| 「とめよう改憲! おおさかネット」 かけはし2008.11.24号 |
「武力で平和はつくれない!」
靖国派・麻生政権をお払い箱に |
【大阪】十一月三日、とめよう改憲!おおさかネットワーク主催の「11・3憲法のつどい 武力で平和はつくれない!」集会が大阪市中央区民センターで開かれ、二百人が参加した。
多極化する世界
日本の対米追随
主催者を代表して中北龍太郎さんがあいさつし、「麻生首相は、小泉・安倍・福田と歴代の政権がとってきた改憲路線のもとに派兵恒久法づくりを画策している。彼は日本がダメになったのは憲法のせいだという改憲論者だ。まず、給油法延長案をとおし、集団的自衛権を行使できるようにして、海外派兵をすることを考えている。9条がターゲットになっていることは明白だ。米国の一極支配は崩れてきて、世界は多極化の動きが進んでいるが、日本は戦争をする国づくりをすすめ、米国のみに追随している。私たちはこのような中にあって、九条を活かしていく運動を広めていこう」と述べた。
続いて澤野義一さん(大阪経済法科大教授)が「麻生政権と改憲について」と題して報告をした。
小泉政権以来、麻生自身もかかわって遂行してきた新自由主義的構造改革への責任を棚上げにして、選挙対策のバラマキ的積極財政を進めようとしている。それはグローバル資本を救済することが主であり国民の生活を豊にすること(生存権や労働権保障)には直結しない。
このような経済問題に隠れて憲法問題は目だって論議されていない。しかし、喫緊の問題としては、海外派兵法である新テロ対策特別措置法延長案を国際公約として成立させようとしている。インド洋に派兵されている海上自衛隊を給油に限定しない外国艦船防衛などに使うこと、あるいは恒久派兵法の制定なども提言している。麻生内閣には、自民党の恒久派兵法案づくりにかかわってきた石破(農水)や浜田(防衛)大臣が入っていることも要注意だ。
麻生政権の延命
はきわめて危険
麻生は国連総会演説後、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認すべきだとの考えを述べ(9月26日)、中山太郎自民党憲法審議会会長らと会談し、国会の憲法審査会を早く動かしてほしいと指示している(9月30日)。政権が持続すると、安倍内閣で検討された集団的自衛権の見直し報告書が再度注目されることになるかもしれない。
麻生の安全保障論は「自由と繁栄の弧」に重点をおく外交政策とも結びついているが、テロや地域紛争に関与していく偏狭な政策だ。
麻生の憲法観は、戦後憲法体制からの脱却を唱えた安倍の見解に近く、明治憲法との連続史観も見られる。靖国神社については、これを国営化し天皇の親拝を実現したいとする考えをもっている。朝鮮植民地時代の創氏改名強制の事実も否定している。ともかく、改憲派・靖国派大臣が多数を占める麻生政権を長続きさせることは危険である。民主党の恒久派兵法容認論にも要注意だ。
アフガン戦争へ
の協力許さない
この後、服部良一さん(山内徳信さん秘書)が新テロ対策特別措置法延長案問題で急きょ特別報告をした。「遅まきながら参議院外交防衛委員会での論議が始まった。中村哲さん(ペシャワールの会現地)の参考人招致も決まった。七月に政府・外務省はアフガン現地調査をしその報告書をつくったが、参議院が提出するよう要求しても提出しない。米国からはアフガンに自衛隊ヘリを派遣し負傷兵を救出してくれとの要請がきたが、陸上自衛隊は断った。輸送機の派遣要請も断った。そこで米国は、五年間で二兆円の資金を出せと要求しており、政府はすでに四百億円は補正予算にのせる予定にしている」。
「十月二十五日、米空軍所属のレジャー用セスナ機が名護市のキビ畑に墜落した件で、日本警察の機体差し押さえを米軍が拒否し基地に持ちかえった。公務外の事件については日本に捜査権・第一次裁判権があるはずだが、一九五三年の密約で日本はこれを放棄し、現在も米軍の同意がない限りそれはできないという地位協定の問題がある」。
そんなに戦争
がしたいのか
ここで、さんぴん娘の唄と演奏にうつり、しばし沖縄の音楽に聞き入った。そして、最後に石坂 啓さん(漫画家)の「そんなに戦争がしたいのか」と題する講演。講演は広い分野に及んだ。
