| 10・19「反貧困」大集会--分科会討論
A かけはし2008.11.10号 |
住まいは普遍的な人権だどんな差別も許されない
「住まい」分科会 連帯保証人制度なんかいらない |
分科会の趣旨は次のようなものである。
「住まいは普遍的な人権であり、生存にとって必要不可欠なものであり、その権利は、社会的身分がどうあれ、国籍・宗教・性別・収入・家族関係などによって、いかなる差別による侵害も許されるべきではない」。
「安定した住まいを確保できない者は、ハウジングプアともいうべき貧困層であり、生活の拠点となる住まいの問題は生存の問題に直結する」。
賃貸住宅を借りる際に必要な保証人、住み込みに典型的な労働と住まいの連動、いわゆる門前払いといわれる居住差別、居住権を保障するに満たない生活保護行政、住まいを不安定にさせる定期借家制度などについて、それぞれ提起者が問題点を明らかにした。
ハウジングプア
が生み出された
土田政彦さん(スマイルサービス事件裁判原告)が「派遣で十カ月働いたが止めざるをえなくなり、寮を追い出された。蓄えがなかったので、敷金・礼金ゼロの物件を探した。スマイルサービスという不動産屋が三万円で斡旋してくれた。給与が一カ月遅れたので、家賃の支払いが遅れた。すると家賃の一〇%の違約金を取られた。一年七カ月で十四回ほどになった。夜、家に帰ると鍵が開かない。勝手にスマイルサービスによって鍵を交換された。さらに、ひどいのは無断で家に入られたことだ。こんなひどい人権侵害をない。カネを返すこと、謝罪をすること、社会的責任をまっとうすることを求めて十月八日、提訴した」と報告した。
「ホームレス地域生活移行支援事業裁判」を行っている人が、「二〇〇四年に東京都・区の共同による『ホームレス対策』の一つとして始まったホームレス地域生活移行支援事業。民間アパートなどの『借上げ住居を二年間(更新あり)低家賃での貸付を行う』というものだ。これまでこの制度を千五百人以上が利用している。ところが賃貸契約が『定期借家契約』だった。この契約は住んでいる人の意向に関係なく、契約期間の満了をもって自動的に終了という、借りる側の居住権が制約されるものだ。これはおかしいと、東京都を相手に裁判を起こしている。こうした運動の結果、契約期間満了をもっての退去強制は今のところ行われていないようだ」と裁判の提訴について語った。
細谷紫朗さん(東京都借地借家人組合連合会)が、「二〇〇〇年三月、政府与党は経団連といっしょに なって、『都市再開発を促進する』という名目で、定期借家制度の見直しと借地借家法の改悪が行われた。それは@賃貸契約の期間満了で無条件の明け渡しA貸主の都合で更新拒絶も契約解除も自由B住み続けたいなら家賃の値上げC貸主だけが有利になる――であった。国と東京都の住宅政策はひどいもので、新規都営住宅建設はここ何年もゼロであり、国の公営住宅は次々と民営化されている。こうしたことが貧困ビジネスを横行させ、借家人を追い出している」と、小泉構造改革による規制緩和が住宅からの追い出しの原因の一つであることを明らかにした。
戸舘圭之さん(弁護士、スマイルサービス被害対策弁護団事務局長)が、「悪徳不動産屋が定期借家制度を利用し始めている。普通に借りて問題がないと、いっさい定期借家制度について説明もすることなく、更新が切れると追い出される。荷物を捨てられる、勝手に家に入られプライバシーを侵害される。その結果心に傷を残す人もいる。家賃滞納の恐怖に落としこめられる。そして、文句を言えば、自己責任論で切り捨てられる。こんなひどい状況と闘わなければならない」と訴えた。
困難につけ込む
貧困ビジネス
車椅子を利用している障がい者は、「地域で生活がしたいとアパートを借りようとした。しかし、二十件探しても断られた。最初の壁は@大家A生活保護を受けていることについての無理解B保証人が親でないとだめだというものだ。それと車椅子でも住めるように住宅改善や家賃が保護費からの支給額を超えてしまうことなどさまざまだ。それでも、障がい者ができないことは恥ずかしいことではなく、ヘルパーに頼めばよいことだ。生まれてきたありのままで生活できるようにしたい。自己主張しないと何も始まらない」と障がい者が民間アパートを借りて、当たり前に生活をするにあたっての困難な状況を説明した。
