撃は構造改革路線の先鞭だった。雇用の市場化、弱肉強食が行われている。国鉄闘争の勝利はこうした流れへの反撃になる。国鉄問題の解決に向けて政治決断を政府に迫っていく」と連帯のあいさつ。
続いて、二瓶久勝・国鉄闘争共闘会議議長が情勢報告を行った。
「7・14南裁判長による和解提案があり、新しい局面をつくった。鉄運機構は和解を拒否するような動きだ。政治も一時的にストップしている。しかし、公明党が党内に対応委員会を設置した。総選挙があり、鉄建公団訴訟の判決が来年三月にも予想される。大衆行動、裁判行動の両方をぎりぎりまで盛り上げ、政治解決に持ち込み、雇用・年金・解決金の三点を勝ちとる」。
次に、フォーラム・平和・人権・環境の福山事務局長、全労連大黒議長、全労協藤崎議長がそれぞれ決意表明した。続いて、呼びかけ人のうちの神田香織さん(講談師)、芹澤寿良さん(高知短期大学名誉教授)ら五人が壇上に並び、代表して鎌田慧さんがあいさつした(別掲)。
いよいよ当事者として、酒井直昭さん(鉄建公団訴訟原告団団長)が登壇し決意表明した。
「北海道や九州から上京した家族が何としても鉄運機構へ申し入れをしたいということで『闘いはやめられない、一日も早い決断を』と申し入れを行った。総選挙で政治は動かなくなっているが、もう一度国交相の発言を追求したい。10・24に向けて全国九十カ所で集会を行い、一万二千人が参加した。一万人集会と銘打ったが、すでに一万人を超えて支援してもらっている。四者・四団体は団結し、三つの要求の実現に向けてしっかり闘いたい」。国労博多闘争団・家族の柳瀬つる代さんが「すでに四十九人の仲間が亡くなり、病気で闘っている人もいる。一日も早い納得いく解決をしたい」と訴えた。
集会アピールの採択後、佐藤陵一さん(全建労委員長)が「外にもたくさん人がいる。参加者は一万千二百人、カンパは集計中だが八十二万円集まり、集会は大成功した。世論を喚起し大衆行動を闘っていこう」と閉会のあいさつを行った。参加者は銀座に向けてデモを行い、1047解雇問題の解決をアピールした。
中核派の妨害
は許されない
なお、この集会に向けて、中核派は機関紙で、四者・四団体路線は屈服の道であり、動労千葉の排除だとして、「ワーカーズアクションの怒りの炎で10・24集会を焼き尽くし、いざ11・2へ」(「前進」9月15日号)などと激しい調子で、集会妨害を宣言していた。都内のいくつかの支援集会に参加して、発言者に野次を飛ばすなどの妨害を繰り返した。主催者は集会場入り口で、妨害する人の参加を断ること、集会中にも野次などで妨害をしないことを訴えていた。しかし、中核派は二瓶議長の発言に対して野次を飛ばして集会を妨害しようとしたが、主催者による妨害をやめるようにという呼びかけと行動によって、混乱なく集会を終えた。「お互いを尊重して妨害行動はしない」という共同行動の原則が重要なことを知らしめるものであった。(M)
鎌田慧さんのあいさつから
壁をこじ開ける闘いが実を結ぼうとしている
二十二年前の三月、抗議集会が開かれた時、私は国鉄労働者が国益の犠牲になったと思い、1047人の解雇を止められなかった闘う側の弱さをひしひしと感じた。解雇された労働者は「日本の民主主義のために闘う」と言っていた。国鉄労働者は歯をくいしばって闘った。国鉄労働者に感謝したい。
不当労働行為が日本列島をおおうようになった。国鉄労働者の闘いはこうしたことに対して壁をこじ開けようとしている。分裂を克服し、再出発した。それがようやく実を結ぼうとしている。派遣労働者を含めた非正規労働者が合わせて労働人口の三分の一、千五百万人に達している。この事態をやめさせるための当たり前の労働運動を獲得しようとする合図だ。「抵抗なくして安全なし」は三池闘争のスローガンだった。くしくもそれを証明したのがJR尼崎事故だった。「JRに人権を!」とする新聞広告を出した。
来る総選挙に野党共闘で政権を奪取する。新しい時代を切り拓こう。労働者が幸せになるような社会をつくろう。(発言要旨、文責編集部)
京品ホテルの自主営業・再建の闘いを支援しよう
「ハゲタカ」に職場を売り渡すな。経営破綻のツケを労働者にまわすな!
