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                          かけはし2002.7.8号より

横浜市議会の暴挙を糾弾する

議場への「日の丸」掲揚に反対した2人の市議を除名


 横浜市議会は、六月二十五日の本会議で「市民の党」の井上さくら、与那原寛子両市議の除名処分を可決した。同議会は、自民党の提案によって急きょ五月二十九日の本会議から「日の丸」掲揚が強行され、議長らとの話し合いを求めて議長席に座り込んだ(6月5日)行為などを「議場を混乱させ、議会制民主主義の品位を著しく失墜させた」などの理由をつけて自民・民主・公明などの賛成多数で除名を可決した。「日の丸」掲揚に対しても反対意見を表明していた共産、神奈川ネットは「議長席を占拠」したことについての処分は必要だとしながらも、除名処分には反対した。議員の除名は政令指定都市では初めてのことで、全国でも極めてまれであるという。
 今回の事態で特徴的なのは、「自分の国旗を尊敬できなければ世界の国旗を尊敬できない」「沖縄、広島、長崎でも実施されているからむしろ遅きに失した」などの暴論によって、日の丸の強制を拒否する意見の圧殺がワールドカップの力を借りて行われたということである。五月十日に議運で提案されて二十二日の議運で掲揚が「決定」され、二十九日の中田市長の施政方針演説に合せて本会議での掲揚が強行されたのである。これに対し、議運では「非交渉会派である」という理由で両議員の発言は認められず、二十九日には「日の丸」のポールに手をかけた井上議員が日の丸を護衛する市職員に暴力的に排除されてケガを負うという事態になった。こういった排除を許し、少数意見を受け付けないで掲揚を強行する議事運営について、議長などに回答を求めて座り込んだことが「暴力的な占拠」だとされているのである。
 しかし、実際には座り込む両議員に対し議長以下、どの議員も二人を五時間以上放置していたことから、初めから「日の丸」強制に反対する議員の処分が目論まれていたと考えられる。そして、もしこれが、より「暴力的な」占拠であったとしても、「日の丸」掲揚「可決」とセットで少数会派の発言時間の制限を「可決」するなど、おざなりな議事運営の責任を棚上げにして、「有権者」の付託を受けた議員から、こう簡単に資格をはく奪する暴挙を許す理由にはならない。
 かの鈴木宗男議員でさえ、比較にならないほどの厳密な手続きを踏んでいる。この「行為自体」について共産党議員団も「多数党の横暴を非難することとは別に、批判的に対応する」という声明をわざわざ出したが、二議員への批判よりむしろ、二十九日の本会議で共産党議員が掲揚について発した反対意見が議事録から削除されたことについての徹底的な抗議こそが先決なのではないか。
 議会内外が全体的に右傾化する危険な兆候が現れている。そしてこの右傾化は具体的に中田市長の「有事法制待望」発言とワールドカップ開催をテコにした野宿者排除などに具体的に現れているのである。庁舎に万国旗を飾っている横浜市は、決勝戦の日に天皇を迎えるということもあってか、障害物の設置、通路の封鎖、簡易宿泊所への収容などさまざまな追い出しを積極的に行った。「日の丸」の強制には具体的な人権の制限が伴うのである。
 市議会に対しては、二十四日には全国の六十八人の議員が除名処分を行わないよう要請書を出し、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会なども抗議・要請行動をおこしている。またメデアにおいても「地方議会史に汚点を残した」(北海道新聞社説6月26日)など当然の批判が展開されている。処分を受けた両議員は,神奈川県知事に対し「審決」申し立てなどで処分の不当性を争うために弁護団を組んで準備をしている。今回の暴挙を許さないためにまず、神奈川県知事へ処分取り消しの要請を、横浜市議会に抗議をぶつけていこう。        (海田)

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