鈴木俊志さん(国内保証援助会被害者、なかまユニオン)が「精神障がい者の場合、本人同意なしに強制収用できる。ひどい人になると二十年も五十年も病院に入れられる人がいる。一般のアパートを借りるというグループホームをやっている。長く入院している人が多いので全く身寄りがない人がほとんど。保証人がいない。精神科に通っていると伝えると偏見・差別によって断られる場合が多い。保証人がなくても部屋を貸せ」と訴えた。
あるシングルマザーは「今まで四回引っ越した。二カ月で仕事を解雇され、うつ病になった。生活保護を受けたら、なかば強制的に民間住宅から母子寮に入れられた。そこは児童館のような作りで、門限が午後十時だったり、呼び出しのみの電話であったり、シャワーを使う時間まで制限された。ここを出て自分で民間住宅を借りた。後で聞けば、ケースワーカーの都合で住宅の選択を奪われていた」と福祉行政の問題を痛切に批判した。
このほか、家賃滞納に対して保証会社が代行して支払いを行い、居住者に取り立てる保証代行業者が横行している。これがまたホームレス化に拍車をかけているとの指摘もあった。このほか、外国人労働者が不当解雇され、アパートから追い出されそうになったことの報告もあった。貧困化問題が住宅確保を困難に、さらに貧困ビジネスがこんなところにも入り込み、さらに住む権利を奪っていることをまざまざと実感させる分科会となった。定期借家制度を廃止させよう。連帯保証人制度はいらない。公営住宅の大量建設を。(M)
平和憲法を守る荒川の会・学習会
「米国の支配からぬけ出すLA」太田昌国さん講演
【東京東部】十月二十四日、東京・荒川区の町屋文化センターで、「平和を求めて自立するラテンアメリカ地域」と題する学習集会があった。この地域で活動する「平和憲法を守る荒川の会」が定例学習会として開催。講師に太田昌国さん(現代企画室編集長)を招き、広く参加を呼びかけた。
司会の中澤譲さんのあいさつの後、さっそく講義が始まった。太田さんは冒頭、日本国憲法が作られた過程に触れた。それはアジア太平洋戦争との関係、そしてアメリカの強固な意思によるという側面を、どうしても否定できないと指摘。
一四九二年のコロンブスによるアメリカの「発見」=征服と植民地政策の歴史を、「世界史的な規模で大きな影響を与え、歴史に後遺症を残すできごと」と確認。一九五九年のキューバ革命の意義について、「大国の大陸支配を脅かす小国のたたかい」であると戦後史のなかに位置づけ、米国・CIAの執拗な反革命策動を暴き、反キューバ軍事政権や、新自由主義的経済理論の細部にまで言及した。
一九八〇年前後の軍事政権下における民主化運動の活力は、多国籍企業のもくろみを破産させた。米国の一極支配に従属しない、自立した政権を誕生させた。とりわけコスタリカ共和国の憲法にある「常備軍廃止」の規定と「永世中立国宣言」は、内戦諸国の和平協定締結に重要な役割を果たしたと解説。
太田さんは最後に、「南米の世界は、外部に膨張しようとはしない。一部の地域間で平和に暮らそうとする理念を持っている。そしてそれは『まず憲法ありき』で生まれたわけではない」。「不信と敵対の言葉ではなく、連帯と相互扶助を語るべきだ」と締めくくった。
質疑応答では、カストロについて、現在のキューバとロシアの関係について、グアンタナモ基地の問題についてなどが、真剣に話された。
約二十人の参加者は、二時間におよぶ太田さんの講演に最後まで集中し、熱心にメモを取っていた。多くの仲間が二次会に流れ、深夜まで交流を深めていた。 (S)
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