品川駅の高輪口を下りてすぐ、第一京浜の横断歩道を渡ったところに古いホテルがあることをご存じの方も多いと思う。京品ホテル。もともと江戸時代の東海道品川宿の旅籠から始まり、一八七一年(明治4年)にホテルとして創業したという老舗だ。「文明開化」の時代から営業してきたこのホテルで、いま注目すべき労働者の闘いが繰り広げられている。
きっかけは今年の五月初め、東京ユニオン京品支部との団体交渉で、京品ホテルの小林誠社長が「十月二十日で百数十人の従業員を全員解雇し、京品ホテルを廃業するから土地と建物を売却する」と突然通告したことにある。労働者にとっては「寝耳に水」の不意打ちだった。
小林社長は無責任な放漫経営によって借金につぐ借金を重ね、六十億円もの債務を負っていた。その債権を買い集めていたのが最近破綻したばかりの米国リーマン・ブラザーズ系のファンド会社であるサンライズファイナンスだった。サンライズファイナンスは、債権の回収のため「京品ホテルの廃業と従業員の全員解雇」を条件に、京品ホテルと土地と建物を売却することで、小林誠社長と地権者の間で合意を取り付けたのだという。
ホテルの営業自体は、年間七〜八千万円の利益を出していた。しかしその利益は、すべてサンライズファイナンスに利息として支払ったという。会社の放漫経営で借金を積み重ね、その債権を「ハゲタカファンド」に安値で回収されて売りにだされる、という構図だ。しかしこのサンライズファイナンス自身、リーマン・ブラザーズの破綻によって九月に民事再生法の適用を申請した。
東京ユニオンは、京品ホテルとすべての債権を握るサンライズファイナンスを相手どり不当労働行為への救済申し立てを行った。さらに「廃業・解雇実施日」の十月二十日には小林誠社長と断続的に団体交渉を行ったが、小林社長は「十月三十日までの営業と雇用を継続せよ」という組合側の申し入れを全面拒否し、交渉は決裂した。翌十月二十一日、組合員二十四人の地位保全と判決確定までの賃金支払いを求める仮処分を東京地裁に申請するとともに、組合側はホテル部門とホテル内の飲食店の自主営業・再建の闘いに踏み出した。京品ホテルを債権者側に引き渡すという「約束日」の十一月一日に向けて闘いは決定的局面を迎えている。
全国ユニオン、東京ユニオンをはじめ、支援の組合員は泊り込みで京品支部組合員と共に職場防衛・自主営業の闘いに立ち上がっている。この闘いは、金融恐慌の責任を労働者に押しつける悪辣な資本の攻撃に対する反撃だ。職場と生活を守るギリギリの闘いに注目し、支援の輪を広げよう。不当労働行為を許さず、営業継続を勝ち取ろう。(K)
(以上の記事は、「全国ユニオン通信」、東京ユニオン京品支部のチラシなどからまとめました。)
京品ホテルの存続
を求める要請書
京品ホテルの経営者小林誠社長は長年の放漫経営の結果、60億円以上の債務を負っているとのことです。従業員には、事前に何の話も無く、労働組合を作って交渉を申し入れたところ、本年5月8日、いきなり「従業員を全員解雇しホテルを廃業することで債権者・地権者との間で合意した」と告げられたのです。
京品ホテルはここ2年くらいホテルの営業も好調で、営業利益も1億円以上出ていたと聞きました。毎日、一生懸命働いて利益を上げてきたのは、従業員です。従業員の権利を全く考えないで、経営者と債権者と地権者だけで勝手に決めて、ホテルの廃業と従業員の全員解雇を強行することは許されません。
京品実業株式会社及び債権者サンライズファイナンス株式会社は、こんな滅茶苦茶な決定を撤回し、労働組合と誠実に話し合って問題を解決すべきです。
私達は、ホテルと各店舗の営業の存続と従業員全員解雇の撤回を求めます。
京品争議へのカンパは、以下の郵便口座にお願いいたします。
00140=3=195908 名義人 東京ユニオン 通信蘭に「京品争議カンパ」と記載してください。
b署名は、東京ユニオンへ! 〒160―0023 新宿区西新宿7―22―18 オフィスKビル1F電話:03(5338)1266 FAX:03(5338)1267
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