「今、若い夫婦が一人は子どもを産んでも、二人目は産まない、産めるような社会環境ではないからだ。自衛隊のことは以前は子どもに説明できたが、イラク派兵のことは説明が出来ない。この年が戦争元年だった、日本は曲がり角を曲がってしまった、戦後七十年はこないかもしれない」。
「遠くで戦争があり、人が死んでいく。このことを自分に引き寄せて考えられるかどうかだ。イラク武装グループに香田さんが拉致されたとき、小泉首相はテロに屈しないと言った。これでは殺されてもかまわないと言っているようなものだ。交渉人という映画があったが、交渉するときは『ノー』という言葉は禁句なのだ。香田さんは結局殺されたが、彼のお父さんは息子を救ってくれとも言えず、殺されてもお世話になりありがとうとまで言った。現在は、安心して子供を産める状況ではない。貧困層には国にたてつく気力も金力もない。このことが為政者には都合がいい。戦争するには敵が必要だ。敵をつくり、その敵に向かって戦う。9条変えたら、もう待ったなしだ」。
また、東京都の卒業式での君が代のことに話が及び、「今は音量チェックまでやっている。指が三本入る大きさまで口を開け、どこそこまで聞こえる音量で。養護学校(特別支援学校)では、式の途中トイレに行くことは認めない。おむつを着用させるように指示しているという。ここまでやりますか?これでは漫画家の上を行っている。式場の暗幕に白い紙の鳥を貼って飾ったら、ダメと言われた。理由を聞くと平和を連想させるから(笑い)。あるところでは、座ることが出来ないように椅子を使わない」と、あきれて笑うしかない程に進んでいく管理強化の状況を話した。
日の丸が温泉マークで国歌が「いい湯だな」だったら歌うけどとジョークも。安倍首相については、「短期間だったが、好き勝手にやった。彼は戦後生まれの人のことを(自分も戦後生まれなのに)、個人が肥大化して、中身はブヨブヨ、そして恐ろしく画一的だと分析、なぜこんなになったのか、それは戦後六十年間一度も戦争がなかったからだと言い、これからは汗だけではなく血を流すことを若者に期待したい、とまでいいました」と語った。
また、石坂さんは選挙前の政府の環境キャンペーンの新聞広告を見せた。そこには、立って電球をもっている安倍首相とソファーに座っている彼の妻だけの写真が一面を飾っていて、電球から日本を明るくしようというメッセージが載っている。このキャンペーンに使われた八十三億円のほとんどは電通に入っている。安倍という人の思考の浅さ・単純さを示すエピソードだ。
護憲のための
ドブ板活動を
ここで突然話が変わり、大阪の友人も来ているのでと辻元清美さん(社民党衆議院議員)を紹介。
辻元さんは、憲法調査会の時の苦労話をして、「国民投票法が成立した現在でもまだ憲法審査会は立ち上がっていない。しかし三年後は改憲の発議が出来るから、あと一年半たったら危険水域に入る。次の衆院選挙で自民・民主いずれも過半数をとれないときは大連立になる可能性もある。そうなるのが一番怖い。そうならないようにがんばり、改憲の動きを衆議院で止めるため、投票法一括廃止法案を出したい」と語り、護憲運動のどぶ板をやるつもりだと決意をのべ、皆さんも周りの十人を護憲に獲得するようにがんばってほしいと述べた。
最後に、ふたたび石坂さんは、「昔は慰安婦の漫画をかいた。それを本にして出版するとき、軍人が少女に暴力をふるう場面を書き換えて、軍人ではなく民間人にしてくれと頼まれた。それは新しい歴史教科書をつくる会ができた頃のことで、読者からクレームがついたからという理由だった。昔あった漫画が消えていく。どういう漫画が消えているのかについても注意を払ってほしい。戦後六十三年ということは、六十三歳以下の人は戦争を知らない人たちです。だからそれよりも年配の人は、ぜひ長生きして戦争のことを語り継いでほしい」と述べた。
集会の最後に、来年五月三日毎日新聞大阪本社版にのせる改憲反対の意見広告運動への賛同の呼びかけがあった。 (T・T)
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